やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

25 / 43
後編です
お酒ってすごいですね。なんでもできそうw
駄文ですが、どうぞ


25 飲み会では本音が漏れる 後編

「じゃあ、質問つづけるね!」

 

戸塚は少し酔っているのか、さっきから俺への質問に対してずいぶんと乗り気だ。材木座は……、

 

「はちまーん、我はまだもの書き……」

 

完全に死んでいる……おい……あとで男の娘のAV教えてくれる約束したじゃないか。寝るな! 俺のために!

 

「じゃあ、あの4人を今どう思ってるか教えてよ」

 

「いや、それはさ……」

 

「違う違う、あの4人に優劣をつけてほしいとは言ってないよ。八幡があの4人に今、率直にどういう感情や気持ちを抱いているか教えてよ。」

 

「あぁ、そういう系か……」

 

なかなか、難しい質問だな。あいつらに対する今の気持ちねぇ……まぁ、全員に思うことは1つだな

 

「とりあえず、休みをくれ、休息が欲しい」

 

今の俺の正直な気持ちである。家に引きこもっても合鍵があり、入ってこられる。外に出て回避しようにも行動パターンが読まれていて大体の場所に待ち受けられている。ちなみにこの前奇をてらってカラオケにフリータイムでゆっくり過ごしていたらメールと電話の件数が400を突破しかけたのはちょっと焦ったな。

 

「え、そんなに休めてないの?」

 

「いや、俺は基本的にいつでも休みたい。休みというか1人でいられることが最近少ない。」

 

まったく、小学、中学、高校時代ボッチで生きてきた俺が聞いたらビックリするようなセリフだな。

 

「それはあの4人必死だからねぇ……ってそうじゃなくて!」

 

「おぉ、何?」

 

戸塚が急に怒り始めた。

 

「僕が聞いてるのはそういうことじゃないよ! 4人って言い方が悪かったね。八幡は1人1人にどういう感情や気持ちを抱いているかを教えてほしいの!」

 

「えぇ、マジで……」

 

実を言うと分かっていたんだが、なんか気恥ずかしい…。

 

「いや、恥ずかしいわ」

 

「聞いた話だけど、ここで本音を吐露するよりよっぽど恥ずかしいことしてない?」

 

「……いや、それを言われると返す言葉もないんだが……」

 

というか、何故知ってる? まぁ、情報源は主に材木座か小町のどちらかと見るべきだな。 しかし、それを言われると弱いなぁ……確かに戸塚の言う通りなんだよな。あの模擬家庭、夏休み、文化祭、あれ……本当によくこんな恥ずかしい目にあってるな、俺……。

 

「分かったよ。まぁどうせ戸塚しか聞いてねーしな」

 

「……そうだね。材木座君も寝ちゃったし。」

 

「あいつ、寝やがった…」

 

俺との約束は…

 

「じゃあさ、雪ノ下さんからお願い」

 

「雪ノ下か……そうだな。」

 

雪ノ下か、うーん

 

「あいつ変わったよな。昔はずいぶんと生き辛そうだった……籠の鳥みたいな感じだったな。それが今は自由に自分のしたいことしてる。あいつの元々の怖いとこも、負けず嫌いも変わってないんだけど、それ以上にあいつが今、生き生きしながら生活をしているのを見ると本当に変わったなって思える。良い変化だと思う。あいつなりに努力してるのも伝わるし、努力の方向がたまにずれるとこもあるけど、それでもあいつが今まで見せなかった表情とかを見るとドキドキするよな。表情に変な顔出ないように努力してるんだぜ。」

 

あの冷徹雪女がたまに見せる慌てた表情とか、恋愛表現が分からず拗ねるとこを見るとあいつなりに変わろうとする努力が見えて俺は同じ高校時代を過ごしてきた者として嬉しく思う。

 

「わぁ、すごいね。」

 

「何が?」

 

「何でもないよ…次由比ヶ浜さんで行こう」

 

「由比ヶ浜ね……」

 

由比ヶ浜なら、大体決まってるな

 

「あいつは逆だな。高校時代からあんま変わらん。アホの子なとこも、元気なとこも、いつでも優しいとこもだな。天真爛漫で俺に向けてくれる笑顔が最初はまぶしかったというか、やめてほしかったけど、今はあいつが落ち込んでたらちょっと嫌だな。あいつは本当に笑顔が綺麗で胸が高鳴るからさ。まぁ、怒らせてばっかりなのは申し訳ないと思う。後は、あいつアホの子だからさ、たまに無自覚に俺の理性削りにくるんだよな。花火のときとかほんと俺じゃなかったら襲われてても文句言えねーぞって感じ。本当に心臓がもたん。」

 

「八幡も素直になったね。」

 

「お前が本音で言えって言ったんだと思うんだが」

 

「それはそうでした。」

 

そう言って戸塚が手を握って頭に置いた。今、擬音で「てへ」が付いていたと思う。あの……目のカメラにもう一度焼き付けたいんですが……。

 

「じゃあ、一色さんは?」

 

「一色は……」

 

一色ね、これ悩むなぁ

 

