やはり俺の福引旅行はまちがっている。 特別編   作:EPIPHANEIA

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このサイトでは、初投稿になります。

いろいろ至らない点があるかと思われますが、宜しくお願い致します。


その1 『やはり俺の夜遊びはまちがっている。』

~夏休みの夜・比企谷家~

 

 

 

八幡「はっ?『世界ゲーム』?」

 

 

 

陽乃「そう。いわば、王様ゲームのタロットカードバージョンみたいなもの。せっかく、久々にみんなが揃ったお泊まりパーティーなんだから、盛り上がる事をしないとね♪」

 

 

 

めぐり「いいですね~。是非やりましょうよ~。他のみんなは?」

 

 

 

小町「小町は賛成ですよ!凄く面白そうですもん!」

 

 

 

結衣「あたしも賛成!みんなでワイワイやれるゲームだし!」

 

 

 

沙希「そういうのも悪くないね。アタシも賛成かな。」

 

 

 

八幡「……もしかして、俺以外全員賛成なんですかね?皆さん。」

 

 

 

留美「あれ?八幡は反対なの?」

 

 

 

いろは「なんですか、それー。みんなで盛り上がろうとしてるのに、水をささないで下さいよー。」

 

 

 

雪乃「これ程、貴方が空気を読めないとは思わなかったわ。自称剣豪将軍の材なんとか君と変わらないじゃない。」

 

 

 

八幡「アイツと一緒にすんな!」

 

 

 

とある夏休みの夜、俺は自宅で8人の少女達と過ごしていた。(親父とお袋は泊まり掛けの仕事の為、不在だった。)

 

 

 

雪乃、結衣、いろは、小町、留美、沙希、めぐり、陽乃。

 

 

 

以前、俺と共に北海道旅行に行き、その時に深い絆で繋がった、俺にとってかけがえのない存在の少女達だ。

 

 

 

あの旅行以来、俺を含めた9人で、一緒の時を過ごす事が多くなった。(時折、戸塚や材木座や川崎兄妹や折本辺りもいたけれど。)

 

 

 

大騒ぎになる事が多いけれど、それが何だかんだで、楽しく思える俺がいるから、もうぼっちだなんて口が裂けても言えないな。

 

 

 

でも、シャレにならない一番の大騒ぎ(そんなレベルを通り越してるけど)になったのは、俺のお見合い事件だったな……。

 

 

 

全部話すと本当に長くなるので、いろいろ割愛して話すと、両親の取引先の会社の会長に俺を紹介してくれと頼まれて、ある日千葉を離れた『ある場所』に連れてかれたのだ。(日本国内らしいけど、携帯がなく位置探索が出来なかった為、何処なのかは最後まで分からなかった。)

 

 

 

そこで同い年のお見合い相手の女の子(少し話すと、雪ノ下家より遥かに格上のお金持ちのお嬢様で、その子と俺はツインソウルという関係らしい)と出会ったのだが、その後、いろいろあってその子と駆け落ち同然で逃亡する事件をやらかしてしまい、彼女達やその子の執事達に追われていたのだ。(更に言えば、戸塚や材木座や葉山グループ、平塚先生や折本達、その子の関係者達も巻き込んでしまった上に、日本どころか変装して海外にまで逃亡する羽目にもなった。)

 

 

 

あの時は、真面目に『人生オワタ』と思いました。(運が悪かったら本当に死んでたかもしれないし、最後に海外で再会した彼女達全員にマジ泣きされてしまったし、本当に良く五体満足で生きてるなって、今でも思っている。)

 

 

 

そんな1ヶ月に及んだ大騒動の末、お見合いの話はなくなったのだが、その子と最後にお互いに涙を流しながら握手して言われた言葉が、今でも忘れられない。

 

 

 

『八幡は、泣かせちゃったみんなを幸せにしてあげなくちゃダメだよ。きっとあたしじゃなくて、みんなこそ八幡にとっての『本物』なんだから。約束だよ。』

 

 

 

「その約束を必ず守る」と、俺はその子と彼女達に声を出して誓った。

 

 

 

……こんな事、前の俺だったら、恥ずかしくて言えないし、思ってすらなかったかもしれない。

 

 

 

でも、春の旅行やそんな事もあってから、今の俺にとって彼女達は、そう誓えるくらいの『本物』になったような気がする。

 

