やはり俺の青春ラブコメは続いていき、間違う   作:遊哉

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というわけで続きです
今回も駄文でよければどうぞ



10 最初に仕掛けるのはやはり一色いろはである 後編

「せんぱーい、こっちこっち!」

もう一色はレジャーシートを引いてこっちを手招きしている

 

お弁当か…

一色の料理レベルは多分、何も問題はないだろう

趣味はお菓子作りだし

バレンタインイベントでも普通に上手に作れてたと思う

 

「ではでは、開けますよ~準備はいいですか?」

「そういうのいいから……」

「む、ノリが悪いですよ! せっかくの後輩手作りなのに…」

「そういうの言うから、微妙に聞こえるんだよ……」

「えぇ~、私からこういう言い回し取ったらなんも残りませんよ」

「いや、残るだろ……素はかわいいしな」

「へ……」

「あ……」

なんか変なノリで口をすべらした……

「そうやって、私のポイント荒稼ぎして、いつもいつも~~」

一色は大分、不満? そうな顔をしている

「まぁ、いいです……食べましょう」

そう言って、一色はお弁当の蓋を開けた

「へぇ」

普通に声が出てしまった

理由としてはお弁当の中身がかなりまともなのである

から揚げ、卵焼き、アスパラのベーコン巻き 

お弁当の定番と呼べるような品目ばかりであるのに加え

お世辞抜きで、かなりおいしそうなのものばかりだ……

 

「お前、これ作るの大変だったろ」

「え、いやそんなことないですよ…」

「いやいや、かなり手が込んでるだろ…から揚げとか冷凍に見えないし」

「まぁ、揚げましたから……」

「お前今日何時に起きた……」

一色は朝、俺のところまで来て、起こしにきている

かなり早起きをしたのだろう…

「別にそんなこといいじゃないですか、食べましょ!」

話題をそらされた

まぁ、聞くのは野暮だろうな

「では、先輩どれから食べますか?」

と言われても悩む

どれもかなりおいしそうだ…

「じゃあから揚げ」

「分かりました、それじゃ」

そういうと、一色は箸でから揚げをつまみ

 

「あ~ん」

 

いや、だからね

「そういうのいいから……ほかの箸は?」

「すいません、一膳しか持ってきてません」

「お前、バカなのか…」

「忘れちゃったんですよ、てへ!」

こいつ

完全にわざとおいてきやがったな……

「どっかの売店に割り箸とかあるだろうし、とってくるわ」

そう言って、立ち上がろうとするが

手を捕まれて引っ張られる

「先輩、早く食べましょうよ」

「いや、だからね、自分の箸を」

「むぅ、先輩は私の手作りのお弁当を食べるわけですから、私の言うこと聞いてくださいよ」

「と言われてもな…じゃあ箸くれ、自分で食べるから」

「ダメです、これは私の箸です」

「もしかして、全部あ~んなの?」

「はい」

「俺の精神衛生上……よろしくないかた却下」

「そんなもの先輩でどうにかしてください、私には関係ないです」

「無責任すぎる……」

「はい、座ってくださいよ」

そう言って、手を思い切り引っ張られた

「分かった、分かったから、座るから」

まぁ、この前

雪ノ下と演技とはいえ「あ~ん」はやったし

大丈夫だろう……いやだめだろ

 

「はい、先輩あ~ん」

「分かった、食べるから一つお願いがある」

「なんですか? 往生際が悪いですね」

「そのセリフはここで使うセリフではないぞ……」

「それで、なんですか」

「この手を放してくれ、つないだまま食うのは……な」

状況として

一色の左手と俺の右手が手をつないだ状態で

あ~んをされている

「嫌です、先輩はいつ逃げるかわかりませんから」

「いや、もう逃げないから」

「ダメです、その辺信用してません」

「ひどいな……」

どうやら、ここも譲るつもりがないらしい

「はい、先輩、あ~ん」

これで3回目

もう逃げ道はなさそうだ……

「あーん」

俺はから揚げを食べる

「ど…どうですか?」

一色は恐る恐る聞いてくる

「まぁ、うまいよ、心配すんな」

そう言うと、一色はものすごい笑顔になり

「よかった、よかったです」

とホッとした顔になった

「それで、先輩次どれ食べます?」

「え、まだ続けんの、これ」

「当然です、箸が一膳しかありませんから」

「お前食べなくていいのか?」

「食べますよ、後で」

「いや、俺だけ食べるのは申し訳ないだろ」

「大丈夫です、はい、先輩あ~ん」

そういって、卵焼きを押し付けてくる

絶対、こんなの非効率だろ……

「あーん」

「どうです? 甘めにしたんですけど」

「あぁ、うまい」

「そうですか、そうですか」

こうして、昼食タイムは過ぎていった

ものすごく恥ずかしかったが、俺は知らなかった

この後に、もっと恥ずかしい目にあうなんて

 

 

昼食を終えると、アナウンスを知らせる音楽が聞こえてきた

『今から、カップル割りキャンペーンのドリンク試供会を行います、ご参加の方は最初にもらった入場券をお忘れなくお願いいたします、今から……』

 

「さぁ、先輩行きましょう」

「え、これ行くの?」

「当然です、このためにここのプール選んだんですから」

うーん

ドリンク試供かぁ

タダならもらっておくのが無難なのか?

