______まさか勝ってしまうとは思わなかった。
私は病院の廊下を歩きながらそんなことを考えた。
全てを反射し、私のナイフなど一切通用しなかった。一応投げた後避けれたが、すれっすれであった。
なんだかまるでそれは一生敵わない相手を戦っているようで、八雲紫を連想させられた。彼女も、絶対に敵うわけのない存在だ。あの妖怪は隙間の他に読心も心得ているのではないだろうか。
とにかく、
しかしそれを、上条当麻は破った。
実は、
他にもミサカたちが色々と頑張っていたらしい。ちなみに私はその時、ナイフの練習をしていた。あんなの時間の無駄である、壊れるはずのまだ綺麗なビルにナイフをぶっ刺した。しかし予想は外れ、今もビルの壁にはナイフの後がきり刻んであったりする。
コンコン
「当麻、入っていい?」
「ん?咲夜か。おう」
入るとそこには包帯を巻いた当麻。
そして、それを見れば自然と目に入る枕元にある数々のお見舞い……
「……はいこれ」
「え、今買ってきたのか!?」
慌てて紅茶のティーパックのギフトセットを差し出した。アールグレイである。まあ、そんなのを彼が知るわけないので、インデックス辺りが飲むのだろうか。
「ま、元気そうで安心したわ。インデックスは?」
「ん、一応寮に」
「そ。なら時々様子見とくわね」
「頼む」
そんなたわいもない話しをして、私は帰路につくことにした。
「そのクッキーは?」
「あーこれか。これは御坂からだよ」
「美琴?」
「そうそう」
まああの様子を見ていれば、大方予想はつくがこの鈍感男は察していないらしい。
罪な男だな、なんて軽く考えながら私は寮へと帰った。
そしてその夜のこと。
不意に聞こえた静かな足音に、思わず息を止めて__胸に溜まった息をそっとはきだした。
コン、コン……
「美琴でしょう。入っていいわよ」
そう声をかけると、キィ……と静かに扉が開いた。私はベッドに腰掛けたまま、本から目線を外さずにこたえる。
「あははー……やっぱバレてた?」
「部屋に入るまでの二分もかかったのも全部が全部バレてるわ」
「いやぁ、実はですねぇ、十六夜さんに折り入って頼みが……」
「何?」
「私に美味しいクッキーの焼き方を教えてください!」
思わず本から目を離してしまった。
「なんのために?」
「い、いや、その……」
「まあいいわ。どうせ、当麻が手作りの方がよかったとでも言ったんでしょ」
「ぐ!?」
「じゃ、明日買いに行くかしらね」
私はそう言って、美琴を部屋へと帰す。
そして次の日、朝食を食べてすぐに買い物へと向かった。
「ね、ねぇ、さくや?こ、これは?」
私の取り出した、アルミで出来た大きなハートの形を指差して美琴が大声を上げる。
ハートの形はずっと使ったことがなかったのだが、異変のあとに妹様が地下から出てくるようになった時、
『咲夜、クッキー焼いてほしいの』
と言われたのでお嬢様に許可をいただいてその日は時を止めずに調理していたら、
『私もお手伝いする!』
なんていって妹様がハートのクッキーの型を持って表れたのだ。
あの時は不覚にも驚いてしまった。
「みればわかるでしょう、ハートのクッキーの型よ」
「な、なんで!?」
まあ、これは妹様が持ってきたあの形よりも少しばかり大きいのだけど。
「じゃあなんでダメなのかしら?異性にプレゼントでもするの?友だちなら別にいいと思うのだけど」
すると美琴はゔっと黙ってしまい、黙々と作業を進め始めた。
私はそんな美琴に一つため息をついてから作業を再開したのであった。
美琴は出来たクッキーを箱につめてリボンを付けた。
そして、私は手を振って彼女を送り出す。
それから私は少しばかりスーパーで買い出しをして、男子寮に向かうとインデックスに料理をごちそうした。
出来たハートのクッキーはどうなったか。それは、御坂美琴のみが知るらしい。
私はレミリア派ですが、フランが一番可愛いと思っています。可愛いと好きは別なんです!
また、可愛いと言えば最近霊夢が可愛くて仕方がなくなって来ました。霊夢の魅力に惹かれたのはこれで三回目です。いやぁ、やっぱりかわいい子はかわいい。そして私は巫女派です。
今度は活動報告で東方キャラについて語ると思われます。
追記間違えて8時半になってました!
次回からはきちんと8時に投稿致します。