 

 

『青春は悪である。』と言ってた俺に、今の俺を見てもらいたいぐらいですよ、本当に。

 

 

 

 

 

八幡「……分かったよ。どうせ、俺も参加させるつもりなんだろ?」

 

 

 

割愛したという割には話が長くなってしまったが、俺は渋々、陽乃の『世界ゲーム』の提案に賛同する。

 

 

 

陽乃「あれ~?八幡、随分素直じゃない?」

 

 

 

いろは「そうですよね、はるさん先輩。捻デレな八幡がこんなに素直になるなんて珍しいですよね。」

 

 

 

八幡「何言ってんだよ、陽乃、いろは。俺はいつでも素直だっつーの。」

 

 

 

まるで俺が素直じゃないと主張する陽乃といろはに対して、反論する。

 

 

 

俺はあの事件以来、小町と留美以外の彼女達にも、名前で呼び捨てするようになった上、陽乃やめぐりに対しても、タメ口で話すようになった。(正確に言えば、彼女達からの提案で、事件のお詫びも兼ねて。)

 

 

 

そして、留美以外の彼女達もまた、その事件以来、俺の事を『八幡』と呼ぶようになった。(小町が『おにいちゃん』ではなく『八幡』って呼ぶようになったのは、正直ビックリしたけど。これも彼女達からの提案である。)

 

 

 

理由を聞くと、全員が声を揃えて『あの子と名前で呼びあっていたのに不公平だから。それに、あの子に負けるわけにはいかないから。』って訳の分からない事を言っていた。何の勝ち負けをしてるんだよ……。(因みに、彼女達とその子は、最後には仲良くなり友達になった。)

 

 

 

沙希「まぁ、いいんじゃない?参加するって言ってるんだし、全員参加って事で。アタシが『世界』の時は覚悟しなよ、八幡。」

 

 

 

小町「小町も『世界』引いたら、八幡にいろんな事させちゃおうかな♪」

 

 

 

留美「私も『世界』引いたら、八幡にあんな事やこんな事……。」

 

 

 

めぐり「あら、沙希ちゃんに小町ちゃんに留美ちゃんも私と同じ考えなんだね~♪私も八幡にいろんな事してもらおうかな~♪」

 

 

 

あの……癒し系の皆さん、貴女方がそんな俺をターゲットにするような事を仰ると、他の皆さんも……。

 

 

 

いろは「いいですね~♪あのお見合い&駆け落ち事件での鬱憤を晴らすには、ちょうど良いゲームじゃないですか?」

 

 

 

雪乃「そうね。八幡、あの時、私達を散々弄んだ挙げ句泣かせた罪、ここで贖って貰うわよ。」

 

 

 

結衣「ゆきのんといろはちゃんの言う通りだね。ここで会ったが百年目って奴だよ、八幡♪」

 

 

 

やっぱりだよ……。しかも、水に流したはずのあの時の事、まだ根にもってたのかよ、お前ら。あと、結衣。そういう意味では正解かもしれないけど、俺とお前は毎日と言っていいほど会ってるからな。

 

 

 

陽乃「まあまあ。みんなの言いたい事も分かるけど、それじゃゲームにならないじゃない。せっかくみんなで盛り上がるゲームなんだから。ルールの説明をしてもいい?」

 

 

 

陽乃がそんな雪乃達を諫めながら、『世界ゲーム』のルール説明をした。

 

 

 

ルールは次の通りである。

 

 

 

・9枚のタロットカード(『死神』、『節制』、『悪魔』、『塔』、『星』、『月』、『太陽』、『審判』、『世界』)をシャッフルして、『世界』を引いた人が命令を下せる。

 

 

 

・『世界』を引いた人の命令は、どんな命令でも従わなければならない。(但し、命令はあくまでも健全なもので。最悪、ポッキーゲームやチューまで。)

 

 

 

・命令を実行出来ない場合は、代わりに結衣の手作りクッキーを食べる事。(その為に、陽乃が結衣に大量に作ってくるように頼んだらしい。結衣は『陽乃さん、酷い!』って涙目になってたが。)

 

 

 

・『世界』を引いた命令で、自分に対する命令(例:『死神』が『世界』に○○をする等)と全員に対する命令は、各人それぞれ1回のみ。あと、それらの命令の連チャンはNG。

 

 

 

