今回はタイトル通りで柔沢紅香の登場です!!
この物語はある事件へのフラグみたいなもんです。
では、始まります!!
033
今日は晴れの日曜日。真九郎たちは紫と一緒に風間ファミリーと遊んでいた。紫もいるので童心に返りながら皆でかくれんぼしたり、ケイドロしたりして遊んだ。
もう皆でかくれんぼやケイドロなんて真九郎たちにとって遊ばないものだ。案外久しぶりにやってみると面白い。そもそも真九郎の子供時代は壮絶なものだったので子供の遊び自体が新鮮である。
「みんなで遊ぶのは楽しいな真九郎!!」
「そうだね紫」
本当に楽しそうにはしゃぐ紫を見て此方も笑顔になる。
夢中に遊んでいると時間なんて簡単に過ぎるものだ。もう昼時となってお腹が空いてしまう。何処かで食事でもしようかと考えたが夕乃が弁当箱を出した。
もちろん全員分の手作り弁当だ。これには岳人は大喜びである。終始「大和撫子の夕乃先輩の弁当が食える。他の野郎と一歩リード」なんて口走っていた。
「ありがとうございます夕乃さん」
「いいのですよ。これくらい」
「夕乃ちゃんのお弁当が食える。やったあああ!!」
百代も大はしゃぎであった。みんなで食べるお弁当も美味しい。それにまるでピクニックのようでもある。
「うめえええ!!」
「うん。本当に美味しいや」
「むぐむぐ・・・おお、美味いなあ」
みんなが夕乃の弁当を絶賛する。確かに美味いから文句無しである。
大和も「美味い」の一言で絶賛している。しかし、彼の頭の中には昨日の夜にて父から聞いた裏十三家の情報で頭がいっぱいであった。
話を聞いてみたいが中々タイミングが掴めないのだ。まずは自分から聞いてみて金曜集会で翔一たちに話そうと思っているのだ。
(うーん・・・美味い。じゃなくて、いつ話せるか分からん)
「そういえば切彦はどこだ?」
「切彦さんならいつの間にか島津寮から出て行きましたよ。最初は真九郎さんの部屋に侵入したかと思って焦りました」
「だから俺の部屋に鬼気迫る顔で来たんですね・・・」
朝早く夕乃が気を醸し出しながら部屋に入って来た時は本当に怖かったと思う真九郎であった。正直に思うと本当に切彦が真九郎の部屋入れば、お仕置きと言う名の稽古が始まっていただろう。
あの稽古はいつも真九郎がボロボロになるから大変である。そのおかげで頑丈に鍛えられているのだが。
「そっか。切彦とも遊びたかったんだが仕方ないな」
(・・・たぶん切彦ちゃんは悪宇商会に戻ったんだな。仕事帰りなんて言ってたし)
まさしく正解である。切彦は仕事完了の報告を悪宇商会にするために帰ったのだ。やはり殺し屋として成功した仕事の報告はしなければならない。
「あーあ、源さんも一緒に遊べれば良かったのに」
「仕方ないよ代行業の手伝いがあるみたいだし」
「代行業か・・・詳しく聞いてみたいな」
「お、やっぱり揉め事処理屋として気になる?」
「そうだね。大和くんの言う通り気になるかな。やっぱりライバルになりそうな職業だしね」
もぐもぐと手作り弁当を食べながら忠勝が手伝っている代行業に興味を持つ。その言い方を面白誤解している京は大和と翔一に「こっちもライバル出現だね」と頬を赤くしながら呟く。
その面白誤解を「違うから!!」とツッコム大和であった。それでも京の妄想は止まらない。
「それにしても夕乃ちゃんは良いな~。料理も作れるし、美人で強い!!」
百代の言葉に岳人はうんうんと頷く。
「そういうわけで決闘しよう夕乃ちゃん!!」
「どういうわけで!?」
卓也がツッコムが夕乃は平常運転で決闘を断る。
「遠慮しておきます」
「おお、即答だな」
「なぜだぁ!?」
「決闘するつもりがありませんし」
しれっと決闘する意味が分からないと言う。荒くれ者が住む川神市で育たない者には分からない気持ちであろう。