「もともと、最初は何を考えてるか分かんなかったな。葉山が好きとか言いながら俺のこと連れまわすからさ。勘違いしかけたな……それが大学に入って勘違いじゃないことになってそれから見方が変わったな。あいつは本当にあざといんだけどさ、たまに素が混じるんだよ。それがすごくかわいいんだよ。だけど、あいつは奉仕部にちょっと劣等感を抱いてるかもしれないんだよな、俺は高校時代一緒に過ごした奉仕部の一員だと思ってるんだ。そんな劣等感は消してほしいかな。でもあいつの周到に計算されたようなデート、女子力とかは本当にすごい。あいつは女性として本当に魅力的なとこきっちり維持してる努力が見えるから関心する。」

 

「一色さん最初は葉山君が好きだったんだね」

 

「まぁ、学校でのステータス向上狙いなとこしかなかっただろ。多分」

 

「じゃあ、最後に雪ノ下さんのお姉さんお願い」

 

「はいはい、雪ノ下さんね……」

 

まぁ、決まってるとこはあるんだがな

 

「最初の印象は強化外骨格だな。もう本当に仮面すごかった。あそこまで仮面で生きてる人を見たのはなかなか初めてだったな。もう本当に振り回されたし、色々つらいことも言われたなぁ……。でも、最近普通の顔も見れるようになったんだよな。ギャップとかあってかなりかわいいんだよな。まぁ、でもどっちかっていうと……仮面が取れてることに気づいて恥ずかしがるとこが俺は一番かわいらしいと思うかな。でも大人の女としても魅力はもあるから、大人の女の表情も綺麗でいいと思ってる。」

 

大体話し終えたか……こんなに出ると思わなかったな、俺も少なからず全員に対してきっちり向き合おうとしていたんだな。自分の気づかないところで……。

 

「ありがとう、八幡」

 

「まぁ、お礼を言われることでもねぇよ。俺も色々言ってて自覚させられたこともあるしな。」

 

「自覚?」

 

「まぁ、何? 本当に逃げきれないなって思っただけだ。」

 

「まだ、逃げるつもりだったの?」

 

「いや、もう……というか最初から逃げられることじゃないってわかってたさ。」

 

当たり前だ。

こんな自分に大事な時間みんなは俺に割いている。正直俺はとても贅沢なことをしているのだろう。女性4人をたぶらかして、ごまかして、はたから見れば俺は女癖の悪い男だ。しかも全然、目が腐っててイケメンの類でもない。他の男性諸君ならこうおもうだろう。何か弱みでもにぎられてるのではないかと……そんな悪評が俺につくのは構わないんだが、あいつらがそういう目線で見られるのは嫌なんだよな。けど、あいつらはもうそういうのに興味ないように俺に接してくる。

 

だからこそ、俺は適当な気持ちで選んじゃいけないんだと思っている。必ず答えを出さなきゃいけないときがくるだろう。しかし、そこで逃げるという選択肢は選んではいけない。なぜなら彼女らは逃げずに俺に接してきた。そこには彼女らなりの決意があり、ゆるぎない信念がある。そして、相手の俺が逃げるという選択肢を選んでしまっては彼女らの決意と信念に泥を塗るような行為をしてしまうわけだ。もう逃げるなんて選択肢はそもそもないのだ。こうなってしまってはきっちり選ぶしかないわけだ。

 

「大丈夫、必ず選ぶ。あいつらのためにも……それに……」

 

「それに?」

 

 

「あんな魅力的な4人が俺のことを好きって言ってくれるんだ。俺もあいつらに恥じない選択したいからさ」

 

 

「そっか。そういえば、そろそろ時間だね。」

 

「あ、本当だ」

 

もう終電1時間前後だ。そろそろ出なきゃ危ないな。

 

「材木座、起きろ」

 

「はちまーん、もう見れない……もうそのDVD何回再生してんの?」

 

こいつは夢で何をみとるんだ……仕方ない……

 

「こいつは俺がどうにかするから、今日は帰っていいぞ」

 

「分かった、ちょっとこの後、用事あるんだ、先に行くね。」

 

「おう、またな。」

 

さて……材木座の脛をける

 

「ぐぉぉぉぉぉ!」

 

「起きたか、じゃあ行くか」

 

「え? どこに?」

 

「決まってんだろ……お前の家だ」

 

「なぜ?」

 

「おいおい、男の娘DVD貸す約束だったろ。行くぞ」

 

俺の夜はまだ終わらない。

 

 

 

【another view 戸塚彩加】

 

八幡たちと別れて、同じ居酒屋の個室にこっそり扉を開ける。すると。そこにはみんなが机に突っ伏して悶えてる姿があった。

 

「どうしたの?」

 

「戸塚君……これはすごいわ」

 

「もう立てない~」

 

「先輩の本音……先輩の本音……」

 

「恥ずかしい……けど…嬉しいよ~~」

 

四者四様というのが正しいのか? でもみんな嬉しそうだ

 

「八幡の本音は満足した?」

 

「「「「満足です」」」」

 

その日、その居酒屋で一番の大きな声だったそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけでアンケート回1つ目終了

どうでしたか?大学生っぽいイベントで、かつ八幡の本音ポロポロですね。
え?
そんなことはどうでもいい?
男の娘DVDについて? もしかしたら次回出番があるかもよ……(多分)

では、恒例の謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからも応援よろしくお願いします

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。