「はい、先輩、行きますよ」

そう言って、手を引っ張られる

「分かったから、引っ張るなよ」

こうして、俺は行ったことに後悔をするはめになる

 

「お待たせしました、こちらカップル合法イチャイチャドリンクでございます」

 

俺らの前に置かれたのは

一つのグラスに♡マークを模った二股のストローが入っている

トロピカルジュースである

 

こんなのアニメや漫画でしか見たことないぞ…

罰ゲームかよ

 

「さ…さぁ飲みましょうか…」

「いやいや、ちょっと待て」

「何でしょうか、怖気づきましたか?」

「怖気づくも何も、これは聞いてないぞ」

「そりゃ、言ってませんから」

「いや、そういう意味ではなくてだな…」

「大体、俺らカップルじゃ…」

そう言いかけると、一色は俺の口に人差し指を当ててきた

「まぁまぁ、そんなこと言わないでくださいよ、このプールにいる間はカップルですよ」

「でもな、これはちょっとやりすぎというか」

「先輩」

「どうした?」

「私、恥ずかしいけど、これするの夢だったんです」

「え?」

一色にしては珍しい夢だな

「子供っぽいのはわかってるんですが、昔からこれ夢なんですよ…」

「おう…それで?」

 

「先輩、私の夢かなえてくださいよ」

 

こいつの我儘なんてよく聞いてきたし

そういうのと割り切ればOKか?

いや、でもなぁ、これはちょっときついというか

でも、一色が素で言ってる感じだし、仕方ないか……

 

「はぁ、分かったよ」

「さすが、先輩!」

一色と俺はストローに口を近づける

うわぁ

これすごく近いな……

一色の顔がものすごく近くにある

「はむ」

「んむ」

ストローを加える

そういえば、これキャンペーンだよな……周りはやってるのか?

周りを見渡すと、やってるところはちらほらある

なるほどな、今日カップルが多い理由はこれだったのか

これなら羞恥心が駆り立てられる心配はなさそうだ

 

「うわ、すごいね」

「○○君、見ちゃだめですよ」

 

やっぱり羞恥心は駆り立てられるな、これ

そんなことを考えてると、一色がこちらを不満そうな顔でのぞき込んでいる

 

「どうした?」

「先輩、何か違うこと考えてます」

「しょうがない、周りの視線は気になる」

「そうですね、確かに思った以上に恥ずかしいですし、気になります、だから……」

「だから?」

そう言うと、一色はさらに密着してきた

 

「これなら私以外目に入りませんよね、だから私のことだけ考えてればOKです……私も先輩のこと考えますから」

 

今のはものすごく来た

なんというか来た

何が来たかはわからないが……

近い、もう本当に近い

心臓の音がバクバクいってる、聞こえなきゃいいんだが……

早く飲み終えてしまおう

 

「んんっ……こぼれちゃう……先輩、ゆっくり」

「わ…分かった……」

俺は吸い上げる力を弱める

「んっ、おいしいですね、これ」

「そ…そうだな」

正直、味なんてわからん……

「ん…ふふっ♪」

一色は楽しそうだ……まぁ夢だったらしいからよかったな

相手、俺だけど……

 

「あ……」

「お……」

いつの間にか、ジュースを飲み終えていたらしい

 

「先輩、ありがとうございます」

「いや、きにすんな……」

まともに一色の顔が見れない

さっきまで見ていたのに……

 

「じゃ、先輩行きましょうか」

そう言うと、一色はまた手を取った

「どこに?」

「決まってますよ、まだまだ遊び足りませんから」

 

「行きますよ、先輩!」

その笑顔はとても輝いていた

 

 

そのあとは、流れるプールやら波のプールやらで遊んだ

帰りに電車が混むとめんどくさいので

閉園まえにプールを出ることになった

 

電車は席が空いていて、二人で座った

すると

一色が俺の肩に頭を乗せてきた

「お前なぁ…」

一色を見ると、寝ていた

はぁ、本当に今日早起きだったんだろうな

「むふふ……先輩……」

「まったく、どんな夢見てんだが……」

しょうがない、肩くらい貸してやるか

今日、楽しかったし、このくらいしてやらないとフェアじゃないしな

 

そうして、俺たちは電車に揺られながら

帰って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで終了です
とりあえず、自分のできる範囲で甘くしてみました
どうでしたでしょうか?
次はだれにしようかな
それとも日常回か……まぁキャラ追加はその日常回の合間に入れる予定ですけどね
まぁ、お楽しみに


それと最近知ったんですが、日間ランキング6位に入ったそうです
びっくりです、友人に言われるまで知りませんでした
応援、評価ありがとうございます

では恒例の謝辞を
今回も読んでいただいてありがとうございました
これからも応援よろしくお願いします

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