黒崎一護 異世界へ   作:妃宮千早

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これが初めてなのでまぁ、期待はせんといて下さい

因みにBLEACHキャラで一番好きなのは平子隊長です


インフィニット・ストラトス編
第1話


「名前は黒崎一護、趣味はスポーツ、ちなみにこの髪の毛は地毛な、これからよろしく頼む」

 

「「「キャーーーーー!!!!!!!」」」

 

「ワイルドだわ〜!!」

 

「少し目付きが鋭いけどそれが良いぃ!!!!」

 

「髪の毛の色綺麗〜!!」

 

(うわっ!スゲェ音圧だ…グリムジョーの帰刃のときみてぇだ…クソ、なんでこんな事に…)

それは時を少し遡る

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

なんでもない日の夜、いつものように出現した虚を退治し、家に戻っている肩から大剣をぶら下げたオレンジ頭の男、死神代行黒崎一護の視界に普段は無いものが写り込んだ。

 

「ん?なんだアレは? 空間に…亀裂??」

 

一護は亀裂の周りをぐるりと回り確認する。

 

「こりゃ浦原さんに相談したほうが良いか?」

と思った瞬間その亀裂から影の触手が出てきて一護の体を捉える。

 

「くっ…!何だよ…コレ!! クソ…!離しやがれ!!」

そして一護の姿が消えた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

空に黒い亀裂が走り、その中から一護が出てきて自由落下する。衝撃と日差しにより一護の目が覚めた。

 

「うっ……。なんだ…? ここは…?」

 

ゆっくりと上体を起こし辺りを見回す。

 

「そうか!俺、あの亀裂に呑み込まれて…。此処は一体…?しかも何でちゃんと身体に入ってんだ?代行証もあるし…。訳わかんねぇよクソ。」

 

死神化は解けており生身の体に入っていた。

 

「今何時だ?あんだけ太陽が高いって事は相当気ぃ失ってたのか?柚子と夏梨に心配かけちまうな…。」

 

妹たちに文句を言われる事を想像しながらやっちまった

とばかりに額に手を乗せる。すると背後に気配を感じ振り返ると黒いスーツに身を包む鋭い雰囲気を持つ女性がいた。

 

「おい貴様!ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ!ここで何をしている!」

 

「えっ、いや、あの…道に迷った?みたいでアハハハ…ハハ……ハ…。」

 

「………。」

 

「ス、スミマセン…。」

 

(なんだこの女、スゲェ威圧感があるな…)

 

「抵抗するつもりはないようだが。もう一度きくがここで何をしている?」

 

「いやぁ〜…、ちょっと頭打って気絶してたら、い、いつの間にかこんなところに…」

 

と一護は軽く嘘をついた。

 

(本当の事を話したら変に思われるからな。にしても、どうなってんだ…。)

 

「ほう…、それを私に信じろと?」

 

目の前の女性は一護嘘をついたことを瞬間で見破り、額に青筋を浮かべながら一護に問う。

 

「信じられ無いデスヨネ…ハイ…」

 

(ヤベェ、どうすっかな…逃げるか?)

 

などと考えていると、女性が突然一護に背を向け歩きだす。

 

「取り敢えずついてこい。」

 

「え?良いのかよ?」

 

「不法侵入で身柄を拘束して然るべきところへ突き出しても良いのだが…そんな装備もなしに忍び込める程緩い場所でもないし、抵抗するつもりもないようだからな」

 

今の一護の状態は私服を着てポケットに代行証と雀の涙ほどの金の入った財布。

 

「は、ハイ…お願いしマス」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

一護は個室に案内され、女性と向かい合わせに座る。

 

「それで?貴様はなぜここにいる?どこから来た?」

 

鋭い目付きで一護に質問が飛ぶ。

 

「その前にひとつきかせてくれここってどこだ?」

 

「何をふざけたことを言っている?IS学園に決まってるだろ?」

 

女性はさもこいつは何を言っているかわからないという風に答える。

 

「IS学園?どこだそこ?」

 

「お前…知らないのか?」

 

ここに来て初めて女性の表情が変わる。

 

(やべっ!なんか知ってなきゃいけなかったのか?、だけど学園って事はただの学校だよな…、全国で一番頭が良いとかそんな感じか?)

