よろしくお願いします
ベットの下。
それは男にとっての隠れ家的象徴。人に見られたくないもの。捨てるのに困っているもの。何でも隠せる不思議な場所。確かに、セオリー通りの隠し場所過ぎて、普通は捜索されてしまうかもしれない。しかし、俺、比企谷八幡はぼっちであるため、部屋に来られる友達もいなければ、部屋に家族すら入れないまである。いや、別に戸塚とか、小町とか、戸塚とか戸塚とか戸塚とか………なら全然オーケーなんだけとね。つまり、俺にとって見られたくないもの、捨てるのに困っているものはそこにしまっておけば何の問題もないのだ
と……思っていたのは先程までの話だった……。
今、俺は正座をしている。
そして俺の前にはAVのパッケージを見ている一色、雪ノ下、由比ヶ浜の3人の人物がいた…。
一応、俺の経歴について簡単に説明しよう。俺は無事に総武高を卒業し、大学生になって一人暮らしを始めた、というか追い出された。まぁ、それなりにやってはいけたし由比ヶ浜も雪ノ下も同じ大学だったし、普通に1年目は終わった。そして、2年になって、一色が入学してきたのだ。相変わらずのあざとさは変わらず、そのまんまである。まぁ、俺らは高校時代と同じく、キャンパスライフを送っていた。基本的に俺は省かれてたと思うけどな。
では、何故AVを見つけられ、現在に至るのか。
事の発端は、一色と二人の時から始まった。
【回想】
「せんぱーい、一人暮らしなんですよね?今度の日曜、家に行っても良いですか?」
「断る」
「むー!別に入れてくれてもいいじゃないですか!何か問題でもあるんですか?」
「当たり前だ、お前に構っている余裕など皆無だ。俺には予定がある」
「どうせアニメですよね!しょうがないなぁ、このいろはちゃんが構ってあげますよ!」
バカなやつめ、それで逃げ道をふさいだつもりか?
「いや、違う」
「え?本当に大事な予定ですか?」
「うむ、惰眠だ、休日は寝るのに忙しい」
「………先輩……」
一色はにこやかに笑うと、スマホを取り出して電話をかけ始めた
「あ、戸塚先輩ですか?お疲れさまです。聞いてくださいよ~、先輩に急に襲われて「ちょっと待てえぇぇ」はい?どうしました先輩?」
「ばっか。お前、それ俺にめっさ効くやつ…」
「せんぱーい、どうしますか?家に行ってもいいですか?」
そう言うと、スマホの画面の戸塚先輩と書かれた
電話番号を見せてきた。確かに戸塚の電話番号だ……。
「分かった、場所は教えるから勝手にしろ。日曜日は基本的に家にいるから。」
「はーい!」
こうして一色は俺の家に来ることになった
が悪夢はここから始まった。
今日の朝、目覚ましがなる~
鮮やかなひーざーし~
二度寝タイム~
と某アイドルのキャラソンのごとく二度寝することが出来ず、目覚ましにたたき起こされるすると、暇潰し兼目覚ましが光っている…。やべ…昨日一色が来るからって早めに寝たからメール見るの忘れてたな…。
スマホを開くと
[メール6件、電話15件]
嫌な予感がして、メールの画面を開く。
From雪ノ下雪乃
《明日、暇ですか?
買い物に付き合ってほしいのですが》
From☆☆ゆい☆☆
《ヒッキー、明日暇かな?
買い物に付き合ってほしいなぁ(・ω・`人)》
From一色いろは
《せんぱーい、
明日朝早く行ってもいいですか?♥》
From雪ノ下雪乃
《メールの返事がないので、明日朝早く
そちらに伺います》
From☆☆ゆい☆☆
《ヒッキー、寝てるのかな?
明日、朝早くそっちに行くね( ^∀^)》
From一色いろは
《返事がないので、明日朝早く
向かっちゃいますね❤》
顔の血の気が引いていく感じがした。というか引きすぎて一周回って元に戻るまである。
脱出しよう!
