やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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というわけで続きです
駄文ですが、どうぞ


12 そして雪ノ下陽乃は自分の気持ちと向き合う

「え、嘘……」

雪ノ下さんは俺とくじを眺めながらつぶやいた

「組み分けは決まったか?」

「あ、はい、一応」

「どれどれ、ほぉ……なるほど……1番は雪ノ下と由比ヶ浜、2番は一色と小町、3番は陽乃と比企谷か……みんな準備をしておけ、私もちょっと準備してくる」

そう言うと、平塚先生は夜の森に消えていった

うん、男前だなぁ……むしろ男より男前かもな……

「雪乃ちゃん……変わってあげようか?」

「ダメよ、姉さん…その提案はその……魅力………オホン……比企谷君なら甲斐性なしだから襲われる心配はないわよ」

今、どもってなかったか?

というか、失礼だろ……甲斐性なしって失礼だろ……いや、そうだけどさ……

「いいな、陽乃さん……」

「そうですよ、いいな、私も先輩と肝試ししたかったな」

「ガハマちゃん、一色ちゃん、変わろうか?」

「でも、平塚先生がそれを許すとは思えないというか……変わりたいけど」

「ですね、あの人はそういう融通聞きそうにないし……変わりたいですけど」

「私が! 説得するから、大丈夫大丈夫」

「何がだ、陽乃」

すると準備が終わったのか、平塚先生が帰ってきた

「静ちゃん……、その……」

「くじの変えは許さんぞ」

「そ、そんな……静ちゃん分かってやってるでしょ!」

「何をだ? 残念ながら何も仕込んでないぞ」

「うぅぅぅ……」

俺って雪ノ下さんに嫌われてるのか?

まぁ、昔からあの人のこと強化外骨格とか陰で呼んでたしな……

仕方ないな……

 

「それでは肝試しを始める、ルールは単純だ、そこの道の奥のでかい岩にタバコを計3本置いてきた、1組ずつ行って1本ずつ取って帰ってくれば終わりだ、一応はちあわないように帰ってきてからいくように」

 

平塚先生はさっき行ってすぐに帰ってきた

そこを考えると、あまり距離はないのかもしれない……

 

「では由比ヶ浜、雪ノ下ペアは行ってこい」

「はーい」

「じゃあ、行ってきますね」

色々考えている間に始まっていたらしい……

うーん、気まずいなぁ……

「お兄ちゃん」

「ん? どした小町?」

「陽乃さんの様子が少し元気ないから、ちょっと元気づけてみてくれない?」

「え? そんなこと俺に頼むの? お兄ちゃん絶対に向いてないよ……加えて…俺、雪ノ下さんに嫌われてると思うんだけど」

そう言うと、小町が俺をゴミを見るような目をしてきた……

ちょっと待って……俺、なんか言った?

「これだから、ゴミぃちゃんは……」

「おい、俺何もおかしなことは言ってないぞ……」

「もういいから! やっといてね! 分かった?」

「はいはい、分かりましたよ」

はぁ、余計な仕事が増えたな………

しかし、元気のない理由ね……

 

「ただいま!」

「今、戻りました」

 

すると、由比ヶ浜と雪ノ下が戻ってきた

まぁ、短いとは思ってたし、こんなものか……

 

「じゃあ、一色、小町ペアは行ってこい」

「「はーい」」

間髪いれずに一色、小町ペアは行ってしまった

さて、雪ノ下さんに嫌われてる(俺から見て)状況で

どうやって元気づけるのが良いんだろうか?

 

「ヒッキー」

「ん? どうした?」

「いや、なんか考え込んでるから……」

ふむ、どうやって元気づけるかを考えすぎてしまっていたようだ……

「お前ごときに心配されるような頭はしてない、大丈夫だ」

「な! ヒッキーのバカ、エロ、八幡!」

「待て、八幡は悪口じゃない、俺の名前だ……」

「ププッ、八幡って……」

「おい、何故にお前も笑う」

そんな話3人でしていると、ふとこっちを見ている雪ノ下さんと目が合う

あ、逸らされた……本当に嫌われてんな……

「お、どうやら帰ってきたようだぞ」

「「ただいまでーす!」」

一色と小町が戻ってきた、次は俺たちの番か……

 

「じゃあ、次は陽乃と比企谷だ」

「あの……呼ばれてるんですが、大丈夫ですか?」

「え!? 大丈夫……大丈夫よ……」

「それじゃあ、最後の組行ってこい、途中の岩だからな、見落とすなよ」

「はい、わかりました」

こうして、俺と雪ノ下さんの肝試しはスタートした

 

 

「比企谷君…」

後ろが見えなくなったあたりで雪ノ下さんが声をかけてきた

「なんすか?」

 

「君は誰が好きなの?」

 