 

「わ、悪りぃ、そんなに有名だったのか?」

 

「……。まぁいい、貴様の名前とどこから来たか言え」

 

「名前は黒崎一護、空座町ってトコなんだけど」

 

女性はパソコンを弄り何かを調べる。

 

「……そんな町は無いぞ。」

 

「なっ!?どういうことだよ!!」

 

「知らん、だが、なにやら訳ありのようだな。知らないのであるなら仕方あるまいある程度ISについて説明してやる。ついて来い。」

 

女性は立ち上がり部屋を出ようとする。

「お、おい待ってくれ。アンタの名前を教えてくれよ。」

「? 知らんのか?」

 

「わ、悪りぃ有名人だったのか?」

 

「いや、なんでもない。私は織斑千冬だ。ここで教師をしている。」

 

「教師?へぇ、意外だな」

 

ギロッ

 

「ス、スミマセン…」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

一護は個室を出て、千冬の案内により、ある部屋へと案内される。

 

「この部屋にISがある。入れ。」

 

千冬に促され、一護が部屋に入ると、部屋の電気が付き、あるものが照らされる。

 

「な、なんだこれ…スゲェなコレがISってやつなのか…」

 

一護の前には、機械の人形のような物がズラリと並んでいた。

 

「おい、お前本当にISを知らんのか?さっきの存在しない町といい、まるで知らない世界に迷い込んだようだぞ」

 

「そ、それは…。」

 

「良い加減本当の事を言え、見たところ体は鍛え込んでいるようだ、歩き方もそれなりに闘いを知る者の足運び、しかし、周囲への警戒があまりにも薄い、それでは潜入者としては下の下。それによりどこかのまわし者というわけではあるまい。嘘偽りなく話せ。」

 

(くそ参ったな、なんて言おうか…)

 

「じ、実は自分が誰とか住んでた場所とかは記憶にあるんだけどよ、ここに来るまでの記憶が、全く無くてよ、どうしてこうなってるのか全くわかんねぇんだ」

 

「……。」

 

「……。」

 

「わかった、とりあえずはそういうことにしておいてやる。」

 

「良いのかよ?自分で言うのもなんだけど怪しいとは思わねぇのか?」

 

「馬鹿者。怪しいに決まっとるだろうが。言っている事はアホ丸出しで意味がわからん。だが目を見ればそれなりにわかる。性根のまっすぐした目だ。その目を私はよく知っている。だから取り敢えずは信じておいてやる。」

 

「悪りぃな助かるぜ、それで俺は一体どうすればいい?」

 

「取り敢えず貴様は記憶喪失という形で認識はしておいてやる今世界では男性のISの搭乗者を血眼になって探している。その機械に触れてみろ話はそれからだ。」

 

「ん?なんだよそれ、男には乗れない乗り物みてぇじゃねぇか。」

 

「みたいではなく、それは本来男には乗れん物だ。女性専用の乗り物だ。だが1人だけ例外が見つかってな。それによって各国が必死をこいて探してるというわけだ。」

 

「なるほどな、で、結局これは何なんだ?兵器なのか?」

 

「いや、兵器として使う事は条約で禁止されている。これは競技用だ。まぁ、そんな事は後で教えてやる。取り敢えずさっさと触れろ」

 

「わ、わかった。」

 

一護が触れると光が身を包み、

 

「うわっ!なんだこりゃ!!お、おい千冬さん!女にしか乗れねぇんじゃなかったのかよ!」

 

「まさか乗れるとはな…。だが、例外はあると言ったはずだ。喜べ黒崎。貴様はこの学院に通う資格を手に入れた。」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

そこから済し崩しにこの学園に通う事になり冒頭に戻るというわけだが、自己紹介終わりもう1人の男、織斑一夏が話しかけて来た。

 

「よう、俺は織斑一夏て言うんだ。良かったよあんたが居てくれて、1人だったら絶対気まずかった。これからよろしくな黒崎。」

 

「あぁ、こっちこそよろしくな織斑。」

 

「俺の事は一夏で良いぜ。千冬姉と混乱するだろうからさ」

 

「それなら俺も一護で良いぜ。あと、その呼び方しねぇほうが良いんじゃねぇか?さっき思いっきりぶっ叩かれてたじゃねぇか。」

 

「おう!、よろしくな一護! 呼び方はなぁ…もう随分長いから癖になってるなぁ。」

 

そこへポニーテールの女子がこちらに来て話しかけてきた。

 

「一夏」

 

「あれ?お前箒か!?久しぶりだなぁ!!」

 

