やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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というわけで由比ヶ浜後編スタートです
今回も駄文ですが、どうぞ


14 やはり由比ヶ浜結衣は天然である 後編

「あ、見てみてヒッキー! 射的あるよ!」

由比ヶ浜は射的の屋台を見ると、俺を引っ張って駆け出した

 

「おいおい、危ないから走るなって……」

「おじさん、1回お願い!」

「はいよ、300円ね…隣の彼氏さんはどうだい?」

「いや、俺彼氏じゃ……いっ!」

由比ヶ浜さん、爪が手にめり込んでます……痛い痛い痛い

「……とりあえずこいつがやり終わってから決めます」

「そうかい、はいよ嬢ちゃん」

「わーい!」

今の今まで俺の手に爪をめり込ませていたとは思えない元気の良さだ……

 

「うーん、どれ狙おうかな」

「簡単なのにしとけ、無駄弾の消費は痛いぞ」

「あ、あれほしい!」

由比ヶ浜がさしたのは熊のぬいぐるみなんだが……なんだろう……

すごく誰かに似ている……

「あの熊さん……ヒッキーにそっくりだ!」

なるほど……どうりで親近感が沸くと思ったわ……

……俺の方が目が澄んでいるな……どうして俺はぬいぐるみに張り合ってるのだろうか……

 

「あれ、うーん……」

「どうした?」

「どうやってやるんだっけ?」

そういって銃と弾を見せてきた

おい、何故に始めた……

 

「まったく……弾を銃口に入れて、レバーを引いて…引き金を引くだけだぞ……」

「こう……?」

「弾をもうちょい……あぁもう……」

「あ……」

教えるより俺が装填してやる方が早いだろう……

俺は由比ヶ浜の手にある銃に弾を装填してやった

「ヒッキー……その……」

「ん?」

「近いね……いや、そのうれしいといいますか……はう……」

気づくと由比ヶ浜を後ろから抱きしめるような形で弾を装填していた……

「……悪い……今離れる……」

「ちょ……ちょっと待って!」

由比ヶ浜は俺の腕をつかんで離れさせないようにする

「ヒッキー、そのままでお願い……」

「いや、なんででしょうか……」

思わず敬語になってしまった……

「えーと……ほら! あれだよ……私、射的するの久々過ぎて構え方とか分からないから支えてほしいなぁ」

「いや、構え方くらいわかるだろ……」

すると由比ヶ浜は俺の方を向いた

客観的に見ると由比ヶ浜を俺が正面から抱きしめている図になってしまっている

「おい、由比ヶ浜……何してる……」

すると上目遣いで一言

 

「支えてくれないかなぁ……ヒッキー……」

 

おい、それは俺に……効く……

「……分かった…」

「ホント!?」

「いや、お前から頼んだのになんだよ……」

「いやぁ……小町ちゃんはすごいなって……」

先ほどの上目遣いはどうやら小町の入れ知恵らしい……

さすが、小町だ……俺の弱点を知り尽くしている……

「それで、どれ狙うんだ?」

「あの熊さんが欲しい!」

由比ヶ浜が指す目の腐敗がある熊のぬいぐるみは大きさは

そこまで大きくはなく中ぐらいのサイズだろうか?

 

「どう行けそう?」

「うーん……とりあえず当ててみて反応を探るしかない……」

「じゃ、お願い…」

「あ…あぁ…」

俺は由比ヶ浜を後ろから抱く感じで銃に手を添える

「と……とりあえず集中しろよ…」

「はにゃ……分かってるよ~」

本当にわかっているのだろうか……

 

パン

 

軽快な音とともに弾は飛ぶ

弾はぬいぐるみに当たってぬいぐるみはちょっと後ろによろめいた

 

「ヒッキー!」

「あぁ、どうにか当てれはしたな……」

どうやら悪質な射的屋ではないらしい……釘とかはなさそうだ……

 

「ヒッキー、次はどうするの?」

「そうだな……ちゃんと弾の威力はあるから、次はぬいぐるみの身体を狙おう」

「身体? 当てるだけじゃダメなの?」

「基本的にぬいぐるみなんかは頭の方が重たいからな……UFOキャッチャーくらいやったことあるだろ」

「あ、うん……あんまり取れたためしないけど」

「ああいうのは頭の重さを利用して取ったりする手段がある……弾の威力的に普通に当てただけでよろける威力なら軽い身体を狙って落ちるとこまで運ぶんでから、頭を狙って落とす方法がベストだな」

「なんで頭を狙って運ばないの?」

「倒れたるからな…今の体勢を崩したくない」

「ふーん、よくわかんないけどヒッキーに任せてるね?」

「まぁ、お前に説明したってわかんねーよな」

「むぅ……そんなことないもん」

とりあえず作戦は決まったし、ちゃんと当たるようにサポートしてやらなきゃな……

 

