インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

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最近暑いですね(ーー;)
熱中症には気をつけましょう。今回は一夏の決意の話ですので戦闘描写はないです。


第3話 戦士としての覚悟

Noside

 

ゴルザ・メルバとの戦いを終え、帰還した

一夏達はそれぞれ寮の自室で報告書を打ち込んでいた。そんな中、一夏はスパークレンスを眺めながら戦っている時を思い出していた。

「(俺はあの時、戦い方を知っていた?)」

自分はウルトラマンになったのは初めての筈なのに、何故タイプチェンジといった能力を知っていたのだろうか?

それが気になった一夏は、その日は余り眠れなかった。

 

ー翌日

 

一夏達は地下の作戦会議室で昨日の出来事を話し合っていた。

「身長53メートル、体重4万4千トン。

胸のランプが点滅し始めてから、メルバを倒すまで数十秒・・・。

このことから、巨人は約3分間しか地球上で活動することが出来ないと考えられます。」

簪がモニターを映しながら説明する。

 

「何故そう言い切れる?」

ラウラが確信を持った言い方に疑問を持つ。

 

「逃走しようとするゴルザを彼は追わなかった・・いえ、正確には追えなかった。」

「限界時間が迫っていたから・・?」

一夏の言葉にその通りと頷く楯無。

「あの時彼には、ゴルザを追うだけの時間がなかったのよ。」

「だからメルバを倒すことを優先したのか。」

箒が納得した表情で呟く。

 

「この巨人は、戦いの中で姿を変えていました。」

山田先生がそう言いながらモニターに巨人を映し出す。

 

「最初はこの赤と紫・・仮にマルチタイプとして、パワーとスピードのバランスが良く、あらゆる状況に対応でき、赤一色になったこの姿はパワータイプと呼称し、凄まじい怪力を発揮し、マルチタイプ以上の破壊力を持っていると思われます。」

 

「なら、最初からこの姿で戦えば良かったんじゃ・・?」

鈴が山田先生に意見する。

「私達も最初はそう思いました。しかし・・・」

そう呟くと山田先生はメルバに避けられた際の映像を出した。

「そう言えばどうして当たらなかったんでしょう?」

「!最初より動きが鈍くなっている!」

セシリアの疑問に一夏が気づいた。

 

「メルバのような素早い敵にはこの紫一色のスカイタイプが有効で、破壊力こそ低下しますが、その分動きが身軽になるようです。」

「つまりこの巨人は状況に応じて自分の体をコントロールできるということですね。」

一夏の言葉に山田先生がえぇと頷く。

 

「そしてこのタイムカプセルなんですが・・・」

簪がキーボードを操作してカプセルを起動させ、ユザレを映し出す。

 

『ーーゴルザとメルバを倒すのです。巨人を蘇らせる方法はただ1つ、一夏が"光"になることです。」

なんと今までノイズだった部分が語られた。

だが・・・

 

「はぁ・・・この部分だけがどうしても修正できません。」

簪がため息を出しながら呟いた。

 

一夏side

 

カプセルのノイズ部分はちゃんと語られたのに、簪は何を言っているんだ?

しかもユザレはまだ目の前にいるのに。

まさか、俺にしか聞こえなかったのか?

 

「仕方がない。今日はこれにて解散だ、各自自室に戻れ。」

千冬姉の指示で皆は部屋から出て行く。

 

「俺は、もう少しこれを調べてもいいですか?」

咄嗟に俺は解析続行の意を出した。

 

「・・・いいだろう。だが、程々にな。」

千冬姉は暫く考えた後、承諾してくれた。

 

「ありがとうございます。」

 

全員が部屋から出たのを確認して、俺はユザレと向かい合う。

 

「あなたは、ホログラムなんじゃないのか?」

俺は驚きは抑えながらユザレに視線を向ける。

 

『確かにこれはホログラムだけど、このカプセルには私というAIが入っている。だからこうしてあなたと話せる。』

ユザレは俺にそう答えた。そして俺はある疑問をユザレにぶつけた。

 

「なんで俺だけ聞こえたんだ?」

 

『それは、あなたがウルトラマンティガだから。』

 

「どうして俺なんだ?」

俺は一番気になっていたことをユザレに言った。

 

『あなたの体内には、超古代人の遺伝子と記憶がプログラムされている。そしてそのスパークレンスこそ、あなたがウルトラマンティガであるという何よりの証。』

 

俺は右手を見ると、スパークレンスが握られていた。

いつの間に出したのか?

 

「タイムカプセルを作る程の技術と文明がありながら、あなた達は何処へ行ったんだ?」

『ある者は滅び、またある者は他の地へ旅立った。』

俺は衝撃を受けた。あれだけの巨人がいながら文明が滅びたのだから当然だが。

 

「巨人はティガだけじゃなかったんでしょ?あなた達を守ることはできなかったのか?」

『"ウルトラマン"は人類の選択には干渉しない。何故なら、彼らは"光"だから。でも一夏は違う。あなたは、"光であり、人"でもある・・・』

 

「なるほどな・・・つまりこの力があれば皆を守れるってことだな?」

俺は笑みを浮かべながら呟いた。

 

『随分と落ち着いているわね?』

ユザレが少々驚きながら聞いてくる。

 

「まぁ驚いてはいるけど、これまで色々あってもう慣れてるんだ。」

俺の言葉にユザレはそうと呟いた。

 

『そろそろ戻らないとまずいんじゃないかしら?』

ユザレはそう言いながら時計を見る。

 

時計を見ると、あれからすでに1時間半も経っていた。

流石にそろそろ戻るべきか。

 

「ユザレ、色々教えてくれてありがとな。」

『いいえ、迷う時があったら来るといいわ。力になる。』

俺が礼を言うと、ユザレは優しく微笑んで姿を消した。

 

「俺は戦う。この力で皆を守る!」

スパークレンスを見つめながら、そう言うと、俺の決意に答えるかのようにそれは力強く輝いていた。

 

ー学園の森

 

そこにはフードを被った怪しい女ががいた。

「ティガ・・お前はいずれ私が消し去ってやる。"あのお方"の野望のためにな・・。」

女はそういう呟くと、瞬間移動で姿を消した。

 

この女・・・一体何者なのか。




ちなみに本作のユザレの姿は、「劇場版ティガ」に登場した高樹零さんverです。

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