GIRLS und PANZER with Unbreakable Diamond   作:デクシトロポーパー

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ちと地の文が少ないか?
でもあまり時間も空けたくないため、投稿です。
今回は、億泰視点。

※投稿直後に一部修正。
 ダージリンがスタンド使いになったのは『去年』ではなく『一昨年』。
 『去年』になっちゃってたので修正。

※2017/5/10、誤字修正。


スタンド使いは引かれ合います!(5)

虹村億泰(にじむら おくやす)は、玄関前に座り込んでいた。喫茶店の前に座る不良など営業妨害気味ではあったが、そんなことまで考えてはいられなかった。

 

(わ、わかってるぜぇ。オレが悪かったんだよ、完全に!)

 

自分のやらかしたことにため息をつく。カッとなって止まらなかった、というのはむしろ逆。こみ上げたのは冷たく、どうしようもないほどに硬く巨大な憎しみだった。自分自身ですら見たくもないこんなものを、あのお人好しゲなネーチャンに叩きつけてしまった。そのおびえた目つきを見たら、軽々しく兄貴の死を侮辱されたように感じて、感じてしまったらもうダメで。仗助がいなかったらどうなっていたか。多分、華あたりが割り込んだだろう。そして自分はもっと逆上しただろう。考えただけでも恐ろしかった。

 

(……ハァ~ッ しっかし、どのツラ下げて戻るよ?

 実際よぉ~~)

 

そんなに時間もかけられないが、今のさっきで非常に戻りにくかった。だが、それこそ無責任。頭を冷やしてくると言ったのだ。冷えたのなら戻らなければ。しぶしぶ腰を上げると、カランカランと音が鳴る。ドアから仗助が出てくる音だった。

 

「よっ。落ち着いたみてえだな」

「ン、まあ、よ。すまねえ」

「なら、戻る前に話しとくぜ。アンチョビ先輩の言おうとしてたことだがよ」

「仗助よ、そいつはいらねえぜ」

 

言いかけたのを押し留めて、億泰は言う。

 

「直接聞く! 今度はキレたりしねえでよ」

「グレート。なら何も言わねーぜ」

 

連れられて戻る。きっかけをくれたのはありがたかった。ドアを上げれば金髪のエラそーな先輩、ダージリンが、とくに視線を向けてくることもなく紅茶をすすっていた。その前まで進み出て、腰を深く折って億泰は謝罪した。

 

「まず、すまねえ。

 お茶会でカップ割ったりしてよぉ~」

「なにを謝っているんですの? あなたは。

 何について謝っているんですの?」

「ここは先輩イチオシの店でよ、お茶会も先輩が用意したんだよな。

 多分、茶葉を選んだのも先輩で、そいつをオレらに淹れてくれた。

 オレはそいつをブチ割った! クチもつけねえでよぉ~

 こりゃあ侮辱だぜ……」

 

ティーカップを置く音だけがする。顔は上げない。自分は今、詫びを入れているのだ。

 

「バイク野郎の自慢の愛車をわざと蹴っ飛ばしたみてーなもんだろうがよ。

 だから詫びる。すまねえ、この通りだ」

 

席を立つ音がした。それ以外は静まり返ったまま。顔は上げない。聞き耳だけを立てていると、カチャリと磁器同士が軽くぶつかるのが聞こえ、少しして水の注がれる音に変わる。そして、床だけを見ている視界の端に、女物の革靴が映り込んだ。

 

「お顔を上げてくださる?」

 

言葉に従って顔だけ上げると、差し出されたティーカップがあった。淹れたての湯気をたどっていくと、ダージリンその人が目前にいた。

 

「感想をお聞きしたいわ。よく味わった感想をね」

「お、おう。イタダキマス」

 

ソーサーに乗ったティーカップをつまんで口に運ぶと、『馴れた』芳香が鼻腔に広がった気がした。

 

「ンッ? このニオイ……『知ってる』ぜ。

 そこまで特別なニオイじゃあねぇー」

 

