やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

30 / 43
とうとう30話です。
ちょっと早いですがクリスマス前編です。
それでは、駄文ですがどうぞ。


30 クリスマスの受難 前編

「「「「「「「「かんぱーい」」」」」」」」

 

今日は12月24日のクリスマスイブ

ぼっちである私には何の関係もないイベントなので家に引きこもる予定だったのだが、まぁ、何……いつも通りといいますかな……脅迫……もといクリスマスパーティーのお誘いが来たので乗ったんです。はい。決して脅されたわけではありません。私はまだ男の尊厳は保てているはずです。

 

「あら、比企谷君どうしたのかしら? もしかして食べ物で何か苦手なものがあったかしら?」

 

「普通な顔で俺の前にトマトのサラダおいてるお前が今それを言うのはおかしいよね……」

 

今日は比企谷家ではなく、雪ノ下の家で行われている。

ちなみに参加メンバーは今回、雪ノ下、由比ヶ浜、一色、雪ノ下さん、小町、戸塚、材木座、俺の8人といういつものメンバーである。

正直言うと……クリスマスは不安しかなかったからパーティーを開くと言われたときは内心ほっとしていた。というのも俺の現在の立ち位置上完全にクリスマスというイベントは至極マズいのである。事情は恥ずかしいので省くが、とにかくドキドキデート作戦とかいう伝説の作戦を行わずに済んだことだけは幸運だったと思う。いや、吸血鬼とか聖剣使いとかいないけど、怒らせたらどうなるかとか考えるとなぜだろう……足が震える……。

 

「八幡、八幡!」

 

「ん? どうした戸塚?」

 

「このローストビーフすっごくおいしいよ」

 

「あぁ、そりゃ雪ノ下は料理上手だしな」

 

実は今回の料理のほとんどは雪ノ下の手作りらしく、クリスマスの合う、ローストビーフ、七面鳥の丸焼き、サラダや前菜などがテーブルの上に並んでいる。しかし七面鳥とか普通作れるのだろうか? あいつは本当に料理が上手だな。そう思って雪ノ下を見るとあちらもこっちを見ていたのか、ふと目が合う。するとにっこりと笑いながら多分口パクで「どうかしら?」と聞いてきた。こっちはうなずいて会釈すると、ちょっと顔を赤くして顔を下に向けた。あの…ギャップ萌えを全開にするのをやめてください。

まぁ、なんにせよ、今回は平穏無事な楽しいパーティーになりそうだな。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【?’s view】

 

フフフ、今回こういうのを用意してきてよかった……これで少しでも皆さんが素直になってくれるといいんだけどな……でもあの人に仕入れ頼んでよかったよ。でも……よく協力してくれたな。

 

【?’s view 終】

 

 

「八幡よ」

 

「なんだ?」

 

「いや、我の勘違いならいいのだが……心なしか……というか飲み物変わってないか?」

 

確かによくよく見ると最初は普通のウーロン茶とかだったのだが……なんかお酒の味がするような……

 

「確かにお酒になってるな」

 

「我もそう思うのだが、特には問題が……」

 

「なんだよ、急に黙っ……て…」

 

俺と材木座の視線の先には号泣している雪ノ下さんがいた。

 

「ああいうのを天変地異の前触れというのか」

 

「おい、達観してんじゃねーよ」

 

「何を言う……これは貴様の領分…我には関係ない。」

 

この野郎……傍観決め込んでいやがる……。とりあえず介抱しに行くしかないか……ほっとくとどうなるか分かんないしな…。

 

「あの、雪ノ下さん?」

 

「うぅぅ……比企谷君?」

 

「はい、比企谷です。どうしたんですか?」

 

「いや、どうやったら君が振り向いてくれるのかなぁって、そうしたらこんな年上のおばさんなんて興味ないんじゃないかって思えてきて……そしたらね……涙が出てきて、うぅぅ」

 

雪ノ下さんが酔ったらネガティブになるのは驚きなんですが……それよりも内容に色々ツッコミたい

 

「比企谷君は自分よりも年上なんて嫌い? 恋愛対象にならない?」

 

「いや、そういうのは……」

 

「うわぁぁぁぁん!! やっぱりおばさんなんて無理なんだ……私なんて……うぇぇぇ……ひっく」

 

待って!

俺はまだ何も言ってないよね……

 

「そんなことないですよ、雪ノ下さんはまだまだ若いじゃないですか」

 

「違う」

 

「え?」

 

「私が聞いてるのは比企谷君は年上が好きなのかってこと!」

 

あれ、質問変わってない?

