やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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というわけで由比ヶ浜です~
駄文ですが、どうぞ~


13 やはり由比ヶ浜結衣は天然である 前編

目が覚めると誰かが俺の上に乗っている

あれ……この展開前にも……

 

「あ! ヒッキー起きた!」

今度は由比ヶ浜だった……

 

「ヒッキーおはよう!」

「おう、おはよう…早速で悪いんだが……上から下りてくれ」

「あ、うん…」

そういうと由比ヶ浜は俺の上から降りた

「それじゃおやすみ」

「え! そこ二度寝しちゃうの! 起きてよ~」

「断る」

「お願い~」

「嫌だ」

「むぅ……分かった……なら……」

ようやくあきらめたか……

「フゥ~」

耳に息を吹きかけられた……

「うわぁぁぁ!」

「あ、ヒッキー起きた」

あまりの衝撃にベットから飛び起きてしまった

 

「お前なぁ……」

「あはは、ヒッキーって耳弱いんだね…」

こいつ……本当……

「で?」

「うん?」

「いや、だからね」

「うん」

俺は頭を抱えた……こいつ基本的にはアホの子だった……

「お前、何の用なの?」

「あ! そうそう」

こいつ……来た理由忘れてんのかよ……

 

「花火大会行こうよ!」

 

「え、人多いし、暑いし、嫌だわ」

「えぇ! そんな~」

「俺とじゃなくてほかのやつと行けよ」

「ふ~ん、そういうこというんだ……」

「なんだよ……」

すると急に頭を抱え始めた……ない頭で考えてどうする……

「この前のAVの件……彩ちゃんに言っちゃおうかな……」

落とされたのは核弾頭だった……

「すみませんでした、一緒に行かせてください」

「変わり身早っ! どんだけ彩ちゃん好きなの……むぅ……」

「だって、戸塚だし……」

「もう……じゃあ、もう一つ言うこと聞いてくれる?」

「なんだ?」

 

「花火大会の間はヒッキーは……わ……私のか……彼氏だよ……じゃなきゃ言っちゃうんだからね!」

 

というわけで花火大会に行くことが決定した……

 

 

駅前にはすでに花火大会に行く家族連れやカップルが見える

はぁ、リア充どもめ……爆発四散しろ……

しかし、由比ヶ浜のやつ遅いな……

 

「ごめん~待った?」

「おう、待った……ぞ」

由比ヶ浜は浴衣だったが、問題はそこではなかった

高校時代に見た浴衣ではないのだ……

そこには白を基調とした向日葵の柄の浴衣を着た由比ヶ浜が立っていた

「え~と……」

「お…おう…」

「ど…どうかな?」

「前のやつはどうした?」

「あ、あれ? 実はサイズが合わなくて……」

どうやらあのガハマ連峰は知らぬ間にまた大きくなっているらしい……

「違う、違う!」

「え、何が?」

「話をすり替えてもダメ! 浴衣……そのどう?」

くっ……話をごまかそうとしてもダメか…

「似合ってるよ……その今回も……」

「そ……そっか……今回は私もほめてくれたね……うれしい…」

「……ほら、行くぞ……」

「あ、待ってよヒッキー」

そういうと俺の手を握ってきたのだ……

「お前……そういうのは……」

「今日は、ヒッキーは私の彼氏だよ、自覚してね」

とウィンクされた……顔赤くなってないかな……俺……

 

「リア充爆発しろよ」

「畜生、どうして男同士で花火大会に行くんだよ~女子をくれよ~」

という声が聞こえた……うむ、俺も非リア充だからな……その気持ちは……

これ以上は思っただけでも殺されるような気がしたので自重した……

 

「なぁ?」

「なに?」

「電車内でも離す気ないの?」

「うん、ヒッキー逃げるからね」

「さすがに戸塚がかかってるんだ、そんなことしない……」

「むぅ、なんか複雑だ……」

「なぁ…」

「何?」

「着いてもまだ時間あるけどどうするんだ?」

そういうと由比ヶ浜は思案顔し始めた

そして何か思いついたのか、ニヤニヤし始めた

「彼氏さんに考えてほしいなぁ~」

「なっ…」

「何てね! 屋台あるから回ろうよ」

「あぁ、予定あったのか……」

こいつ本当にごくたまに策士だよな……

 

