悪魔城ドラキュラ1999 小ネタ集   作:41

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このSSは……

多少のドラキュラ成分
過剰なキャラ崩壊
原作ゲームを意識した独特のノリ
微妙な原作台詞の改変(原作コピー回避の為)
本編SS(悪魔城ドラキュラ Dimension of 1999)を読まないと解りにくいキャラ背景

が含まれます。

以上の事柄が許せない原作ゲーム愛にあふれた方は
今すぐホームにお戻りください。





死神様転生

 

『ブラッディ・クロス!!』

 

「グアアアアアアアアッ!!!」

 

 地面から突き出た巨大な赤い十字架が、鋭い槍の穂先となってデスの体を貫く!

血の十字架に魔力を奪われ、ドラキュラの腹心、死神デスの戦いはあっけなく幕を閉じた……

 

 

 

                   ◆

 

 

 

                   ◆

 

 

 

                   ◆

 

 

 

 

……

 

…………

 

………………

 

ここは……何処だ…………?

 

私は……あの十字架に体を射抜かれ消滅した筈…………

 

 

 自身の体を見てみる……顔は剥き出しの骨、体には紫のローブ、そして右の手には巨大な鎌……ベルモンド達に倒される前の状態と全く変わらない。魔力も完全に戻っている。

 

 再び現世に復活したのか……?いや、それは無い。感覚で解る、時計塔からほとんど時間はたっていない。だとしたら何故体が元に戻っている……?

 

……辺りを見回す。石のレンガが積み上げられた通路……やはりここは悪魔城か?いや、似ているが少し様子が違う。何より伯爵様の魔力が一向に感じられない。……ここは悪魔城では無い。

 

 

 ふと……人の気配を感じ、咄嗟に姿を消す。気配の正体は見るからに戦士といった容貌の、鎧を纏った人間の男だった。

 

 男から感じる忌々しい波動……間違いない、コイツはベルモンドらと同じ、”善”の側にいる人間だ。この世全ての悪と混沌に仕える死神の直感がそう告げている。

 

 

ここが何処で貴様が誰かなど関係無い……神の加護を持つ、それだけで私に殺される理由になる!

デスは手に持つ大鎌を握り締め、男に向かい全力で急降下した!しかし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは たいまつを じぶんに つかってみた

 

ギャーッ!!

かみのけが かみのけが!!

もえている!!

 

ほのおは からだじゅうに ひろがっていく!!

わたしは くるしみ もがいたすえ いきたえて

しまった・・・

 

ざんねん!!

わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て待て待て待て」

 

目の前で繰り広げられた男の独演劇に、さしもの死神も何が起こったのか理解できず混乱する。

 

何故松明を自分の髪にあてた?そして死にかけながら何故それを実況した!?実況している暇があるならまず火を消せ!何がしたかったのだこの男は!?一風変わった自殺志願者か何かか!?

 

慌てふためくデス。だがそんな死神などおかまいなしに、さっきの男が再び通路に入ってきた。

 

「ば……馬鹿な!この短時間でどうやって復活したのだ!?」

 

狼狽する死神をよそに、男は腰に差した長剣をさっそうと抜き放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは つるぎのはを じぶんの ひだりむねに つきたてた。

・・・ドクドクと ちが わきでてくる!!

 

ああ!! なんて おろかなことを!!

じぶんの いのちを じぶんで たってしまうとは!!

・・・わたしなきあと このせかいは やみに つつまれて しまうだろう・・・

 

ざんねん!!

わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやいやいやいや」

 

そんな事をすれば死ぬに決まっているだろう!刃物の怖さを知らない子供か貴様は!しかも何故よりによって左胸をついた!他に狙う所なかったのか!ピンポイントで急所直撃ではないか!!

 

ハァ……ハァ……。い、いかん、私とした事があまりの事態に取り乱してしまった……

落ち着け……。こういう時は「素数」を考えて落ち着くんだ…………

 

「13……13……13……」

 

よし、落ち着いた。まず状況を整理しよう……

 

 

 ここは……似てはいるが元いた世界とは別の場所らしい。あの技を喰らった際に空間が歪み、別の次元に飛ばされてしまったようだ。

 

 幸い魔力は戻っているが……どうやったら元の世界に還る事が出来るのだ?

