黒崎一護 異世界へ   作:妃宮千早

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第11話

「よぉ、一護!」

 

「おっす、今日はどうしたんだよ?」

 

今日は休日。一夏は一護と2人で街に出ていた。

 

「いやぁ、臨界学校で色々買い物があるだろ?一緒に買いに行こうぜ?」

 

「お前…一緒にって……。まぁ良いか。で?何買いに行くんだよ?」

 

「一応水着だろ?あと一護が足りないものを買おうぜ。」

 

「わかった。なら行くぞ。」

 

その会話を物陰から見ている4人がいた。

 

「まさか、私よりも早く一護さんを誘うなんて…。」

 

「一夏ってホモなわけ!?」

 

「朝起きたら嫁がい無いとは。これが嫁が実家に帰った時の旦那の気持ちというやつか。」

 

「今からでも男装してあの中に飛び込んでいっちゃおうかなぁ〜?」

 

そちらはそちらで楽しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ここが水着売り場か…。まぁ、適当で良いか。」

 

「一護はどれにするんだ?」

 

「んー、前履いてたやつと似たやつにしようと思ってるんだけどよ。」

 

「ふ〜ん、俺もそんな感じで決めようかな。」

 

すると2人の後ろから声がかかる。

 

「お前たちか。」

 

2人が振り向くと千冬と真耶が立っていた。

 

「「千冬姉(さん)!!」」

 

「お二人とも水着選びですか?仲が良いですね〜。」

 

「お前らがなぜ一緒にいる。」

 

「そりゃ俺が誘ったからだよ千冬姉。」

 

すると千冬は頭に手を置き溜息をついて納得した。

 

「なるほど、私の愚弟が原因だったか。全く休日に男と出かけるとは何を考えている?」

 

「何ってそりゃ男の方が気軽で良いだろ?」

 

それを聞いた2人は。

 

「すまんな黒崎。」

 

「いえ、大丈夫っスよ」

 

「なんで謝るんだよ。」

 

二人は呆れた顔で一夏を見る。

 

「「……。」」

 

「まぁ、良い。小娘ども。でてこい。」

 

千冬は物陰に隠れている3人に向けて言葉を放つ。

 

「「「ギクッ!!」」」

 

「あと、ラウラも向こうの方にいるぞ。」

 

千冬はそう言い真耶と2人で何処かへ行ってしまった。

 

「なんだ。鈴達も来てたのか。ならみんなで一緒に回ろうぜ!」

 

「仕方ないわねぇ。」

 

「僕ラウラを呼んでくるよ。」

 

「一護さん。私に水着を選んでくださら無い?」

 

5人はそのまま買い物を済ませ遊びに行った。

 

 

 

 

 

 

林間学校当日。

「それでは皆さん。これからバスに乗り目的地までの道のりは三時間です。海への到着は10:30を予定しています。パーキングエリアに停まる回数は二回です。それでは出発しますので、自由にバスに乗り込んで下さい。」

 

「それでは一護さん。私と一緒に座りましょう。」

 

「おう、わかっ「何を言う!嫁は私の隣だ。」え?」

 

「一護!俺と一緒に座ろうぜ?」

 

「そうだな…一夏と座れば平和的に…なりませんネ。はいならジャンケンで良いだろ行きと帰りがあるし。」

 

「わかりましたわ。このセシリア オルコット。エリートは常に選ばれるという事を教えて差し上げましょう。」

 

「ふんっ、夫婦の力が勝つに決まっているだろう。」

 

「それでは」

 

「行くぞ!」

 

「「ジャンケン」」

 

「「「ポン!」」」

 

「へ?」

 

「なに!?」

 

「ん?」

 

気の抜けた声を出したのは上からセシリア、ラウラ、一護。

 

「やった!僕の勝ちだね!じゃあ一護!一緒に乗ろうよ。」

 

「シャルル!?」

 

「シャルルじゃなくて、僕はシャルロットだよ!」

 

「わ、わりぃ。じゃあ乗るか。」

 

そう言い2人はバスに乗った。

 

