黒崎一護 異世界へ   作:妃宮千早

14 / 48
ごめん。なんかごちゃごちゃしてきちゃった。







第14話

「あー、夏休みももうすぐ終わりかぁー、護廷十三隊では誰が来んのか連絡来ないなぁー。」

 

一護は部屋で横になっていた。

 

臨界学校から帰ってきてから部屋割りが変わっていた。一護は更識簪という女生徒と同じ部屋になり、ラウラはシャルロットと、セシリアは箒と、そして一夏は更識楯無と一緒になっていた。

 

「お、簪帰ってきたか。どうした?浮か無い顔して。」

 

「別に…。」

 

「そ、そうか…。」

 

一護は未だに簪との距離感が掴めずにいた。

 

(参ったな…。)

 

するとドアを叩く音が聞こえる。

 

「ん?誰だ?」

 

扉を開き外へ出ると一夏がそこにいた。

 

「よぉ、どうしたんだ?」

 

「おっす、一護。コレ!一緒に行かないか?」

 

「プール……。お前それ俺より誘う奴いんだろ!!」

 

「ん?誰だよ?たまには男同士で泳ぎに行こうぜ!!」

 

「なんで俺が…。他の奴誘ってやれよ。箒とか鈴とかシャルロットとか。」

 

「いやぁ、最近3人ともずっと一緒にいる気がしてさぁ、流石にずっと俺と一緒だとあの3人も飽きちゃうだろ?だからここのところ遊んでなかった一護でも誘おうと思ってさ。」

 

(あぁ、一夏…。なんでダメな子……。)

 

「話は聞かせてもらったぞ!嫁!私と行こう。」

 

「ラウラとか?まぁ、良いけどよ。」

 

「よっしぁ!それじゃあ他のヤツも呼んでくるな!!」

 

「ま、まて一夏!おい!!嫁とのお、お出かけを邪魔するつもりか!おい!聞いているのか!おい!おいぃ!!!」

 

そうして2人は風のように消えていった。

一護は、林間学校で旅館を崩された際に使えなくなった水着を買い換えるために街に来ていた。

 

「確かあそこら辺に…。お、あったあった。水着はー…前と同じので良いか。」

 

一護は水着を買い終え、昼食を取る為に店を探す。すると前から見知らぬ女性と一緒に歩くラウラとシャルロットを見つける。

 

「よぉ、これからどっか行くのか?」

 

「あ、一護!!僕らこれからバイトするんだ。」

 

「おい、嫁も一緒に働かせたいのだが、良いか?」

 

「うーん…。サイズが合うのはあるかしら…?」

 

「お、おい、待て待て。俺はまだ昼飯がまだなんだ。」

 

「あら、ならウチへお客としていらっしゃいな。」

 

「ん?ファミレスでもやってんのか?」

 

「まぁ、良いから良いから。」

 

そう言って連れてこられた先はメイド喫茶だった。

 

「おい……。男1人ここはキツくねぇか…。」

 

「大丈夫よ、ほらこちらへどうぞ!」

 

一護が席に着くと周りからの視線が一護に集まる。

 

「クソッ…圧倒的なアウェイ感が尋常じゃねぇ…。」

 

すると、シャルロットとラウラがメイド服を着てやってくる。

「どう?一護。似合うかな?」

 

「さぁ、好きなだけ感想を言うがいい。」

 

「お、2人とも似合ってるじゃねぇか。」

 

「えへへ、やったね。」

 

「うぅ…。と、当然だな!!」

 

2人は顔を赤くして仕事へと戻っていった。

 

「ったく、メニューは。」

・メイドによる卓上の金沙羅舞踏団

・メイドによる愛の馘大蛇

・メイドによる暗がりの清虫終式・閻魔蟋蟀

・メイドによる押し潰し鉄漿蜻蛉

・メイドによる……

 

「ろくなモンねぇじゃねぇかぁ!!!!」

 

すると突然銃声が響き渡る。

 

「っ!?なんだ?」

 

「おめえら!動くんじゃねぇぞ!!」

 

『君達は完全に包囲されている!!』

 

「おい!人質を無傷で返して欲しければ車を用意しろ!!」

 

「ふぅ〜。さてここには食いモンがあるし女も居るからな。気長に待とうや。」

 

「喉が乾いたな…おい!そこの女!!」

 

「は、はい…。」

 

「飲み物持ってこいよ。はやくな!」

 

「は、はい!」

 

「おい、俺、女味見しても良いか?」

 

「ケッ、こんな状況でよくもそんなこと言えるな。まぁいい、好きにしろよ。」

 

「んー、じゃあ、そこの机の下に隠れてるおねぇさん!遊ぼうか。」

 

「いや…いやぁ!!!!」

 

男が女に手を伸ばすと横から一護がその手を掴む。

 

「あ?てめぇ、なにしてんだ…?離せよ…。今ならまだ許してやるぜ?」

 

「……。」

 

「へぇ…。死にたいのか。なら殺sっ!」

 

一護は相手の顎を殴り脳を揺らした。

 

「てめぇ!!」

 

パンッ!パンッ!パンッ!

