やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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どうもどうも
駄文ですが、よかったらどうぞ


8 そして比企谷八幡の夏休みは幕を開ける

キーンコーンカーンコーン

 

授業の終わりを告げる鐘がなった

俺にとってこの鐘の音は夏休みの開始を告げる鐘である

 

夏休み

学生という存在に与えられる1ヶ月または2ヶ月の

長期休暇

 

最高だ

毎日、家でゴロゴロしていても何も言われない

大学に通学するというルーチンからも解放される

 

実家には今年は帰らない

理由は簡単……部屋が物置になっていたからである

 

家に帰ったときの

なんで帰ってきたのという目

百歩譲って親がするのはわかる……いや分かっちゃダメだろ……

しかし、小町……ちょっとはお兄ちゃんのことも考えて……

 

そんなことを考えつつ

大学の教室を後にする

 

さて、家に帰ってゲームの続きでもする……あれは雪ノ下か?

雪ノ下は○号館の出入り口近くに立っていた

 

うむ

スルー推奨だ

幸い気づかれてない

ちょっと遠回りだが違うところから出るか

幸いこの○号館は出口が3つある

 

雪ノ下に気づかれないようにその場を後にする

なぜ避けたかといわれると、本能という言葉しかでてこない

やっかいごとが避けられるなら避けた方が合理的だ

 

だが、やっかいごとはすでに始まっていたらしい……

由比ヶ浜は違う出入り口の近くで携帯をいじっていた

なんか嫌な予感がする……

予感にひかれるようにもう一つの出入り口に急いで向かう

するとそこには扉の近くで一色が手鏡を見て髪を整えている姿があった

 

か こ ま れ た 

 

おい!

これじゃマイホームに帰れない……

何処から出ても確実にこの後捕まって連行される……

 

夏休みに入るために神様が俺に出した課題ってやつですか…

とりあえず男子トイレに行こう

ここにはとりあえずあの3人も入ってこれないだろうし

ひとまず時間をつぶしてあきらめるのを待つか

 

個室に入り扉を閉める

スマホを出して時刻を確認すると

 

[メール3件]

 

開きたくねぇ……

意を決してメールを開く

 

from 雪ノ下雪乃

 

≪今、どちらにいますか?≫

 

from ☆☆ゆい☆☆

 

≪ヒッキー!

今、どこにいるの?大学?≫

 

from 一色いろは

 

≪先輩~今どちらですか?≫

 

まぁ予想通りではあったな

 

すると

スマホが鳴り始めた

 

≪着信 雪ノ下雪乃≫

 

とりあえず出るか

この状況についての情報が欲しい

 

「もしもし」

「今、どこにいるのかしら? 早く投降しなさい」

「それお前が言うと本当に怖いな……」

「あなたは現在○号館の何処かにいるはずよ」

「さぁな、もう帰っているかもしれないぜ」

「出口全部封じられていてその発言かしら?」

やっぱり作戦だったか……

 

「それで今どこに隠れてるのかしら?」

「そんなの言うわけないだろ……」

これ捕まったら今日連れまわされるやつに違いない…

俺の夏休み計画を最初から頓挫させるわけにはいかない……

「比企谷君?」

やべ、考えすぎて話聞いてなかった、なんの話してたっけ?

「あぁ…お前にもそういう子供っぽい一面あるんだなって……」

「きゅ…急に…な…何を言ってるのかしら…これは一色さんが言い始めたことであって私は別に……ブツブツ」

「分かった、分かったから」

おい、急に困惑しはじめたぞ、大丈夫か?