「「なんなんだ(ですの)……。」

 

2人は一緒に乗った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今は11時でーす!!夕方までは自由行動!夕食には戻るように時間厳守でお願いします!!」

 

「「「はーい!!」」」

 

こうしてIS学園の生徒たちは海へと向かっていった。

 

「何をしている黒崎。」

 

一護の元へ水着姿の千冬と真耶が来た。

 

「いや、もしここら辺で虚と戦闘になった時にどこらへんなら自由に戦えるか散策しに行こうと思ってよ。基本は海の上でやろうと思ってんだけど、もし相手が強かったらそこまでいけねぇだろうしな。」

 

「そうか、お前にしかできない事とはいえ、悪いな。」

 

「謝らねぇでくれよ。本来なら人にはばれ無いようにやるべきものだからよ。黙認してくれてるだけでもありがてぇんだ。」

 

「そうか。折角なのだからお前も楽しめよ。オルコットやラウラのところへ後で行ってやれ。探してたぞ。」

 

「あぁ、それじゃあな」

 

そう言って一護は去っていった。

 

「では、行こうか。山田先生。」

 

「はい。残念ですけど仕方ありませんね。」

 

そう言い2人も海へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ?」

 

<間違いねぇ。見られてるな。>

 

「1人になれば出てくると思ったんだがよ。」

 

<それよりも死神化せずに完現術とやらで戦えんのかよ?>

 

「あぁ、死神ほどじゃねぇけど、ここは海だ。完現術で水の力を借りれば相手が強くても、撤退くらいはできんだろ。」

 

しかししばらく待っても誰も現れなかった。

 

<チッ、獲物は釣れなかったか。>

 

「露骨すぎたか…。とりあえず戻るぜ。」

 

そして、一護は皆のいる方へ戻っていった。するとすぐにセシリアに見つかり詰め寄られた。

 

「一護さん!何処へ行っていましたの!?探しましたのよ!?」

 

「わ、悪い。これから遊ぼうぜ。」

 

「はい!」

 

するとシャルロットが近寄ってきた。

 

「一護。僕の水着どうかなぁ?」

 

「お、よく似合ってるじゃねぇか。」

 

「一護さん!私の水着について感想を頂いておりませんわ!」

 

「あ、あぁ、セシリアもよく似合ってるぜ。」

 

「嬉しいですわ!」

 

するとシャルロットが何かを無理やり引っ張ってきた。

 

「な、なんだそのミイラみたいなのは…?」

 

「ラウラだよ…。」

 

「ラウラ?なんでそんなことやってるんだ。」

 

「恥ずかしいんだって。」

 

「うぅ…。私にも心の準備が…。」

 

「そんなことしてねぇで遊ぼうぜ!折角海に来たんだからよ。」

 

「あぁ、もうどうにでもなれ!!」

 

ラウラは勢いよくタオルを脱ぎ捨てた。

 

「ど、どうだ。?」

 

「あぁ、よく似合ってるぜ。」

 

「そ、そうか。あ、ありがとう……。」

 

ラウラは顔を真っ赤にして照れた。

 

「そういえば一夏はどこにいるんだ??」

 

「あぁ、一夏ならあそこにいるよ。」

 

一護が目線を向けると女子たちとビーチバレーをしていた。

 

「お、千冬さんもやってるじゃねえか。面白れぇ。チャレンジしようぜ。」

 

「わかった!行こう!」

 

「わかりましたわ!このセシリア オルコットが勝利へ導きましょう!」

 

「教官とか…ふっ。胸を借りるつもりでやろう。」

 

そういい4人はビーチバレーの輪へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方になり皆が旅館へと戻っていった。

 

夕食どき。一護はセシリアとラウラに挟まれて座っていた。

 

「流石に美味えな。」

 

「はい。一護さんと食べるご飯はとても美味しいですわ。」

 

「あぁ、嫁よご飯粒が付いているぞ。」

 

ラウラはそう言って一護の頬へと顔を寄せ。

 

ペロッ

 

舐めた。

 

「お、おい!ラウラ!」

 

