妹がいましたが、またさらに妹が増えました。   作:御堂 明久

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どうも、夏休み明けのテスト勉強を全くしておらず、段々と恐怖に呑まれてきている御堂です!
えー、今回のタイトルですが、○○○が何かはすぐに分かります!しかし、最後の♡に期待はしない方がよろしいかと......。

では、どうぞー!


妹たちの○○○初体験♡

「バイトがしたい?」

「うん、少しの間だけで良いんだけど」

「お父さんもお義母さんもいないので、お兄ちゃんに許可を頂こうと。......狙った訳ではないですよ」

 

 俺がいつもの様に冷房が効いたリビングでラノベを読んでいると、突然、俺の愛すべき妹2人がそう言い出してきた。......はて。

 

「何?何か欲しいモンでもあんなら俺が買ってやるぞ。幸い今は懐が温かくてな」

 

 最近は金を使う用事も無かったので、中々に金が溜まっている。少しくらい高額なモノでも買えそうである。妹のためなら金も惜しくないし。が、飛鳥たちはふるふると首を横に振り。

 

「えっと......お兄ちゃんに買ってもらったら意味が無いっていうか、ね?」

「そ、そうです。コレは私たちが自分たちで手に入れてこそ意義があるものなのですよ」

 

 その返答から、俺のラノベ脳はある可能性を導き出す。これはアレじゃないか?あの、いつものお礼だよっ☆みたいな感じで何かプレゼントされる的な。コレはその資金調達の為のバイトではないか?

 

「ふむ......」

 

 しかし、ソレを聞く様な野暮な真似はしない。俺は出来たお兄ちゃんなのだ。自惚れていると言われても、俺の脳は都合の良い事しか考えられない様にしか出来ていないので他の可能性など考えられないのであるフハハハ(誇れない)。

 

「ま、良いんじゃねーか。どうせ親二人も激甘だし、バイトくらいなら許してくれんだろ」

 

 数秒の思考の結果、俺は二人のアルバイトを許可することにした。......いや待て、そういえば。

 

「......お前ら、バイトとか出来ねーだろ?」

 

 すっかり失念していたが、コイツらはそういえば中学生なのである。無論、中学生には労働うんたら法によって、例えバイトであっても働くことは許可されていないはずだ。......多分。法律の内容はフワッフワしていて覚えていない。しゃかい は にがて 。

 

「あ、ううん。何ていうかね、お手伝いみたいな感じなんだよ。友達に喫茶店の娘さんがいてね」

「対価も金銭ではなく物品を頂く事になっていますので、恐らくお兄ちゃんが心配している様な事態に陥ることはないかと」

 

 つまるところ、この二人はバイト先に正式に雇ってもらう訳でもなく、給料を貰う訳でもない。ただただ友人のお店を手伝い、そのご褒美として何かモノを貰うだけなのだから法には引っかからないだろう......この二人はそう言っている。

 ソレが最早バイトと言えるかどうかも怪しいが、本当に大丈夫なのだろうか。どことなく屁理屈に聞こえなくもないが......かなりグレーだろ、コレ。

 

「......まぁ、コレは創作だし大丈夫だろ」

「「えっ?」」

 

 俺の呟きに二人が反応するが、コレは二人が知らなくても良い真実である。俺は誤魔化すように笑顔を浮かべて二人に言った。

 

「まぁその、何だ。頑張れよ」

「うんっ!頑張るよっ!」

「はいっ。明日からしっかりと励みます」

 

 え、明日からなのん?

 

 ......そんな訳で、妹二人のバイト(?)初体験。

 明日から始まるそうです。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 飛鳥たちがバイトしたい宣言をした翌日。

 

 二人の勤務時間は放課後の5時から7時だと言う。

 アホみたいに短い時間しかやらないが、意外な事にそこの喫茶店は夕方がピークだというので、その時間帯に手伝ってくれるととても助かると言われたらしい。店長の甘さもあるのだろう、2週間手伝ってくれたら、店長が二人の望むモノを買ってくれると言ってくれたそうで。

 

「ますますバイトかどうかが疑わしいな......」

 

