黒崎一護 異世界へ   作:妃宮千早

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第17話

「おい、簪、そろそろ起きろよ。」

 

「う、うぅ…。起きたー…。」

 

「お、珍しいじゃねぇか。一発で起きるなんてよ。」

 

「…流石に、タッグマッチの日に寝坊なんてしない…。」

 

「そんならちゃっちゃと着替えて飯食いに行くぞ。」

 

「…うん、分かった…。」

 

そうして2人は食堂へ行き、朝食を済ませ、タッグマッチのトーナメント表発表の為の集会に出た。

 

「それでは、トーナメント表を発表します!」

 

舞台上の楯無の声が響き、モニターにトーナメント表が映し出される。

 

「っ!!」

 

「こうなったか…。」

 

更識楯無&織斑一夏 対 更識簪&黒崎一護

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「簪、大丈夫か?」

 

「一護…。うん…平気。」

 

「なら良いんだけどよ…。あと30分か。ちょっと出てくる。」

 

「ん…。わかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「平子、どうだ?」

 

「敵さん、恐らくこのタイミングで来るはずや。警戒しとき。一護。」

 

「あぁ、わかってる。」

 

ドカァァン!!!!!

 

「チッ!!始まる前かよっ!」

 

「相変わらず敵さん、霊圧感じにくいわ。行くで!一護!」

 

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楯無さん!虚ですか!?」

 

「一夏くん。恐らくそうだわ。」

 

『全専用機持ち達に通達する。』

 

「千冬姉!!」

 

『この通信は虚の事を知る者にしか送っていない。よって指示を言い渡す。敵の虚のISを6機確認。各専用機持ちたちは、2人一組で行動し、2対1の状況をつくり敵を撃破せよ。』

 

「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」

 

『今回は私と山田先生も出る。それによりこれからは指示は出せない。自分で考えて動け。お前たち……勝てよ。』

 

プツン

 

通信が切れ、それぞれが覚悟を決めた。

 

楯無&一夏

 

「よし!行くわよ一夏くん!」

 

「はい!更識さん!」

 

セシリア&ラウラ

 

「行きましょう!ラウラさん!」

 

「あぁ、全部倒すぞ!」

 

シャルロット&箒

 

「箒は前衛を!僕がカバーするよ!」

 

「任せたぞ!」

 

鈴音&簪

 

「行くわよ!そこのアンタ!」

 

「は、はい!!」

 

それぞれが空を飛んでいる虚の仮面を被ったISに向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

「サテ、君達2人ニハ、ココデ眠ッテ貰オウカ。」

 

「なん…だと……。」

 

一護は背中を刺され前に倒れ、平子はギリギリ攻撃をかわす。

 

「一護!!クッ!馬鹿な!霊圧を微塵も感じなかったやと!!ありえへん!なんでや!?」

 

「アマリ喚カナイデクレ給エ。コノ腕輪ノ効果ダヨ。コレハ霊圧ノ遮断機ダ。」

 

「まぁええ…。いくらお前でも、俺に1人で勝てると思うてんのか?」

 

「オータム ノ機体ニハ、カメラヲ搭載シテイテネ。君ガ完璧二虚化ガ出来ル事ナド予測ガツイテイル。」

 

「なら、なんで1人で来たんや。」

 

「イツ、私ガ1人デ来タ等ト言ッタノカネ?来イ!オ前達!」

 

すると、金髪の蠍を模した仮面を付けた女性と兎ヲ模した仮面付けた女性2人が現れた。

 

「彼女達ノ名前ハ、金髪ノ女ガ、スコール。ソシテ、モウ1人ガ篠ノ之束ダヨ。」

 

「っ!!?もう捕まっとったんか…。クッ!あの2人の霊圧…。ギリギリアジューカスにおさまっとるが…。他の所はアジューカスレベルか、嬢ちゃん達には荷が重いやろ…。せやかてこっちも3人相手は拙いわ…。」

 

「サテ…コレデ形勢逆転ダネ。行クゾ!!」

 

3人は平子へと斬りかかる。

 

(マユリの攻撃は一太刀も受けられん!あいつの攻撃は躱して他の奴は刀で受ける他ない。1人ずつ、確実に潰していくしか…。)

