やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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というわけで後編です

駄文ですが、どうぞ


21 本来、文化祭はお休みの日である 後編

「それで? 次はどっちに仕掛けるんだ?」

 

もう一色と雪ノ下さんにあんな態度をやってのけ、あげくあんなセリフまで吐いたのだ……。もう正直これ以上比企谷八幡に失うものはないはずだ……。いや、もともとないんだけどさ……。でも、一応、いつか専業主夫になるという夢はあるから……あれ、これって本当に自分の夢のためか? 破綻してないよね……。

 

「悩みどこだよね。」

 

「うむ、あの2名のそもそもこの戦法が通じるのかすら危ういと思うぞ。」

 

「おい、ここまでして、あの2人に通じないとか冗談じゃねーぞ……。」

 

いきなりの弱気発言に材木座に怒り心頭である。というかお前のせいだよな……

 

「実はね、八幡……最初にあの2人を狙ったのには理由があるんだよ……」

 

「理由?」

 

「あの2人は基本的に恋愛は攻める系のタイプだと思うんだけど……特に一色さんは如実に出ていたし、雪ノ下さんのお姉さんもどっちかと言えば積極的なタイプだよね。」

 

まぁ、言われてみれば、一色は確かにグイグイ来るタイプではある。よくいろんなことに連れまわされてるから、それはなんとなくわかる。雪ノ下さんもキャンプ以降は結構押してくる場面が多い。ふむ、確かに……。

 

「その手のタイプは一旦、自分が受け手側に回ると弱いらしんだ……だから先に攻略したという理由もあるんだ。ただね……あの2人は違うんだ……」

 

「違う?」

 

「あの二人は真逆、どちらかと言えば攻勢型ではなく、守勢型だ……つまり今までやっていた戦法は通じないと思った方がいいという話だ。」

 

材木座が戸塚の言葉に付け加えるように説明をする。あの2人が守り系統ねぇ……。あれ、どこに守る要素あったっけ? あいつらも変わらず攻めが強かったような印象があるんだけどな……

 

「多分、お主の煮え切らない態度があの2人を変えただけだ。 本質は多分変わっておらんのだろう。」

 

……事実とはいえ、お前にそれを言われると腹が立つな……というか攻勢、守勢ってポケモンのタイプかよ……。

 

「どちらかと言えば……雪ノ下さんの方がまだ効く可能性があるし……次は雪ノ下さんで行こうよ。」

 

「それとな……八幡……今回から我はセリフは言わないから自分で考えるのだ……」

 

「は?」

 

あの歯の浮きそうで……あの葉山が言いそうな……あの臭そうなセリフを自分で考えろと……

 

「だって、あの2人は我の言葉通じないというか、甘い言葉は効かないだろうから、説得は自分でやるのだ……まぁそれでもモニタリングはしてるから指示は出す。 まぁ、我とお主の力があれば大丈夫であろう……多分……」

 

最後のつけ添えた多分って言葉にものすごく重みを感じるのは俺の気のせいであってほしい……。

 

 

 

 

「比企谷君から呼び出すとは珍しいわね。諦めてくれたのかしら?」

 

ラスボスに挑むにはまだいろいろレベル足りなかったのではないのか? 俺の装備は癒し系装備(戸塚)と呪われた装備(材木座)だぞ……。 いくら何でもこれは早すぎた気がする……いや、あの姉を対処できたんだ……できないということはないと思いたい……

 

『ふむ、まず名前で呼んで感触を確かめてみてくれ』

 

「何の話か分からねぇな……雪乃…」

 

「……っ…急にどうかしたのかしら? 名前なんて……嬉しいけどそんなことでは私は喜ばないわよ……」

 

といいつつ指をクネクネしてるね……意外と効果はばつぐんだ……なのか?

 

『では、八幡よ、ボディタッチはできるか?』

 

出来ねーよ! お前、俺を殺す気か!