「あぁ、久し振りだ。すまないがこいつを借りても良いか?」

 

「あぁ、構わねぇよ、久しぶりみたいだしゆっくり話してこいよ一夏。」

 

「おう!悪いな。また後で話そうぜ。」

 

そう言ってポニーテールの女子に連れて行かれるのを傍目に見て思考に耽っていた。

 

(織斑って、千冬さ、じゃなかった。織斑先生の弟だったのか。たしかにキリッとした顔が少し似てるかもな)

 

などとなんとなく時間を持て余して居たら後ろから声をかけられた。

 

「そこの貴方、少しよろしくて?」

 

振り向くと金髪にカチューシャをつけている女子が一護の後ろに立っていた。

 

「なんだ?何か用か?」

 

「まぁ!なんですのその言葉遣いは!見た目の通り野蛮な方ですわね!」

 

(なんだ?今ので何か気に触る事でも言っちまったのか?)

 

「そりゃ悪かったな。それで何か用があるのか?」

 

「ふんっ、別に用などありませんわ!ただ世界で2番目の男性の搭乗者がどんな人物なのかこの私自ら確認しにきて差し上げたのですからそれ相応の礼儀を払うのは当然ではなくて?」

 

(こいつ…上から目線で人を見るタイプか?ま、白哉に比べれば可愛いもんだけどよ。)

 

「そうかよ、なら最初に名前ぐらい名乗れよな。それが礼儀だろうが?」

 

「なんですって?このエリートである私、イギリス代表候補生のセシリア オルコットを知らないと?」

 

「知らね。代表ならまだしもなんで代表候補で威張ってんだよ?」

 

「っ!!貴方!!代表候補生に選ばれるだけでもっ「キーンコーンカーンコーン」っ!!」

 

セシリアが何か言おうとした直後に鐘が鳴る

 

「くっ、また来ますわ覚えてらっしゃい!!」

 

(面倒なのに目付けられちまったなぁ…。っと次は授業はなにするんだ?)

 

「この時間は再来週にあるクラス対抗戦にでるクラス代表を決める。」

 

(なんか面倒そうだな…)

 

「自薦他薦などはあるか?」

 

(他薦!?マジかよ!面白半分で推薦されたらたまったもんじゃねえぞ!)

 

一護が危惧した通りの展開になる。

 

「はい!私織斑君が良いと思います!!」

 

「わたしも〜!」

 

「お、俺ぇ〜!?」

 

「私は黒崎君が良いと思いまーす!!」

 

「俺もかよ…」

 

男子2人に他薦が集中していると、

 

「待ってください!!そのような事認められませんわ!!極東の猿なんかにクラス代表は務まりませんわ!!タダでさえこんな島国に居るが耐えられ無いのに!!クラス代表は私が務めるべきですわ!!」

 

セシリアが大声で反対するとカチンときた一夏が反撃する。

 

「イギリスだって大したお国自慢ないだろ!!世界一マズイ料理ランキング何年覇者だよ!!」

 

「な、なんですって!!私の祖国を侮辱しましたわね!!」

 

「そっちが先に「まぁ、2人とも落ち着けよ」一護。だけどそっちが」

二人の言い合いがヒートアップしそうなところで一護が止めに入った。

 

「黙れうるさいぞお前たち。では私が決定方法を決める

決闘方式でトーナメント戦にする。織斑とセシリア オルコット、それと黒崎に戦って決めてもらう。」

 

「お、俺も参加すんのかよ!?」

 

ヒュッ!!パキ!!

 

一護の頬を掠めて白いチョークが飛んでいった

 

「口調を直せ。」

 

「は、ハイ…。」

 

「では来週の放課後に行うことにする。そうだな…。ジャンケンで勝ったやつがシード権を得る。ではさっさとしろ。」

 

「「「ハイ((わかった))」」」

 

「「「ジャンケン ポイ」」」

 

「俺がシードかー…。」

 

「というわけだ。織斑がシード。よって一回戦はセシリア オルコットと黒崎一護だ。」

 

「なぁ、俺はハンデとかつけなくて良いのか?」

 

一護がそう言うとクラスの空気が一瞬固まり、すぐに溶け出す。

 

「アハハハハハハ! 本気で言ってるの?黒崎くん。」

 

「女より男の方が強かったのはもう昔のことなんだよ?」

 

クラス中の嘲笑が一護に向けられる。

 