試しに転移魔法を使ってみるが、案の定何かの力によって掻き消されてしまう。

糞……!こんな所で油を売っている暇は無いというのに……!

私には伯爵様をお守りする重要な死命があるのだ!

 

 

……そうこうしているうちに例の男がまた通路にやってきた。背に腹は変えられん、

とにもかくにもまずは情報を集めなければ……。私はこの世界の事を調べるため、

ひとまずこの人間に対しコンタクトを試みる事にした。

 

 

「オイ貴様……」

 

 

ひ・・・ひいっ!!なんだ?こいつは・・・。

とつぜん わたしの まえに おおきな かまをもった

ガイコツの ばけものが あらわれた!!

ばけものは ぶきみに ゆらめく そのまなこで

わたしを じっと みつめている・・・

 

わたしは その ゆらめきに みちびかれるように

ばけものの りょうめに ゆびを つっこんだ。

 

 

「ギャアアアアアアアアアアッ!!」

 

 

ゆびを いれたとたん ばけものが さけびごえを あげる!!

 

ばけものとはいえ しょたいめんの あいてに 

しつれいな ことをした バチが あたったのだろうか・・・

このよの ものとは おもえない その さけびに

わたしの しんぞうは こどうを とめてしまった。

 

ざんねん!!

わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目が!目がアアアアアッ!!」

 

 何を考えているのだコイツは!初対面の相手にいきなり目潰しを食らわすとはなんと礼儀知らずな男よ!というか目潰しをした方が何故死ぬ!やり逃げならぬ潰し逃げか!潰し逃げなのか!?

 

 

ハァハァ……。い、いかん、私とした事があまりの事態に自分を見失っていた……

落ち着け……。こういう時は「素数」を考えて落ち着くんだ…………

 

「49……49……49……」

 

よし、落ち着いた。とにかく元の世界に還る方法を考えよう……

 

……どうやらあの男はベルモンドと同じ様にこの城に何かを求めてやってきているらしい。他に人間が見当たらない事からも、あの男が何かしらの鍵を担っている可能性が高い。私はひとまず姿を隠し、この人間を観察してみる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは しんの ゆうしゃだ!!

 

いきなり何を言っているのだコイツは……というかコイツ勇者なのか、この世界も大変だな。

 

 

めのまえに じゃあくな けはいを かんじた 

おもったとおり ここには なにかが いるようだ!!

 

ああ、目の前ではなくお前のすぐ後ろだがな。

 

 

わたしの ゆうしゃとしての ちが さわぐ!!

 

騒ぐのは構わんが無駄に流すのは勘弁してくれ。

 

 

わたしは ぎんのやを じぶんの ひだりむねに つきたてた。

・・・ドクドクと ちが わきでてくる!!

 

言ってるそばから流してんじゃねエェェェ――――ッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な……何なんだコイツは!?まさかベルモンド以上の脳筋がこの世にいるとは……

 

……男の理解不能な言動に私は思わず頭を抱えてしまう。しかも無駄に台詞が詩的なのが腹が立つ。だがそれでもある程度は情報の収集に成功した。どうやらここは

 

ワーロック”とかいう魔王が

ベエマス”というバケモノを復活させるために潜伏している

シャドウゲート”という名の城らしい。

 

この自称”しんのゆうしゃ”とかいう男はその野望をくいとめるため

単身この城に乗り込んできているようだ。

 

 

………………何故だろう、凄い既視感を感じる。今までにない何か薄ら寒い既視感を……

 

 

「レナニゼカ!!」

 

だめだ!!

つよいかぜが ないと かぜに へんしんできない!!

 

 

お前は少し黙ってろッ!!