わかるようでわからない。水面に口をつけ、すする。

 

「こりゃあ紅茶だ……『普通』の紅茶。

 だがよぉ~ッ 渋みが少ねえし、

 なんつーかアレよ。奥ゆかしいんだよなぁ~」

 

三口、四口と飲みながら、思ったことをタレ流す。言葉に気をつかう必要は最初から感じない。明らかなのは、ただ、これのみ。

 

「ンめぇーッ サッパリするぜぇー」

「そう。何よりですわ」

 

素で忘れかかっていた。少し慌てて視線を向けると、ダージリンは柔らかく微笑んでいた。

 

「ハッキリと言葉にしますわ。

 私は、あなたを許しました。この話はオシマイにしましょう」

「そう言ってくれるとよ、ありがてえぜ」

 

さて、このまま席に戻ってはいけない。まだ詫びは終わっていない。続けてアンチョビの前まで歩いていく。だがいきなり、先に頭を下げられた。

 

「? ええッ? なんで?」

「すまなかった。知らなかったとは言ってもな……

 そっちのみんな、音石明にヒドイ目に遭わされているのに、

 まるきり他人事な口を聞いた。ゴメンなッ」

「お、オイオイ! 勝手にキレて脅かし始めたのはオレだぜ~ッ

 オメーが頭下げんな! 悪かったのはオレだよ、許してくれよ、なぁ」

 

ペコペコとお辞儀合戦。マヌケな空気が漂ったが、やがて向こうから止まった。

 

「うん、私は許した。そっちはどうなんだ?」

「どうなんだ、っつわれても……ああ、もちろん許すぜ!」

「ありがとうな」

「おう。アリガトよ……」

 

安心した顔をしているツーテールの先輩に、なんだか釈然としない気分ではあるものの。許すと言ってくれたのなら、ここはこれで終わりだろう。ギクシャクしながら席に引き上げる。が、すぐに来た道を戻った!

 

「チゲェ~ぜッ 聞くことがあんだった!」

「ななっなんだよぉ」

「おめーが言いかけてたコトだよ!

 さっき途中でキレちまったけどよぉー

 今度は最後まで聞くぜ」

「ん、そ、そーか」

 

アンチョビの提案に今度はしっかり耳を傾けた億泰は、それでもやはり思ったことだけを言った。

 

「悪かねーな。ヤロォの意地に脅しをかけるってのなら悪かねぇぜ」

 

アンチョビの提案とは、これだ。他ならぬ音石明のせいで今や冷や飯を食わされているだろう音石の両親を、こちら側で何らかの形で庇護する。大洗女子学園に受け入れてしまえれば最高だ。被害者自らが『あなたに罪はありません』とアピールする形になる。音石明は今、戦車道で大洗女子を倒す意地のために、蝶野亜実の懸念したような、家族への襲撃を思い留まっている。そこへさらに、両親を保護されてしまったならどうか?

 

「ますます、やりにくくなるよな。

 これでやったら、『戦車道から逃げた』に加えて、『恩を仇で返す』になる。

 意地を通す奴だからこそ、これは効くと思ったんだ」

「だがよぉ~、音石がそいつを見透かしたら、

 逆に意地を捨てちまうキッカケにならねーか?

 ナメやがって! ってよぉ~」

「うぐっ。かもな……」

「ありえるな。億泰」

 

承太郎がティーカップを置いた。

 

「奴は言っていた。受験だ何だはまっぴらだと。

 そして奴は十九歳。思春期に毛が生えた年頃でしかない……

 両親に反発してああなったのなら、そうなるのは、ありえる」

「そうなったら、私達はみじめだよね」

 

西住が、その後に続く。

 

「音石明の家族を守っている横で、みんなの家族が殺される。

 試されるのは私達だよ。みんな、恨まずにいられるのかな」

 

とてつもなく、おどろおどろしい想像だった。全員が鼻白んで、室温が3度くらい下がった。顔面蒼白なのはアンチョビだった。

 

