別に色気がガッツリあるわけではないですが.....。
僕は妹たちの水着姿が拝めるだけで良いんです!
そういうわけで、どうぞー!
「おーい、
「......あ?何だ、
通称、筋肉の化身、
「何か罵倒された気がするんだが......」
「名前呼んだだけだろ。で、何」
コイツが話すことは大抵が聞く価値の無い
そんな感じで今回もぬるっと笠原の話を聞き流していこうと考えていた矢先、笠原が切り出した。
「明後日の休日、海に行かねぇか⁉︎」
「断る。っていうか何でお前と二人で海なんだよ、気色悪いし俺に何のメリットも無い、帰れ」
「罵倒の嵐⁉︎い、いや、ちゃんと
笠原が万能トラブルメーカー、
「なになにー?何のお話?」
「ひっ!トラブルメーカー‼︎」
突然の柊登場。思わず悲鳴......もとい、声を上げてしまう。
「......クスノキくん、女の子を見て第一声がソレは無いんじゃない?」
「......だったらもう少し女の子らしく慎ましく生きていって欲しいものだな」
まぁ、コイツが急に慎ましくなっても俺が戸惑うだけなんだろうけど。やだ!この子ったら慎ましくてもそうじゃなくても私に悪影響を与えてくるわ!
俺が柊の害悪さに勝手に戦慄していると、笠原か丁度いい所に!とばかりに柊に話しかける。
「なぁ伊織!明後日予定が無いなら三人で海に行かねーか?このクソ暑い時期の海は最高だぜ⁉︎」
季節は夏。確かに今はクソ暑いが、そのクソ暑い中わざわざ外に出歩く意味が分からない。何故か自然に俺が頭数に含まれているが、俺は絶対に行かない。だってダルいんだもの!
俺が自宅に引き篭もる決意を固めていると、柊がうーんと思案するような表情を作って言った。
「ボクとしては大賛成なんだけどさー、クスノキくん、海になんか行かないよねー?」
「ほぅ、中々察しが良いじゃないか」
「何で誇らしげなのさ。カサハラくん、どうしよっか?一応、ボクにも考えがあるけど......」
「マジかよ。頼む伊織......コイツを......この引き篭もりを外に出してやってくれ......!」
笠原が「お願いだ先生ェ......!!」みたいなテンション(どんなテンションだ)で柊に懇願しているが、そもそも柊に頼んだ所で俺が了承するとは限らないだろうに。俺は行かない。もう意地である。
「一緒にプールに行ってくれないと、クスノキくんのえっちな本の居場所を全て飛鳥ちゃんにバラします!ボクは全部の居場所知ってるからね!」
「悪魔め!」
コイツ、見紛うことなきクズだ!
男の繊細な趣味に無遠慮に介入した挙句、ソレを第三者に晒そうだなんて、男ならば死刑囚だって躊躇するような最悪の行為である。
というか、何で居場所知ってんの。もう良いけどさ聞かないけどさ。
「えー、だって外に出たくないって言うから、屋内プールで良いって言ってるじゃん」
「妥協点が斜め上過ぎる!」
「......んじゃあ、仕方ないね。飛鳥ちゃんにバラします」
そう言って柊はスマホを取り出す。
マズい、コイツはやると言ったらやる女だ!俺は必死の形相で柊のスマホに手を伸ばし......!!