 

糞!だが恐らくこの城から出られないのはワーロックとかいう奴が結界を張っているからだろう。

多少親近感を感じるがやむを得ん……この男に協力し、そやつを倒すしかこの城から脱出する方法はあるまい……

 

私はやむなく、この”真の勇者”とやらの冒険に影ながら協力する事にした。だが……

 

 

 

 

 

ここは ちていこのようだ・・・

は!!あやしい せびれが!!

わたしを かんし するかのように およぎまわっている!! 

 

さっきからずっと私に監視されているのだがな。

 

みずうみの おくには かぎをもった がいこつがいる。

 

単純なトラップだ……恐らく別に水を渡る手段を探さなければ鮫に食われてしまうのだろう……

 

わたしは ガイコツに むかって およぎはじめた。

 

ファッ!?

 

 

ガブッ!!

さめだ!! もうれつな ちからで わたしの あしに かみついている!!

おろかにも わたしは じぶんの にくたいを えさとして

さめに ささげてしまった。

わたしが さめの いぶくろに はいりきるころには

このみずうみは まっかに そまって いることだろう・・・

 

ざんねん!!

わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

 

 

……お前は一体何を言っているのだ?たった今自分で”あやしいせびれ”と言ってたではないか!

何故泳ごうとした!しかも完全武装で!せめて鎧ぐらい脱げ!!水の上を歩けるのは波紋習得者か海王ぐらいだ!!

 

 

前途多難な冒険のスタート……だがこんな物まだまだ序章に過ぎなかった。

 

 

 

 

 

 

 

わたしは まきものを ひらいた!!

なんとも いえない こうふんで てにあせが ジワジワにじむ!!

 

お前は空き地でエロ本を見つけた小学生か……

 

 

 

 

ヒャーッ!!

かんおけを あけたとたん なかから バンシーの

かなしい さけびごえが!!

 

それ位で驚くな!!お前の声でこっちがちょっとビックリしたわ!!

 

 

 

 

はしの りょうがわには いきおいよく ほのおが もえあがっている。

まるで じごくのようだ!!

 

両側は炎、正面にはドラゴンか。何か特別なアイテムが必要なようだ。ここは一旦引き返……

 

 

うおーっ!!

わたしは さけびごえを あげ ほのおの なかへ

ホップ ステップ ジャンプ・・・ かーるいす!!

・・・わたしは あっというまに もえつきてしまった。

 

ざんねん!!

わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

 

 

だから何故自ら死地に飛び込む!?地上最強の生物でも目指しているのか貴様は!?

 

 

 

 

ほのおが おさまり ゆかは あぶらで スッポリと おおわれている。

 

よし、これで先に進めるな。ではさっさと……

 

わたしは はなをつまみ あぶらのなかへ とびこんだ。

 

何で!?

 

あづーっ!!

 

 

わたしは とけてしまった。

ああ!! わたしは ゾンビにも なれないのか・・・

 

ざんねん!!

わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

 

 

断言しよう……仮にゾンビになっても貴様は絶対に悪魔城では雇わん。

 

 

 

 

わたしこそ・・・しんの ゆうしゃだ!!

 

うるさいわッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲホッ……ゴホッ!、い……いかん、突っ込みのし過ぎで喉が……。駄目だ!このまま奴の好きにさせていたらワーロックとやらを倒す前に私が先に過労死してしまう……!!

 

!そうだ、何も律儀に奴の後をついていく必要など無いではないか!事前に先回りして奴が死にそうなトラップを根こそぎ潰しておけばいいのだ!!

 

……この死神ともあろう者が、やはり別の次元に転送され動揺していたらしい。私はすぐに男から離れ、奴が引っかかりそうなトラップや化け物を片っ端から排除して回った。

 

 

 

 

 

ドラゴン「ガオ――!!」

 

「死ねィ!!」

 

 

うちゅうくうかんへと つうじる かがみ「シュゴオオオオッ!!」

 

「封印!」

 

 

どうもうな いぬ「ガルルルルルル!!」

 

「骨でも食ってろ!」

 

 

スフィンクス「わたしの なぞに・・・」

 

「答えはヤス!」

 

 

しにがみ「おつかれさまデス」

 

「お疲れ様DEATH!!」

 

 

 

 

 

 

 

ハァハァ……こ、これだけ潰しておけばいかにあの男とはいえ…………

 

 

 

ああ!!