案の定というか…予想通り人がたくさんいた……

「うわ、今回も人すごいね~」

「そうだな、ビックサイトで開かれるお祭りよりマシだが……」

「ビックサイ? 何それ大きいサイのこと?」

「お前はもうしゃべるな、バカがバレるぞ」

「なっ! 失礼だし、ヒッキー、マジキモイ!」

「おい、仮にも彼氏にその言葉はひどくないか?」

すると、由比ヶ浜は少し驚いた顔をした

「あ……ヒッキー…その設定しっかりやってくれるんだ……」

「まぁ、俺は受けた仕事は放りださない主義だから……基本受けないけど」

「あはは、前向きに見えて、実は後ろ向きだね……じゃあ……」

そういうと由比ヶ浜は俺の腕を取って組み始めた

「こういうのもオーケー?」

「それは仕事の中には含まれていない」

「えぇ~!」

 

 

基本、お祭りの屋台はあまりおいしいとは言えない

なのにあの価格、あの原価である

では、なぜそれが分かっていて買うのか

これは空腹はご飯の最高のおかずであるという言葉と似た意味合いがある

そう、お祭りの場で食べるということが重要なのだ……

つまりさっきの言葉に合わせると

屋台の食べ物をおいしくするのは祭りの雰囲気というわけだ……

だから、お土産買ってきてねってあんまりおいしくないと思うんだよな……

 

「ねぇ、ヒッキー! 聞いてる?」

「いや、聞いてなかった」

「えぇ、しっかりしてよ~、何食べる?」

「基本的に高いから、適当にコンビニのおにぎりでも買いたい」

「もう、風情がないよ」

「お前、風情の意味わかってるのか?」

「えーと、なんだっけ……ってそこ気にしちゃダメ!」

いや、気にする部分だと思います……

「あ、犬のお面だ……かわいい」

すると、由比ヶ浜はお面の店を見始めた、こいつに話題転換された

「犬ってあれか、サ……サボローだっけ?」

「それは有名なCMの奴だ!」

「お、カップルさん一つどうだい?」

そんな不毛極まりない会話をしているとお面の屋台おじさんに話しかけられた

「すいません、じゃあこの犬のやつください」

「はいはい、200円ね」

財布を出して、由比ヶ浜が財布をだすより早くお金を支払う

「毎度あり」

「え、ヒッキーその……お金」

「気にすんな、これくらい大丈夫だっての」

そう言って、由比ヶ浜にお面を渡す

「つ……」

「つ?」

「つけてほしいな?」

「……いや、子供じゃあるまいし……」

「むぅ、減るもんじゃないじゃん」

そう言うと、お面を渡してきた……はいはい……この程度動じない……動じない……

色々、あったんだ、この程度大丈夫、うん、大丈夫

「お面は前につけるのか?」

「ヒッキー殴られたいの?」

「冗談です」

お面の紐をお団子にかからないように通して

お面はお団子の反対側にくるようにつけてやる

「着けたぞ」

着けたことが分かると俺の方を振り向いて

 

「えへへ、わんわんだよ、ヒッキー」

 

おいおいおいおいおいおいおい

周りに人いるんですけど……ちょっと見られてるんですけど……

「あはは、ちょっと恥ずかしかったかも」

「じゃ、やるなよ、というかやる前に気づけ」

「まぁまぁ、次行こうよ」

「はいはい、じゃあ次行きますか」

 

 

「あ、りんご飴…」

「お前、まだ飯食べてないぞ」

「分かってるよ~」

由比ヶ浜は口をへの字にする……

「…ったく……すいません、一つもらえます?」

俺はりんご飴を買って由比ヶ浜に渡す

「いいの?」

「別に、こういうの払わないと後で小町がキレる」

「理由のせいで複雑だけど……ありがとう」

そういうとりんご飴をかじり

「おいしい~」

よかった、これでまずかったら洒落にならん

「はい、ヒッキー」

「ん?」

由比ヶ浜はりんご飴を俺に向けてきた

「あ~ん」

「いらない、お前が食え」

「ヒッキー甘いもの好きだよね」

「そうだな」

「じゃあ、あ~ん」

「いや、理由になってないから」

「いいじゃん、何か嫌な理由あるの?」

「お前、嫌じゃないのかよ」

「何が?」

「ほら……その……」

関節キスという単語が口にだせない……

「もう……」

「むぐっ」

由比ヶ浜はりんご飴を口に押し付けてきた

「どう、おいしい?」

「ほひひい(おいしい)」

「そう、よかった」

そういうと、俺からりんご飴を離して食べ始めた

 

「えへへ、私も間接キスしちゃった……」

 

今ほど難聴系主人公にあこがれたことはない

聞かなきゃよかったと思える

 

「ほらほら、行こうよ。ヒッキー! 屋台制覇だー」

「無理、俺の財布死んじゃう」

まだまだ花火までいろいろありそうだ

 

 

 

 

 




はい、来週、あの2人に何が起こるのでしょうか?
ご期待くださいw

今回も読んでいただいてありがとうございました
これからも応援よろしくお願いします

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