 

平子はマユリの攻撃を躱し2人の攻撃を逸らす。しかし流石に3対1では分が悪く、束の蹴りを喰らい吹き飛ぶ。

 

「グッ!!くそ…。このままじゃ…。」

 

「サテ、ソロソロ幕引キト行クヨ。」

 

「しゃあないわ…コレ、そんなにホイホイ使いたなかったんやけど。」

 

平子は左手を顔に持っていく。

 

「これが本物の………虚化ヤ。」

 

「グッ!拙イネ…。スコール!ココハオ前ニ任セルヨ!来イ!束!」

 

マユリと束はその場を去った。

 

「逃シタカ…。シャアナイワ。マァ、サッサト倒シテ、一護治セバエエカ。ホナ、行クデ。アンタ強ソウヤカラ…加減ハ無シヤ。」

 

その習慣平子の体がブレ、スコールの腹を横に斬る。しかしスコールは半歩後ろへ体を傾けて躱し、平子に蹴りを放つ。平子はそれを左手で掴み、足を斬り落とし、スコールを蹴り飛ばした。

 

「呆気ナイモンヤナ…。まぁええわ。それより一護の治療をせな。」

 

平子は仮面を破棄し、一護の元へ向かう。

 

「おい、一護。大丈夫か?」

 

「あ、あぁ…。悪い…。」

 

「心配すな。お前はまだ毒にやられてからそないに時間はたってへん。数分で薬が効くはずや。」

 

「あぁ、っ!!平子!」

 

「なんや!?」

 

2人が突然高まる霊圧を感じ、そちらを向くと、スコールが片足で立っていた。

 

「なんや?もう終わりやで、姉ちゃん。」

 

平子の言葉に反応せず、スコールはそのまま霊圧をあげて、言葉を紡ぐ。

 

突き抜けろ 黄金忌毒蠍≪エスコルピオン≫

 

スコールを中心に風が吹き荒れ、スコール腰からはサソリの尾が出てきて、仮面が頭全体を覆い、両手が鋏となり、切り落とした筈の足が再び生えた。

 

「帰刃だと…。」

 

「動けるか?一護。」

 

「あぁ、なんとかな…。」

 

「よし、なら一護。ここは任せてお前は外の連中助けたれ。」

 

「平子…。わかった。」

 

一護は瞬歩で皆を助けに行った。残った平子は再び仮面を被り直し、スコールと向かい合った。

 

「チッ。超速再生モアルンカイ。難儀ナヤッチャナァ…。アンマリ時間ハ掛ケラレンカラ、初ッ端カラ飛バシテ行クデ!!」

 

平子は右手を前に掲げ、そこに霊圧を収束させる。

 

虚閃

 

濃く紅い閃光が煌めき爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぁ!!」

 

「一夏くん!!」

 

一夏は相手のISに殴り飛ばされ、壁に激突する。楯無は相手のISの背後をとりランスを横に払い吹き飛ばし、地面に激突させる。

 

「大丈夫!?」

 

「大丈夫です…。それよりも…。」

 

「えぇ、少し厳しいわね…。一夏くん、零落白夜は?」

 

「次で決められなかったら…。」

 

「そう…。」

 

(拙いわね…。まだどこも倒したという報告はない…。

という事は、私達のところと同じ様にジリ貧状態に陥っている可能性が高い…。

長期戦を仕掛けられるのは今現在の戦力では燃費の良い甲龍と、絢爛舞踏のある紅椿…。

なら、箒ちゃんと合流して一夏くんの白式のエネルギーを補充して戦うのが理想。だけどもし、箒ちゃんのペアが簪ちゃんだったら、エネルギー供給の時間を稼げるかは半々…。

簪ちゃんの能力は高いけど、経験が少なすぎる…。

かといって通信に気を割く余裕もない。

一護くんや平子くんの援軍を待つのが一番の安全策、ただ、援軍が遅すぎる。

あの二人ならこの敵程度なら瞬殺のはず…それを考えるとあの虚の人と戦ってる可能性が高い。

なら…あれしかない…。)

 

「更識さん、ここはやっぱり俺の零落白夜で…。」

 