わたしは なんの へんてつもない いしだたみに

あしを ひっかけ ころんで しまった。

 

あたまから ゆみずのごとく ちが ふきだし

わたしの しかいが まっかにそまる。

だが このあかいせかいは まもなく しっこくのやみへと かわるだろう・・・

 

ざんねん!!

わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

 

 

 

何も無い所で死ぬなアアアアアッ!!スペランカーか貴様はアアアァァァ――――ッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はげしい ごうおん!! とつぜんの いなびかり!!

お・・・おそるべき きょだいな どうくつだ!!

 

わたしは ついに まおうワーロックの いる

どうくつの さいしんぶへと たどりついた!!

 

 

な……長かった…………。途中から数えるのをやめたがざっと一万回くらい死んだ気がする……

……だがそれもここまで!目の前にいるあやつを倒せば全ては終わる!もうしばしお待ちくだされ伯爵様!もうすぐ、もうすぐ貴方の忠臣デスが参りますぞ!!

 

 

「よくきけ!! ここがきさまの はかばだ。

じぶんから とびこんで くるとは おろかなやつよ!!」

 

ほう……奴が魔王ワーロックか。……フッ、魔王を名乗るというからどれ程の者かと思えば、伯爵様に比べなんとお粗末な魔力よ。だが……隣にいるアレは何だ?

 

で・・・でかい!!

なんと きみのわるい ばけものだ!!

これが だいちの そこから よみがえったという

さいきょうの タイタン 「ベエマス」か!!

 

ベエ……マス?ベヒモスのパチモノかなにかか?色が随分とビビッドなピンクだし、某国製だな、たぶん。……正直この程度の輩など、私が出るまでも無いのだが……

 

 

さいこうの きょうふ!!

ああ!! めがくらむ!!

ワーロックと ベエマスを まえにして

わたしの ゆうきは おもわず しぼんで しまいそうだ!!

 

 

うん……なんとなく解ってた、そういう反応するのは。もういい加減突っ込むのも疲れたからな、とっとと終わらせてやろう。お膳立てが整うまで……貴様はしばらく眠っていろ!!

 

デスが勇者に向かい固定化の呪いをかける!途端真の勇者の体は物言わぬ石像のように固まってしまう。

……次の瞬間、紫色の霧が魔王ワーロックの前に集まりだし、やがてその塊は紫のローブに身をつつんだ骸骨へとその姿を変える!!

 

 

「な・・・なにものだ きさまっ!!」

 

「……お初にお目にかかる。我は魔王ドラキュラが配下、”死神デス”

貴殿に恨みは無いが全ては伯爵様の為……

同じ混沌を望む者として少々心苦しいが……貴殿の命……」

 

 

「――刈りとらせて貰おうッ!!」

 

 

「しにがみ ふぜいが えらそうにっ!! くらえ!!」

 

ワーロックの杖から凄まじい勢いの炎が噴出される!!

 

「温いわッ!!」

 

瞬間、デスの放った骸骨型の魔力弾が、ワーロックの放った炎を全て飲み込んでしまう!

だが動きが止まった隙をつき、ベエマスの巨木の様に太い腕がデスを鷲掴みにする!!

 

「ハハハ!! いいぞ ベエマス!! そのまま にぎりつぶしてしまえ!!」

 

ワーロックの指示の下、ベエマスが渾身の力を込めてデスを握りしめる!

 

「……ほう、紛い物にしては中々の力だ。だが…………来い!鎌よ!!」

 

 

何処からともなく現われたデスの大鎌が、ベエマスの両腕を切り落とした!自由になったデスはそのまま空中で大鎌をキャッチすると、ベエマスに向けて一息に振り払う!!

