【完結】島村卯月「もういいです、私、アイドル辞めます」   作:ラジラルク

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episode,4 魔法の微光

 

 

 

「島村さん、もう上がっていいよ。お疲れ様でした」

 

「あ、はい。お先に失礼します」

 

 

 

 

私は目深に被っていた帽子を外しスーツを着た男に深く一礼をする。男がニッコリとした笑顔で私に向かって軽く会釈をしたのを確認するとそのまま背中を向け更衣室へと向かった。

 

古びた更衣室でジャンパーを脱ぐと、『派遣A』と書かれたロッカーあるハンガーの袖にジャンパーを通す。薄暗い更衣室の窓からふと外を眺めると、窓の外には数日前までは綺麗に咲き誇っていた桜が弱々しい姿になって街灯の灯りに照らされていた。

 

 

 

高校卒業してから三年の月日が流れていた。結局進路が決まらずに高校を卒業することになった私は、こうして派遣の仕事を転々とする生活を送っている。

長かったようであっという間に過ぎ去っていったこの三年間。高校の卒業式に成人式、今振り返ると長い三年間だったようにも感じる。

だがその長かったはずの三年間を過ごしても尚、私の心に残った過去への未練と後悔は変わらず私を苦しめ続けていた。

 

私と対照的に『新時代のアイドルグループ』だなんて世間から騒がれていたシンデレラプロジェクトのメンバーたちも、徐々にメディア出演が減ったかと思えば昨年の年末に突然の解散宣言。

 

 

 

「ほらね、やっぱりトップアイドルなんて簡単になれるもんじゃなかったんだ」

 

 

 

偶然立ち寄ったコンビニで読んだ音楽雑誌でそのニュースを知り、私は自分に言い聞かせるようにそう呟いた。

 

解散となったシンデレラプロジェクトのメンバーたちの中でも、私の知ってる範囲で今でも活動を続けているのは元々ソロでも人気のあった凛ちゃんと、女優としても活動していた未央ちゃん、モデルへと転向したきらりちゃん、シンガーソングライターとして活動している李衣菜ちゃんの四人くらいだ。

他のメンバーたちは何処で何をしているのか全く知らない。もしかしたら何処かでアイドル活動続けているのかもしれないけど――……。

 

いずれにせよ、私の思っていたとおりの現実になってしまっていた。

 

 

 

 

――だから私は遅かれ早かれアイドルを辞めて正解だったんだ。

 

 

 

何度も何度もそう言い聞かせてきて、思ってた通りの現実が訪れて、そのはずなのに私の心の中に掛かった霧は依然として晴れる気配がなかった。

 

 

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

「あっ、休憩の時のが最後の一本だったんだっけ……」

 

 

 

派遣のバイトの帰り道、私は煙草を切らしていることを思い出した。

いつもはカートン買いで部屋にストックを置いていたが、おそらくこの箱が最後の一箱だった気がする。

 

今日は疲れたしどうしようか――……。チラッと目を移した腕時計は夜の11時を指している。このまま家に帰るかコンビニで買ってから帰るか、迷った私だったが丁度のそのタイミングでコンビニの看板が目に入ったため買って帰ることにした。

 

 

いらっしゃいませ、店内に入ると同時に女性店員の明るい声が聞こえてきたが私は声の方へと目も向けず雑誌にコーナーへと向かう。

コンビニの角にある雑誌コーナーでは私が中学生の頃から欠かさず買っていた音楽の月刊誌が並んでいた。表紙には青と黒のドレスを着た長い黒髪の女性がマイクを握り締めて写っている。右下には『大ブレイク中の人気歌姫』のフレーズ。

 

 

 

「凛ちゃんはすごいな……」

 

 

 

アイドルを辞めてからも毎月のように立ち読みをしていたこの音楽雑誌。

中学生の頃、アイドルを夢見ていた私がいつか絶対に表紙に載りたいと夢見ていた雑誌の表紙に、かつてのユニットメンバーが大々的に掲載されている。

 

