もしかしたらどこかの妹キャラ作品と展開が被っていたりする
かもしれませんが、その時はご指摘お願いします!
では、どうぞ!
二人目の妹
俺の名は
突然だが、俺の現在の境遇を聞いてもらいたい。
まぁ......その、愚痴というか、うん。
俺には一人の妹がいた。
中学三年生の、愛すべき可愛い妹だ。
綺麗な色白の肌に、大きな眼、少し茶が入った髪はポニーテール。明るい性格で笑顔が素敵な、パッと見でもじっくり見ても美少女な、自慢の妹。
そんな妹との仲はというと。
親父が二年前に亡くなってから、お袋はまだバイトくらいしか出来ない俺や、そもそも働くことも出来ない妹を養うため、親父の分まで毎日仕事に励んでいてくれていた。
お袋は朝から晩まで仕事で家を空けていることが多いので、必然的に俺と妹は、家の中で二人っきりになることが多かった。というかほぼ毎日だ。
そんな生活の
例えばこんな感じだ。
「おにーちゃんっ」
「んー」
「呼んでみただけー♪えへへー」
「何その漫画内だけのリア充カップルみたいな甘え方」
反抗期など今まで感じたこともないし、俺も妹が大好きなのでそりゃあもう仲が良い。俺が友人からシスコン呼ばわりされるくらいには仲が良い。
そんな、俺と妹の和やかで平和な生活に。
ある日、いきなり介入してきた人物がいた。
それが誰かって?
…………………………………………………………。
………………………………『妹』。
* * *
時は三日前にまで遡る。
久しぶりに夕飯頃に帰ってきていたお袋と、妹......
「ねぇ、祐介、飛鳥。私再婚しようかと思うんだけど......どぉ?」
『は?』
お袋の突然の発言に、俺と飛鳥は危うく持っていた茶碗を落としそうになり、ギリギリで持ちこたえる。あっぶねぇ......!もう少しで味噌汁がカーペットにぶちまけられるところだった......。
いや、そうじゃない。もっと大事なことがあるだろう。
「え?今なんつった?再婚?」
「ってことは新しいお父さんができるってこと⁉︎飛鳥たちの⁉︎」
「そーよぅ。会社で素敵な人が見つかってねぇ。今日プロポーズされちゃったのよぉ〜」
『プロポーズ!』
またも突然なお袋の衝撃発言に、これまた俺は茶碗を落としそうになる。なんなら飛鳥は踏ん張り切れずに箸で挟んでいたホッケの身を落としてしまっていた。後で拾っとけよ。
しかし飛鳥は既にそんなことは気にしていられないのか、震えながらお袋に、恐らくここからの話の肝になるべきことを聞いた。
「で、で......お母さんは、何て答えたの?」
「ん〜?良いですよぉ〜って」
『軽い!』
何て人なんだお袋!アンタ子持ちってこと忘れてないか⁉︎そんな軽々と人のプロポーズなんて......!いや、まだ結婚云々まで話はいってないのか?あ、あぁ、流石にプロポーズを受けた当日に結婚なんて......。
「明日にでも結婚しましょうって」
「何やってんだお袋!ソレ結婚詐欺か何かじゃねぇの⁉︎」
「そうだよお母さん!いくら何でも早すぎじゃない⁉︎」
「えへへ......やっぱりそう思う?」
早すぎっつー自覚はあったのか!
ダラダラと汗を流し始めた俺と飛鳥に、お袋は相変わらずふわふわとした笑顔を浮かべながら。
「大丈夫よぉ。すっごく優しいし、そもそも詐欺なんかに走るほど貧相な財布事情じゃないのよぉ、あの人は」
「え、何、その人金持ちなのん?」
「年収ざっと1億はいってるわよぉ、あの人は」
「すげぇ!ていうかお袋そんな人と同僚なの⁉︎」
そうなるとお袋もそれなりに稼いでいるのではないだろうか。いや、そんなことは今はどうでもいい。......とりあえず、詐欺ではないのか?
俺が思案していると、お袋が話し出す。
「けどぉ、私って一応は子持ちな訳じゃない?」
「あ、あぁ」
「だからねぇ、光男さんってば、貴方たちと仲良く出来るかどうか不安って言うのよぉ」
「あ、別に子持ちなのは気にしてないんだ......」
呟く飛鳥。確かに、お袋の話を聞いてみれば、光男(まぁ、間違いなくお袋にプロポーズした会社の同僚のことだろう)さんは子持ち云々より、結婚した際に新しい家族となる俺たちとのコミュニケーションがしっかり取れるかどうかが不安らしい。激しく情けないが、まぁ、分からないことでもない。
で、それがどうかしたのかとお袋に視線で問うと。
「だからねぇ、まずは娘だけそっちに置かせてくれないかって」
『えっ、娘?』
「そうよぉ。光男さんも子持ちなのぉ」
「は、はぁ⁉︎ちょ、娘っていつ......!!」
俺と飛鳥が先程から止まらない急展開についについていけなくなってきた時、ピンポーン、と家のインターホンが鳴った。
「あらあら、もう来たのかしらぁ」
「え......まさか......!?」
飛鳥が小さな声を出す。多分飛鳥も俺と同じ想像をしているのだろう。俺たちが固まってしまっている間にもお袋はスタスタドアの方へ歩いていき......。
ガチャリ、と。
家のドアを開けた。
そして、スタスタとお袋のとは別の足音がこっちに向かって近づいてくる気配。
その足音の主はリビングへのドアを開き、俺たちの姿を認めると......。
抱えていた大きめのバッグを床に降ろし、綺麗な礼をした。
「今日よりこの家の次女となります、雨宮詩音(あまみや しおん)と申します。初めまして......お姉ちゃん、お兄ちゃん」
これが、俺たち兄妹の生活への介入者......もとい、新入りと言うべきか。
とりあえず、俺に二人目の妹が出来た瞬間だった。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
最初はまだ全然ストーリーらしいストーリーではありません
でしたが......ここから義妹の方の本領が発揮されます!
そしてお母さんの出番は多分格段に少なくなります!
時オリジナル作品ということで設定がガバガバになるかも
しれませんが、これからよろしくお願いします!