やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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はい、結衣編です
駄文ですが、どうぞ


6 3人とも本気で演技するのは間違っている(結衣編)

百里を行く者は九十を半ばとす

何事も終わりのほうほど困難であるから九分どおりまで来てやっと半分と心得、最後まで気をゆるめるな。という戒めの言葉である

 

つまり何が言いたいかというと

最後の1人だからと言って気を抜けば仕送りが減らされる可能性は大いにある

と俺はスーツを着て、モデルルームの玄関前に立ちながら考えていた

どうやら、最後の幕間は旦那さんが帰ってきたときの幕間らしい

実を言うと、雪ノ下の演技が終わった後、由比ヶ浜が俺に

「少し時間ちょうだい!」

言ってきた

その後、ぶつぶつ何かを唱えながらモデルルーム内に消えていった

そして、約1時間ほど経過したとき

「お…オーケーだよ」

とモデルルーム内から由比ヶ浜の声が聞こえてきた

 

由比ヶ浜は基本的にアホの子であるが、実は自分の興味のあること、やりたいことの前ではすごいくらい頭がキレる

実際、同じ大学に入れているのはそのおかげだと思う

きっと何か策があるのだろう

警戒はしなきゃなるまい

しかし、どうせ相手の演技に合わせなきゃいけないだけで、警戒というか心の準備をしておくという感じだ…

とりあえずご機嫌取りさえできていれば相手も満足だろう……多分

というか、一色と雪ノ下はあれで満足なのだろうか…

その辺、俺聞けてないな、聞こうかな、いや聞かないでおこう

触らぬ神にたたりなしだ

 

「お兄ちゃん、最後だけど準備どう?」

小町の声が聞こえて我に帰る

「あぁ、準備オーケーだ」

最後だ、気を引き締めていこう

 

「それじゃあスタート!」

 

「ただいま」

俺は玄関を開けて入る

そして

 

「お…おかえりなさい…」

由比ヶ浜が裸エプロンで立っていた

 

 

「「「「「アウトーーーーーーーーー」」」」」

由比ヶ浜はやはりアホの子でした

 

 

「おまっ!ななな何してんだ!」

「だって!新婚ってこれしか思いつかないんだもん!」

「だからってそれは違うだろ」

「い…一応、裸じゃないよ、し…下着はつけてるもん」

「いや、由比ヶ浜さん、そういう問題じゃなくて…」

「あんまりじろじろ見ないで、ヒッキーまじキモイ!」

そのセリフは理不尽なのでは?

すると、スピーカーからあの時と同じ不正解音が流れ出す

 

「先輩!見ちゃダメ!結衣先輩何してるんですか!」

「卑猥谷君、見たら通報するわよ、由比ヶ浜さん、それは…ダメでしょう…」

「結衣さん、それはやりすぎですよ…」

「由比ヶ浜、そのなんだやる気は認めるが、それは違うだろう…」

 

モニタールームからのみなさんのお叱りの声…もとい諭す声

まぁ、誰だってそれは思うよな…

まぁ、何…良いものは見れたよ、さすが乳-トン先生の唱えた万乳引力だ…あらがえない

いや、ほかのところも本当に眼福でした、ありがとうございます…

「先輩、何考えてます?」

「通報しようかしら、この変態」

何故にモニター越しで俺の考えがわかるのだろうか…

怖いことこのうえない…

まぁ…とりあえずだ

「お前なんでこんなことを…?」

すると由比ヶ浜は

「だって……ヒッキー…グスン…前の2人とすごく楽しそうで…私最後だし…なんか何やっても二番煎じっていうか…ふぇぇ…グスッ」

そう言うと泣き始めてしまった

要するに、雪ノ下と一色以外がやった以外で何も思いつかなくて、こんな作戦に出たというわけか…

 

「はぁ~お前なぁ…」

俺はスーツのジャケットを由比ヶ浜にかぶせる

「お前はお前らしくやれよ…その方が俺もやりやすいし…その方が俺は好みだぞ…」

「ヒッキー…」

「とりあえず、いったん中止な…えーと小町それでいいか?」

「うん、わ…わかった」

「ということだ、服来て来い…俺もなんだ…ちゃんと演技するから…楽しめよ…せっかくの機会なんだから…まぁ俺が相手だけどさ…」

そういうと、涙を拭いてうなずいた

「じゃあ、俺はもう一度外の方にいるから、準備できたら教えろよ」

 