凛ちゃんは一目見た時からこういう人がトップアイドルになるんだろうなと予感していた。

何が凄いのかと聞かれたら上手く答えられないが、凛ちゃんは昔からカリスマ性というか、トップアイドルになるというオーラが凄かったのだ。

 

それに加えてルックスも良いし歌も上手い。頑張る事しかできない私とは元々のポテンシャルが桁違いに違っていたのだ。

 

 

同じくニュージェネレーションズとして活動していたもう一人のメンバーである未央ちゃんは本格的に女優活動へと転向しており、最近では自身が主演した映画の主題歌を担当し、その主題歌がオリコンチャートにも入っていた。

 

嫌でも痛感させれる現実。昔は一緒にレッスンを受け横に並んで小さなライブハウスなどでライブをしていたはずなのに、今となっては私一人だけが取り残され、未央ちゃんと凛ちゃんは遠い世界へと行ってしまった。

 

 

 

私はその現実から目を背けるようにして雑誌コーナーを後にすると、そのままレジへと直行した。

レジには女性店員が立っており、私の前に並んでいたサラリーマンの男が弁当をレンジで温めている。

 

 

――はやくしてくれないかなぁ。

 

 

弁当を温めるたった数分の時間でさえ、私は待つという行為にイライラを募らせていた。

こんな些細なことでイライラするなんて。荒み切った私の心の余裕のなさに我ながら呆れてしまう。

 

 

 

「お待たせしました、次のお客様どうぞ」

 

「タバコ。メビウスのメンソール、カートンで一つ」

 

 

ぶっきらぼうにそう呟く。

女性店員はすぐさま後ろにあったタバコの棚から私の言った煙草を探し出し私の前へと差し出した。

 

 

 

「こちらでお間違いなかったでしょうか?」

 

「はい、そうです」

 

「ではお値段四千四百円です。それと……」

 

 

 

金額の後に続く女性店員のセリフ。私はその時初めて女性店員の顔を見た。

歳はおそらく私と同じくらい、だけどまだ何処か幼さを残したあどけない表情、茶色のショートカット。

 

何処かで見覚えのある顔だった。

 

 

 

「もしかして……、島村卯月ちゃん?」

 

「えっ?」

 

 

突然のことに思わず動揺してしまう。

そしてふと女性店員の胸のところへと目線を落とした。制服の胸の辺りに付けられている顔写真付きの名札。

そこの名札には『前川みく』と書かれている。

 

私の前に立ってレジを打っていた女性店員はシンデレラプロジェクトのメンバーの一人であり、李衣菜ちゃんとユニットデビューした前川みくだったのだ。

 

 

 

 

「やっぱり、卯月ちゃんだったんだ! 前川みく、覚えてない? 猫耳してた猫キャラのアイドル!」

 

 

 

 

さっきまでの表情とは一転、屈託のない笑顔でそう話しかけてくるみくちゃん。

そんなみくちゃんの感じに、私は何処か懐かしいような居心地の良さを感じていた。

 

 

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

「ごめんね、お待たせ~」

 

「ううん、全然大丈夫。バイトお疲れさま」

 

 

あの後、もう少しでバイト上がりだから少しお話ししない?だなんて言われてしまい、私はこうやってコンビニの外の駐車場でみくちゃんがバイトを終えるのを待っていた。

シンデレラプロジェクトのメンバーたちと会うのはアイドルを辞めた日以来、初めての事だ。突然の再会で何を話せば良いのか分からず、私たちは無言のまま肩を並べて歩き始めた。そして暫くして見えてきた公園のベンチに並んで腰を下ろす。

隣に座るみくちゃんは若干雰囲気が変わったような気がするけど私の記憶の中にいるみくちゃんの面影をしっかりと残していた。誰よりもアイドルとしての活動に真摯に向き合っていたみくちゃん。今はどうしているのだろうか。気になったが怖くて聞くことができなかった。