「今のは嘘ですわね!ついておりませんでしたわ!!」

 

「おっとそうだったか?見間違えてしまったか。」

 

2人のやりとりを見て一護は、

 

「飯ぐらい静かに食ってくれ…。」

 

とボヤいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一護が廊下を歩いていると織斑姉弟の部屋が騒がしかった。

 

「ん、なんだ?」

 

一護は立ち止まり少し耳を澄まして会話を聞こうとすると、前からジュースを持った一夏が来た。

 

「何してるんだ一護?」

 

「ん?一夏か?なら部屋に誰がいんだ?騒がしいみたいだけどよ。」

 

「あぁ、今は箒や鈴達が部屋にいるんだ。一護も来るか??」

 

「…。いや、嫌な予感がするからやめとくわ…。」

 

「そうか、また明日な!」

 

「あぁ、それじゃ。」

 

そして一護は部屋へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、一護は一夏が妙なものの前に立っているのを見た。

 

「どうしたんだ一夏。なんだその看板。なになに?“引っ張ってください”何だこりゃ?」

 

二人の前には機械のうさみみのようなものが地面に刺さっていた。

 

「いや、これを引っ張ったほうがいいのか迷ってて…。」

 

「こういうのは経験上やめといたほうがいいと思うぜ…。」

 

「いや、でも引っ張りたくなる魅力があるんだ。」

 

そうして一夏は力強く引っ張った。

 

スポッ

 

「あれ?」

 

思ったより抵抗がなかったのか、一夏は後ろへ倒れこんでしまう。すると上からものすごい勢いで人参が飛んできて、笑い声を上げながら着地した。

 

「「うわっ!!」」

 

アハハハハハハ

 

すると人参が割れ、中からウサ耳の付けた女性が出てきた。

 

「引っかかったねぇいっくん♪」

 

「お久しぶりです…。束さん…」

 

「うんうん、お久だねぇ♪本当に久しいねぇ♪」

 

一護は頭を抱え、下駄男と同じ変人臭がした。

 

「ところでいっくん、箒ちゃんはどこかな??と聞くまでもなく箒ちゃん探知レーダー発動ウィンウィン♪それじゃあまた後でねぇ♪」

 

そうして女性は走り去っていった。

 

「一夏、今のは?」

 

「篠ノ之 束、箒のお姉さんだ。」

 

それを聞いた瞬間一護は頭を抱えてうずくまった。

 

「どうしたんだよ一護。」

 

「いや…予想通りでショックなだけだ…」

 

二人はそのまま朝の集合場所へと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川の近くで千冬と箒と専用機持ちが集まっていた。

 

「よし、これで専用気持ちが集まったな。」

 

「え、待ってください、箒は専用機持ってないでしょう。」

 

「それは…。」

 

「その件については私g「ヤーーーーーッホーーーーーーーー!!!!ちぃちゃーーーーーん!!!!「ガシッ!!!」相変わらず容赦のないアイアンクローだねぇ♪さぁ愛を確かめるためにハグハグしよう!!!!」

 

「まずは自己紹介をしろ。」

 

「えぇー!?めんどくさいなぁ〜。」

 

クルリと回り専用機持ちたちの方を向く。

 

「私が天才の束さんだよ♪ハロー♫ はい!終わり!」

 

「束って…」

 

「ISの開発者にして…天才科学者の!?」

 

「篠ノ之…束。」

 

皆が一様に驚いた顔をする。その中一護前に出る。

 

「あんたが束か。」

 

「そうだよ♪ちょうど良かったぁ!私も君に幾つか聞きたいことがあるんだよねぇ〜?」

 

「後にしろ2人とも。それより束。」

 

「そうだった!そうだったぁ〜!さぁ!皆さん空をご覧あれぇ〜〜!!!」

 

すると正八面体の銀の物体が落下してきた?