・同じ内容(または似た内容)の命令の連チャンはNG。

 

 

 

陽乃「まあ、王様ゲームとほとんど一緒の内容だけど、それで異存はないかな?」

 

 

 

陽乃の問い掛けに、全員が頷く。

 

 

 

陽乃「よーし、それじゃ早速始めましょうか!覚悟しなさいよ~。あの時、私達を散々泣かせた雪辱を果たさせてもらうからね、八幡♪」

 

 

 

そんな陽乃の開始の言葉と共に、『世界ゲーム』がスタートした。

 

 

 

陽乃、アンタもあの時の事、根にもってんじゃねぇよ。ある意味、一番怖いんだから。

 

 

 

 

 

 

 

・1回戦

 

 

 

『世界だ~れだ!?』

 

 

 

俺達全員の一斉の言葉で、陽乃が配ったタロットカードをめくる。

 

 

 

小町「あっ、小町だ!やったね♪」

 

 

 

『世界』:小町

 

 

 

一番最初の『世界』は小町になった。さて、ラブリーエンジェルなマイシスターは、果たしてどんな命令を下すのか……。

 

 

 

小町「う~ん……。最初だから、あんまり重い命令は出来ないよね……。あっ、そうだ!では、命令します。『『節制』の人は、『月』の人と握手をする』で!」

 

 

 

まあ、最初だし無難だな。流石、我が妹。

 

 

 

沙希「あっ、アタシ『節制』だ。」

 

 

 

雪乃「あら、私が『月』ね。」

 

 

 

『節制』が沙希、『月』が雪乃。クールで真面目系の似た者同士が握手をする。しかし……

 

 

 

ギュウウウウウ

 

 

 

雪乃「……沙希さん、気のせいかもしれないけど、凄く手が痛いんだけど?」

 

 

 

沙希「……雪乃こそ、力入れすぎなんじゃない?アタシの手が悲鳴をあげてるんだけど。」

 

 

 

バチバチ火花を散らすように睨み合う2人。この2人、同族嫌悪みたいな感じで、相性が良くないのだ。

 

 

 

しかし、奉仕部での活動では意外にも息がピッタリで、(旅行後、沙希も大志と小町と共に入部したのだ。)数々の依頼を2人でこなす時も多い。

 

 

 

不思議だよな。性格的な相性が良くないはずなのに、仕事では相性が抜群だなんて。

 

 

 

小町「はーい、そこまで!雪乃さんも沙希さんも相性抜群なのは、分かりましたから♪」

 

 

 

そして、命令者の小町の言葉で、2人は顔を赤くしながら手を離す。

 

 

 

雪乃「こ、小町さん!何嬉しそうに戯言を言ってるのかしら!?」

 

 

 

沙希「そ、そうだよ!何でアタシが雪乃と……!」

 

 

 

2人の反論に笑いが起こる。何だかんだで、お前ら実は仲良いだろ?名前で呼びあっているぐらいだし。

 

 

 

小町「ではでは、次のゲームに行きますよー!」

 

 

 

『世界』だった小町のもとにカードを集められ、小町がシャッフルして、前のゲームのタロット番号順に配られる。

 

 

 

因みに、最初のゲームの結果は

 

 

 

『死神』:俺

 

『節制』:沙希

 

『悪魔』:いろは

 

『塔』:陽乃

 

『星』:留美

 

『月』:雪乃

 

『太陽』:結衣

 

『審判』:めぐり

 

 

 

だった。

 

 

 

最初に『死神』引くのが、俺らしいっちゃ俺らしいが、ちょっと泣きたい…………。

 

 

 

 

 

 

 

・2回戦

 

 

 

『世界だ~れだ!?』

 

 

 

その言葉と共に、自分に配られたカードを一斉に見ると。

 

 

 

結衣「あたしだ!」

 

 

 

『世界』:結衣

 

 

 

2回戦は結衣だ。アホの子は、果たしてどんな命令をするのか……。

 

 

 

結衣「それじゃ、命令ね!『『星』は『悪魔』の頭を撫でる』で!」

 

 

 

ほう。まだ序盤だから、抑えてきたか…………って、

 

 

 

八幡「あれ?俺が『星』だ。」

 

 

 

めぐり「やった~♪私が『悪魔』だよ~♪ブイッ♪」

 

 

 