 

「おい、それはふざけんなよ……下手したら俺は殺されるぞ……」

 

小声でささやくように返す……さすがにそれは俺の身が本当に危ない……

 

『大丈夫だ、我は痛くない……ケガをするのはお前だ……』

 

こいつマジで後で殺す……

 

『まぁまぁ、何も身体とは言ってないだろう……髪などどうだ?』

 

「いや、それ妥協案になってねーよ」

 

「どうかしたのかしら? 独り言なんてとうとうエア友達でも始めたの?」

 

どうしてその単語をお前が知っているのか……と問いたいところだが……それは置いておこう。

 

「それよりも比企谷君、お願いがあるのだけれど……」

 

『八幡、言わせるな! 早く動かないと丸め込まれるぞ!言葉で…』

 

くそ、やるしかない……動かなきゃ、俺の人生の死……動いたら肉体の死……あれ、どっちも死では?

 

「私と……ひゃ……」

 

間に合った。言わす前に頭をなでる……こいつの髪……本当に綺麗だな……。

 

「綺麗だな……」

 

「え……あ……うん………その……ありが……とう……」

 

思わず声に出してしまったが、相手はうつむいて黙ってしまった……。これはチャンスか?

 

『八幡! 好機だ……あとは説得に入れ!』

 

「なぁ、お前の言いたいことはわかってるよ。 けど…これはお前の本意か?」

 

俺の言葉に雪ノ下は俺を見上げる……上目はやめてください……精神衛生上よろしくない……。

 

「でも、あなたは……」

 

「まぁ、なんだ俺の態度は悪いのは仕方ないだろ……でも……」

 

まぁ、これは……なんだ……。

 

「お前のこと、大切だとは思ってるよ……」

 

すると、雪ノ下はうつむいて、何かつぶやいている……ダメか?

 

「…………あなたの気持ちは分かったわ……今回はあきらめるわ……」

 

おぉ、よし!

 

「案外、あっさりだな……」

 

「まぁ、あなたの本心が少しでも聞けたのなら……それなりに頑張った甲斐はあったというものよ」

 

「そ……そうか……」

 

「それじゃ、私はまだ運営やらなきゃいけないから……行くわね……それと……」

 

「ん?」

 

「また、頭撫でてくれると嬉しいわ……それじゃ……」

 

そういうと、教室から出て行った。

 

 

 

 

「ふぅ……難関は乗り切ったか……あとは……」

 

「由比ヶ浜さんだね、でも気を付けてね……一番攻め系のセリフが効かない人だから……」

 

「まぁ、見た目に反して、あの中じゃ一番純粋でピュア……加えて天然で料理下手……くそ……どれだけ盛ったら気が済む……」

 

最後のは絶対にこの作戦において関係ない要素であるのは、間違いなしだとして……。

 

「そんなに難しいか? 言い方悪いが……アホだぞ? 別にその手系列のセリフ吐かなくても……何とか説得できるんじゃないか? アホだし…。」

 

「八幡、由比ヶ浜さんは一番、八幡を見てきたんだよ……少しでも不審な動きがあれば看破してくる可能性あるよ」

 

「考えずぎだろ……とりあえずいつもと同じで行くか?」

 

「まぁ、八幡がそれでいいなら構わんが……気を付けろ……」

 

「でも、八幡これが終われば、作戦成功だよ、頑張って!」

 

「おう、これ終わったら、飯でも行くか」

 

 

 

 

 

「ヒッキー? こんなとこ呼び出してどうかしたの?」

 

「いやいや、お前が探してたんじゃないのか?」

 

「うーん、そうなんだけど……急に呼び出されたし、変だなって……」

 

『すでに……お前がおかしなことしてることに気が付いてるぞ……』

 

まぁ、こいつは確かに鋭いとこはあるかもしれないけど……あの3人に比べたら、大丈夫なはずだ……

 

「変なのは…いつものことだろう……それより結衣……」

 

名前を呼んだのに……顔がすぐれない……というか笑ってる?……

 

「ふっふっふ、ヒッキー私を甘く見たね」

 

「どういう意味だよ……」

 

「私はヒッキーに呼ばれることを八幡君とイメトレしてるからね……この程度ではにやけないよーだ」

 

といいつつにやけてませんか? あなた……。

 

「……それを俺に言ってるお前は本当にアホの子だよ…」

 

というか八幡君って誰?