 

一護は相手から放たれる銃弾を躱しもう1人の首の後ろを手刀で殴り気絶させる。すると残った1人が一護に向けて銃を構えた瞬間、その男の両サイドからラウラが銃を蹴り飛ばし、シャルロットが首を刈る。

 

「グハッ!!」

 

3人が倒れ制圧が完了した。

 

「サンキュ、お前ら。」

 

「全く嫁は1人でなんでもやろうとしすぎだ。」

 

「一護は死神化してなくてもやっぱり強いんだね。」

 

そのあと2人は服を着替え、警察に見つからないように一護が2人を抱えて完現術で逃亡した。

 

「うわぁー。ISを着けないでこんな空高く行くのは初めてだよ!」

 

「ふむ、私も初めての体験だ。」

 

「そうかもしんねぇな。俺は帰るけど、お前らはどうすんだ?帰るならこのまま送るぜ?」

 

「うーん、クレープ食べたかったけど仕方ないかぁー。」

 

「まぁ、それだけなら待っても良いぜ。」

 

「本当!?」

 

「あぁ、どこらへんだ?」

 

「あそこの公園のところにクレープ屋が来ていると言っていたな。」

 

「わかった。掴まってろよ。」

 

「「うん!」」

 

一護たちはその場に緑の霊子を残して消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

プールへ行く当日、一護は1人で現地へ向かい到着した。

 

「一護さん!遅いですわ!」

 

「悪い悪い。」

 

水着に着替え一夏たちと合流した。

 

「嫁よ、何かあったのか?」

 

「あぁ、最近虚も段々増えてきてよ。」

 

「あまり無理しないでね。一護。僕達だってISを使えばそれなりに足止めぐらいは出来るんだから。」

 

「あぁ、1人じゃ厳しい時は頼むな。」

 

「それじゃウォータースライダーにでもいこうぜ!」

 

「それもそうだな…。んじゃ行くか。」

 

ウォータースライダーや、流れるプールなど一通り楽しんだ一護達は昼食を取ろうとしていた。

 

「それじゃあ、俺が買ってくるから待っててくれ。」

 

「ちょっと待てよ一夏。1人じゃどう考えても無理だろ。手伝うぞ。」

 

「悪いな。ならみんな少しだけ待っててくれ。」

 

そういい一護たちは人ごみの中へと入っていった。

 

「それでは私達は場所を確保しようか。」

 

「そうね、あんた達飲み物は?アタシ何か買おうと思うんだけど。」

 

「なら僕も行くよ。箒たちは場所の確保お願いね。」

 

「あぁ、承知した。」

 

鈴音とシャルロットは飲み物を買いに離れ、数分後に。

 

「ねぇねぇ君達!俺らと一緒に遊ばない?」

 

箒たちはナンパに合っていた。

 

「悪いが連れがいる。他所を当たってくれ。」

 

「そう言わずにさぁ〜。」

 

「しつこいですわ。」

 

「え?なに君お嬢様なの!?いいねぇ俺と付き合わない?」

 

「チッ、盛りのついた猿どもが。」

 

「お、良いね。俺その生意気な娘が良いわ。」

 

するとそこに男性が割り込む。

 

「その子嫌がってんねやろ?さっさと離し。」

 

「何だテメェ。ハッ!ヒョロヒョロじゃねぇか!俺らみんな格闘技やってるんだよねぇ。だから君みたいなの相手にするのなんて馬鹿らしいんだよ。だから消えてくんないかなぁ?」

 

「うわっ!自分かなり口臭いで?その歳で、そないな口の臭さしててどうすんねん?ちゃんと歯ァ磨かんとあかんで?タダでさえ、えずくろしい顔してんねんから。」

 

「は?えずくろしい?なんだそれ?」

 

「腐ってるゆー意味や。」

 