「……あの、なんすかその質問?」

変なこと聞くなよ……予想外過ぎて固まったぞ……

「真面目に答えてほしいの……」

「そんなこと言われましても……」

「雪乃ちゃん? それともガハマちゃん? はたまた一色ちゃん?」

「なんで、その3人なんですか?」

「言わなきゃわからないの?」

「いえ、聞きたくもありませんし、知りたくもないです」

「そう、ならいいけどさ……君もそろそろ見なよ、現実をね」

「別に見たくない物は見なくてもいいでしょ」

「先延ばし戦法は相変わらずだね」

「人は基本的に変わりませんからね、それはそうと…」

「どうかした?」

「いえ、それを言うなら大分変りましたよね、雪ノ下さんは」

「そう?」

「はい、だっていつもの雪ノ下さんらしくないですよ、この前の演技の時も先に帰りましたし……ああいうの好きですよね?」

俺の知ってる雪ノ下陽乃は周りをひっかきまわすようなタイプだ……

前回の演技なら参加してるまであると思う……

「そうだね……でも、もういいんだ……」

「何がです?」

「今までは私に依存する雪乃ちゃんを見てイライラしていたのよ、私と違ってそれなりに自由なんだからもっと自分の意志を持ってほしかった……けどね……今は違う」

雪ノ下さんは慎重な面持ちで俺に語り掛ける

「あの子はもう自分の意志で行動をしている……今あの子は目的があってそれを競える友人が周りにいる……あの子は私の模倣をやめて自分の意志で今を楽しんでる……私にはもうあの子の邪魔をする動機がもうない……だからちょっかいかけるのやめたの」

「別に雪ノ下が迷惑だなんて一言も言ってないと思いますよ」

「そうだね、けど多分迷惑になるから……」

「なぜです?」

すると、俺の額に凸ピンして歩き始めた

「あの……なんで凸ピンするんですか?」

 

「知らないよ……ば~か」

と振り向きざまに言われた……頬が膨れている

ちょっと……馬鹿呼ばわりされる筋合いはないんですけど……

 

「ほら、さっさと言って終わらせるよ」

「はいはい」

ただ、歩いて話している間に着いたのか…

目の前にはでかい岩が見えてきた

「あった、あった」

そう言うと、雪ノ下さんは駆け出していった

「きゃぁぁ!」

そして目の前で転んだ……

「何してるんですか?」

「石踏んづけた……」

見ると、少し膝が擦れていて、血が少し出ている

「しょうがない」

「え?」

「その足じゃ、まだ無理でしょ」

俺はおんぶする姿勢になっている

「でも…」

「大丈夫ですよ……このくらい」

そう言うと、肩の上に腕を置いた

「しっかり捕まってくださいね、よっと」

俺は雪ノ下さんをおんぶして立ち上がった

「わわわわわ……私の……体重重くない?」

「大丈夫ですよ」

「本当に? ホントに?」

「いや、しつこいな……大丈夫ですよ」

女性ってどうして体重になるとこういう風になるのだろうか……

軽いと思うんだがな……

 

 

岩に置いてあるタバコを取ってきた道を戻る

「あの、比企谷君」

「どうしました?」

「本当はね……私……逃げてたの」

「……」

「自分の気持ちに言い訳してたの……本当は雪乃ちゃんの邪魔をする動機がないとかじゃない……私本当は……」

「別に逃げてもいいじゃないですか」

「え、でも……」

「確かに俺は物事を先延ばしにして逃げる癖があります、いつかは俺もそれに向き合わなければならない日も来ます……けど逃げちゃいけないなんてことはないです」

「……」

「今、雪ノ下さんは俺にはわからないけど、逃げたことに向き合おうと必死だったじゃないですか…俺には到底無理です……だからそんな自分を卑下しないでください、悲観なのは俺だけで十分です」

「今からでも間に合うかな……」

そう言うと、後ろから少し嗚咽が聞こえてきた

何が間に合うか知らないが、小町から

「大丈夫ですよ、まだ間に合います、雪ノ下さんならできますよ」

「うん、頑張る……」

雪ノ下さんは俺の背中でその後泣いていた……当たってるな……台無しだろ…俺

少し歩幅を縮めるか……いや、決して胸ではない、雪ノ下さんが落ち着くまでであって

決してそんな邪な気持ちはない

 

 

「あぁ、おかえり~……って陽乃さんどうしたの?」

俺たちが戻ると、全員がかけよってきた

「あぁ、そこで少し転んでな、とりあえず歩けるまでおんぶしてただけ」

「ありがとう、比企谷君、もう大丈夫」

そう言うと、雪ノ下さんは俺の背中から降りた……あぁ……楽園……

「先輩?」

「あぁ~疲れた~~~」

「それじゃ、比企谷君にお礼しないとね」

そう言うと、俺の頬に少し暖かい感触を感じた

俺は何があったかわからずあたりを見回すと

平塚先生と小町は感嘆している…

3人は固まってるな、完全に……

「3人とも…」

雪ノ下さんが3人の方を見ている

その言葉に我が返ったのか、3人が雪ノ下さんの方を向く

 

「私負けないから」

そして今までにない笑顔を見せた

 

「さて、私はそろそろ寝るね、おやすみ」

そう言って、雪ノ下さんはログハウスに戻っていった

 

まずい……テラまずい

「あ、俺ももう…「「「比企谷君(ヒッキー)(先輩)」」」寝ようかな……」

小町は? もういないだと……

先生! 平塚先生は? いないだと……

「待て、お前ら……俺は何も悪くない」

フラフラと3人が近づいてくる……

「い……嫌だぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺の夜はまだこれからだった……そして……

 

 

 

 

 

 

 

その後めちゃめちゃ正座した……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、というわけで念願のキャラ追加です
置いてけぼり感をださないように努力します……

次は……誰で行こうかな……
まぁ、おいおい考えます

では恒例の謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからもよろしくお願いいたします

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