 

「ぬうううぅぅりゃああああッ!!!」

 

「ギャアアアアアアアア!!」

 

哀れベエマスの体は、デスの一撃によって一刀両断された!!真っ二つになったその巨体が、奈落の底へと落ちていく……!!

 

「フン!他愛ない……ガラモスの方がまだ歯応えがあるわ!!」

 

「ば・・・バカな!!ベエマスがっ!!」

 

目の前で起きた光景が信じられず、ワーロックが思わず腰を抜かす。追い討ちをかけるようにデスが凍るような瞳でワーロックを見下ろし、言った。

 

「……貴殿は2つミスを犯した。1つは私をこの次元に閉じ込めた事……そしてもう一つは……」

 

デスが”パチン”と指を鳴らす。瞬間勇者にかけられた呪縛の呪いが解けた。

 

「我が主を差し置き……魔王の名を語った事だッ!!」

 

「ひ・・・ひいいいいいいっ!!」

 

 

・・・なぜかは わからないが ベエマスの すがたがきえ

おまけに ワーロックが よわっている!!

いまこそ ドルイドの よげんを じっこうするときだ!!

わたしは まほうのつえを てにとり つよく ねんじた。

 

「まほうのつえよ せかいを すくいたまえ!!」

 

わたしは いっしんに いのり つえを ふりかざす!!

 

おお!!はげしい ひかりの ばくはつ!!

ひかりのビームは ワーロックの むねを うった!!

 

「うわあああああっ!!そ・・・そんな バカなあああああっ!!」

 

ワーロックが みれんがましい ひめいを あげながら

ちていへと おちていく!!

 

 

そのとき あんこくの どうくつの なかに

ひとすじの ひかりがさした!!

 

 

 

「!!」

 

 ワーロックが滅び、洞窟に暖かい光が差し込んだ瞬間、デスの体が光の粒子に包まれる!

 

「や……やった!これで元の世界へ還れる!!」

 

「待っていろベルモンド!今度こそ必ずその首刈りとってくれるぞォ――――ッ!!!」

 

 歓喜の絶叫を上げるデス!やがてその体は眩い光の球体となって、暗黒の洞窟から消えていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしこそ しんの ゆうしゃだ!!

 

「…………!?!?!?」

 

 デスは目の前の光景に眼を疑った。眼下にいるのは散々死神を手こずらせてくれた自称

しんのゆうしゃ”。そしてその勇者の前にあるのは紛れもなく魔城”シャドウゲート”だ。

 

「ば……馬鹿な!?ここは最初の通路……ッま、まさか私はここから永遠に抜け出せないのか!?永遠にこの男に突っ込み続けなければいけないというのか……ッ!?」

 

うろたえるデスをよそに、真の勇者は何かに足をぶつけでもしたのか、情けない呻き声をあげながらその場にうずくまってしまった。

 

 

ま……まただ!また何でもない事でダメージを受けている……ッ!

こ、コイツはあと何回死ぬんだ!?次はど……どうやって…………

い……いつ「ポエム」がくるんだ!?

 

コイツは!

コイツはッ!

 

 

 

 

「うずくまっておじちゃん、オナカいたいの?」

 

「お・・・おじちゃん!?」

 

なぜ このような おそろしいしろに 

いたいけな しょうじょが いるのか!?

いや それいじょうに しょうじょの むくな ことばが 

わたしの こころに するどい やとなって つきささる!!

わたしは そんなに ふけて みえるのか・・・ 

わたしは めのまえが まっくらに なってしまった!!

 

ざんねん!!

わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!

 

 

 

ソイツのそばに近寄るなああ―――――――――ッ

 

つーかオマエもオッサン呼ばわりされた位で死ぬんじゃねエエ―――――――――ッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わりのないのが『終わり』

それがシャドウゲイト・レクイエム……」

 

 

「……?アルカード、何か言ったか?」

 

 

 

 

 





異世界女体化ハーレムものだと思った?

ざんねん!!
あなたの もうそうは ここで おわってしまった!!


まあアルカードは嫁がスタンド使いだからしょうがないよね。



 

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