そう言って俺の服の襟をつかんで上目遣いでにらんできた。

 

「えーと……」

 

答えに渋っていると……目に涙がたまり始めた。ちょっと待ってくれ

 

 

「うわぁぁぁぁん! やっぱり年下なんだ、どうせそうなんだ!」

 

「違う違う……年上好きだなぁ……年上は至高だなぁ。」

 

そういうと、急に泣き止みはじめ、俺の襟をつかんで

 

「ホント?」

 

二度目の上目遣いである。

 

「あぁ、本当だよ。だから泣かないでくれると助かるんだけど……」

 

「うん」

 

と言ってうなずいた。

 

さっきネガティブと言ったけど、どっちかっていうと幼児思考の方がたとえが正しいのかな。

しかし、酔うとこんなに性格変わるのか……ちょっと驚きだな。

 

「先輩」

 

「はい!」

 

後ろを向くと顔を下にむけた一色がいた。

 

「さっきなんていいました?」

 

「はいって言ったかな?」

 

「その前!」

 

一色の急な怒った声に正座をしてしまった俺……やだ、俺、調教されすぎ?

 

「えーと、泣かないでくれると助かるとか?」

 

「……その前…」

 

「年上は……至高と言いました…。」

 

あの時の俺になんでそんな爆弾発言をしたんだと問いたい。

あの場面でそういうしかなかったとしてももうちょい言い方あったろ!

 

「なんで……」

 

「へ?」

 

「なんで……なんで……至高なんですかぁぁ!!」

 

そういって俺の襟をつかんでぶんぶんと上下に振り回す一色。やめて、八幡の脳が揺さぶられて大変なことになっちゃう……

 

すると急に抱き着かれた

 

「おぉぉい……一色…」

 

「先輩……先輩には年下の魅力を味わってもらいます。」

 

言葉の意味が1ミクロンも理解できない。

 

「お前は何を言っている」

 

「言葉通りです。」

 

そういうと押し倒して俺の上にまたがってきた。

 

「年上なんてものよりも年下が何倍も素晴らしいものであるかをその身体に覚えていってくださいね」

 

「ちょ、ちょ、ちょっと待て! 話せばわかる。あれは……」

 

「問答無用です」

 

こいつは酔うと完全に悪酔いするやつの典型だ。後で絶対に責任とれとかいうやつだ。

 

すると、急に身体が持ち上がる感覚に襲われた。

見ると俺の左腕を雪ノ下さんが抱えている。

 

「やめてよね、一色ちゃん。比企谷君は年上の魅力にメロメロなんだよ。至高なんだよ。年下は引っ込んでてよね」

 

「何を言ってるんですか? それは言わせただけの嘘の言葉です。本当は年上よりも年下が至高に決まってます」

 

そう言って、俺の右腕にひっつく一色

 

「そうなの? 比企谷君?」

 

「せんぱーいは年下のいろはちゃんみたいなのが好みですよね~」

 

完全に板挟みである。

もう雪ノ下さんは完全に泣く寸前である。

 

一色さん……爪が食い込んでます。すごく痛い。痛いからやめて。

 

「まぁ、ほら……どっちもよくてどっちもいい的なやつですよ。」

 

言った後に後悔するような発言をすることって本当にあるんだな。

今、それがこの瞬間であることをおれは自信をもって言える。

 

「先輩……そんな答えは求めてないんですよ……わかります?」

 

「はい、ごもっともです」

 

「ふぇ……比企谷君はやっぱり……ふぇ……」

 

「わーわーわー、泣かないでください。 後でなんでもしますから」

 

「「え?」」

 

やだ、今日の俺……爆弾発言多すぎ……

 

「泣かないから……泣かないから……好きって言って……陽乃愛してるって言って……」

 

あの、すでに泣きそうな顔してませんか?

 

「言ったらどうなるか分かってますか? 先輩?」

 

だから爪食い込んでるから……痛い痛い。

こうなったら……

 

「ちょっと、トイレ行ってきていいですか? 返答はその後で」

 

「むぅ、必ず戻る?」

 

「はい、戻ってきますから…」

 

「先輩はまた後でお話しですよ」

 

「分かったから……」

 

ふぅ……案外「言うまで離さない」とか言いそうだったけど離れてくれてよかった。まぁ、生理現象を理由にすると引き下がる作戦は成功だな。これは今後も使えるスキルだ。多用は厳禁だが……。とりあえずあの2人は酔ってるし……寝るまでほかの部屋で隠れて身をひそめるのが無難か。雪ノ下には悪いが。とりあえず言葉通りにトイレに行くか……

 

しかし、トイレの扉を開くと、腕を捕まれ、引っ張られた。

 

「は?」

 

突然のことにびっくりして抵抗できずにそのまま便座に座らされる。

 

「由比ヶ浜? なんでこんなところに……」

 

由比ヶ浜が待ちかまえていた。えーと……もしかしてトイレしてましたか?

 

「そんなことよりもヒッキー……」

 

笑顔になって俺の耳元に顔を近づけてきた。え……何ですか……

 

「ヒッキー……いいことしよっか♡……」

 

平穏無事に過ごせそうだといったのは撤回しなければならないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回の陽乃さんは私の想像の産物です。
「こんなの、こんなの私の知ってる陽乃さんじゃない!」という方はすみませんw

実は全員と時間とスケジュールを綿密に練ってデートというプランもあったんですが、私の技量では無理そうというか……オチが思いつかないのでやめました。

来週は後編です。
ちょっとくらいエロスかもね。できるか知りません。

では、恒例の謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからも応援よろしくお願いします

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。