 

「じゃじゃ〜ん、これぞ束さんによる!箒ちゃんの為のぉ〜!紅椿ぃ〜!!すべてのISのスペックを上回る束さんお手製だよぉ〜!!なんたって紅椿は束さんの手掛けた第四世代の機体だからねぇ〜!!」

 

「第四世代…だと…?」

 

「各国が第三世代の発明にヒィヒィ言ってるのに…」

 

「第四世代だなんて…。」

 

「そ・こ・はぁ〜、天才束さんだもーん♪さぁ、箒ちゃん!お、い、で♩」

 

そして物凄い速さでタイピングをしていく。

 

「凄い速さ…。」

 

「そこは束さんだからねぇ〜。はい終了!あとは試運転も兼ねて適当に飛んでみてよぉ♪箒ちゃんの思う通りに動くはずだよ?」

 

「はい」

 

そうして箒が自由み飛び回り、束の用意した障害物などを付属の武器で悉く破壊する。

 

「す、すげぇ」

 

皆が箒の紅椿をみて驚いていると山田先生が走ってくる。

 

「大変ですー!!!織斑先生!!!」

 

そして千冬は真耶から端末を受け取り、目を通すと、顔色が変わる。

 

「テスト稼働は中止だ!お前たちにやってもらいたいことがある。」

 

 

 

 

 

 

部屋を移動し、皆がモニターの周りに集まる。

 

「2時間前にアメリカとイスラエルの合同開発IS、シルバリオゴスペル。又の名を福音。その機体が制御下を離れて暴走した。情報によれば無人のISということだ。衛生情報によると、ここから2キロの海域を通過することがわかった。IS学園の教師は訓練機を使い海域を封鎖することになった。つまりこの作戦の要となる討伐をお前たち専用機もちに頼みたい。」

 

「えっ!?とそれは…」

 

「つまり暴走したISを我々が止めるということだ。」

 

「え!マジ!?」

 

「いちいち驚かない!」

 

「何か質問がある場合は挙手するように。」

 

すると一護が手を挙げる。

 

「なんだ?黒崎。」

 

「この作戦、降りることって出来るのか…?」

 

「「「「「えっ!!?」」」」」

 

「何言ってんのよアンタ!!」

 

「そうだぜ一護!協力すればできるって!」

 

「一護どうしたの!?そんなのらしくないよ!」

 

「嫁…。」

 

「一護さん…。」

 

「……。」

 

「……。構わん…。」

 

「千冬姉!!」

 

「黙れ!意志のないものが作戦に参加しても意味がない。よって黒崎。貴様の作戦の辞退を認める。しかし情報が漏洩した場合、査問会に送られ、最低でも一年の監視生活になる。」

 

「あぁ、わかった。」

 

「ならば良い。退出しろ。」

 

「お、おい!一護!!」

 

一護はそのまま何も言わずに退出した。

 

 

 

 

 

<ったく、もっと上手い方法があっただろうバカが。>

 

「うるせぇよ。」

 

prrrr prrrr

 

「ん?浦原さんか?もしもし?」

 

「お、黒崎さんお久しぶりっス。実は移動装置が完成しました。」

 

「本当か!?随分と早いじゃねぇか!四月の段階であと半年って言ってたのによ。」

 

「実は、涅隊長に協力してもらったんスよ。」

 

「涅隊長って…。マジでか!!」

 

「ハァイ♪おおマジっス。それで交換条件としてアタシと共にそちらへ行くことになってまスんで。よろしくおねがいしマス。」

 

「え!!それって…。」

 

「はい、歪みの拡張は終えましたので虚の流出が前とは比べものになりません。ですからお仲間の護衛はアタシと涅隊長にお任せください。」

 

「わかった。ならある程度周りを片付けてから行くぜ。」

 

「ハイ、助かります。それでは黒崎さん。お気をつけて」

 

電話を切った瞬間。一護は突然後ろから斬り掛かられた。

それをどうにかして完現術を使い躱すが、敵の攻撃が腕にかすってしまった。

 

「何もっ…く…くそ。」

 

一護は途端に身体に力が入らなくなりうつ伏せに倒れた。

 

「くそ!何で…。何で動かねぇんだよ!!くそ!!」

 

「キミはココで寝ていたマエ。」

 

そうして一護は深い眠りについた。


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