そもそも百代は他の者より戦いに飢えているので彼女だけが特殊ってのもある。
「だから無理矢理決闘を挑むのはダメだよ姉さん」
「ぶーぶー」
「ブーイングしてもダメ」
「・・・じゃあ紅。私と決闘しないか!!」
「え、俺!?」
今度のターゲットが真九郎になった。
「何だ真九郎。百代と戦うのか?」
「そうだよ紫ちゃん」
「いや、戦いませんから!!」
まさかのターゲット変更に冷や汗がダラダラである。これはとても面倒になったものだ。
翔一たちはからかうように笑っているが、その中で大和は百代と真九郎の決闘を見てみたいと思っている。父から聞いた話だと真九郎は武神である百代とまともに戦える強さを持っている。
(これは気になるぞ。それにもしかしたら崩月先輩も姉さんと同じくらい強い可能性もあるんだよな)
彼の姉弟子である夕乃も強者だ。真九郎自体が敵わないと自覚しており、本気で戦っても勝利が見えない。
「ぐぬぬ・・・なぜダメなんだ。ならば紫ちゃんを守る近衛隊のリンさん戦いましょう!!」
「断る」
またもキッパリと即答される。断られると言うボディブローを食らって少しだけダウンの百代であった。
武神も戦わなければ片無しだ。松風と由紀江が同じように思ったのか、からかって返り討ちに合う。最近のところ由紀江は一言多いのだ。
もちろん悪気があるのでは無く、心が許せる相手だからこそ言える一言である。
「なぜだ・・・どんな女の子も私の誘いは完璧に応えてくれるのに」
「紅くんは男だよ」
「・・・紅って女装すれば卓代ちゃんみたいになりそう」
「何言ってんのさモモ先輩!?」
(・・・環さんのせいで女装したことはあるけど)
中々、苦い過去を思い出した。あの時の事件は解決したがその後は環と黒絵にネタとしてからかわれたものだ。
「あーあ。せめて新たな出会いで美女に遭遇したいなー」
「モモ先輩・・・その意見に同意だぜ」
「岳人ってば」
「いやあ、崩月先輩、村上さん、リンさん。みんな美人だ。ならこの流れで新たな美人が現れるんじゃね。俺様としては年上美人希望!!」
その願いが叶ったかどうか分からないが彼らの前に漆黒の流線型である特注車がいきなり爆走してきたのだ。
「うおおおおお!?」
「すっげ。これって特注車じゃね?」
「この車はどこから見ても・・・」
とても見覚えのある車。そして運転者も誰か分かる。
「うおおおおおっ。すっげえ美人!!」
「本当に美女がキター!!」
「紅香さん」
「よお真九郎。近くを通ったからついでに来てみたぞ」
揉め事処理屋の最高峰である柔沢紅香であった。
034
場所を雰囲気の良いカフェへと移動。
紅香はちょっと大人としての威厳があるため真九郎たちに奢る。
「それにしても何で真九郎の学友たちもついてきてるんだ?」
「いやー成り行きですよ。ハハハハ。あ、俺様は島津岳人って言います」
「私は川神百代って言います!!」
「そうか。よろしくな」
簡単に自己紹介を済ませる。あまり興味が無い紅香は淡泊な感じで自己紹介をしていた。これを見て「いつも通りだな」と小さく呟く。
今日、彼女が真九郎たちの元に来たのは2つ理由はある。それは仕事の依頼で川神に来たこと。もう1つはついでである。
意外にも『ついで』の方が理由として大きい。彼女は案外いい加減な所があるものだ。それでも全て上手くいっているのだから凄い。
「ついで・・ですか」
「ついでだ。実は仕事で川神に来たんだよ。ちょっと大きな仕事だ」
「ちょっとした?」
「ああ。まだ弥生に調査させているところだが近々ここ川神で裏オークションが始まるらしい」
裏オークションとは正規品の物だけでなく、違法の物まで出回るオークションだ。だが超が付くプレミアムも出回ることもあるので危険と知りながらも参加する者は多い。