「てめぇ!!」

 

ナンパ男が目の前の関西弁を喋る男を殴ろうとする。

 

「危ないぞ!」

 

箒が間に入りナンパ男の拳を掴もうとすると、いきなりナンパ男の体が揺らぎ糸が切れたようにその場に倒れ伏せた。

 

「ナイスですわ!箒さん!」

 

「いや、私は何も。」

 

「私にも箒が何かしたようには見えなかった。」

 

3人が疑問に思っている間に、関西弁を喋る男がナンパ達を追い返し、こちらに来ていた。

 

「大丈夫やったか?」

 

「助けて頂いてありがとうございます。」

 

「感謝する。」

 

「……。」

 

「ラウラ。礼ぐらい言わないか。」

 

「貴様最後に何をした?」

 

「なに?」

 

「箒は相手に触れてもいない。となれば貴様ぐらいしかしいないだろ。吐け。」

 

ラウラは静かにそう言い眼帯を外した。

 

「へぇ〜、随分綺麗なんやなぁその眼。」

 

「話をそらすな。」

 

「ま、そのうち分かるわ。」

 

そう言い関西弁の男はラウラの頭をポンポンと叩き人混みへと消えていった。

 

「……。」

 

「ラウラさん?どうしたのですか?」

 

「動けなかった…。」

 

「なに?どういうことだ?」

 

「私はあの男を警戒し、いつでも動けるようにしていた。だが、最後に頭に手を置かれたとき、反応が出来なかった。」

 

「なんですって?」

 

「確かにあの男からは妙な気配がした。」

 

「箒もか…。あいつは何かあるな…。」

 

3人は警戒を抱いつつ自然体で一護達や。鈴音達を待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ〜〜。今日から新学期か…。おい、簪起きろ!また夜更かししてアニメ見てたな。」

 

「うぅー…。眠い…。」

 

「いいから起きろ!!」

 

「ひゃい!! ………。ビックリさせないで…。

 

「なら一発で起きろって。」

 

2人は軽口を叩きつつ別々に部屋を出て食堂で朝食を食べた。

 

 

 

 

 

 

 

「今日は皆さんに転校生を紹介します。3人目の男性IS操縦者の平子真子君とこのクラスの私と同じ副担任に就任した六車拳西さんです。」

 

「六車拳西だ、受け持つ教科は体育だ。俺はガキが嫌いだ。ギャーギャー喚き散らしてたら女だろうがブッ飛ばすからそのつもりでいろ。」

 

「どぉもぉ〜。平子真子云います〜。皆さんよろしゅうおねがいします。」

 

「「「あぁ!!」」」

 

「うるさいぞお前たち。」

 

「「「す、すいません」」」

 

「いやぁ、ここは見目麗しい女の子がぎょうさんおってええなぁ!」

 

「黙れ平子。」

 

「怖い姉ちゃんや。」

 

ズパァン!!!!!!!!!

 

「ぐはぁ!!!!!」

 

平子は千冬に殴り飛ばされ、ドアを破り廊下の壁に当たり、壁に蜘蛛の巣上の亀裂が入った。

 

「お前らかよぉー……。」

 

一護は頭を抱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼食時に屋上で平子と拳西と一護が三人で柵に寄りかかる。

 

「よぉ、一護。元気そうやな!」

 

「お前ら…浦原さんは隊長一人って言ってたのになんで二人もいんだよ?」

 

一護の疑問に拳西が答える。

 

「虚の涅の討伐なら、真子1人だったが、総隊長は可能なかぎり生け捕りせよと命じた。より確実性を求め任務形態も単独から二人になった。」

 

「生け捕りってどうしてだよ?」

 

「アレ惣右介の虚化の実験体の1つや。回収し研究するんがマユリの要求や。」

 

「浦原さんはどうしたんだ?来てねぇのか?」

 

「アイツは今涅と一緒に虚の涅の霊圧を研究している。アイツが言うには虚化だけじゃない何かが身体に埋まっていると言っていた。それも生け捕りの要因の1つだろう。」

 

「クソッ!後から次々に問題が出てきやがって…。ならお前たちが選ばれた理由はなんなんだよ?」

 

「簡単な事だ。虚化のできる人材。そして現世に溶け込める人間だ。仮面の軍勢は長いこと現世に暮らしていたからな」

 

「最初は朽木隊長とかだったんやで?」

 

「白哉は無理だろ…。」

 

「拳西。」

 