雪乃・いろは・陽乃・沙希・小町・留美『なっ……!』

 

 

 

結衣「ウッ、ウソ……!?あたし、なんてアシストを……!?」

 

 

 

俺がめぐりの頭を撫でる事が決定し、早速めぐりの所に行き、頭を撫でる。

 

 

 

八幡「そ、それじゃ、失礼するぞ。」ナデナデ

 

 

 

めぐり「うん♪いいよ~♪エヘヘ……♪」

 

 

 

本当に嬉しそうに頭を撫でられているめぐり。なんかその姿が愛らしい。

 

 

 

いろは「何やってるんですか!結衣先輩!!」

 

 

 

留美「そうだよ、結衣さんのアホの子。」

 

 

 

結衣「うう……ごめん。まさか、八幡に『星』を引くとは思わなくて……って、留美ちゃん、アホっていうなし!!」

 

 

 

雪乃「いいえ、結衣さん。これはアホと言わざるを得ないわ。」

 

 

 

陽乃「そうだね~。アホガハマちゃん、やらかし過ぎだよ。」

 

 

 

結衣「み、みんな酷い!!」

 

 

 

一方、雪乃・いろは・陽乃・留美にフルボッコにされて、結衣が泣きそうになっていた。

 

 

 

沙希「まったく……まだ序盤なのに、熱くなりすぎだよ。」

 

 

 

小町「そうですよ。まだまだ本番はこれからなんだから!」

 

 

 

その一方で、沙希と小町が冷静に他のメンツを諫めていた。

 

 

 

因みに、今回のゲームは

 

 

 

『死神』:陽乃

 

『節制』:小町

 

『悪魔』:めぐり

 

『塔』:雪乃

 

『星』:俺

 

『月』:いろは

 

『太陽』:留美

 

『審判』:沙希

 

 

 

だったとさ。

 

 

 

 

 

・3回戦

 

 

 

陽乃「おっ、私だ♪」

 

 

 

『世界』:陽乃

 

 

 

なん……だと……!?まさか、こんなに早く魔王のターンが来るとは……!!

 

 

 

結衣「う、嘘でしょ!?陽乃さんが『世界』!?」

 

 

 

雪乃「姉さん……!変な命令をしたら、許さないわよ!」

 

 

 

魔王がどんな命令を下すかで、戦々恐々とする俺達。そんな俺達に対して、陽乃は命令を下す。

 

 

 

陽乃「それじゃ、命令ね。『『太陽』の人は『悪魔』の人の物真似をする』で。」

 

 

 

えっ……?『悪魔』って俺じゃねぇか!!

 

 

 

いろは「あっ、私ですね、『太陽』。」

 

 

 

八幡「ゲッ!!」

 

 

 

ば、馬鹿な……!?よりによって、いろはだと!?

 

 

 

いろは「ちょっと、『ゲッ!!』って何ですか?まさか、八幡が……?」

 

 

 

八幡「……ああ、そうだよ。俺が『悪魔』だ。」

 

 

 

いろは「何ですかそれ。もしかして、私が物真似する事で自分への好感度を試そうという腹ですか?そんな事しなくても、私の八幡への好感度は既にMAXどころかリミットオーバーしてるので、とっとと告白するなりプロポーズするなりしてください。それが出来ないなら、私の事は諦めてください。ごめんなさい。」

 

 

 

八幡「……だから、何で勝手にフラれてるんだよ?っていうか、今のは告白なのかフッてるのか、分からないんだけど。」

 

 

 

いろは「まあ、それはそれとして、八幡の物真似ですか……。うーん……。」

 

 

 

フッ、どうやらいろはの奴は、俺の物真似をするのに、困惑しているようだな。そりゃそうだ、元々ぼっちの俺の物真似をする奴は、今まで皆無だったからな!…………自分で言ってて、泣きたくなった。

 

 

 

いろは「……っ!ねぇ、八幡。私の『とっておき』の物真似をしても良いですか?」

 

 

 

八幡「……はい?何だよ、『とっておき』って。」

 

 

 

いろは「今ネタバレしたらつまんないじゃないですかー。良いですよね?」

 

 

 

八幡「お、おう。やれるもんならやってみやがれ。」

 

 

 

面白ぇじゃねぇか……。その『とっておき』とやらを見せてもらおうか、いろはすさんよ!