その裏オークションが川神で近々開催されるらしい。物騒だが自分から関わらなければそこまで危険では無い。裏と言っても実際はオークションであり、高い買い物のようなものだ。
「その裏オークションには裏社会の重鎮共も集まるらしくてな。そいつら全員を捕まえてくれって依頼だ」
「なるほど」
「結構な規模でな。大掛かりな仕事になりそうだ。もしかしたらお前にも手伝ってもらうかもしれん」
「分かりました。もし手伝いがあれば言ってください」
「私は反対ですよ」
「ゆ、夕乃さん・・・」
「また優しい真九郎さんに危険な道を渡らせて。本当に仕方の無い方ですね紅香さん」
夕乃と紅香が軽い激突をするのはいつものことである。結局はどちらも折れないまま終わるのだが。お互いともある意味、我が強いので折れることは決してない。
「俺は大丈夫ですよ夕乃さん。揉め事処理屋ならどんな依頼もこなしますから」
「全く真九郎さんは・・・いつもこうなんですから」
「本当ね。こんな簡単に引き受けてたら命がいくつあっても足りないわよ」
「大丈夫だ。真九郎は強いからな」
パフェをパクパク食べながら紫は自信満々に言い放つ。彼女にとって真九郎は誰にも負けないヒーローだ。
真九郎もまた紫の前だけは強者であろうと誓っている。だから紫の前にいる時は負け無しである。
「・・・何か僕たち聞いちゃいけないことを聞いているような」
卓也が的を得たこと言う。確かに一般の人が聞いてよい話では無いのだ。それに気付いているが百代に関しては紅香の強さに興味深々である。
強者に飢えている百代はすぐに紅香が壁越えの存在だとすぐに気づいたのだ。もし叶うなら手合わせをしてみたい。彼女の思考はそれだけである。
「あの美人のネーチャンは強いぞ。勝負したいなー」
「何か最近姉さんは戦いに飢えているね」
「だって最近、強い奴ばっかりに出会うんだもん。そりゃあ戦いに飢えるさ」
(その強い奴らってのが・・・まさか裏に通じる者って姉さんまだ知らないからなあ)
『裏十三家』という単語を聞いたら絶対に興味を示すのは予想できる。しかも全家が異能の力を持っているのだからとんでもない家系である。
(関わるなって父さんは言ってたけど・・・紅くんたちはどこからどう見ても危険そうには見えない)
大和の目から見ても真九郎たちは『悪』には見えない。実際に悪では無いから正解だが『崩月』は昔、人殺しの家系ではあったことは事実。
夕乃自身も「自分の血が穢れている」と言っているほどだ。でも真九郎は気にせずに家族として思っている。
だから、関わっても悪いというわけでは無いのだ。裏の人間だからと言って全ての者が悪とは限らない。
「それにしても裏オークションか。悪の香りを感じるぞ」
「やっぱクリスは食いつくか」
「悪と言うなら見過ごせないだろう。しかも川神で起こると言うなら尚更だ」
正義感の強いクリスならでは意見だ。しかし今回ばかりは大和たちが正義感のためだけに動いていいものではない。
「悪を成敗したい」なんて粋な心掛けかもしれないが自分たちの力を過信しすぎないことだ。どんな人間でも踏み込める領分というものがある。
今回はクリスの気持ちだけで関わることはできない。彼女たちは善良な学生だ。裏の人間ではない。
「おいお前ら」
「は、はい」
「今コッソリと聞いていたことは忘れろ。興味本位やただの正義感だけで関わると碌なことが無いぞ」
コッソリと聞いていた大和たちはビクリとしてしまう。バレないように聞いていたつもりだが紅香にはお見通しである。
「お前たちは実力があるようだが何でも首を突っ込むことはしないことだ。それにこの話は揉め事処理屋の仕事だからな」
煙草を吸いながら警告をそれとなく伝えるのであった。さすがに一般人を巻き込むわけにはいかないので忠告くらいはする。
(そこにいる武神は本当に強いな。ある程度の戦闘屋なら倒せるだろう・・・もしかしたら『孤人要塞』ともまともに戦えるかもな)