 

 

「卯月ちゃんは今何してるの?」

 

「派遣のバイトを転々としてる」

 

 

そっか、そう呟いたみくちゃんはそれ以上は何も聞かずぼーっと前だけを見ていた。なんとも言えない重苦しい空気から逃げ出すように、私は先ほど買ったばかりの煙草に火を付ける。

 

 

「あたしね、アイドル、ダメだった」

 

 

絞り出すようなみくちゃんの声。みくちゃんの両膝の上に作られた拳を私は見逃さなかった。

やっぱり――……、思わずそう思ってしまったが私は口には出さなかった。何て言えば良いのか分からず、私はただ黙って煙草を吸い続ける。

 

 

 

「シンデレラプロジェクトが解散になったのは知ってるよね?」

 

「う、うん。理由は知らないけど雑誌で見たよ」

 

 

 

シンデレラプロジェクトの突然の解散宣言。理由は公にされていないため、誰もその真相を知らなかった。

そして凛ちゃんや未央ちゃん、きらりちゃんに李衣菜ちゃん以外の他のメンバーがどうしてるのかも。

 

 

「でもどうして? 舞踏会では成果を残せたんでしょ?」

 

 

私がいた頃にもちらついていた部署解散の噂。

だがその噂は舞踏会までに成果が出なかったら、というものであって、私が辞めた後に行われた舞踏会も無事に成功を収め、その後もシンデレラプロジェクトは着々と結果を残していたはずだった。

だからこそ突然の解散は不可解だったのだ。

 

 

「Pチャン……、武内プロデューサーがクビになったの。突然だったけど常務の命令だったんだって」

 

「え? プロデューサーさんがクビ!?」

 

 

予想外のセリフに思わず声が裏返りそうになってしまう。

 

口下手でイマイチ何を考えているのか分からなかったプロデューサー。

だけど誰よりもアイドルの事を考え、行動していた。

私が辞めると言った時も、何度も部屋の前へとやって来ては必死に説得しようとしてくれていた。

 

あのプロデューサーがクビになるなんて、一体何があったのだろうか。どんなに考えても何も思い浮かばなかった。

 

 

 

「それで私たちは移籍しなくちゃいけなくなったんだけど……」

 

 

 

そこからみくちゃんはシンデレラプロジェクトの最期を話してくれた。

 

「このような事態になったのもプロデューサーである私の責任です。ですが皆さんの進路は私が責任をもって面倒を見させて頂きます。これがプロデューサーとして出来る私の最後の仕事です」、そう言ってプロデューサーは自分の今までのコネクションを使ったり時には他社に自ら頭を下げに行ってまで残された十三人のシンデレラのために東西奔走していたらしい。

その甲斐あってか、次々とみんなの進路は決まっていった。元々人気のあった凛ちゃんはソロとして、女優業も兼ねていた未央ちゃんは本格的に女優に転向することになったり、スタイルの良かったきらりちゃんはファッションモデルに、などそれぞれがそれぞれの新たな世界へと踏み込み始めた。

 

だがすぐに進路が決まったのはその三人だけで、あとの十人はなかなか進路が決まらずに苦労していたらしい。

それでも部署解散の日までに皆、ある程度の進路を決めることができた。元々ソロとしてデビューしていた蘭子ちゃんはそのままソロで活動を続け、智絵里ちゃんと美波ちゃんは地方の女子アナに、アーニャちゃんもきらりちゃん同様にモデルに、杏ちゃんはアイドル活動を辞め346プロダクションの社員になり、莉嘉ちゃんとみりあちゃんは共に346の他部署へと移籍。

 

 

 

「あたしは李衣菜ちゃんとアスタリスクとして活動を続けるつもりだったからさ、何度も二人で他社のオーディションなどを受けに行ったんだけど……」

 