 

 

 

いろは「では、行きますね♪ …………」ジワッ

 

 

 

八幡・雪乃・結衣・陽乃・めぐり・沙希・小町・留美『えっ!?』

 

 

 

突然、目を瞑ったと思ったら、次の瞬間には涙目になるいろは。そのいろはを見て、俺達一同は驚く。

 

 

 

えっ?何?そんなに俺の物真似をするのが嫌なの?そう思った次の瞬間だった。

 

 

 

いろは「『……それでも、俺は……』」

 

 

 

八幡「……っ!?お、おい!馬鹿!待て!!まさか……!!」

 

 

 

いろはの言っていた『とっておき』、それを瞬時に理解した俺は慌てて止めようとした。しかし、

 

 

 

いろは「『……俺は……『本物』が欲しい……』」

 

 

 

俺の静止も空しく、いろはは『とっておき』の俺の物真似を披露した。

 

 

 

八幡「―――――――うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

近所の迷惑になりそうなぐらいの悲鳴をあげて、のたうちまわりながら悶絶する俺。

 

 

 

恥ずかし過ぎて、顔全体どころか全身が真っ赤になるくらいの、公開処刑だった。

 

 

 

結衣「アッ……アハハハハハハハハハハハ!!!!い、いろはちゃん、それは流石に笑うなって言う方が無理だよ!!ねぇ、ゆきのん!!」

 

 

 

雪乃「そ、そうね…………!それは反則よ、いろはさん…………!!クッ……フフフ…………!!」

 

 

 

抱腹絶倒で大爆笑している輩が、弱冠2名。最早、腹筋崩壊なんてレベルじゃない。

 

 

 

留美「えっ?何?何?八幡がそんな事、言ってたの?」

 

 

 

沙希「へぇー。八幡、そんな泣き顔でそんな事言ってたんだ。ちょっと、見てみたかったかも。」

 

 

 

めぐり「なんか可愛いね、八幡♪そんなに恥ずかしがっちゃって♪」

 

 

 

小町「うーん、小町も知らない所でそんな事を言ってたなんて、ポイント高いですよ、いろはさん♪一本取られました♪」

 

 

 

陽乃「いやー、やるね。いろはちゃん。後でじっくり聞きたいな、それを言った時の話♪」

 

 

 

嫌だ!!止めて!!俺の人生で一番の黒歴史なんだから、それ!!

 

 

 

いろは「だから、確認したじゃないですか。『良いですか?』って。」

 

 

 

八幡「ち……畜生……。マジで覚えてろよ、いろは…………。」

 

 

 

未だに、顔を真っ赤にしつつ涙目になりながら、いろはに恨み節を言う俺に、他のメンツが爆笑していた。

 

 

 

おのれ………ここまでするんなら、最早容赦しねぇぞ…………。

 

 

 

因みにカードの結果は、

 

 

 

『死神』:雪乃

 

『節制』:結衣

 

『悪魔』:俺

 

『塔』:めぐり

 

『星』:沙希

 

『月』:留美

 

『太陽』:いろは

 

『審判』:小町

 

 

 

でしたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

その後は、俺の言葉通り、容赦の無い展開になってしまった。

 

 

 

雪乃と結衣が、陽乃が用意したミニ○カポリスのコスプレでゲームを続ける羽目になったり、(雪乃は『姉さん……本当に覚えてなさいよ……!』と涙目になっていたし、結衣は『ジ、ジロジロ見んなし!』と顔を真っ赤ににしていた。)

 

 

 

めぐりと留美がポッキーゲームをしたり、(因みに留美が最初に逃げ出した為、罰ゲームで留美は結衣の作ったクッキーを食べる事になった。)

 

 

 

陽乃といろはが、沙希のオーダーメイドしたゴスロリの衣装(スパ○ボOGのラト○ーニみたいな感じ)を着る事になったり、(着て現れた瞬間、俺が『陽乃もいろはも超似合わねー!』って大爆笑したら、2人に般若や修羅と遜色のない顔で睨まれました。)

 

 

 

沙希とめぐりが、妖怪ウォ○チ2のエンディングのダンスをコ○さんとコ○じろうの着ぐるみを着て踊っていたり、(しかもフルコーラスで。終わった後、物凄く汗だくになっていた。)

 

 

 

