やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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ラストスパートです
駄文ですが、どうぞ


36 そして比企谷八幡は……

「あの、先生……何処向かってるんですか?」

 

あの後、俺は狙ったかのようなカッコいい登場をした先生と一緒に車に乗っている。本当にこの人は女性なんだろうか……今のは完全に男性より女性が群がる登場の仕方だったんですけど……。というか何処へ連れていかれるのだろうか。

 

「心配するな、ちょっと話でもしよう。とりあえず聞くが、決心はついたのか?」

 

「……まぁ、腹はくくりました。ですが、肝心の相手はまだ決まってないです……。」

 

そう、まだ選ぶ覚悟はできたが選べていない。だというのに、ほとんど時間は残されていない。

 

「昔、私が比企谷に言った台詞覚えてるか?」

 

「たくさんありすぎて逆にどれを指すのかわかりません。アラサー自虐ならって聞きたく……というかもう30超えてましたっけ……ヘブッ!!」

 

「すまんな、比企谷。ちょっと車が揺れただろう。」

 

あれ、おかしいな。

早すぎて見えなかった。というか車乗ってんのにどうしてそんな風に殴れるのか聞きたい。

 

「そうだな。本当に君は問題児だったからな。色々言ったな」

 

殴ったのスルーですか。はい、ですよね。

 

「そこまで問題児でしたか? 俺、数学は置いとくにしても……ほかの教科とか授業とか普通に真面目に受けてましたよ。校則を破ることはしてませんし、少なくとも問題児扱いはされるほどのことはあったとは思えませんが。」

 

「問題児さ、私から見たらもう、どういう育ちをしたらここまで高校生でこういう考えができるのか不思議だったよ。君の高校生活を振り返っての作文は私は教師人生一生の思い出だな。青春とは悪であり、嘘であるだったか?」

 

うわぁ……恥ずかしいな。それはそれで。しかしよく覚えてるもんだ。

 

「だが、君の青春は奉仕部に入ってから変わった。君は周りを変えていき、そして周りに変えられていった。だからこそ今の君がいて、周りがいる。少なくとも奉仕部に入らなければ、手に入らなかったものだ。君が青春のために動いた結果だ。そしてそれは今も続いている。」

 

「まるで、俺が青春のために行動をしていたかのような台詞ですね。そんなことはしてませんし、奉仕部に入部させたのは平塚先生でしょうに。」

 

「そうだな、しかし君が青春を謳歌してみたいという気持ちは行動には一応出ていたよ。高校時代を振り返っての作文がそのいい例だろう。」

 

「……どういう意味ですか、それ」

 

「私はなぜ、あんな作文を書いたと聞いたとき君はこう答えた。近頃の高校生は大体こんな感じだと。しかし内容はどう見ても舐め腐った作文だ。たとえあれを見たのが誰であろうとな。」

 

別に否定はしない。

あの時の俺はただ、自分の経験に従って書いただけだ。

 

 

「君があの時、本当にぼっちを名乗っているのならあの文章は書かなかったはずだ。少なくとも先生に呼び出されるような作文は絶対に書かない。ぼっちは基本目立たないように行動するのが基本原理なんだろう?」

 

「……っ!」

 

「あれを書いた理由は簡単だ。現状からの打破、ただその一つに過ぎない。君の理性や考えはぼっちを貫いていた。ただ、本能のたった一部分がそれに反抗をしたんだ。ささいな……そう一つの作文という形でな。それになんら意味はなかったのかもしれない。呼び出されるだけで済んだかもしれない。けどそこで君の青春、人生は変わったんだ。君の本能の片隅にはそれを望む声があったんだ。自分でも気づかない部分でな。」

 

目から鱗という表現がこの場では一番正しいのだろうか。

俺は自分の気づいていないところで、最初から行動していたんだ。欲しいものが何かは形になっていなかったし、言葉にもできなかったあの時から俺は欲していたんだ……あれを

 

「だがな、比企谷……その青春にも必ず終わりは来る。今がその時だよ、比企谷。」

 

「終わりですか……」

 

「そうだ、いつか誰でも必ず大人になる。そう、私みたいな30代独身にな!!!」

 

空気が凍った。

 

「そういう自虐は婚期を遅……ぐはぁ!」

 

見えない拳が俺を貫いた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「まったく、君は本当にそういうところは変わらないな。まぁ、そこがあいつらは良いんだろうな。」

 

学習した。

あの拳の原理はわからんが、シートベルトをしている以上絶対によけられないんだから藪蛇はやめよう。

本当にやめよう。俺の身がもたない。

 

「本当趣味悪いですよね。あいつら」

 

「君が言うのかね、それを」

 

正直、どうかしてるとは常日頃思う。俺はそこまで良い物件とは言えない。一般論から言えば葉山とかの方がよっぽど良い物件なのではないのか?