 

 

返って来た返事は合格。しかしその概要は李衣菜ちゃんのソロデビューであって、二人揃っての合格ではなかったのだ。

 

 

 

「李衣菜ちゃんとは何度も話し合ったよ。話し合ったうえであたしから解散しようって伝えたの」

 

 

 

アイドル活動は仲良しこよしでやるものではない。誰よりも真面目にアイドル活動に向き合ってきたみくちゃんだからこその答えだった。

その日を以って、アスタリスクは解散。李衣菜ちゃんは他社のソロシンガーとして活動することになった。

 

 

 

「そうそう、かな子ちゃんは結婚したんだ」

 

「か、かな子ちゃん、結婚したの!?」

 

「うん。確か四つ上の彼氏とか言ってたなぁ。かな子ちゃんは料理も出来るし、良い嫁さんになってると思うよ」

 

 

 

こうしてみんなが次のステージへと移って行こうとする中、みくちゃんだけは進路が決まらなかった。

他社のオーディションを受け続けても不合格ばかり。

 

結局部署解散の日までにみくちゃんだけが進路を決めることができなかったらしい。

 

 

 

「もうアイドル辞めて大阪帰ろうかと思ったよ。さすがのあたしでも心折れかけてたし」

 

 

 

そう言って笑うみくちゃん。

残酷だがアイドルの世界はこれが現実なのだ。決して運や勢いだけでは生き残れないシビアな世界――……。それがアイドルの世界なのだ。

 

 

 

「でもね、大阪に帰る前日にプロデューサーがあたしに会いに来てくれて声優の養成所を紹介してくれたの」

 

「声優の養成所?」

 

「うん! ほら、あたしってたまに声優のお仕事とかもしてたでしょ?」

 

 

 

そういえばみくちゃんはアイドル活動の他にも声優としての活動も少ししていたような覚えがある。

 

 

 

「プロデューサーにね、『その経験を生かして、更にもっと磨いてみませんか?』って言われて。あたし、声優の仕事って嫌いじゃなかったしさ」

 

 

 

いざ本格的にやってみるとアイドルと同じくらいハードな仕事で未だに慣れないんだけどね、だなんて言いながらみくちゃんは苦笑いを浮かべた。

 

 

 

「それじゃあその学費を払うためにコンビニでバイトを?」

 

「うーん、払うためっていうか返すためかな」

 

 

 

払うためではなく返すため? 私は首を傾げ頭上にクエスチョンマークを浮かべる。

 

 

 

「プロデューサーがね、払ってくれたの。『最後まで決まらなかったのはプロデューサーである自分の責任ですから』だなんて言ってね。声優の養成所って結構な額するんだよ? それを自分の貯金と346の退職金を合わせて一括で払ってくれたんだ」

 

 

 

誰よりもアイドルのことを優先し、例え自分が怒られたり嫌な目にあってもアイドルたちのために全ての情熱を持って接してくれるプロデューサーらしい話だった。

 

プロデューサーは結構です、って言うんだけどね。やっぱりあたしはちゃんと返したいし、助けてくれたプロデューサーの為にも有名な声優になって恩返しがしたいんだ。だからもっともっと頑張らないと! そう話してくれたみくちゃんの目はキラキラと輝いていた。

 

 

その輝きは私には眩しすぎる光だった。

現実に、ぶち当たった壁に、プロデューサーがくれたチャンスからも逃げ出して、それでいて頑張っている人たちを馬鹿にして見下して自分をかろうじて保っているような私には眩しすぎる光だった。

 

私もみくちゃんみたいにプロデューサーが差し伸べてくれた手を取る勇気があったら、現実に負けず自分を信じることができたのなら、今頃どこかで夢中になれる何かを見つけて生きることができたのだろうか。

 

 

 

「それから暫くしてみんなで集まってプロデューサーの送別会をすることになったんだけどね、その時卯月ちゃんのことをプロデューサーが話してたよ」

 