 俺は高校から自宅へ帰る道すがらに呟いた。

 と、その呟きに、一緒に帰っていた複数のクラスメイトが食いついて来た。いつものメンバーである。

 

「何?クスノキくんバイトするの?」

 

 そう聞いてきたのは柊伊織。見た目だけなら学年トップクラスの美少女であるにも関わらず、俺の心を全く揺らす事のない、稀有(けう)なクラスメイトである。

 

「あん?あー、違う違う。俺じゃなくて飛鳥と詩音だよ。あいつら、今日からバイト......というか、友達の親が経営する喫茶店の手伝いをするらしくてな」

「あぁ......お手伝いっていう名目なら多分怒られないからーってことか......楠くんの妹さんたちって、意外と悪知恵が働くんだね。お兄さんに似たのかな」

「それは俺が悪知恵ばかり働かすような人間であると言っているのか、八雲」

 

 そして意外や意外、次に発言したのは八雲千秋。巨乳で胸が大きくて巨乳な美少女であり、俺のクラスメイトでもある。最近は柊ともう一人のクラスメイトに加え、八雲と共に下校することが多くなった。

 

「で、何すんだ?もしかして妹喫茶とかか?」

「何だその夢喫茶行きてぇな。......でも、そういやぁ二人共喫茶店としか行ってなかったから詳しいことは分かんねーな。多分ただの喫茶店だろうが」

 

 そんな相変わらずアホな事を言い出したのは笠原信二。筋肉で筋肉で筋肉な俺のクラスメイト(遺憾)だ。説明が雑?そんなことはないよ?

 というか、後々検索をかけてみると、実際に妹カフェというものは存在するらしい。マジかよ日本。

 と、そこまで話すと柊が提案してきた。

 

「じゃあ見に行ってみない?二人のバイト先!」

「は?いや、確かに場所は分かっているが、無駄なプレッシャーはかけたくねぇな......」

 

 まぁ、確かに気になるっちゃ気になるんだが。

 身内にバイト先に来られるのは、結構ストレスになったりするモノである。気にしない人もいるだろうが、少なくとも飛鳥は緊張してしまうタイプ。分かりやすく言うと、授業参観みたいなモノだろうか。普通に授業を受けていても、後ろに立ち並ぶお母様方の視線がプレッシャーになるあの感覚である。

 俺が渋っていると。

 

「......じゃあ、変装して行こっか」

 

 そう言って八雲は数多の衣装を取り出した。

 ........いやちょっと待て。

 

「お前ソレどっから出した?」

「え?3次元ポケットからだけど......」

 

 ソレは普通のポケットだ。そして普通のポケットから4人分の衣装などは出てこない。そもそも収納すら出来ないだろう。八雲はマトモだと信じてたのに、裏切られた気分である。

 

「まーまークスノキくん。このメンバーに常識を求めちゃいけないよ?そろそろ慣れなよ」

「そうだぞ祐介。いつまでも常識に囚われて目の前の現実を認めないのはお前の悪癖だぞ」

「慣れる前にお前らが進化を遂げるから始末に負えねーんだよ‼︎毎度毎度俺の予想を超えてきやがって!俺は悪くねぇ!」

 

 そんなこんなで、飛鳥&詩音のバイト先へとクラスメイト含め4人で向かうこととなりました。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「おっ、ここか?」

「わぁ、何か渋い外観だねー」

「......かっこいい」

 

 飛鳥たちのバイト先に到着した俺たち。

 それぞれが彼女らにバレない様、変装をしていた。柊はジーンズにパーカーといったボーイッシュな装いに目深に被った帽子。

 八雲は可愛らしい薄ピンクのワンピースに同じくピンクの眼鏡。ピンクが好きなのだろうか。

 笠原はデニムシャツにクロップドパンツという似合わない程にオシャレな格好に加え、カムフラージュの為のマスク。そして俺は、

 

 黒スーツに黒いサングラス、煙草に見立てたチュッパチャプス。テーマは『逃◯中のハンター』。

 しかも懐にはオモチャの拳銃が忍んでいる。

 

「さて、早速入店だー!」

「......いや待て。俺の変装だけ少しおかしくないか」

「え?どこら辺が?」

 

 どこら辺と言われても()()()()()()()なんだが。

 

「いやいや、だから何でお前らは普通の格好なのに俺だけ痛いコスプレみたいな格好なんだよ」

「カムフラージュの為だよ」

「こんなんで誤魔化せるか!しかも何で喫茶店に入ろうとしてんのに飴舐めてんだよ俺は!」

 

 ちなみに飴の味はレモン味。ファーストキスの味がする。あれ?イチゴだったっけ?