だからこそ危うい。心が未熟な分、力がありすぎるのは危ういのだ。彼女は自分が強いと理解しているが鉄心やヒュームからはまだまだ未熟だと思われている。
それに表世界でしか戦ってこなかった百代にとって裏世界の戦いは未知であるから、その不利な部分もある。本当の『死闘』知らない彼女には荷が重い。
(まあ・・・でも死闘を一度乗り越えれば戦闘屋にでもなれそうだな。武神がそれを望むかは知らんがな)
035
川神にあるBar。そこは魚沼というバーテンダーが切り盛りしている。繁盛していて常連客も増え続ける好評のBarだ。
バーテンダーの魚沼はお客の話を親身に聞いてくれ、最高の一杯を提供してくれる。
今夜もお客が訪れる。
「おやおや、これはまた珍しいお客様がいらっしゃいますね」
「これはこれは九鬼家の重役執事たちじゃないか」
「お久しぶりです柔沢紅香様」
「久しぶりだな紅香」
今ここに紅香、ヒューム、クラウディオが出会う。彼らは仕事で知り合った仲だ。
「クラウディオは良いとしてもう1人は面倒なのが来たな」
「ほほう。俺様が面倒だと?」
「前の仕事で私が良いとこ取りしたのをまだ根に持ってるんだろ」
カクテルを飲む。
「マスターいつもの」
「承ったぞ。お客様に最高の一杯を提供する。それが俺の徹底戦略」
スムーズに魚沼はヒュームとクラウディオに最高の一杯を提供する。
「ふん。もう根に持っていない」
「どうだか」
「ヒュームはこれでも負けず嫌いですからね」
「五月蠅いぞクラウディオ」
美女1人にナイスミドルな老執事が2人。そして雰囲気の良いBar。絵になるとはこういうことかもしれない。
会話の内容は絵になるとは到底言えないが。ヒュームは酔うと自分のコレクションを一方的に自慢する癖がある。もちろん見知った者にしかしない。
「いずれは借りを返す」
「やっぱり根に持ってるだろ。それに会う度に言っているがあの時は単純に私が運が良いだけにすぎなかった。これで良いだろ」
「運も実力のうちですよ」
軽く笑うクラウディオ。
「お前と戦っても私は勝てる気がしないがな」
「それは戦ってみないと分からんぞ。最高峰の揉め事処理屋?」
「今は酒飲む時だ」
「ふん・・・確かにな」
ヒュームもここがBarと分かっているので挑発的なことを言うだけで戦おうとはしていない。もう相手に挑発的なことを言うのはいつものこと。
カランとグラスの中にある氷が少し溶けて音が鳴る。ちょっとした面倒な会話が始まったが酒を飲む一時に肴に昇華するしかない。
「それにしても紅香。何で川神にいるんだ?」
「仕事だよ。九鬼も少しは情報を掴んでいるんじゃないか。川神裏オークションについて」
「なるほどな。確かに川神裏オークションに関しては情報を得ている。まさか九鬼が目を光らせている川神で開催するとは命知らずだ」
「九鬼の判断で勝手に潰すなよ。こっちは仕事で裏世界の重役共を捕獲するんだからな」
「分かっている。しかし、向こうからこっちに手を出したら動くぞ」
従者部隊として敵が攻めて来たら立ち向かうのは当然。それは勿論分かっている。
いきなり襲ってきたら正当防衛が成り立つ。そこには人の仕事がどうこう言っていられない。
「それくらい分かっている」
「一応言っておくが絶対に手出ししないなんてことは無い。九鬼も独自で調べているからな」
「そうか。まあ仕事がキャンセルになったら、なったで構わないさ。久しぶりにアイツと過ごせるし」
「アイツ・・・お前の子か。ちゃんと飯を食わせているか?」
「優しく接していますか紅香様?」
「そもそも、ちゃんと母親をやっているのか?」
「お前らうるさい」
せっかく美味しく酒を飲んでいたのに母親として云々を老人2人に言われる。これは酒の肴になりもしない。