「チッ!そこで隠れてる奴ら!良い加減コソコソしてねぇで出てこい!!」

 

「「「「「「は、ハイッ!」」」」」

 

一夏達が物陰かは出てくる。

 

「あ、あのぉ、貴方たちが護廷十三隊の…?」

 

シャルロットが恐る恐る2人に尋ねる。

 

「そうや、俺は護廷十三隊五番隊隊長平子真子や。仲良うしてや。」

 

平子はヘラヘラと笑って一夏達へと声をかけた。

 

「同じく護廷十三隊九番隊隊長六車拳西だ。」

 

拳西は真面目な顔で自己紹介をした。

 

「よ、よろしくお願いいたします。お、俺は…。」

 

「織斑一夏。やろ?そないにビクビクせんで安心しーや、別にとって食ったりせぇへんからな。お前等ん事は喜助からようきいとるわ。」

 

「浦原さんから?」

 

「あぁ、特に織斑一夏と篠ノ之箒についてはな。」

 

「な、何故私達を?」

 

「決まってんだろ?人質になる可能性があるからだ。涅や浦原がお前たちの扱いをどうしてたか知らねぇが、邪魔をするな。」

 

「っ!でも!一護に任せきりにするわけには…。」

 

と一夏は拳西に噛み付く。

 

「何を思ってるかはしらねぇが。一護はてめぇらに心配されるほど弱かねぇ。下手に前に出てこられちゃこっちの迷惑だ。」

 

その言葉に鈴音が反応する

 

「そ、そんな言い方しなくても言い方しなくても良いじゃない!!」

 

「こっちはママゴトしにきてんじゃねぇんだ。邪魔するってんなら女子供でも容赦はしねぇ。」

 

「貴様!ママゴトかどうかわからせてやろうか!」

 

拳西の言葉にラウラが怒る。

 

「言ってわからねぇガキは拳骨で黙らすだけだ。」

 

「貴様ァァア!!!!」

 

ラウラはISを展開し、拳西に殴りかかる。

 

ガツン!!

 

「な、なんだと……。」

 

拳西はラウラの拳をポケットに片方の手をポケットに入れたまま、もう片方の手で止めていた。

 

皆の顔が驚愕する。

 

「わかったろ?もう止めとけ。今の俺ですら倒せねぇのに、これからやりあう奴に敵うわけないだろ。確かにISを着ると生身の人間でもそこそこの席官クラスになるってのも本当みてえだな。だが、その程度の実力で俺に挑むのは舐めすぎだ。」

 

拳西はそこから掴んだ腕を引きラウラの首を叩き気絶させた。

 

「あのラウラが…。」

 

「おい、一護。こいつを運んどけ。」

 

拳西は一護にラウラを渡す。

 

「あ、あぁ。」

 

そのまま拳西は皆を素通りし、階段を降りてゆく。

 

「あいつ…ラウラを…。」

 

鈴音が、恨めしげに呟くと平子がそれをなだめる。

 

「まぁ、少しは落ち着き、お前ら。」

 

「平子さん。」

 

「おいおい、クラスメイトに敬語使うつもりかいな。タメ口でええって。まぁ、言い方はともかくとして、言ってる事は拳西の方が正しいで。」

 

「平子!貴様まで…。」

 

「なら、お前らは何で虚に勝てへんと思う?一護が退治してるのはギリアン、最下級虚や。さっき拳西が言ってたやろ?ISをつけたやつはまぁまぁの席官クラスにまでなる。なのにお前らは倒したことがないっちゅうこっちゃ。福音って奴の闘いも見た。お前らの実力の奴が4人いればどうにかなる程度の相手や。なのにお前らは6人であそこまで追い詰められた。それを意味することがわかるか?お前らには覚悟が足りひんのや。」

 

「覚悟…。」

 

「そうや。俺ん斬魄刀見てみ。」

 

全員平子が斬魄刀を抜き上に掲げる。すると平子の持つ刀の圧迫感に専用機持ちたちの腰が引け膝が震えだす。

 

「見えるか?俺がお前らを斬ろうとする覚悟が。」

 

そして、平子が刀を鞘に納めると全員は糸が切れたように座り込む。

 

「そういうことや。躱すのなら切らせない。護るのなら死なせない。攻撃するなら斬る。そういう覚悟を持てゆーてんねや。簡単やろ?」

 

そう言い平子も階段を降り、一護も皆に声をかけずに降りて行った。

残った一夏達はその背中を消えてからも見続けていた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。