 

「君が悩む理由も分かるがね、なにせ一生の選択だ。」

 

「一生ってなんですか……そんなつもりは……」

 

「なんだ、選んだ相手と別れるつもりなのかね? 君は。」

 

「そういうわけではありませんけど……そこまで考えてなかったといいますか……」

 

「だろう。だから一生を決める選択と言っても過言ではない。」

 

「俺が愛想つかされて、相手から別れたいって言われる可能性はあるでしょ。」

 

「そんな可能性が1%でもあるなら、こんなことにはなっていないんじゃないか? それとも自分から別れてもらうために何かするのか?」

 

さっきからぐぅの音もでない。

材木座にも相当言われたけど、平塚先生の発言も刺さる。

 

「さて、では私からのアドバイスをやろう。」

 

「アドバイスって……」

 

この人、恋愛関係に対してのアドバイスなんてできるのか?

 

「さて、不穏な考えが浮かんでないか、比企谷」

 

「え、どうですかね……ハハハ」

 

俺の周りの女性、心読めるやつ多すぎ!

 

「何度も言うが、君はこれから大人になっていく。青春時代はもう終わり……そのうえで

 

 誰と一緒に未来を歩いていきたいかだ。それを考えてみろ。今だけじゃない、これからの君の幸せな未来には誰が隣が一番いいのかを考えるんだ。」

 

今だけじゃない。未来を一緒に歩いていきたい人を選べか……

 

「そんなに想像力豊かじゃないんですけどね」

 

「別に家庭像を想像しろなんていってないだろう。苦しいとき、辛いとき一番隣にいてほしいのは誰かという話さ。今も、そしてこれからも。」

 

辛いときに隣にいてほしい人、苦しい時に隣で過ごしたい人

 

「楽しいとき、嬉しいときを隣で共有したい人って考えもあるな。」

 

楽しいときを隣で共有したい人、嬉しいときに隣で分かちあいたい人

 

「それを考えたとき誰が一番に思い浮かんだか。重たい考えだとは思うが、どうせ別れるようなことはないんだから、この考え方もありだろう。」

 

まったく……本当にこの人にはかなわない。

俺の人生はこれからも続いていく。大学生活だけじゃない。社会人になって、働いて……まぁ、いつか子供とかもできて夫婦になっていく。俺みたいに恋愛経験がないやつはもう重たく考えるくらいがちょうといいのかもしれない。でも、この考え方って……

 

「もっと決めにくくなりました。」

 

「そうだと思ったよ。」

 

「先生、ひどくないですか?」

 

「いや、何……教え子が私を差し置いて恋愛とか結婚とか別に気にしてないから。私はまだ29歳と〇〇ヵ月だから。」

 

それは気にしている人の台詞ですよ。そして最後の台詞は婚活パーティーで使わないようにね……

 

「別に結婚とかは全然まだまだ先の話ですよ。何で俺に嫉妬してるんですか。」

 

「バカ野郎! そういうこと言ってると結婚する機会を無くしたりするんだ……いや、私はまだ大丈夫だから。」

 

もう、本当に誰かもらってあげて……俺はもう無理そうだから。誰かお願い。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「さて、着いたぞ」

 

「ここは……」

 

車が着いた場所は総武高校だった。

はぁ、ずいぶんとまた演出が凝ってると言うか。まぁ俺の青春に対しての答えを出すにはふさわしい場所なのかもしれないな。

 

「比企谷、これを」

 

「これは……」

 

「もしものためのものだ。使わないならそれでいい。それと彼女たちの居場所は簡単だ。君ならなんとなくわかるだろう。」

 

「分かりました、先生ありがとうございます」

 

「うむ、君の選択を楽しみにしている。ちなみに今日の宿直は私だ。だからその辺気にせずしっかりな。」

 

「その辺って……そんなことしませんよ。じゃあ、行ってきます。」

 

頭によぎるのは材木座、小町、戸塚、平塚先生の言葉

そして、4人の顔。

 

覚悟はできた。もう悩みに悩んだ。

答えはない。けど出すには出した。

 

さて、答え合わせと行こう。

 

自分の幸せをつかむために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで次回、最終回です。
最終回投稿日は2月14日㈫となります。なので来週はお休みです。
皆さんが納得できるような最終回にできるように私も頑張ります。

今回、八幡の作文についての独自の解釈があります。
俺だったらの考えなんで、合わなかったらすみません。

シリアスきつくてついネタに走ってしまう。
マジ、悪い癖w

では、恒例の謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
最後まで応援よろしくお願いします。

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