「いや、男だとか女だとかそういうつもりで言ったわけじゃなかったんだけどよ。まぁ、要らねぇなら良いんだ。」

 

「黒崎さん、今のはジョークとしては最高に面白かったですわ。なんなら私の方がハンデを差し上げてもよろしくてよ?」

 

「いや、大丈夫だ。ならお互い全力でやろうぜ。」

 

「ええ、望むところですわ!」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

放課後になると千冬が一護を呼び止めた。

 

「おい、黒崎」

 

「なんだ?」

 

ギロッ

 

「な、なんデスカ?」

 

「寮の鍵だ1250番一番端の部屋だ。織斑はその隣の1249だ。私の愚弟はしっかりしているようでかなり抜けているからな。よろしく頼むぞ。」

 

「何だ。あんt、織斑先生にもそういうとこあるんスね。」

 

「まぁ、そんな所だ。それでは私は職員室に戻る。何かアレばそれなりに融通してやる。ではな。」

 

そうして千冬と別れると一夏がこちらにやってきた

「千冬姉と何話してたんだ?」

 

「部屋の鍵を貰ったんだよ。一夏の隣だと」

 

「お、マジか!よろしくな!!」

 

「おう、でどうしたんだ?部屋にいかねぇのか?」

 

「これから箒、休み時間の時来た奴とISの練習の為に剣道する事になってんだけど一緒にどうだ?」

 

「それって特訓になんのかよ?」

 

「それは俺も思ったけど、まぁ、IS動かすのは自分だからな。やっといて損はないと思うけど?」

 

「まぁ、なら付き合うぜ」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

そして剣道場へ移動すると

 

「なんで黒崎が居るんだ?」

 

とジト目で一夏を睨んでいる箒がいた。

 

「い、いや、ほら皆でやった方がやる気でるだろ?」

 

「悪りぃな。こない方が良かったか?」

 

「い、いや、別に構わん。」

 

「そういや自己紹介が遅れたな。俺は黒崎一護。あんたは篠ノ乃箒だよな?」

 

「あぁ、苗字ではなく名前で呼んでくれ」

 

「わかった。なら俺のことも一護で良いぜ。よろしくな箒」

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

「それで、箒と一護。これからどうする??」

 

「そうだな、一護。お前は剣を握るのは初めてか?」

 

「いや、型とかそういうのは全くない我流でならあるって感じかな」

 

「そうか、では最初は一夏とやったらどうだ?こいつ小学生以来から剣を振っていないといっていたからな。」

「そういうことなら良いぜ。やるか、一夏。」

 

そう言って竹刀を持ち、一夏の正面に立つ。

 

「よし!やろうぜ!って言いたいところだけど、一護は防具付けないのか?」

 

「あぁ、一度もつけたことないからよ」

 

「そうか、ならこのまま行くぜ一護」

 

「あぁ、来い一夏。」

 

互いが少し距離を取りそれぞれ構える。

 

(一夏は一応形は平気だな。それより一護の構え…確かに型が剣道とは異なるな…。上半身は剣道のそれだが、両足が地面にしっかりとついている。アレでは機動力が落ちる。どういうつもりだ?)

 

箒は一護がどんな実力か測ろうとしていた。

 

まずは一夏が先制する。それを一護が難なくかわし反撃に出る。

 

一護は、死神として音速の戦いをしてきている。よって一介の高校生の太刀筋程度見切れ無いはずがない。

 

(すごい目、そして体幹だ。全て受けるのではなく躱す。それも、素早く上体のを立て直す体幹。私にあれが出来るか…)

 

そして決着はすぐに着く。

 

「ウッ」

 

「悪りぃ、大丈夫か?」

 

一護が一夏の手に打ち込み一夏が竹刀を落としてしまった。

 

「スゲェな一護。全然攻撃が当たらなかったぜ。少し悔しいくらいだ」

 

「まぁ、反射神経には一応自信があるからな。まぁ、こんなモンかな。学校生活初日は結構ハードだな。俺はもう部屋で休むことにする」

 

「そうか、わかったまた明日な!」

 

「また明日」

 

「おう、またな!」

 

そうして一護剣道場を後にした。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

(1250はここか…)

 

鍵を開けて入ると荷物を放り出し椅子に腰掛けた。

(さて、これからどうするかな。死神化して様子を見るのもアリだな。)

 

と考えていたらいつの間にか机に置いてあった持ち主不明の携帯が鳴り始めた。

 


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