「フハハハ!奪ってやったぞ!これでバラすことは出来まい!俺は行かないぞ、プールなんて!」
「残念、ソレは残像だ!本物はコッチ!さて、090の......っと」
「ごめんなさい行きます!許して下さい!」
「流石伊織!無駄なスキルが豊富だぜ!」
本当だよ。
* * *
「それで、行くことになっちゃったんだ?」
「駅一つ挟んだとこにある室内プール場にな。クソ、何でこんな事に......」
俺が柊たちによる脅迫に屈し、帰宅後、飛鳥に事情を説明していると、詩音がとことこと歩いてきた。
「プールですか?良いですね......私、休日にプールに行って泳いだりしたことがないので」
「えっ、そうなの?詩音ちゃん」
「はい。私が小学生の頃は家の中で読書や音楽鑑賞をしたりするのが好きだったので。無論、今も好きですが、私は体力が無いので......それでも、一度くらいは行ってみたいですね」
そう言う詩音。俺だって家の中で読書やゲームをするのが好きなのだが、詩音がプールに行きたがっているところを見ると......。
「それじゃ、一緒に行くか」
「えっ?で、でも、お兄ちゃんは柊さんたちと一緒に行くのでは?」
「無理矢理行かされるんだ、少しくらいはこちらの要望も聞いてもらわないとな。水着持ってるか?」
「え、ええと...... 持ってない、です」
「困ったな。そうなると学校のスクール水着しか無いじゃないか。仕方ない、そうするか」
「仕方ないですね」
「レンタルがあるからね⁉︎」
チッ、飛鳥め、余計なことを。もう少しで詩音のスク水姿を拝めたというのに......。ちなみに、俺は別にスク水姿の詩音をペロペロしたいのではなく、水着姿の詩音なら全部ペロペロしたい。別にスク水フェチではないのであしからず。......いや、それでも大概変態だな......。
「あ、あと、さ。飛鳥も......行っていい?」
「ん?当たり前だろ。むしろお前を連れて行く際に笠原とトレードしたいまである」
「お兄ちゃん笠原さんに容赦無いよね......」
妹以外に情けをかける意味が分からない。
「とにかく、柊に連絡してみるよ。詩音たちを連れてっていいかーって」
まぁ、聞くまでもなくアイツは了承するんだろうけど。アイツは遊び相手が多ければ多いほどテンションが上がる奴である。拒む筈がない。ちなみに騒々しさも増す。
「そうなると俺が行かないわけにもいかないな......」
こうして、俺のプール行きは確定したのである。
......ちなみに、詩音や飛鳥が行きたいと言わなければ、俺は前日の内に無理くり予定をぶっ込んで休んだりだとか、お腹が痛いなどと偽ってスルーする予定だった。俺◯イルで学んだ『クラスメイトからのお誘い回避法』である。あの時はあざとい後輩からだったけど。
でも、柊はそれでも連れてくんだろうなぁ......絶望。
* * *
2日後。
「やってきました屋内プール場!」
「うおおお!思ったよりデケェな!見ろ祐介、スライダーがあるぞ!滑ろうぜ!」
「デカイのはテメェの声だ。静かにしてろ馬鹿」
「ここがプール場ですか......海とはまた違った雰囲気ですね」
「あ、海には行ったことあるんだ?」
「ええ、ちょっと漁に」
「漁⁉︎」
詩音と飛鳥を加えた俺たち五人は、当初の予定通りプール場に来ていた。柊の話によると、ココは中々人気のプール場だそうで、かなり広い上に、様々な種類のプールがある。熱湯プールなんてモノもあった。40°Cとかもうそれはただの風呂だと思う。
「んっ......ちょっとこの水着、サイズが小さかったですかね。身体が締まっちゃいます」
「いや、それでいいと思うよ」
「お兄ちゃん、視線」
......ちなみに、詩音が着ているのは、レンタルしたタンキニタイプの水着である。露出度は低いものの、サイズが一回り小さかったせいか、詩音の身体のラインが浮き出てしまっている。これはこれで興奮します。
飛鳥はチューブトップ型。詩音のソレより大きめの胸が眩しい。視界いっぱいに広がる幸福感が俺の荒んだ心を癒してくれる......。
「ねぇねぇクスノキくん、身内ばっかり見てないでさー。ほらほら、どう?ボクの水着姿♪」
「............」
そういってポーズをとる柊は意外にも黒一色といった大人っぽいビキニを着用していた。柊が浮かべる明るく快活そうな笑顔に一瞬ミスマッチであると感じさせられたが、コイツの見事なスタイルはそれを許さない。キュッと締まった小さめのヒップにくびれた細いウエスト。同年代の中では並みの大きさに分類されるが、整った、まさに『美乳』と言うに相応しい形の胸が大胆に覗いている。