というか、修羅場を起こすつもりもなければ、起こすような人間関係をもっていない俺が
修羅場みたいな状況に追い込まれているのはおかしい。
こういうのは、ラブコメの主人公がやっていればいいのであって、俺の管轄外だ。
とりあえず、さっさと着替えて、マイホームを脱出しよう。そうすれば、修羅場は回避……できると思っていたのは数秒前の出来事でした。
「あら、ヒキガエル君、連絡すらできない爬虫類に成り下がったのかしら」
「ヒッキー、これ、どういうこと?」
「せんぱーい、今日私だけじゃないんですか?」
はい、ご愁傷さまでした
みなさん、まだ7時なんですけど…
仕方ない、どうにか切り抜けるしかない…
「昨日、少し疲れてて早めに寝ちまったんだ、それで連絡するのが遅れただけだ」
「あら、嘘をついてもためにならないわよ」
「いや、嘘をついてどうする…まぁとりあえず上がれよ」
「お邪魔しまーす」
「お邪魔です」
「お邪魔します」
とりあえずリビングに案内と言うか
別に1kだから、部屋なんて他にないんですけどね。
「先輩、案外綺麗ですね」
「まぁな、専業主夫志望なめるなよ」
「理由が残念すぎます…」
すると由比ヶ浜が座布団を並べている。
「ヒッキー、勝手に出しちゃったけど大丈夫?」
「あぁ、悪いな」
「結衣先輩、どうして先輩の家の座布団の場所知ってるんですか?」
「え、いや、たまにね…エヘヘ、ヒッキーの家に来るんだ~」
「うわ~、アドバンテージ取られ過ぎな気がします…雪ノ下先輩もよく来るんですか?」
「いや、たまによ。ごくたまによ」
「ゆきのんとも良く来るよ…ご飯とか、勉強しに」
「由比ヶ浜さん…そういうのは言わないものよ…」
「ごめん…ゆきのん…」
「いや、ごめんなさい。怒ってるんじゃないのよ。ただ……恥ずかしくて」
「ゆきのーん、超かわいい!」
「由比ヶ浜さん、近いわ」
「おーい、そろそろ座れよ、飲み物なんでもいいか?」
「「「MAXコーヒー以外で」」」
「おい、合わせなくてもいいだろ」
「だって~カロリー高そうなんですもん」
「周りを糖尿病にするようなことはやめてくれないかしらカロリ谷君」
「一文字も合ってねーよ。はいはい分かりましたよ」
とりあえず暑いし、冷たい麦茶とかでいいかな…
【another view 女性side】
「先輩って、ああいうの持ってるんですかね?」
「ああいうのって?」
「結衣先輩、男の子の嗜みってやつですよ」
「一色さん、そういうのは詮索しないものよ、誰だって秘密くらいあるものでしょ、彼にも一応」
「でも~、先輩がそういうの持ってたら趣味、嗜好くらいは知りたくないですか?今後のためにも」
「まぁ、知るのはやぶさかでもないけれど…」
「ねぇねぇ、ゆきのん、いろはちゃん男の子の嗜みって何?」
「まぁ、見れば分かりますよ、そういうのはベッドの下にあると相場が………あった!」
「どれどれ?えぇぇ!」
「……聞く必要があるようね」
「そうですね、色々と…」
【another view 女性side 終】
「おい、とりあえず麦茶でよかったか………あ…」
俺の秘密の隠れ家に仕舞われていた作品が一色の手のなかにあるのは幻覚だろうか、いや幻覚ではないらしい。俺があらわれるや、 全員が俺の方を向いてひとこと。
「先輩、とりあえず正座で」
「比企谷君、正座しなさい」
「ヒッキー!正座して!」
「だが断る」
俺は屈しない!
大体、正しいこと言ってるように見えて、実際、人の部屋をあさる行為をしたお前らに
俺を糾弾する権利などない。いいか、不当で手に入れたものは裁判では証拠にならないんだぞ!
「「「いいから、正座!」」」
「はい」
ダメでした…
【回想 終】
おかしい冷房が効いているのか。いや、冷房はついてない、というか現在は5月だそろそろ暑くなる頃のはずだ。なのに、俺はどうして震えてるのだろう。
「せんぱーい、何でこんなの持ってるんですか?」
「いや、男の子にも事情が…」
「あら、卑猥谷君、発言権は与えてないわよ」
雪ノ下スマイル(冷笑)版に黙りこむ俺。もう、この状況を乗り越える手段が分からない…。
「まぁ、別にヒッキーも男の子だし、こういうのは別に持っててもいいんだけど…」
「けど?」
「せんぱーい、直球で聞きますね」
一色の言葉に雪ノ下も由比ヶ浜は動揺し始めた
「一色さん、それは…」
「いろはちゃん…」
「いや、聞いときたいです。結果がどうであれ」
何やら3人で覚悟を決めてるらしい…そんな、アブノーマル持ってたっけ?
「先輩!このAVの内容について質問です!このAVはどういう意図で買ったんですか?」
と、そのAVのパッケージを見せてきた。
そのAVのタイトルは
『黒髪ロングで巨乳な後輩とイチャラブH』
と書かれていた。
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………やってもうた…。
来週に続きが出せればなぁと思ってます
とりあえず感想や、アドバイスなんかあれば嬉しいです