俺ガイル✖️物語シリーズ   作:ライとも

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こちらでは久しぶりのライともです!
今回からサブタイを変えます。もう阿暦々木くんと入れ替わった事については一応終わったからね。

では、はちまんヴァンプ 壱です!

どうぞ!


はちまんヴァンプ 壱

今俺は、コンビニを出て、外ににいる。マッカン飲みてぇ…だから、代わりになりそうな甘い飲み物を探していた。

まさか羽川と別れてから夜になるまでコンビニをハシゴすることになるとは…そして俺は悟った。マッカンに代わる飲み物はこの世に存在しないと!いや、存在してはならん!マッカンはマッカンなのだから!

 

ごめんなさい。取り乱しました。まぁつまり俺は今、夜の街を歩いている。阿暦々木家は、両親が警察官なのに門限とか、夜間外出禁止などという決まりがない。でも、夜間に外出しているのが見つかればこっぴどく叱られるだろう。だから、こっそり家を出てきた。そろそろ帰ろうかな…もうね、眠たいのよ…あれれ?もう日付が変わっているだと…!3月26日になっている…うん。流石にもう帰ろう。あの妹達が俺の部屋に入ってきて、チクられたら面倒ごとになりそうだ。

 

こうして家に帰るために走り出したのだが何故か辺り一帯が暗い。始めは停電かと思っていたがそうではないようだ。なぜならば、その消えている街灯の中で1本、ただの1本だけが点灯しているからだ。何故かとは思ったがそんなことを考えている余裕はない。なぜならば………

 

 

「おい……そこの、うぬ。うぬじゃ」

 

そのたった1本の点灯していた街灯に照らされている──『彼女』がいたから。

 

「儂を……助けさせてやる」

 

こんな街にはとても似合わない美しい金髪。

整った顔立ちに、冷たい眼。

そしてこれまたこの街に似合わないようなシックなドレスを身にまとっている。きっと、その『彼女』の身に何もなかったならば、完璧だったのだろう。

 

しかし、そのドレスはボロ雑巾のように破れ、汚れていた。きっとまだボロ雑巾の方がマシではなかろうか。

というか、そのドレスからはボロボロになりながらも元々の高級さが伝わって来る。

 

「聞こえんのか……。儂を助けさせてやると、言っておるのじゃ」

 

『彼女』は、俺を睨みつける。

聞こえてはいる。聞こえてはいるんだ。だが、さすがに目の前で四肢が切り落とされている『彼女』を見て、冷静な判断はできる気がしない。いや、出来ない。そんな中何とかして言葉を発した。

 

「お、おい──お前、大丈夫なのか」

 

心臓がとても速く、強く打っている。いや、暴れていると言った方が正しいかもしれない。

 

「と、とりあえず救急車を呼んでやる」

 

未だ理解が追いつかないまま携帯を取り出し番号を打とうとするが、番号が思い出せない。あっれ〜?112?118?救急車って何番だっけ?畜生…番号登録してればよかった…

 

「きゅうきゅうしゃ…なんてものはいらん」

 

四肢を切断されている状態だというのに『彼女』は俺に強い口調で、古臭い口調で、俺に語りかけてきた。

 

「じゃから……、うぬの血をよこせ」

 

一旦思考が止まり、再び動き出す。そして、昼過ぎに羽川との会話を思い出す。確か、

 

夜、1人で出歩いたら行けない。

街灯に照らされ、眩しいほど輝く金髪。

そして《影》が無い。

 

『彼女』はまるで、街灯という名のスポットライトに当たっていた。その光は、『彼女』の金髪をより輝かせ、目をくらませるようであった。

だが、影が無い。見る影がない、なんて言っている場合ではない。本当に影が無いのだ。

 

「我が名は……」

 

そして───『彼女』は言う。

 

「我が名は、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード……鉄血にして熱血にして冷血な吸血鬼じゃ」

 

 

 

 

 




今回はここで切らせて頂きます。
ついにキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの登場ですね!次回も頑張っていきたいと思います!

では、次回ははちまんヴァンプ 弐
で会いましょう!


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