「す……すまない。マジにすまない。

 浅はかだった。この話は取り下げるよ……」

「いや、採用する」

「え? いや、だから。なんで?」

 

矛盾しているような承太郎の断言に、またアンチョビの顔色が急転する。表情豊かすぎて、なんだか気の毒になってきた。

 

「このまま奴に生殺与奪を一方的に握られ続けるよりマシだ。

 こちらが操作できる材料を確保したい」

「承太郎さん、お言葉ですけど……」

「ただし。音石の両親がカタギで、

 今まさに不幸になっている場合のみだ。

 平穏をひっかき回すことだけはしない。

 それをやれば、俺達も奴の同類に成り下がるからな」

 

何か言いかけた秋山は、ホッコリした顔で黙った。あいつもたいがいお人好しである。脳天まで焼かれたのはテメエだというのに。

 

「音石については、方針は決まったようですわね」

 

ダージリンがまとめに入った。

 

「まず、大洗女子は音石明の挑戦を受ける。

 受けることで、関係者の身内が攻撃されることを防ぐ。

 ただし、保険として音石明の両親の身柄を手元に置くことも検討。

 部外者である私達は、戦車道を乗っ取られないように警戒し、

 可能であれば彼の情報を拾う……こんなところかしら」

「ああ。もっとも、聖グロリアーナが乗っ取りを受ける可能性は低いがな」

「根拠を伺っても?」

「乗っ取ったところでチームがロクに動かせない」

 

ダージリンの脇にいる赤毛女と、オレンジ髪のチビ女が眉をピクリとさせて止まった。億泰の耳にも、これではバカにしているようにしか聞こえないが。

 

「聖グロリアーナの戦車道はOB会の支援に寄って立つ部分が大きいと聞く。

 それも、かなり声が大きいらしいな……

 使う戦車ひとつにも口を出してくるというが、嘘はないか」

 

紅茶を一口して小さくうなずくダージリンを見て、承太郎は続ける。

 

「OB会、学園側、OB会に影響を受けたチームの子女。

 そこに、音石明が君を屈服させ、君を通して頭ごなしに命令を聞かせたとしよう。

 まともに動くと思うか」

「……動くでしょうね。ただし、一度だけ。

 根回しもなく独断専行した私は、ひいき目に見ても二度目で席を追われるでしょう」

「次に奴は考える。なら、この口やかましいOB会を皆殺しにしたらどうかとな」

「愚かね。戦車を動かすお金はどこから出ているのかしら」

「そうだ。つまり結局、君にオンブにダッコで戦うしかなくなる。

 音石明のプライドは逆にズタズタだな。ここまでをおそらく奴は推測する」

「狡猾。ですのね」

「待ってくれ……」

 

話に、アンチョビが割り込んだ。ガタッと音を立てて立ち上がってきた。

 

「わかりかけてきた。空条さん、あなたが私を走ってまで追ってきた、そのわけが」

「アンチョビさん。その心は?」

「『逆』だ……私達アンツィオ戦車道はッ

 聖グロリアーナ戦車道の、ほぼ全部『逆』ッ!」

「どーいうことッスか、姐さん」

 

聞こうとしたペパロニを制して、まだ名前を知らない金髪が答えを言った。

 

「アンツィオ戦車道は、総統(ドゥーチェ)一人で持っている。

 そういうことですよね」

「そこまで傲慢にはなれないけどな……

 でも、外から口を出してくるヤツはほとんどいない。

 見方を変えれば、私一人の王国なんだ」

「つまりよぉー、アンチョビ先輩。

 聖グロに比べて、アンツィオの方がよっぽど押さえやすい。

 アンタ一人を押さえれば、みんな言いなりってことッスか」

「それなんだよ、おそろしいのはッ」

 

アンチョビは震えている。腕を組んで縮こまりながら。

 

「脅されて言うことを聞かされたとして!

 カルパッチョは絶対に気づく! ペパロニもだ!

 それで二人が真相にたどり着いたらどうなる?