「ダメよ、外した場合貴方も私もジ・エンドよ。」

 

「でも、それ以外に手が…。」

 

「お姉さんに任せなさい。私の必殺技を使うから。」

 

「必殺技?」

 

「えぇだから隙を作って頂戴。」

 

「分かりました!」

 

地面から上がってきたISに向かって一夏は斬りかかる。相手のISはそれを受け止め蹴りを放つ。

 

「グハァ!!!」

 

一夏の腹に蹴りが入るが一夏はそれを掴み、そのまま地面へと向かい相手と共に地面へと激突し、地面で相手のISを押さえつける。

 

「ガハッ!!!た…更識さん……は…やく…!!!」

 

「一夏くん絶対に死なないでね!!ハアァァ!!!!」

 

ガツン!

 

「クッ…刺さらない…。仕方ないわ。ミストルテインの槍…発動!!!!!!!!」

 

楯無が起こした大爆発は敵と共に一夏と楯無を巻き込んだ。

 

「更…識…さん……。」

 

「……。」

 

一夏は瓦礫の山の上で血を流してうつ伏せになって倒れている楯無に声をかけるが、返事は返ってこなかった。

一夏は無理矢理起き上がり、楯無のところへ血をそこら中から流しながら足を引きずって歩いていく。

すると、視界の端で赤い光を察知し、そちらへと目を向ける。

 

「嘘…だろ……。」

 

そこには無傷で先ほどのISが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒とシャルロットは大きい爆破音と振動を感じ、敵を吹き飛ばしてからモニターで確認をした。

 

「箒…これ……。」

 

「一夏……。シャルロット!早く助けに行かねば!!!」

 

「待って!!今僕たち2人が行ったらコイツも連れて行くことになっちゃうよ!そうなったら、怪我人を抱えて2対2をすることになる。それはダメだ。」

 

「だったらどうすれば!!!」

 

「だから先に行って。」

 

「シャルロット…。」

 

「大丈夫。僕はフランスの代表候補生だよ?こんなところで負けないよ。」

 

「わかった…。紅椿ならスピードで逃げきれるはずだ…。二人を安全なところへ連れたらすぐに戻る。」

 

箒はそう言いその場を離れた。

 

「参ったな…。あんなこと言っちゃったけど…もうシールドもそんなに余裕ないや……。アハハ……。僕、ここで死ぬのかなぁ……。いや、絶対に死なない!絶対に生き延びて、またみんなで笑い合うんだ!」

 

シャルロットは銃を構え敵のISへと銃口を向ける。

 

(相手の耐久力は異常、ただ銃弾を当てるだけじゃ効果はない。

さっきは箒が居たおかげでなんとか均衡を保てたけど、もう箒はいない…。

っ!!そういえばあの時平子くんはオータムって人の仮面を壊していた…。

もしかしたら仮面が虚の弱点なのかもしれない…。試してみる価値はある…。よし!!)

 

「勝機見えたかも!!!」

 

シャルロットは己が思惑を成功させるために動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん……そんな…。あ……あぁ…。」

 

「クッ一夏が……。っ!!アンタ!!危ない!!!」

 

「えっ?キャァァァ!!!!」

 

「っ!このっ!」

 

簪はモニターで楯無の姿を見て硬直してしまい、その隙を突かれて蹴り飛ばされてしまった。

鈴は敵のISに向かって龍砲を放ち相手を牽制する。

 

「ちょっと!ボサッとしない!!集中しないと死ぬわよ!!」

 

「で、でも…お姉ちゃんが……。」

 

「アンタ、生徒会長の妹だったのね…。良いわ、行きなさい。」

 

「え…。」

 

「行けって言ってんの。集中できないアンタがいても邪魔だわ!そんなに心配ならアンタがあそこの二人助けに行きなさいって言ってんの!!」

 

「で、でも…。」

 

「アタシを誰だと思ってんの?中国代表候補生の凰鈴音よ?