小町と留美が初代プリ○ュアのOPをキュアブ○ックとキュアホワ○トの衣装を着て歌ったり、(本人達は恥ずかしがっていたが、この2人は全員からも似合ってるって好評だった。流石、年少組の天使達。)

 

 

 

等々、とにかく笑いの絶えない展開のゲームになっていた。

 

 

 

 

 

・30回戦(最終回)

 

 

 

陽乃(ゴスロリ)「ねぇ……次で最終回にしない?」

 

 

 

雪乃(ミニ○カポリス)「そ、そうね……。夜も大分遅くなってきたし……。」

 

 

 

沙希(○マさん着ぐるみ)「八幡……アンタ、ズルしてない?」

 

 

 

八幡「はっ?何でだよ?」

 

 

 

いろは(ゴスロリ)「そーですよー。だって、八幡だけあれ以降、全然当たってないじゃないですかー。」

 

 

 

八幡「知るかよ。それを言うなら、俺はまだ『世界』を1回も引いてねぇぞ。」

 

 

 

留美(キュアホ○イト)「あっ、そういえば、確かに八幡だけ引いてない。」

 

 

 

めぐり(○マじろう着ぐるみ)「あれ?ホントだね。」

 

 

 

結衣(ミニ○カポリス)「でも、ズルいよ!あたし達全員、コスプレされられたり罰ゲームさせられてるのに、1人だけ普段着で笑っているだけだし!」

 

 

 

小町(キュアブ○ック)「みんなでやるゲームに参加してるのに、そこでもぼっちなんて、小町的にポイント低いよ。」

 

 

 

そうなのだ……。もうかれこれ29回やったのだが、3回目のいろはの物真似以降、俺が命令に巻き込まれていないという奇跡を起こしていた。(因みに、全員に対する命令は0だった。)

 

 

 

そして、未だに『世界』のカードを1回も引いていないという、更に奇跡的な確率の珍事を起こしていた。

 

 

 

幸なのか不幸なのかわかんねぇな……。ここまで、ゲームに入り込めないとなると。まあ、変な事をされていないのは、ある意味幸運なのだろうけど。

 

 

 

雪乃「では、カードを配るわね。」

 

 

 

前のゲームで『世界』を引き当てた雪乃が、全員にカードを配る。

 

 

 

頼む……せめて最後だけでも『世界』を……!最悪、そうじゃなくても巻き込まれなかったら良い!

 

 

 

『世界だ~れだ!?』

 

 

 

そして、そんな祈りが天に通じたのか

 

 

 

八幡「よっしゃあああああああああ!!」

 

 

 

『世界』:俺

 

 

 

最後の最後で、俺が『世界』を引き当てて、渾身のガッツポーズと共に歓喜の雄叫びをあげた。

 

 

 

結衣「マジで!?最後の最後で引き当てるなんて……!!」

 

 

 

いろは「ちょっとー!あまりにも恵まれ過ぎじゃないですかー!?流石にインチキ臭いですよー!」

 

 

 

陽乃「まさか、本当にイカサマしてないよね?八幡?」

 

 

 

雪乃「もしそうだったら、絶対に許さないわよ!不正幡!!」

 

 

 

八幡「ふざけんな。インチキもズルもイカサマも不正もしてねぇからな。さぁ~て、どんな命令をしようかな~♪」

 

 

 

沙希「ま、まさか……アタシ達にとんでもない命令をするつもりじゃないの!?」

 

 

 

めぐり「や、やめてよ~。私達に恥ずかしい事をやらせるつもりなんでしょ~。」

 

 

 

小町「酷いよ!!小町的にポイント低いよ!バカ!ボケナス!八幡!!」

 

 

 

留美「鬼!悪魔!!八幡!!!」

 

 

 

あの、皆さん。最後に引き当てただけなのに、そこまでフルボッコにする必要があるんですか?あと、ラブリーエンジェルなマイシスターにルミルミ。俺の名前を悪口と同じ扱いだったり、千○ち○ろと同じような呼び方されると、泣きそうなんだが。

 

 

 

八幡「……いいだろう。だったら、覚悟を決めろよ。」

 

 

 

そこまで言うなら、俺は鬼にでも悪魔にでもなってやる。彼女達に最大の試練を与えようと決めた。

 

 

 

八幡「『比企谷八幡が命じる!貴様達は……俺に口付けをしろ!』」

 

 

 

コー○ギ○スのルルー○ュの如く、俺は彼女達に命令を下した。

 

 

 

さあ、どうする?やれるもんならやってみやがれ!!どうせ出来ないだろうから、結衣特製クッキーを食べて悶絶する姿を見て、大爆笑させてもらうがな!!