 それがおそろしいッ!」

 

金髪女はカルパッチョと言うらしい。ウマそうな名前がズラリと並んでいるが、そんなことはさすがにどうでもいい。しゃがみ込んだアンチョビに、億泰はズカズカと歩み寄った。

 

「で! オメーのスタンドは何なんだよ?」

「ん……エッ?」

「エッ? じゃあねぇーよ!

 オメーのスタンドは何なのかって聞いてんの!

 何かしら戦いようあるだろ、スタンド使いならよぉー」

「わ、わからない。

 スタンドって言葉自体、初めて知ったのが今日なんだよ。

 出せ、とか、動かせ、とか言われても、どうしようもないんだぞ」

 

あっ、そうだっけ。悪い。

と引き返しそうになったが、そうもいかない。こいつの生命がヤバイままだ。

 

「ウ~~ン、こういうときどうしたかな? 兄貴だったならよぉ~~」

 

相当必死になって考え込んで、結局兄貴頼りに落っこちていく頭脳。袖を引いてきた康一が、恨みがましい三白眼でこちらをじっと見つめた。

 

「首元をナイフで刺しまくったよ」

「……ハァ?」

「億泰くんのお兄さん!

 スタンドの動かし方がわからないっていうぼくに、

 『きっかけを与えてやる』って言いながら、ナイフでブスブス刺しまくったの!」

「何やってんだよ兄貴ィィ~~、って言いてえけど。

 片棒担いでたオレが言うこっちゃあねえよなぁ~」

「何サイコな会話してるんだよお前ら!」

 

振り返ってみると、ますます震え上がったアンチョビがドン引きしていた。康一は少し罪悪感を持ったみたいな顔をしたが、首をひとつ振ってアッサリ振り払っている。

 

「ま、ぼくが言いたいのはね。

 やり方に問題はあったけど、方法としてはけっこう確かだと思うんだ。

 とくにこういう、急いでる時は……」

「お、おいッ、巻き込むなよ? そんなサイコ野郎の世界に私を巻き込むなよぉ?」

「観念しなよ! もう巻き込まれてるんだから。

 それに遅いよ……ぼくのエコーズは、すでに仕事を終えている」

「えっ?」

 

言われて見てみると、アンチョビの真後ろにエコーズが飛んでいた。そして、アンチョビの顔一面に音の文字が貼りついていた。

 

『ンベンベンベンベンベンベンベンベドゥードゥー』

 

目で追って読んでみてもなんのことやら。直後、なんかヤバイ電子的な音楽が鳴った。

 

「うひゃああああああッ!」

 

劇的にビビッたアンチョビが仰向けにひっくり返った。カエルみたいに。カルパッチョも紅茶をこぼした。ダージリンもビクンと肩を震わせた。紅茶はこぼしていないが。

 

「グレート! いきなり冒険の書を消しやがった!」

「オホン。抜かりはなくってよ。いつも3つフルに写していますもの」

「一番怖いのは無音ですよね。どうしようもない絶望だけが……」

「オレはそれで投げたぜ!

 結局ゲームっつってもよぉー、『合う』と『合わねえ』があるよなぁー」

 

ちょっと大きめの地震に居合わせたみたいにナゴヤカに話し込んでる連中によると、どうもゲームの音らしい。そういえば仗助は電話かけるとしょっちゅうゲーム中だった。

 

「あっ。あぁーー、わかりましたっ」

「何なのですか優花里さん。あの怖い音楽……」

「『ドラクエ』ですよぉ。『ドラゴンクエスト』です。

 ゲームのデータが消えるとあの音が鳴るんだとか」

「ゲームのデータが消える? ゲームが壊れちゃうってこと?」

「そこからですかぁー西住どのッ

 そうですねぇー、少し前に『たまごっち』って流行りましたけど、わかります?

 アレは電子データのヒヨコを育ててるんですよねぇ。それがある日突然消えたら」

「やれやれだぜ」

 

承太郎がガヤガヤをブッタ斬る。わざとらしく声を上げているあたり、かなりイラついているようだ。おっかない!