「やった~!」

由比ヶ浜はあの熊を抱きしめて嬉しそうにしている

よかったが……射的屋のおっさんの

「ブラックが飲みたい」という発言の意図が分からなかった……

MAXコーヒーの方がおいしいと思うけどな……わざわざ苦いコーヒーを飲みたい理由が分からん……

 

 

 

「ヒッキー何処で見る?」

「あぁ、そうかもうずぐ花火か……」

あの後、タコ焼きを買ったり、わたあめを買ったりといろいろ回っていた

「私、レジャーシート持ってきたよ」

「あ、悪いな、そういうの持ってくるの忘れたわ」

「じゃあ、私のに一緒に入ろ」

そういうと由比ヶ浜は土手にレジャーシートを引いた……

のはよかったが……ちょっと小さくね……

「あの、これ由比ヶ浜さん?」

「あ、ちっちゃいの持ってきちゃったかも」

「おい……」

まったく……こいつは……

「俺は立ってみるからいいぞ」

「ダメだよ、ヒッキー! 一緒に座ろ」

「いや、どうすんだよ……」

「大丈夫!」

そう言って由比ヶ浜は俺をレジャーシートに座らすと

その横に詰めて入ってきた

「おい、近いぞ……」

「だって小さいんだからしょうがないじゃん……」

「だから俺は立ってるって……」

「それはダメだもん」

「じゃあ少し離れろ……」

「私、地面座るの嫌だし…」

「じゃあ立つから……」

「それはダメって言ってるし」

押し問答である……どうしろと……

「侵入だぁ!」

そう言うと由比ヶ浜は俺の右腕の中に入ってきた

俺の右腕は由比ヶ浜の背中を通って由比ヶ浜の右肩に置いている

俺が由比ヶ浜を抱き寄せている状態になっている

「おま…ちょっと待て…」

俺が腕を引き戻そうとしても由比ヶ浜が密着しすぎているせいで腕が元の位置に戻せない…

「まぁまぁ、狭いんだしもっとよらないとね」

「だからって近すぎだろ……」

「そうだ、ヒッキー、タコ焼き食べよう!」

そういうと由比ヶ浜は袋からタコ焼きを出してきた

あれ、このパターンは……

「はい、あ~んだよ、ヒッキー」

「いや、自分で食べれるって……」

「早く食べないとソースが垂れちゃうから早く早く!」

「くっ……あーん」

俺は由比ヶ浜が運んできたタコ焼きを食べる

「あちちっ」

「あ、ヒッキー大丈夫? ラムネ飲む?」

「お前、いつの間に……?」

「えへへ、気が利くでしょ…」

「そうだな、サンキュー」

 

「それで花火はいつあがるんだ?」

「うーん……確かもうすぐだとは思うけどな」

「まぁ、早く見たいな……」

主にこの状態が恥ずかしくてさっさと見て帰りたいだけだがな… 

かたくなにやめてくれないので折れてしまった

 

「ねぇ、ヒッキー……」

「なんだ?」

そう言うと俺の顔に顔を寄せてきた

「お前、何を……」

「動かないで、ヒッキー…」

顔がもうすでに10センチほどまで近くなっている

待て待て待て

 

ヒュ~ ドォーン!

 

「お……おい、始まったぞ……」

「そだね、ちょっと動かないでね」

そう言うと由比ヶ浜は俺の顔に指をあてた

 

「ソースついてるよ」

 

そう言って由比ヶ浜はそのソースをなめた

 

「はぁ~」

「どしたのヒッキー?」

「お前なぁ……」

お前は本当に天然すぎる

「何、ヒッキー、キスでもしたかった?」

「ば、お前何言って……」

「冗談だよ~、あははヒッキーかわいい」

「この……はぁ~」

夜空にはきれいな花がたくさん舞い散る

その横で

「ヒッキー!ヒッキー! 綺麗だね、あ、あれなんかのキャラクターだよ!」

騒ぐこの子も俺にはきれいな向日葵に見えた

 

 

 

 

 

【another view 由比ヶ浜】

 

「ふぅ、楽しかったな~」

あの後、ヒッキーに送ってもらって私は家に帰ってきた

ちょっと大胆すぎたかな……いや、でもこのくらいやらないと……

ソースは本当はついてなかった……私の意気地なし……

 

ベットにはヒッキーと一緒にとった熊のぬいぐるみがある……

ちょっとヒッキーに似ている…

「そうだ! 今日から君の名前は八幡君にしよう」

私はベットに寝転がって八幡君を掲げた

「ねぇ、八幡君、今日は大胆すぎたかな?」

「『そんなことないよ、きっと喜んでるよ』」

「そうかなぁ、えへへ、そうだよね」

「『大丈夫、結衣の思いは伝わるさ』」

「うん、頑張るね、私!」

次も頑張る決心をして私は八幡君を抱えながら布団をかぶった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで由比ヶ浜は終了です
みなさんの要望通り甘くできましたかね?

最後のあれは由比ヶ浜が自分で声を当てている感じです
分かりにくかったらすいません

さて、恒例の謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからもよろしくお願いします

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