やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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はい、闇鍋ラストです。
それでは駄文ですが、どうぞ


29 食べ物で遊んではいけません 後編

【another view 一色いろは】

いつも差を埋めたいとずっと考えてた。けど、差を埋める前に差を詰められる相手すら現れた。もう本当にどうしていいかわからない。でもここであきらめるなんてしたくないし、したくない。ずるい行動ばっかりだけど……でも……これ以上差だけは作りたくない。あの奉仕部の2人は差は埋めなきゃ追いつけない。そして。陽乃さんはどんどん差を詰めてくる。むしろもう差はないのかもしれない。なら、どんな突拍子がなくたって行動するしかない。

 

だって出遅れてる私にはその選択肢しかないんだから!

 

 

【another view 一色いろは 終】

 

【another view 雪ノ下陽乃】

 

追いつくために何をすべきかなんていつも考えてきた。けど、生半可なことじゃあの3人にはならべない。

私はあの子たちと違ってハンデだらけだ。奉仕部メンツじゃない分会えてないし、後輩でもないから甘えるのも難しい。加えて、同時期に高校生活を送れていない……もう完全に出遅れてるのさわぎじゃない。普通なら負けだ。

でも、それでもあきらめるなんて選択肢はもう選びたくないし、最後まで全力でやりたい。自分が絶対に選ばれると信じて私らしく狡猾に作戦を立ててやるしかない。

 

だって出遅れてる私にはその選択肢しかないんだから!

 

【another view 雪ノ下陽乃 終】

 

 

ここは……

目が覚めたら一面お花畑であり目の前には川が見える。

 

おいおいおいおいおい

これはマズいだろ!

あれだよね、これ絶対に三途の川だよね。あの鍋そんなに威力高いのかよ……

 

すると、川の向こう側からとある人物が手を振っているのが見える。

あ……あれは!

 

「八幡~」

 

戸塚!

いや、戸塚もあの物体を食べたということか?

でもそれなら、なぜ俺より先にここに来ていて、加えてあっち側にいる……

ということは……あれは俺をあっち側に連れ込もうとする幻覚か?

 

「八幡、こっちに来てよ、一緒にいこ!」

 

「いや、行けないわ……俺にはまだやることあるし……」

 

「そ、そんな……僕、八幡のために……」

 

「ために?」

 

 

「取ったのに!」

 

 

OK

とりあえずKWSK聞こうじゃないか。

 

そもそもだ。

これは三途の川じゃないだろう。だって特殊な化学物とか危険物なんていれてるわけでもあるまい。

それなのにたかがマズさで三途の川まで行くとか……そんなわけない。

つまり、これは俺が気絶するくらいのマズさではあったから、気絶してみてる夢みたいなものだろう。

だから、俺があの川を渡って戸塚のランデブーをしたとしても……問題はないんじゃないか、いやあるまい。

だが、とりあえず……

 

「何を取ったんだ?」

 

「そ、そんな恥ずかしいこといわせないでよ~」

 

モジモジしてる。モジモジしてる。

いや、眺めてるだげでも眼福だわ。

 

「うぉ!」

 

すると、何故か戸塚とは反対方向に引っ張られる力を感じた。

これって戻れるってことか?

しかし、その前に……

 

「何を取ったんだ!!」

 

「だから、----!」

 

あぁ、聞こえない……畜生

 

 

 

【another view 戸塚彩加】

 

八幡が一色さんに具を突っ込まれて、倒れてしまった。

 

「八幡!」

 

「はーい、危ないから下がってね!」

 

すると、雪ノ下さんのお姉さんが待ってましたかとばかりに八幡を抱きかかえて自分の陣地に戻っている。

えぇ、確かさっきまで僕のとなりにいたのに一瞬で……

 

「とりあえず、人工呼吸をしなきゃね。じゃないと比企谷君の生存が危ないわ」

 

その一言がすべてを壊す一言じゃないかな……

 

「ちょっと! 姉さん…それは……」

 

「ズルい! 陽乃さんだけ…そういうの…」

 

「雪ノ下さん……あなたまさか……」

 

「そう、すべては私の計画の内なんだよね。」

 

え、計画?