 

 

その時は、言わせてもらおう!『勝った!『世界ゲーム』 完!』とな!

 

 

 

陽乃「へぇ~。それじゃ、八幡にキスしていいんだ?まさか、それを嘘だとは言わせないよ?」

 

 

 

八幡「えっ!?」ビクッ

 

 

 

俺が命令を下したと同時に、彼女達全員の目の色が変わったような気がして、戦慄する。それは、ターゲットを視線で確認したケダモノのようだった。

 

 

 

何!?もしかして、ギ○スにでもかかったの!?お前ら!

 

 

 

沙希「そういう命令なら、しょうがないよね。だって、『世界』の命令は……」

 

 

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・めぐり・小町・留美『ぜった~い!!』

 

 

 

八幡「ま、待て。俺が悪かった。やっぱり、さっきの命令は無しで!!考え直すから!!」

 

 

 

めぐり「命令のキャンセルは出来ないよ。だって、私達、もう八幡のギ○スにかかっちゃったんだから。」

 

 

 

八幡「いや、何でめぐりがギ○スの話を知ってるんだよ!?」

 

 

 

留美「……そのギ○ス、確かに受け取ったよ、八幡。」

 

 

 

八幡「いやいや!そんなの受け取らなくていいから!!ス○クの台詞使わなくていいから!!」

 

 

 

いろは「あれー?それを言ったって事は、それ相応の覚悟があるんですよね?八幡。」

 

 

 

雪乃「『撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけ』よ、八幡。」

 

 

 

八幡「いやいやいや!!そんな事で、その名台詞使わなくていいから!!っていうか、何でお前ら、コー○ギ○スそんなに詳しいんだよ!?」

 

 

 

何とかこの家から逃げ出そうとするが、既に囲まれてしまい、逃げ道を防がれていた。

 

 

 

小町「往生際が悪いよ、八幡。小町達は『本物』なんでしょ?八幡にとっての。」

 

 

 

八幡「いや!確かにそうなんだけど、俺にとってのお前達の『本物』は、『友情』や『家族』的な意味で……!!」

 

 

 

結衣「『友情』?『家族』?今更、何寝惚けた事言ってんの?あたし達の『本物』は―――――」

 

 

 

結衣のその言葉と共に、彼女達全員が俺に襲いかかり、押し倒す。そして、彼女達全員が俺の耳元で、こう囁いた。

 

 

 

雪乃・結衣・いろは・陽乃・沙希・めぐり・小町・留美『――――『愛』だよ』

 

 

 

八幡「や、やめろ!!やめてくれええええええ!!!!ぎゃああああああああああああ……………!!!!」

 

 

 

その後の事は、詳しくは書けない。ただ、例えるなら『PS1のバ○オハ○ード2で大量のゾンビの餌になった主人公達』のようだったとだけ言っておこう。

 

 

 

そんな事が起こっている中で、ふと思った事がある。

 

 

 

『やはり、俺の青春ラブコメはまちがっている。』と。

 

 

 

~『やはり俺達の夜遊びはまちがっている。』 おしまい~




はじめまして。この拙文を書いた作者です。

普段はpixivでSSを書かせて頂いてますが、最近このハーメルンの存在を知って、私が先日pixivで書かせて頂いた俺ガイルSSを投稿させて頂きました。

このSSの解説を簡単に説明しますと、



・pixivで書かせて頂いている俺ガイルSSのアフターストーリー

・8人のヒロイン達(雪乃、結衣、いろは、陽乃、めぐり、沙希、小町、留美)の八幡への好感度がMAX状態

・八幡の事は『抜け駆け無し』と8人のヒロイン達の間で決まっている。(誰を選ぶか八幡に決めてもらう為。因みに、ヒロイン達同士は基本的に仲が良い。)

・一方の八幡は、上条当麻や衛宮士郎並みかそれ以上の朴念仁(彼女達との『本物』を、『友情』だと思っている。小町は『家族』。)


という感じです。

最後になりますが、このSSを最後までお付きあい頂き、誠にありがとうございました。

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