 

「祐介、もう諦めろ。店の前で騒ぐと迷惑だぞ」

「私だってこんならしくない可愛いカッコしてるんだから。楠くんも、ここが頑張り所だよっ」

 

 もっとマシな頑張り方が良かった。

 必死に抵抗する俺を引き摺りつつ、3人は意気揚々と店内へと足を運んでいった。

 

 

「あ、いらっしゃい......ま、せ......?」

 

 扉を開き、可愛らしい店員の女の子が俺たちを迎えようとした瞬間、一瞬顔が引き攣ったのを確認した。というかその店員は詩音だった。

 

「一体貴方たちは何を......はぁ。4名様ですか?」

「はいっ!そうです!」

「......こちらへどうぞ」

 

 詩音は何かを悟ったような顔をしながら、俺たちを四人掛けの席へと案内してくれた。そして一人だけぶっちぎりで怪しい格好をした俺に、憐憫の眼差しを向けてくる。止めて......そんな目で俺を見ないで......‼︎......衝動的に死にたくなった。

 そして、席に座り、柊が一言。

 

「バレてないみたいだね」

「モロバレだ馬鹿野郎」

 

 コイツがマジで言っているのだとしたら、一刻も早く眼科に向かわせる必要があるだろう。

 その意思を込めて俺が言うと、柊は。

 

「まぁまぁ。詩音ちゃんは元々ボクたちに気づいてもそんなに作業効率は落ちないだろうし。飛鳥ちゃんにさえバレなければいいんだよ」

「こんな変装じゃバレるに決まってんだろ......」

 

 俺は頭を抱える。いくら頭が少しお悪い飛鳥でも、この程度の変装ならば一瞬で看破するだろう。「お兄ちゃん、何してるの?」などと言われたらもう生きていける自信が無い。

 と、その時、詩音と同じくこの店の制服を身につけた飛鳥が歩いてきて......。

 

「お冷ですっ。ご注文がお決まりになったら店員をお呼び下さい!あ、そのスーツ、とっても素敵ですね!格好良いです!」

 

 4人分のお冷とそんな言葉を残して去っていった。

 ......え?まさかアイツ、気づいてないの?

 

「......気づいてないみたいだったね」

「待て八雲。そんなはずは無いさ。だってこんな分かりやすい格好してるのに」

「実妹ちゃんって、鈍い子なんだな」

「黙れ笠原!俺の飛鳥を馬鹿にするな!」

 

 八つ当たりだと分かっていても、つい笠原を叱責してしまう。飛鳥は緊張で俺らの顔を直視してなかっただけだから!決してアホの子とかじゃないから!

 俺が飛鳥の面子を保とうと3人に弁明したが、全て「シスコンだなぁ」の一言で流されてしまった。妹思いと言え、妹思いと。

 

「はぁ......とにかく、何か頼もうぜ」

「にゃはは、そうだね。ボクはどうしよっかなー」

「俺はカツ丼とマグロの刺身が良いな」

「両方ともメニューには無いかな⋯⋯。笠原くん、カツサンドならあるから、それで我慢しよ?」

 

 笠原の馬鹿丸出しの発言にちゃんと応対してあげる八雲は優しいなぁ。俺と柊なんて自分のメニューを選択することに集中し、笠原のことなんざ完全に無視である。我ながら何故このメンバーがいつまでも仲良くしていられるのかが分からない。

 

「じゃあ俺はカルボナーラとアイスコーヒーで」

「ボクはホットサンド(エッグ)とダージリン♪」

「私は......パンケーキとカフェオレかな」

「カツサンドとカツ丼だな」

 

 おっと会話の成り立たないアホが一人登場ー。

 人の話を聞きなさいよ。というか、カツ丼を頼んだところで結局カツサンドも頼むのな。どんだけカツに飢えてんだよ。

 