早く違う話に交代させるべく自分の弟子の話にすり替えた。真九郎が川神学園に交換留学していることは2人とも知っているはずだ。
真九郎もなんだかんだで去年は濃すぎる出来事を味わった。その経験は紅香にとって目の前にいる老人2人を紛らわすことに使われるのだから微妙だろう。
「真九郎はどうだ?」
「真九郎様は川神学園で人気ですよ。川神学園での決闘に勝ち、注目を浴びていますから」
「へえ、アイツがね。真九郎もついに目立つようなことをするようになったか」
ここに真九郎がいれば「紅香さんほどじゃないです」とすぐさま言い放つだろう。彼女の大胆さは他の者と比べれば比較することはできないだろう。
今ここで話すなら大胆話の1つとして、建込みテロリスト集団に対して「今すぐぶっ潰してやるからな!!」と啖呵を切ったこと。
「前に会った時より強くなっているな。やはり『孤人要塞』とやりあったからか?」
「ま、真九郎はいつも格上の奴らばかりと戦うからな。嫌でも強くなるさ」
「それでもあの『孤人要塞』と戦って引き分けまでに持ち越したのは裏世界で有名ですよ」
『孤人要塞』と引き分けたと言う結果は本当に裏世界からすれば有名な話なのだ。特に武術家や戦闘家からしてみれば驚く情報である。
紅香やヒュームもその情報は何度も聞き返すほどのものだ。それほど『孤人要塞』との関わりのあるものは有名である。
「ま、弟子も少しは強くなったってことだ。それにあの『炎帝』に勝ったしな」
「なんと・・・あの『炎帝』に勝ったのですか!?」
「ああ。本人は1人の力じゃ勝てないから友達に助けてもらったと言っていたがな」
これは本当のことである。真九郎1人の力じゃ『炎帝』には勝てなかった。友達の助けによって勝率が五分五分に繰り上げて勝利したのだ。
『孤人要塞』と引き分けたくらい奇跡に近い勝利だろう。
「ほう・・・あの『炎帝』にな」
「ああ。自分1人の力の勝利じゃないって言うが勝ったもん勝ちだ」
ルール無用の死闘なら卑怯も何も無い。勝利した者が正義で負けた者が悪だ。
「それにしても『炎帝』とは・・・武神とはまた違う不死の存在ですよね」
「ああ。正真正銘の化け物だよ。それに賞金首でとんでもない額だ。まあ、狙う奴は返り討ちにされているがな」
「そんな化け物を倒したのが真九郎か・・・あの赤子がこうも強くなるとはな。やはり若者はこうでなくては」
クピリと酒を口に含む。
「で、『炎帝』である歪空はどうなった?」
「歪空の娘は本国に送還されたよ」
「イギリスか・・・あの歪空はテロリストの元凶。超一級危険集団だから我々も密かに調べている。危険すぎるから深くまでは入り込めないがな」
「ええ。最悪、戦争になってしまいますからね」
さすがの九鬼も『歪空』と戦争になったら軽い傷では済まない。むろん九鳳院が相手にしてもだ。裏十三家の筆頭は伊達ではない。
「まあ、今『歪空』は一人娘のことで忙しいから面倒な相手はしないだろうがな」
「それでも世界中で『歪空』の影響によりテロが多発している」
世界は平和で無い。家柄によりテロを起こすのが仕事の者だっている。だから戦争が起こるのだ。
そこに悪なんて理由は無く、当たり前の仕事だと思われている。世界平和なんて夢のまた夢かもしれない。
「ま、今は歪空より川神裏オークションだがな」
世界で事件ばかり起こっているが、川神でも事件が起こる。それはもう少し先の話。
読んでくれてありがとうございました。
感想など待っています。
さて、紅香は真九郎に揉め事処理屋の仕事の手伝いという仕事フラグを立てさせました。
そして本来ならば一般人である大和たちに仕事の話を聞かせるなんて事はしませんが、あえて物語的に揉め事処理屋の話を聞いてしまった形にしました。これで大和たちもどんどんと紅側に近づくでしょう。
次回もお楽しみに!!