あんなのにアタシの甲龍が負けるわけないじゃない!それにアタシの機体は燃費がすごくいいの。

アレくらい一日だって相手してみせるわ。」

 

「……わかった…。絶対に助けに戻るから!」

 

「ふん、いいから行きなさいよ。」

 

簪は頷き楯無のもとへと飛び立った。

 

「ふぅー…。本当はアタシが助けに行きたかったのに…。まぁいいわ。絶対に負けない!」

 

(前に平子が蜘蛛女の仮面を割って対処してた…。

仮面を壊せばおそらく弱体化するはず…ただそれがもし見当違いだった場合、アタシは間違いなく死ぬ…。

でも、そのままズルズル行ってもおそらく死ぬのアタシ…。大丈夫…。

一夏に想いを伝えるまで死ぬもんですか!大丈夫、大丈夫、大丈夫。狙いはおそらく合ってる。

恐怖はないって言えば嘘になるけど、ちゃんと体は動く。よし!!)

 

「行くわよ!!!」

 

鈴音は双天牙月を持ち敵のISへと斬りかかっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セシリア、どうする?」

 

「ジリ貧ですわね…。あのISの耐久力は異常ですわ。ラウラさんが折角動きを止めても、私の武器では汚れをつける程度で倒しきれない。」

 

「かと言って、私の武器も切り傷は与えられても、決定打にはならない…か。」

 

「余裕はあれど、このままでは勝てないどころか、シールドが尽きて殺されるのがオチですわ。っ!?なんですの!!?」

 

派手な爆発音を察知し二人はモニターで音のした方を見る。

 

「っ!生徒会長と一夏が!!」

 

「拙いですわね…。敵も無傷…。助けに行きましょう!」

 

「しかし、それでは不利になるぞ。」

 

「ですが、おそらく皆さんよりも私達が一番余裕がありますわ。」

 

「確かにそうだな…。」

 

「それに、鈴さんか箒さん、2人の性格を考えれば、どちらか、あるいは両方が、自分もしくは相方を一夏さんの元へ送っているかもしれません。

だとすれば一夏さんの敵を早めに片付けなければ…。」

 

「一夏達を助けに来ている奴の相方が死ぬかもしれない。ということか……。」

 

「えぇ、そうですわ。」

 

「では急ぐぞ!」

 

「はい!」

 

二人は敵を惹きつけながら一夏と楯無の元へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「く…そ…。」

 

一夏は楯無の近くで敵と向かい合っていた。相手のISはゆっくりと一夏の元へと歩いてゆく。

 

(畜生…。あれでも傷を負わすことすらできないのか……。

白式はシールドが残ってない…更識さんももう戦えない…。俺が守らなきゃ…守らなきゃいけないんだ…!!

大丈夫。まだ動ける。手も足も首もまだ繋がってる。)

 

一夏は近くの鉄パイプを拾って敵と向かい合う。

 

「やれるもんならやってみやがれ…。俺は絶対逃げねぇぞ……。」

 

敵のISは一夏を殴ろうとするが、一夏は横に飛び、転がりながら躱し、立ち上がろうとするが右足に激痛を感じ、その場に座り込んでしまった。

 

「がぁ!クソ…。足折ってるなコレは…。」

 

ISは一夏の元へ歩いていく。するとそのISに向かって紅い何かがぶつかりISを吹き飛ばした。

 

「一夏!!無事か!!?」

 

「箒!!無事だったか!」

 

「今すぐ離脱しよう!!」

 

「それはできない。戦わなくちゃならないんだ…。」

 

「馬鹿者!!今のお前に何ができる!!そんな状態で勝てると思ってるのか!!」

 

「一護は言ってた……。勝てる勝てないじゃない…勝たなきゃなんねぇから戦ってんだって…。」

 

「一夏……。」

 

その場に更にもう一機ISが飛んできた。

 

「君は……。」

 

「お姉ちゃん!!!!」

 

「そうか…更識さんの妹さんか…。頼む、力を貸してくれ…。」

 

「元々そのつもり…。それで、どうすればいいの?」

 

「時間を稼いで欲しい。私の絢爛舞踏で一夏の白式を回復させる。」

 

「分かった…。でも、そんなに長くは稼げない…。」

 

「あぁ、頼む。」

 

「分かった。」

 

「待て!!」

 

そこに二機のISが到着した。

 

「一人で戦っているのは鈴とシャルロットか。なら少しは持つだろう。」

 