「......まぁいい、注文するぞ」

 

 とにかく、コイツはカツサンドと......仕方ないのでミルクティーでいいだろう。確か、以前笠原はミルクティーが好きだと言っていたはずだ。俺は近くを通った詩音や飛鳥とは違う店員の少女を呼び止めた。この子が飛鳥が言っていた、この店の店長の娘さんだろうか。髪を2つに結んでおり、飛鳥と同じ中学三年生とは思えない程に幼い容姿をしている。パッと見小4〜6年生くらいの背丈ではないだろうか。そんな子がサイズの合わない制服を着てテクテク焦ったような表情で歩いてくるのだ、ロリコンなら即死の愛らしさである。

 

「すんません、注文良いですか?」

「あ、はいっ。ご注文はうさぎですか?」

「違います」

 

 一度でもその注文を実際にしたことがある人がいるというのならば教えて欲しいモノである。

 

「ああっ、すみません!えとえと......ご、ご注文はメニューの端から端まででよろしいでしょうかっ⁉︎」

「よろしくないです」

 

 スケールの小さい富豪である。

 

「はわわっ、私ったらまた間違えちゃいました......?うう、喫茶店の娘として情け無いです......」

「あ、いや。別にそれもそれで可愛いと思いますよ?えっとホラ、ドジっ子属性っていうか」

「......楠くん、フォロー下手くそだね」

「普通の女の子に属性とか言っても......ねぇ?」

 

 八雲と柊がやかましい。五月蝿いよ俺にそんなフォロースキルがある訳ねーだろ!そもそも人と円滑なコミュニケーション取ることが難しいんだよ。

 

「......とにかく、気にしないで下さい。まずは俺らの注文を聞いて頂いても?」

「は、はいっ!よ、よろしくお願いしますぅ!」

 

 よろしくお願いされてもって感じなんだが。

 とりあえず俺は自分たちが所望するメニューを目の前の少女に伝えていく。深呼吸をあり得ない程深く(息を20秒吸い、25秒吐く)行うことで落ち着きを取り戻したのか、少女は案外スラスラと注文を受けて行った。うむうむ、頑張れ。

 そして、全ての注文を伝え終える。

 

「––––以上でお願いします」

「はいっ。ご、ご注文は以上でよろしいでしょうか?世界の半分とかは......」

「以上でお願いします」

 

 彼女はどこの魔王様なのだろうか。

 最後まであわあわしながらも、注文を受けて厨房へと向かう少女。と、その前にトレイを持ってコチラを見ていたらしい飛鳥の元へと向かっていった。そして、少女は潤んだ瞳で飛鳥を見つめ。

 

「うわーん!飛鳥ちゃーん!また沢山間違えちゃったよぅ〜!うえぇぇ......」

「よーしよし、大丈夫!大丈夫だよ莉菜(りな)ちゃん!頑張った、頑張ったよ!ほら、泣かないで?」

 

 ––––凄まじい勢いで飛鳥に抱きついた。

 

「うっ、うっ......ごめんね?今日からお父さんの喫茶店のお仕事を手伝うことになって、恥ずかしいからなんていう理由で手伝って貰っちゃって......」

「ううん!私たちもご褒美を貰うってことになってるんだし、気に病むことなんて無いんだよ?ね、詩音ちゃん?そうだよね?」

「えっ?......あ、はい。そうですね。私たちも得るものはあるのですし、九条(くじょう)先輩は何も気にしなくて良いと思いますよ?」

 

 ......あー、成る程ね。飛鳥たちが急に喫茶店の手伝いをすると言い出したのには、まだ別の理由があったようである。九条と言うらしい少女の丁寧なご説明によって察することが出来た。感謝するぞ。

 つまるところ、九条さんは喫茶店の娘と言えど、まだ本格的な業務......少なくともホールに立った事は無いのだろう。そして、彼女は先程の応対からして、極度のあがり症らしい。なので、多分友達がいてくれたら心強いから、とかいう理由で飛鳥たちに喫茶店で働いてくれるように頼んだのだろう。

 うむうむ。友達の為に何かが出来るというのは素晴らしいことだ。飛鳥も詩音もとても良い子!

