あとがきに、すこし咲夜が帰ったあとのストーリー載せときます。
追記。小萌先生への勘違いがそのまま自然消滅してたので修正させていただきました。
当麻が電話していたのは、クラスメイトだったという。
なぜかと聞けば、担任の住所を聞いたんだとインデックスを受け取りながら答えていた。
「……メイド服?」
「ええ。制服は汚したらマズイし、メイド服はそもそも汚してもいいためにあるのだしね」
そして私は再び制服に戻った。
このメイド服は血で汚れてしまったので、この夏休み中に新しく仕立て直しておこう。
「で、その先生がここに?待ってて、今おすわ」
チャイムを鳴らすと、はーいと言う子供っぽい声がする。
……子持ちなのだろうか。
「ふえ、常盤台の生徒さんがなんでこんな時間にこんなとこいるんですかー?……って、上条ちゃん!?」
「えっと……まあいいや。お邪魔します」
「えっ、あっ、えー?」
……まさか、これが先生?
状況が飲み込めていないようだったが、強引に入る当麻の背中にいるインデックスを見た途端、顔がこわばった。
「きゅ、救急車呼びますか?電話ならそこにあるですよ?」
部屋に入ってからわかったが、これが本人らしい。
まあ、お嬢様も妹様もあの容姿で私よりはるかに長生きだから深く突っ込まないでおこう。
その時、ぐったりしていたインデックスが声をあげた。
「__警告」
『
「小萌先生、彼女と会話を続けていてください。救急車呼んできます」
「え?電話ならそこに__」
私は、当麻の後についてでた。
ドアの向こうで、ふたりで待機していると、魔力が部屋から溢れ出してくる。
「始まったわね」
「わかんの?」
「もちろん。何度も目の前で見てるわ」
え、そうなの?と当麻が驚く。
「どちらかというと、私のオカルトのイメージは魔術なのよ。まあ、科学でも証明はできるけどね」
私の主の、客が魔術をしているのだというと、じゃあ咲夜も魔術が使えるのかといわれた。
「使えたらあの場で使ってたわ。私は生まれたときから能力があるし、魔術を覚える必要性が無かったの」
自身が理解した魔術なら、能力者でも発達は遅いものの、魔術を覚え、使うことはできる。
しかし、やはり危険ではあるのだ。
「ねぇ、当麻」
「ん?」
「なぜあなたはインデックスを助けるの?」
「なぜって……」
当麻は私の問いに、言葉を詰まらせた。
いや、考え込んでしまったの方が相応しいのかもしれない。
でも、すぐに顔をあげて、
「理由なんていらないだろ?」
と、笑った。
私は、少し驚いたがすぐに言葉を紡いで再び問いをだす。
「……じゃあ、あなたは私がインデックスの立場だったとしても助けるのかしら?」
少し、皮肉めいていたかもしれない。
けれど彼は
「もちろん」
と即答した。
私には理解ができない。
なぜ、今朝あったばかりの少女を助けるのかも、なぜ、血が止まらないことに対して唇を噛み締めていたのかも、なぜ、クラスメイトに電話してまで魔術を使える大人を探したのかも、わからなかった。
「……そう」
そのあと、彼はなぜ自分がボロボロなのか話し始めた。
言われて気づいたが、服はインデックスの血以外にも擦り切れている場所がところどころあったのだ。
魔術師と戦ったんだ、と彼は言った。
これもまた、あの少女を守るためだろう。
私は更に、上条当麻という人間がよくわからなくなった。
そう思いながら、セピア色の空を飛ぶ。
寮に帰るとすぐにベッドへと入った。
そんな彼女を助けるといった彼は、今後どう転ぶかわからない、と。そう思いながら、寝た。
『ちったぁ俺を信用しやがれ』
次の日、魔神と呼ばれた少女は上条当麻の言葉に泣いた。
(軽くネタバレ注意)
さてさて、咲夜が言った『魔神』ですが、原作でインデックス自身が口に出していました。
「私たちはそれを魔神と呼んでいるの」
と。(少し簡単にしちゃってますが)
それで、当麻が怒った、ということです。
そのとき言った言葉が『』の中のあの言葉で、インデックスは泣いた。となります。
これぐらいならいいでしょうか?
また、その前にも
・なぜ十字教はこんなにも分かれてしまったのか
・錬金術は……
などなどそういったエピソードがありましたが、そちらはおいおい別で埋めていきます。