......悔しいが、見惚れてしまった。
「ふふん、良いねぇ良いねぇ、その反応!見ちゃってるねー、ボクのカ・ラ・ダ!」
「くっ......」
果てし無いウザさだ。コイツがこんなんだから俺も理性を保っていられるのだからありがたいといえばありがたいが。
「お兄ちゃんお兄ちゃん!早く泳ごうよ!」
「お、おぅ。ていうか走ってると転ぶぞ......」
「だいじょー......ふぎゅっ‼︎」
「おおっ⁉︎大丈夫か妹ちゃん!」
「うう......痛い.......」
嬉々としてプールに入ろうとした飛鳥が早速転び、笠原に介抱されていた。妹の身体に気安く触ってんじゃねえ!とキレそうになったが、流石に恩知らず過ぎるだろう。俺も飛鳥たちに続くことにした。
* * *
「ああ......楽だ......良いなコレ......」
俺はレンタルした大きめの浮き輪に身体を納めつつ、流れるプールに身を任せながらゆったりしていた。かれこれ10分はこの調子だが、まったく飽きない。むしろ至高まである。何より楽だ。
「お兄ちゃん、もっと泳ごうよ......」
「ん......飛鳥か。お前もココで泳いでたのか。詩音たちは?」
「詩音ちゃんは伊織さんと笠原さんと一緒にウォータースライダー滑りに行ったよ。何か大っきいゴムボートみたいなの持ってってた」
「ああ......」
よくCMとかでも見るアレか。男女混合で来た場合、リア充のみが使用を許されるあの......何か丸いヤツ。あんな狭い中男女でくっついて滑るとか......。しかも滑ってる最中に揺れてボディタッチとかしちゃうんでしょう?ケッ、スライダー中に脱線してプールに投げ出されてしまえ。
「俺はもうちょっとここで揺られてるよ......うぷっ」
「揺られすぎて酔ってんじゃん!ホラ、お兄ちゃんもウォータースライダー行こっ!折角皆と来てるんだから!」
「ま、待てっ!酔ってる状態でスライダーとか危険過ぎる!吐いちゃうから!待って!」
三半規管が貧弱な俺は、そのまま飛鳥に腕を引っ張られていった。.......うぷっ。
そしてしばらく歩き、もうほぼ先頭にて待っていた詩音たちと合流。
中々混んでいたが、並んでいた人たちの厚意によって無事合流することが出来た。
しかし......。
「高すぎでしょ......」
ウォータースライダーの頂点まで登ったは良いものの、高さがヤバい。横に見える飛び込み台の一番上の部分より更に高い。怖すぎだろ。
安全面とかの基準が死ぬほど気になるが、もう逃げられない。......いや、逃げられるかも......?
「おーいクスノキくん?もう滑るよー」
「そうだぞ祐介。早く乗れよ!」
「うう、本当に滑るんですか?こんなところから滑ってくんですか?死なないですか......?」
「し、詩音ちゃん怯えすぎだよ......」
四人は既にボート的なアレに乗り込み、手招きしている。後は俺が乗り込むだけだが......。
「おおっと手が滑った!」
『えっ⁉︎』
俺はボートに乗り込まず、手が滑ったと偽って(極めて優しく。急に押すのは危ないからね!)ボートを押し出した。ふっ、このまま俺が引き返せば俺は滑らずに済む!あばよ!
「はっ、じゃあなお前ら!俺は下で......」
「させるかっ!」
「何ィ⁉︎」
詩音たちが落ちていく瞬間、柊が俺の足を掴む!
当然、落ちていく詩音たちに俺は引っ張られるカタチとなり......。
「ぎゃああああああああああああああああ‼︎」
『ひゃーっ!』
俺一人だけボートに乗り込んでいない状態で、スライダーを滑っていった。
「うぎゃああああああ!ちょっ、身体のバランスが、ひいいいいい!」
急に引き込まれたので、平衡感覚が掴めない。何が何だか分からぬまま、猛スピードで滑っていく。
カーブを繰り返しながら滑っていくものだから、俺の三半規管は刺激を受け続ける。俺がいい加減限界に達した時、不意の浮遊感を感じた。
「.........道が、無い」
ウォータースライダー終了。
俺はそのまま水飛沫と共にプールに投げ出された。
そして俺は死んだ目のままプールから浮き上がり。
「これだから外出は嫌なんだよ!畜生!」
まだまだ俺のプールでの受難は続く。
どうでしたか?水着回!
いや、僕はさりげない色気というものを出すのが苦手なようです(笑)
いやしかし、彼女たちの水着姿は僕の脳内で輝いています......
注意 ウォータースライダーであんなことはしてはいけません
ありがとうございました!感想待ってます!