 

「くだらねー話は後にしろ。それより、アンチョビ隊長の手元を見てみるんだな」

「ううっ、消えてない! 全員が転職3回してるんだ、消えてたまるか……って、え?」

 

モガキながらヨタヨタ起き上がったアンチョビの、右手の下には確かに何かがあった。翠色に輝く何か。アンチョビ自身も気が付いて、手に取り掲げてみると、それは剣だった。人間の腕くらいの長さがある、ファンタジーな長剣である。

 

「なんだこれ。ロトの剣でも出てきちゃったのか?」

「? 一人で何やってんスか姐さん。手に何かあるんスか?」

「決まりだな。アホらしいが……それが君のスタンドだろう」

 

微妙な顔で手中のものを見下ろすアンチョビに、康一がホッとした顔で言う。

 

「よかったぁ~、オドカして何の成果もなかったら単なるイジメッ子だもんなぁ~、ぼく!」

「なんでそーゆーアツカイを受けるんだろーな、私は!

 キミと私、初対面だよなぁー? 何か気にサワッたか?」

「まさかホントにナイフでツッ突くわけにもいかないからね。

 ぼくの知る限り、一番『死ぬほどビックリする音』を鳴らしてみました。

 ドラクエ知らなかったら多分無意味だけど」

「うぐぐ、納得はしたけど感謝したくないッ……」

「でも、なんか不思議だな」

「どうしたよ、西住」

 

西住のぼやきを捕まえた仗助がその先を促す。康一も思うところがあるようで、西住に顔を向けている。

 

「その、ね? 私のトゥルー・カラーズはしばらく形が決まらなかったんだよ?

 よくわからないエネルギーだけが、東方くん達には見えていたんだよね?」

「ぼくもそれはチョット思った。ぼくなんかしばらくは身動きもできない『タマゴ』だったし」

「俺のスター・プラチナもだな。俺の制御に収まるまでは、姿形が安定しなかった」

「ンン? それがつまり何だよ?」

「アンチョビさんのスタンドは、すでに明確な形を持っている」

 

何が問題なのか、よくわからない億泰に答えてくれたのは華だった。

 

「本人が気づいた気づかなかったは別として、

 スタンドそのものは身についてからかなり時間が経っている。

 聞く限り、そのように感じられます。私、見えないので……」

「な、なるほどよ。だが、するとよぉー、身についたってのはいつよ?

 音石は関係ねぇーんだろ? 知らなかったんだからよぉー」

「私のライダーズみたいに、最初から形を持ってるケースもありますけど。

 この場合はどうなんでしょうね。虹村どの」

 

視線がアンチョビに集まる。黙って見つめられた彼女は、気まずそうに、はたまた悩むように地面へ視線をさまよわせると、席に戻って自分のスタンド、長剣を床に横たえた。赤い絨毯に寝そべったそれは翠色の刀身と相まって、やたら高級に見えた。

 

「心当たりは……あるんだ。というよりも、ある意味『知っていた』。

 ちょっと整理する。しばらく待ってくれ」

「姐さん。もしかしなくても、去年の夏休みにコッソリ行ってた」

「ペパロニ。悪い。私自身が言う。黙っててくれ」

「うっ……うん」

 

心配そうに見ているペパロニとカルパッチョに、黙考に入ったアンチョビ。こうなってはしばらくしゃべらないだろう。本人がそう言っているように。待つしかないのは億泰にもわかる。ダージリンが席を立ち、進み出た。

 

「そうですわね。なら、それまでは私が。

 スタンド使いになった時のことを話していきますわ」

 

だが、そこからこそが。億泰にとっては、唐突に始まった試練だった。

 

「私がスタンド使いになったのは一昨年の12月、冬休み。

 天元台高原スキー場でのことですわ」

 

 

 

 

To Be Continued ⇒




億泰視点は、次回も続きます。

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