「ぷ、プロデューサーさんが私の事を?」

 

「うん、もしかして気になる? 気になるなら直接聞いてみたら?」

 

 

 

 

気にならないと言えばウソになる。

だけどあんな形で一方的にプロデューサーを拒絶して、私はどういった顔をして会えば良いのだろうか。

 

 

 

「卯月ちゃんにも色々あると思うけどさ、このまま終わるのは勿体ないと思うよ」

 

 

 

そう言うとみくちゃんは鞄から取り出したメモ帳を一枚だけ破り、スマートフォンを見ながら何かを書き記している。

 

 

 

「これ武内プロデューサーの番号。一回直接会って話してみたら?」

 

 

 

差し出されたメモ用紙を私は何も言わず黙って受け取った。

その番号に見覚えがあった。初めてプロデューサーが私に魔法をかけてくれたあの日、私が通っていた養成所で受け取った名刺に書かれた番号と同じだったのだ。

見間違えるはずがなかった、初めてスカウトされて貰った名刺を嬉しさのあまり家に帰ってずっと眺めていたのだから。もしかしたら本当に夢が叶うかもしれない、そういった抑えきれない興奮で名刺を握り締めたまま眠っていたのだから。

 

受け取ったメモ用紙を見てるとあの日の夜を思い出す。

嬉しさのあまり凛ちゃんの店で自分の為の花を買って帰ったこと。ずっと憧れていた夢の光がほんの少しだけど、確かに垣間見えたこと。ずっと応援してくれていた養成所のスタッフやトレーナー、何よりママが私よりも大喜びしてお祝いしてくれたこと。

 

あの日から数年が経ち、荒んでしまった私だがあの日のことは全て鮮明に覚えていた。

 

 

 

 

 

「ありがとう、みくちゃん」

 

 

 

 

私はメモ用紙を眺めながら、静かにそう呟いた。

もしかしたらプロデューサーに会って話をすればアイドルを辞めてからずっと私の心を曇らせていた霧を晴らせるかもしれない。

確証はないが、私の直感はそう感じていた。

 

プロデューサーに会いに行こう。会ってちゃんと話そう。あの時私が何を思っていたのか、アイドルを辞めてからも何をすれば良いのか分からずにずっと燻っていた事を。

言葉にしたら上手く伝えられるか自信がない。けど、これは二度とないチャンスなのかもしれない。

 

アイドルを辞めたあの日以来、初めて私の心に希望が生まれた瞬間だった。

 

 

 

 

 

「それよりみくちゃん……」

 

「ん? どうしたの?」

 

「語尾に『にゃ』って付けるの、止めたんだね」

 

 

 

ずっと引っ掛かっていた違和感の正体だった。

何かある事に必ず『にゃ』って言ってたのに、コンビニで会ってからは一度もその『にゃ』という語尾をつけていない。

 

だからレジで会った時から何か違和感を感じていたのだ。

 

 

 

 

 

「ほ、ほら、あんまり『にゃ』ってばっか言ってると癖になって声優の仕事中もつい……」

 

「どうだろう~。本当は恥ずかしくなったんじゃない?」

 

「べ、別にそんなわけじゃないにゃー!」

 

 

 

 

必死に抗議をするみくちゃん。

その様子が何だか可笑しくて懐かしくて、私は思わず声を上げて笑ってしまった。

 

こうしたくだらないことで笑って盛り上がる――……、シンデレラプロジェクトにいた頃、毎日のように過ごしていた日常のひとかけらだった。

あの頃から年月が流れて私も荒んでしまった。それでも当時一緒に夢に向かって頑張っていたみくちゃんとこうして他愛もない会話で盛り上がれることが何より嬉しくて楽しくて、そして懐かしくて――……。

 

私は懐かしさのせいで流れた涙を誤魔化すように、大声で笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 


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