「とにかく…時間の無駄は嫌いなの、早く出てきて頂戴」

「断る、今日は家に帰ってゲームの予定だ、お前らに買い物に付き合ってる暇はない」

「じゃあ、捕まったら今日3人の買い物に付き合うのね」

「な…どうしてそうなる!」

「だって、私今日買い物に付き合ってもらうなんて一言も言ってないわよ」

「ぐっ…」

想像力を働かせすぎて、言わなくてもいいことを言ってしまった…

「まぁ、いいさ、捕まらなければいいんだろ」

そう言って、俺は電話を切った

さて、これは相手側があきらめて帰るという選択肢は捨てたほうがいいな

となれば、脱出あるのみだ

 

 

まず状況を整理しよう

まずA出口には雪ノ下、B出口には由比ヶ浜、C出口には一色

雪ノ下の発言からするとこれは全員が結託して行っていることだ

となれば、誰かに見つかった時点で連絡が回るのは必然

力づくで振りほどくという手はあるが……ここは大学

人は多く、加えて出入り口という一番人の出入りが多い場所

もし力づくで振りほどいて脱出をしたとしよう

次、来るときどんな噂がたてられてもおかしくはない

そして力づくが無理な場合、俺は相手を振りほどく手段がない

その間に3人が集結、そしたらもう逃げることは不可能だ

つまり

目立たないステルス大学生活を送りたいという願望をかなえたいなら

捕まるしかない

しかし、そうなると俺の夏休みが崩れることは必然……

この作戦立案、多分一色だろう……あのやろう……

 

 

脱出方法はシンプルにいこう

出口から3人の内誰かを引き離し

その隙にその出口から脱出

これがベスト

雪ノ下は多分罠にはかからない

一色は俺の性格を理解してる

となれば狙うは由比ヶ浜、ただ一人

考えをまとめていると、スマホが震えだした

 

≪着信 ☆☆ゆい☆☆≫

 

さて、さっそく来たか

 

「もしもし」

「ヒッキー!メール見た?今どこいるの?」

「大学の外だぞ」

「ふふん、それはないよ、私を騙そうとしたって無駄だよ」

まぁ、この辺は予想の範囲内だ

「まぁ、大学の外は嘘だ」

「それでヒッキーは今どこにいるの?」

「実は身体の調子が悪くてな……ちょっと休んでる」

「えぇ! ヒッキー大丈夫なの?」

「いや、大丈夫ではない……」

「ヒッキー! 今どこにいるの? 今すぐ向かうよ」

「今、3階のトイレの近くにいるんだ、頼む、迎えに来てくれ…」

「うん! 今向かうね」

 

これで由比ヶ浜はB出口を離れる

由比ヶ浜が来る前に、ここを離れよう……

というかあっさり引っかかったな……

雪ノ下も甘いな

 

俺は急いで男子トイレから脱出をした

B出口からここまでの最短距離はここの階段を上ること

 

となれば

少し遠回りだが逆の階段を使ってB出口に向かう

 

階段を下りていると

俺を見ながらヒソヒソと何かを話している連中が2階の廊下にいた

ぼっちは周りの視線に敏感だからな

おっと…

あんな視線に惑わされてたら

脱出作戦に支障が出かねない

俺はシカトをして階段を下る

 

案外、あっさりB口に着いたな…

さて、由比ヶ浜は………いるだと……

 

「あ! ヒッキー本当に来た!」

「げ、なんでお前3階に向かったはずじゃ……」

「ゆきのんがね…ヒッキーは病気のふりをするけど

気にしなくても大丈夫だって、出口で待ってれば勝手にくるからって」

作戦読まれてたか

まぁ、こんな作戦通じるほうがおかしいよな……

「ヒッキー捕まえた!」

そうこう考えてるうちに由比ヶ浜に腕をつかまれた

「おい、離せって」

「離さないもん! やるなら力づくでいいよーだ」

くそ、やっぱり

思った通りだ……由比ヶ浜は俺の腕をホールドしながら

携帯を操作している……

まずい、力づく以外でこの状況を打破する方法は……

 

「なぁ。結衣」

 

「え……へ?」

「ちょっと痛いから離してもらえないかな?」

「は…はい」

由比ヶ浜の腕が離れた……チャンス!