「ラウラ!!セシリア!!二人とも無事だったのか!」

 

「当たり前ですわ。さて、あまり時間もないことですし、私たち三人で時間を稼ぎますわ。ただ一機連れてきてしまいましたので、お早めにお願いしますわ。」

 

「分かった!箒、頼む!」

 

「あぁ、絢爛舞踏!!」

 

箒の機体が光り輝き一夏のエネルギーが少しずつ溜まっていく。

 

「よし!セシリアとそこのお前!行くぞ!!」

 

「「はい!!」」

 

簪とラウラは一体ずつ近距離で戦い、セシリアが遠距離で敵の動きを制限する。

 

「はぁ!!」

 

簪は敵に向かい薙刀の形をした武器を力一杯振るい敵を懐に入れないように戦う。一方ラウラはCQCで敵とやりあう。

 

「よし!一夏!溜まったぞ!!」

 

「来い!白式!!」

 

一夏は再び白式を身に纏い、敵のもとへと向かっていく。

 

「妹さん!!離れて!!」

 

簪は一夏の声に反応し一夏と入れ替わる。一夏は相手とつばぜり合いをし、お互いに動きを止め力比べをする。それてラウラは指示を出す。

 

「セシリア!会長の妹!二人はこいつを頼む!!」

 

「「はい!!」」

 

簪はラウラの相手をしていたISに後ろから斬りかかる。しかし相手はそれを体を捻り躱すと、再びラウラを追撃しようとするが、セシリアの射撃によって阻まれる。

 

「ここは通しませんわ!!」

 

「箒!!あいつを思いっきり地面に蹴り飛ばせ!!」

 

「分かった!!」

 

箒はその指示を聞き、一夏の背後から頭を超えるようにして、敵の頭上へと移動し、足に装甲を展開して、相手を地面へと蹴り落とす。すると、そこに待ち構えていたラウラがAICを使い相手の動きを止める。

 

「今だ!!一夏!!!」

 

「零落白夜!!うおおおおぉぉぉぉ!!!!!!」

 

一夏はISの頭から股まで一刀両断する

 

「よし!!これであと一体だ!!」

 

皆が残り一体から距離をとり、作戦を練る。

 

「よし、あとはコイツだけだな!!」

 

「油断はするなよ?一夏。」

 

「やりましたわね!それでアレはどう対処します?」

 

「…私が囮になって貴方の停止結界で止めるのは?」

 

「いや、囮は一夏と箒の二人だ。セシリアは射撃で相手が遠くへ逃げないように牽制。

会長の妹は敵が上空へ離脱しないように逃げ道を塞いでくれ。

私は奴の死角となる箒と一夏の後ろに隠れて、停止結界の使いどころを見定める。」

 

「「「「了解!!」」」」

 

そして全員が作戦の為に動こうとした瞬間。相手とは全く別の方向から2つの攻撃が放たれた。

 

「クッ!他の奴らがきたか…。皆無事か!!」

 

「俺は平気だ!」

 

「私も問題ない!」

 

「私も平気。」

 

「私も大丈夫ですわ。」

 

全員が躱し、それぞれで態勢を整える。皆が攻撃の放たれた場所に目を向ける。

 

「「「「っ!!!」」」」

 

現れた二体の片手にはそれぞれ鈴音とシャルロットが宙吊りにされていた。

 

「シャル!!鈴!!」

 

「くそ、2人とも…。私が遅れたばかりに…。」

 

「敵は3体…。一気に形勢が不利になりましたわ…。」

 

「鈴音さん…。」

 

「チッ…マズイな…。どうやって救出すれば……。っ!!!」

 

二体が突然、鈴音とシャルロットを振り回し地面に向かって物凄い勢いで投げつけた。

 

「シャルッ!!!!鈴!!!!」

 

二人は地面に向かって行き、衝撃音が響き渡り、辺りが砂埃に包まれる。

 

「シャル!!鈴!!」

 

「2人とも!!!」

 

「鈴音さん!!!」

 

「シャルロット!!鈴!!」

 

段々と煙が晴れていく。すると

 

「「「「一護(さん)!!!!」」」」

 

2人を抱えた一護がいた。

 


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