それって一色さんのじゃないの?

 

「一色ちゃんの計画は周到に用意されていたわ。みんなの前でアピールをしての牽制。加えて闇鍋という妨害がしづらいイベントのセッティング。さすが総武高校で生徒会会長を務めただけはあるわ。でもね。私はあなたのその計画を聞いてからちょっとばかし練らせていただいたの。自分もアドバンテージを獲得するためにね。」

 

「アドバンテージですか?」

 

「そう。私はみんなより大分出遅れてるからね。いっそ既成事実でもあった方が勝てると思っていたんだ。だからこの闇鍋を利用したの。闇鍋の本当に恐ろしいところは何を食べるかじゃない。煮込まれた出汁が一番怖いのよ。なにせ闇鍋だから煮込んでるものがダメであればあるほど混ざって凶器になる。だからそれを食べさせることによって比企谷君を介抱するというのが私の計画。まぁ、人口呼吸までは出来すぎな気もするけど。分かったかしら? 私が入れた食材はただの油揚げよ。でもこの闇鍋においては胃を殺しかねない兵器になりうる。」

 

雪ノ下さんのお姉さんは八幡を抱えてみんなと机をはさんで距離を取っている。多分このままだとみんなが寄る前に人工呼吸を完遂させる勢いだ。というか人工呼吸じゃなくてただの既成事実を作るつもりだ。

 

「くっ! 作戦にずいぶん乗り気でかつ先輩の横を取らないと思ったらそっちが狙いでしたか……。」

 

「ふっふっふ。そこで悔しみながらお姉さんの勝ちを眺めるがいい」

 

完全に雪ノ下さんのお姉さんの勝ちみたいな流れだ。

 

「そこまでよ、姉さん」

 

すると、雪ノ下さんが急に立ち始めた。

 

「姉さんは一つ大事な見落としをしてるわ。比企谷君は先ほど、その危険物を食べた。つまり唇周りにはその危険物が付いてるってことよ。姉さんにはその危険物を口にしてお茶の間に出れなくなってもいいのかしら?」

 

なんかものすごい内容飛んできた……確かに言われて見ればそうかもしれない。

自分から口にツッコまなかった分、その口周りに危険なスープの残りが残っていてもおかしくはない。

 

「た、確かに残ってるかもしれない、けど少量なら食べても平気よ。だって食材についてる分くらいなら平気だからね。」

 

「詰めが甘いわね、姉さん」

 

「どういう意味かしら、負け惜しみ?」

 

 

「別にただの時間稼ぎよ。」

 

その時、雪ノ下さんのお姉さんにとびかかる由比ヶ浜さんがいた。

 

「よし! ヒッキーの唇は渡すもんかぁ!」

 

「な、ガハマちゃん……いつの間に」

 

「姉さんがのんきに勝ち確宣言している間にちょっとずつよ、まぁ暗いから音立てなくても近寄れるから。さっき姉さんもその方法使って比企谷君を確保したのでしょう。多分自分の番が終わってからこっそりと材津君が倒れたあたりまで寄ってきて、材津君をどかしてそのエリアに代わりに倒れていた。完全に真っ暗だからできることだわ。あくまで会話にはそれとなく参加をしつつ、比企谷君の横を取っていた。だから私は由比ヶ浜さんに姉さんを捕まえることをお願いしたわ。その間の時間稼ぎを買ってね。まぁ、一色さんのおかげで大分手間が省けたけれど」

 

「くっ! 雪乃ちゃんもずいぶんたくましくなっちゃって……お姉ちゃん悲しいわ」

 

「とりあえず、比企谷君を離してもらいましょうか……人工呼吸とかその辺はとりあえず誰がやるかは話し合いで決めましょう。」

 

【another view 戸塚彩加 終】

 

目が覚めると、部屋が明るかった。

そして……修羅場だった。

4人が完全に向かい合って何かをしようとしている。

 