さすがに泣いたとこを見て

仕送りの件を考えながら、やるのは失礼だろう…

ここは純粋に由比ヶ浜が楽しめるように努めるのが、男としての義務である…

ここで、めんどくさがるほど、性格は曲がってないと思う…たぶん…

「ヒッキー準備OKだよーー」

 

由比ヶ浜の声が聞こえてきた

さて、ちゃんと気合入れなおして頑張りますか

 

「ただいま」

「おかえりなさい」

そう言うと、由比ヶ浜はもう玄関のところにいた

今度は服を着ていてその上に、エプロンを付けている…目が少し腫れてるが…よかった…じゃない!

ちょっと待て…さっきは裸?もとい下着エプロンが衝撃的で気が付かなかったが…

エプロンだとっ!

おい、まさか、由比ヶ浜の料理を食べるとかいう状況がこの後、訪れるのか…

「ご…ご飯にする?お風呂にする?それとも……わ……わた…た…し?」

恥ずかしいなら言うなよ、いや待て

この言葉、いまの状況をどうにかするにはとっても好都合じゃないか

「いや、飯はいいや…風呂とか沸いてるかな?」

「あーお風呂は沸かしてないや…ごめんね…」

じゃあなんで選択肢にお風呂があったのだろうか…

「じゃあ…結衣が…」

あれ、なんだろう、この殺気…

監視カメラからただよう、この殺気…

 

ご飯食べると答える➡つらい思いをする…

結衣を食べると答える➡なぜだろう、想像がつかない…というか怖くて思いつかない…

 

腹は命には代えられない…

 

「ご飯あるか?やっぱりおなかすいたわ」

そう言うと、由比ヶ浜は満点の笑顔になって

「うん!あるよ!カレー作ったんだ、一緒に食べよう!」

なるほど、だから1時間も中にいたのか…

しょうがない、食べますか…

 

リビングの扉を開けると

カレーの良い匂いが漂ってきた…

「いい匂いがするな、うまくできたっぽいな」

「うん、さっきね、ママに…おっと…でしょ!頑張ったんだ、ほめてほしいな」

「おう、よう頑張ったな」

なるほど、由比ヶ浜マに聞きながら作ったのか…なら大丈夫か?

普通の動作で頭をなでた、なんか手馴れてしまった気がする…

「えへへぇ…早く食べよう!」

そういうと、キッチンに入って皿を出し始めた…

「俺も手伝うよ」

「いいの!あなたは座ってて!」

おい、一人だけ名前呼びじゃないんだな…あなたって…むずかゆいな…

「分かった、ありがとう…結衣」

そう言うと

「うん!あなたの分…大盛りにしちゃうね!」

いや、まだ怖いから通常盛りでお願いします

 

そして俺の前には大盛りに盛られたカレーライスが運ばれてきた…

落ち着け…たぶん、大丈夫だ…

「あなた…その食べたくないなら…」

由比ヶ浜が向かいの席に座りながら聞いてきた

「いや、食べるよ、いただきます」

俺はスプーンを取って、一口食べた

お…これは…なかなかいいんじゃないか?

「うまいぞ」

「ホント!?」

「あぁ、おいしいよ」

「やったぁ!」

目の前の結衣は自分も食べながら、すごく嬉しそうにしていた…

「ねぇねぇ、あなた今日はね……」

「へぇ、そんなこと…」

晩御飯の時間は由比ヶ浜と話しながら食べていたら

あっという間に終わってしまった

 

「「ごちそうさま」」

「皿貸せよ…洗うから」

「いいの!私がやるの、あなたは早く着替えてきて」

そういえば、スーツのままだった…気が付かなかった…

「分かった、頼むよ…」

そう言うと、俺はリビングを出て、寝室に向かった

リビングからは鼻歌が聞こえてくる…楽しそうでよかった

 

先ほど、スーツに着替えた寝室に戻る…

さっき着替えた服は…あった…さて着替える……

そういえば、この部屋ってカメラあるんだっけ…さっきは気にしなかったが…

俺は周囲を確認する…

あ、一応廊下のカメラででこの部屋を映す感じか

となると、いま俺のいる場所は映らないのか、じゃあさっさと着替えてしまおう…

「あなた~着替え終わった?」

すぐ近くから由比ヶ浜の声が響いてきた…扉のまえだろうか?