俺はそこから出口まで走った

 

よし、脱出成功!

 

と思ったときにはもう遅かった…

目の前には一色の姿があった

 

「なんでお前がそこにいる……一色、C口にいたはずじゃ」

「ふふん! 先輩の場所なんて私にはお見通しなのです」

「どういう意味だ?」

「目撃証言があるんですよ、B口に向かっていった先輩を見たって」

まさか…

あの謎の視線は…

「そう、一色さんの手…おともだちでーす」

絶対に手駒って言おうとしてたよ

 

「それはそうと先輩……」

「何だ?」

あれ、さっきまでの一色さんと雰囲気が変わり始めてない?

 

「結衣先輩のこと名前で呼んでませんでしたか?」

「そ…そんなわけないだろ」

「いいえ、私聞きましたもん!」

「気のせいだ」

「ヒッキー! あのもう一回名前……あれ、いろはちゃん?」

「先輩……」

一色がとても怖い笑顔をしてる……

「作戦の一部だったんだよ……」

「ほうほうほう、なら…」

そう言うと一色が腕に引っ付いてきた

「どうします?」

つまり自分にもしろと……

「あーずるい、いろはちゃんだけ!」

「結衣先輩はさっきやってたじゃないですか」

「おい、お前どこから見てた…」

「先輩~早く早く~」

 

「何をしているのかしら?」

 

そこには氷の女王が立っていた

 

「ち……違うんだ…雪ノ下これは…」

「まったく、2人ともちゃんと連絡をしなさい」

「はーい」

「ごめんね、ゆきのん」

「きゃ、由比ヶ浜さん近いわ」

氷の世界から一転

ゆるゆりなワールドになったな、めでたしめでたし

それじゃ、俺は帰ろうかな

「何をしているのかしら? 比企谷君」

「いや、帰ろうと……してました」

「はぁ、もう本題に入りましょう」

「本題?」

「比企谷君、夏休みの予定はどんな感じかしら?」

「とっても忙しい予定が入っている」

「へぇ~どんなふうに忙しいんですか、先輩?」

「いや、実家に帰るとか」

「この前、小町ちゃんがお兄ちゃんは今年は帰ってこないって言ってたね」

小町~~~

お兄ちゃんのためを思うなら、その情報は漏らしてほしくなかった

「まぁ、どうせこの男に予定なんてなかったのだから、こんな作戦やる必要なかったのよね」

「まぁまぁ、夏休みが始まったら先輩は家から出てきませんからここできっちり予定を聞いて言質を取っといた方がいいですよ」

「言質ってどういう意味?」

「それじゃ、先輩の予定も聞けましたし、みんなでご飯食べにいきましょう、先輩のおごりで」

「ちょっと待て、そんなの聞いてない」

「そんなことないですよ、雪ノ下先輩に聞きましたよ、捕まったら今日付き合ってくれるんですよね」

「買い物であって、飯をおごるのは管轄外だ」

そう言うと、一色は頬を膨らませ始めた

あざといから…

「さて、早く行きましょ、じゃないとお店が閉まっちゃうわ」

「さんせーい、早く行こ!」

「私、ほしいものあったんですよね」

3人は仲良く今日買うものについて歩きながら話し始めた

帰りたい……

「ヒッキー行くよ!」

「先輩、おいてきますよ」

「比企谷君、行きましょう」

そんなことを考えていると3人は振り向いて一斉に呼んできた

「はいはい、いま行く」

まぁ、まだ夏休みは始まったばかりだ

今日はこいつらに付き合ったとしても、まだまだ時間はある

きっと、計画通りにできるだろう……多分……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで夏休み編に入ります

え…この茶番は何かって?
やってみたかっただけです…

ではでは
今後の予定です
3人の個人話と

キャラ追加話書きます!

あと、続きものも企画中です

では謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからもよろしくおねがいします


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