ふと、目をちょっと開けた状態で周りを探る。

すると、戸塚が隣に避難?しているのだろうか……座っていた。

先ほどの夢?のせいで気まずいが、このままだと多分大惨事で俺がまた被害者だ。

 

戸塚の服の袖を引き、呼ぶ

 

「八ま……」

 

すぐさま指を口に近づけて止める。

どうやら、あの辺りはもはや、ほかの雑音が聞こえない状態らしい……助かった。

 

「大丈夫なの?」

 

とりあえず、うなずく。

 

「小声で頼む。状況を説明してくれないか?」

 

「分かった。じゃあとりあえず説明するね。かくかくしかじか。その後にねじゃんけんで決めようということになったって感じ。」

 

「なるほど。ちなみに戸塚は闇鍋に何を入れたんだ?」

 

「あぁ、えーとMAXコーヒーを入れてみたんだ。あはは、八幡あのコーヒー好きだよね。」

 

なんとも怒れないから困る。

 

つまりあの油揚げには

牛肉の脂、フルーツ缶の汁、MAXコーヒー、などの成分が含まれている出汁を詰め込んだ爆弾だったというわけだ。少量飲む分にはあまり影響はないが、その出汁をたっぷりすっていれば……そりゃまずさで卒倒するわけだ。

 

さて、ここで起きてあの争いを止めるのがいいな

人口呼吸したやつと気まずくなるのは嫌だし。

 

「おい、何してんだ?」

 

声をかけると一斉にこっちを振り向く。

 

「「「「…………………」」」」

 

え、なんで無言なの……

 

すると、唐突に箸を持ち始め、鍋にそれぞれ箸を突っ込んでいく。

え、何……?

 

全員が箸をこっちに向けてきている。

あれ、おかしいな……その箸でつかんでるのは俺を先ほどの花畑まで連れて行ったあの油揚げ(凶器)じゃないですかやだー。

 

「先輩、もう一度眠ってもらっていいですか?」

 

「いや、眠るの確定なの?」

 

「ヒッキーこれおいしいよ」

 

「じゃあお前が食えよ」

 

「私、これ食べたら吐くかもしれないから比企谷君よろしくね。」

 

「後で食べるから置いとけよ」

 

「比企谷君~! 男見せるときだよ。」

 

「先ほど見せましたよね。」

 

戸塚は完全退避だ。いや、助けたら被害受けるの戸塚だからしょうがないけどさ……

4人とも完全に目のハイライトが消えている。人口呼吸とか興味ないだろ……こいつら

 

いやだ。あの天国でも戸塚の発言が気になるけど、もう行きたくない。

誰か……たすけて!!!

 

 

「たっだいまーー! お鍋どうです? 締めのうどん買って……き……た……」

 

小町(救世主)が帰ってきた……

 

この部屋の惨状を見て小町が震えている。

そりゃ、部屋の異臭と鍋の状態、加えて俺の状況

 

「皆さん……食べ物で遊んじゃいけないってお母さんにならったでしょ!!!」

 

その後、全員で小町のお説教を喰らいました。

鍋はスタッフがあとでおいしくいただきました。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

ここは……

 

さっきの花畑か……もう一度来てしまったらしい。

さて、もう一度あの戸塚に会えるかな?

 

 

すると、川の向こうに人影が見える。

 

「おい、戸塚か?」

 

「いや、我こそは貴様の前世の因縁でつながっている材木座義輝だ! わっはっは。よく来た八幡」

 

「帰るわ」

 

材木座などに用はない。

 

「待てぇぇい! 八幡お前のために俺は」

 

「俺は?」

 

「とったどーーーーーーー!」

 

「知るかぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




闇鍋編終了です~

いや、作者の想像とか色々混じってるんで
本当の闇鍋はこんなんだから、この話は違うとか言わないでくれ……作者泣いちゃう…w

一色と陽乃さんの気持ちから生じた話のわりに……ものすごいカオスな回になってしまいました。
やっちまった……
まぁ、次はね……恒例のあのイベントだし……楽しく行きましょうよ…
そう……楽しくね…

では恒例の謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからも応援よろしくお願いします

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