「ちょっと待て、すぐ終わるから…」

俺は早くシャツとネクタイなどをハンガーにかけ

自分の私服に着替えなおした

「いいぞ、入ってきても」

そういうと、

「ダーイブ!」

由比ヶ浜が俺に抱き着いてきた

「ちょ、お前…」

「今日、結衣頑張ったな、ご褒美ほしいなぁ~」

「分かったから、少し離れろ…」

いや、抱き着かれると、あれなんです

当たるんですけど、色々と…静まれ……俺

「むぅ…いいじゃん結婚したんだし、このくらいのスキンシップ…それに…」

そう言うと、俺の耳元に口をよせて

「ここ、カメラからは見れないからさ」

と小声で言ってきた

こいつ…初めからそのつもりで、抱き着いたのか…

「ほらほら…ご褒美ほしいなぁ…」

そういうと、俺の胸元におでこをこすりつけてきた

おい、くすぐったい…恥ずかしい…

 

 

モニタールームside

 

「見えない!先輩に考慮して配置したカメラがあだに…」

「落ち着きなさい、すぐ出てくるわ」

そういう雪乃さんは震えていた…

「二人とも、大丈夫ですよ…すぐ出てきますって、制限時間もありますし…」

「まぁ、落ち着け、こんなとこで2人が君らの考えてることを……ゲフゥ…」

平塚先生は何を想像して倒れたのか…それは置いといて

結衣さん、これ考えてやってたらすごいなぁ…

 

モデルルームside

 

「ご褒美ってなんだよ…」

「うーん、それじゃあ腕私のうしろに回して…」

由比ヶ浜は俺の胸元からおでこを離すと…

「抱きしめてほしいなぁ…」

と言い放った

ハードル高い、しかも一色と違い、今回は正面向かってというオーダー

「分かった」

しかしここで、躊躇しても仕方ない…

俺は由比ヶ浜の背中に腕を回した…

そして由比ヶ浜の背中に触れて、抱きしめた

「むぅ!緩いよ、もっときつく!」

ご不満らしい、くそ…俺もこれで限界なんですけど…

「もっと強く抱きしめて…お願い」

上目遣いである…これは…やばい…

俺は由比ヶ浜の背中の手に力を込めた

「……うん…そのくらいがいいかな…」

そういうと、由比ヶ浜も俺の後ろに回した手に力を込めてきた…

一体どのくらいの時間が経っただろうか

いつまでやるのだろう?

「あの…結衣さん?」

「結衣だよ、あなた?」

「結衣、これいつまで?」

正直、つらい

いろんなものが当たってる

これがすごくつらい、息子が立ちあがったら、ばれる…

「私が満足するまで……って言いたいけど…」

「けど?」

そういうと、また耳元に口を近づけてきて

「実は時間が、もうほんのちょっとしかないんだ…だから…」

そう言うと、俺は頬に感触を覚えた…

え、まさか…

「えへへ、今日のお礼…ヒッキー大好きだよ…」

そういうとブザーがモデルルーム内に鳴り響いた…

「終了でーす、お疲れさまでした」

と小町の声がモデルルーム内に響き渡った

 

それを聞くと由比ヶ浜は俺から離れて

「ヒッキーどうだった?」

と聞いてきた

俺は頬に残った感触にぼーっとしてて、いま呼びかけられて、我に帰った

「あぁ…よかったよ、お前らしくてよかったよ、良い嫁になれそうだな…」

そういうと、太陽のような笑顔で

「ありがとう!ヒッキー」

と彼女は答えた

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、というわけで結衣編でした

え?
裸エプロンじゃないのはなぜかって?
こういうシチュエーションやりたかったんですが、演技で
裸エプロンはちょっと…いや下着もあり得ないんですけどね
まぁ、その辺の疑問は流してください、すみません…
あと、俺の中の由比ヶ浜って策士なイメージなんです
だからこんな感じになりました…

次回は演技編最終回ですね
あの人物も活躍します!
あの人物ってバレバレな気がしますけどね…
需要あるのかなぁ?
友人はあるって言ってたんですけどね…

それではいつもの謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからもよろしくお願いします

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