 

「流石は俺の妹たち。友達思いの良い子だぜ」

「おっ?祐介ってば、何いきなり独りで話してんだ?寂しいだろ、俺とトークしようぜ!」

「黙れ」

 

 ちょっとした呟きにもコイツは反応するから......!!

 俺が笠原にアイアンクローの刑を執行していると、柊が楽しそうにカラカラと笑った。

 

「にゃはっ、本当に二人は仲良しだよねぇ」

「あん?柊、お前は本当に眼科に行った方が良いと思うぞ?俺がこんな奴と仲が良いなんていう笑えない冗談はよせ。嫌悪のあまり皮膚が腐り落ちる」

「キミは本当にカサハラくんに容赦がないね......」

 

 いや、そもそもコイツからやたら接触して来ているだけなんだが。......まぁ、断る理由も無いから付き合ってやってるだけであって。別に友達とかそういうのではない、はずだ。うん。

 すると、八雲が首を傾げながらポソリと呟いた。

 

「............ツンデレ?」

「止めろ八雲!俺はツンデレとかそういうのじゃねぇ!しかもそういうこと言うと笠原が......」

「何だ!祐介はツンデレなのか⁉︎どうりでいつもツンツンしてると思ったぜ、デレはいつ来るんだ⁉︎」

「うるせぇ‼︎」

 

 そういうこと言うと笠原の馬鹿が調子に乗るから!

 俺たちがギャアギャア騒いでいると、制服姿の詩音が飲み物をトレイに乗せて運んできた。

 

「お客様、ご注文のダージリンでございます」

「あっ、ボクのですー」

 

 柊の前にティーカップが置かれる。

 

「カフェオレでございます」

「ん、私のです」

 

 八雲の前にコーヒーカップが置かれる。

 

「ミルクティーでございます」

「んぁ?祐介、俺の飲み物頼んでくれてたのか?......やっぱりツンdいっづぁ⁉︎」

「ソイツのです、店員さん」

 

 頬を張られた笠原の前にティーカップが置かれる。

 

「アイスコーヒーと義妹のハグでございます」

「二つとも俺のです」

「「おかしくない⁉︎」」

 

 柊と八雲が何故か声を上げた。何だ一体。

 

「どうしたんだ、二人共」

「いかがなされましたか、お客様方」

「何で二人共そんな冷静なのさ!おかしいよね⁉︎明らかにメニューに無い注文内容があったよね⁉︎」

「あまりの手際の良さに危うく流しそうになっちゃったけど......!いくら兄妹だからってソレは......」

「いわゆる裏メニューというヤツだな」

「「絶対違う!」」

 

 何故か頑なに俺と詩音の愛の育みを邪魔しようとする二人に押され、詩音は別の客の元へと送り出されてしまった。何なんだ一体。

 ......と、そこでまた新たな客が入店して来た。

 

「うおっ、マジで可愛い店員ばかりじゃねぇか」

「ゲヘッ、本当だなオイ!ヒロが言ってた通りだわ!見ろよポニテの子の胸!背は小っちゃい割に出るとこは出てんな!」

「オレは貧乳好きだから、残りの二人が良いなぁ......あの子なんてまんまロリじゃねぇかよ!」

 

 ...................うわぁ。

 入って来た3人の男たちだが、絵に描いたような不良共である。仲間からこの店のコトを聞いたらしく、入店した瞬間から飛鳥たちを下心に溢れた目線で見ている。......あぁー。

 

「......お約束イベント、ってヤツ?」

 

 俺は、この先どんなことが起こるのかを直感的に察知し......深く溜息を吐くのだった。

 ......まぁ、ラノベみたいな展開なんてそう起こらないだろうとは思うけどね(フラグ)!

 

 

 




いかがでしたか?
上手いこと区切る場面が見つからなかったので、少し微妙な終わり方をしましたが、次回は結構スルッと終わりそうな予感がします。
「だったら1話で終わらせろよ」という話なのですが......そこは皆様の寛大な心で、一つ!

えー、では、また次回!
感想待ってます!ありがとうございました!

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