 

『八幡、名前戦法はあまり効果がないようだが、撫で作戦で行くか?』

 

却下したいところだが……正直手は今のところそれしかないか……しかし大分距離がある。

あの3人は普通に近寄ってきたが……なぜか寄ってこない……

 

「こっちとりあえず来いよ」

 

「うーん、私ここでいいや……なんかヒッキー企んでる感じがするし…なんか嫌な感じ……」

 

『八幡よ、どうやらここまでのようだな……』

 

「諦めるのはえーよ! もうちょいサポートしてくれ……」

 

『壁ドン系列はするな、怖がらせる危険性がある、力技は避けろ』

 

だよな……まぁ、するつもりもなかったとはいえ……今まで効いていた戦法が通じないあたり……かなり手ごわいかもしれない。

 

『寄れそうか?』

 

「無理だな……警戒が強い……」

 

さて、最後の相手と舐めてかかったのは俺だ……そこは反省しよう。なぜだが知らないが……八幡君という謎の物体との特訓? のせいでこっちの戦法は通じないという状況に加えて、あいつの勘でこっちの作戦がほぼ看破されつつある。 先手を打たばければ、先にカップルコンテストの話題が出されかねない……その前にどうにかしないといけないのに……作戦がもう思いつかない……

 

「あのね、ヒッキー……私からも話あるんだけど……いいかな?」

 

「いや、ちょっと待て……」

 

「ヒッキーのことだから、もう気づいてると思うけど、そんなに嫌?」

 

ちょっと悲しい顔をされる……まずい………もう…これしかないのか……

 

「材木座、サポート、サンキューな……」

 

『おい、八幡!』

 

イヤホンとマイクを取って下に置く

もう、こうなったら真正面からのガチンコだ……俺のプライドも信念も全部ここに置いていく……

 

「これでいいか? ちょっとだまそうとしてたのは謝る……別に目立つのは嫌いだけど出たいなら出てもいい……」

 

「なら……」

 

由比ヶ浜の言葉の続きを手で止める……

 

「確かに俺は本当に煮え切らない態度でお前らを不安にさせていた。それに関しては本当に申し訳ない……でも……俺はお前らとの未来は自分の意志で決めたいと思ってる……そのためには……専業主夫の夢だって………捨てたってかまわない……たぶん」

 

「まだ、捨ててなかったんだ……その夢…」

 

「別にいいだろ……夢なんだから……その由比ヶ浜のこともきっちり考える……だから今回はもうやめてくれないか?」

 

少し、間が開く……この空気の感じを由比ヶ浜と出せるとは思わなかったな……

 

「いいよ」

 

「本当か?」

 

そういうと、由比ヶ浜はさっき俺がやったみたいに手で静止しながら近寄ってきた

 

「一つ質問、私のこと好き?」

 

「別に嫌いじゃねーよ」

 

不意に腕を捕まれ、顔がものすごく近くによる……近いんですけど……

 

「好きか、嫌いかで答えてよ」

 

「………好き……だと思ってる…」

 

そういうと由比ヶ浜は嬉しそうに目を細めた。

 

「しょうがないな……ヒッキーは……ヒッキーの気持ちに免じて今回は足を引こう」

 

「手を引くだからな……」

 

「もうヒッキーはそうやっていつもいつもバカにして……」

 

 

 

こうして文化祭で起こった事件は終わりを迎えた

 

 

 

はずだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、前回で文化祭編は終了といったな……あれは嘘だ……
すみません、ちょっと予想以上に説得回に文字数割きすぎて……オチを書けなくなったから……次回で完結させます……すみません

雪ノ下がラスボス扱いでの予想が多そうだったので、ちょっと変えました……まぁ、あのぬいぐるみのくだり使ってみたかったので……w

伸びてしまったためにまだアンケート実施中です……よろしくおねがいします。

それでは恒例の謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからも応援よろしくお願いします

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