今回は殆どが戦闘シーンです。
公式でウルトラマンガイアが配信され始めましたね!20周年おめでとうございます!これは毎週見なければ!
OP【Believe(玉置成美)】
IS学園と亡国企業の戦闘は、更に激しさを増していた。至るところでビームやレーザー、ミサイルが放たれ爆発が起きる。
『一夏!未確認IS一機と、ヘル・ハウンドやコールド・ブラッドの反応確認!こっちに向かって来る!』
「なに!?」
一夏がビームサーベルでゴーレムIVを切断していると、白式がハイパーセンサーで敵ISを捉えた。
白式の指示する方向を見てみると、そこから3機のISが向かって来ている。
だがその内の1機ー《フォビドゥン》という緑色のISーには見覚えがなく、顔もバイザーで隠れているので搭乗者がわからない。残りの2機は一夏の記憶にあるそれとは大きく姿が異なっていた。
まず、ヘル・ハウンドはそれまでなかった黒と赤が入り混じったラインと、両腕や両脚に鋭い刃がある。そして両肩の犬頭から放出されている炎は紫に染まっており、最後に見た時よりも禍々しい姿になっている。
次にコールド・ブラッドは機体周辺にある青いクリスタルが血の如く赤くなり、先端が刃物のように鋭い。
「久しぶりだなぁ、一夏」
「・・・元気そうっスね」
個人通信で聞こえて来るレインとフォルテの声に、一夏は答える。
「先輩達・・本当に裏切ったんですね」
「まぁな・・京都での戦いでよくわかっただろ?」
少々呆れながら答えるレインに、一夏は激情を抑えながら更に問いかける。
「ーー正直、今でも信じられないんです。貴女達が敵になったなんて・・何故なんです!?どうして裏切ったんですか!?」
一夏に問われ数秒目を閉じ沈黙したレインは、どうしてか・・と呟き、目を開く。しかしそれは冷たさを増している。
「理由なんて決まってんだろ、ぶっ壊したいんだよ。この腐った世の中と、呪われた運命をな」
「呪われた運命?どういう意味です?」
「まぁこっちの話だ、知りたいならオレ達を倒せーーできるならな」
BGM【立ち上がれ、怒りよ(ガンダムSEED)】
次の瞬間、鋭くなったレインの眼光から凄まじい殺気が放たれた。並みのIS操縦者では怯んで動けないだろう。隣にいたフォルテも驚くが、彼女の表情に込められた決意を感じ気を引き締める。
一方、殺気をまともに受けた一夏だが怯む様子はない。彼にとってむしろ、改めて理解した瞬間だからだ。
"この2人は自分が倒すべき敵だ"と。
「ーーわかった。そっちがその気なら、俺も本気で行かせてもらう」
そう呟いた一夏は自身の潜在能力である『SEED』を発動し、左手にビームサーベルを、右手に雪片弐型・真打を抜刀し構える。
「それでいい、覚悟しろ!!」
レインは二本のアーマーシュナイダーを、フォルテはクローを展開。ディアボルスも巨大な鎌型の装備《ニーズヘグ》を展開して向かってくる。
「オラオラオラアアアッ!!」
先ずレインがアーマーシュナイダーを巧みに振って来る。
一夏は両手の剣でそれを防ぎきると、直ぐさま弾いてビームサーベルを振るう。
しかし、ギリギリ避けられたために装甲を僅かに掠めただけで、エネルギーも余り減らせなかった。
「お〜危ねぇ」
「やあああああ!」
「ーー!」
今度はフォルテとフォビドゥンがクローとニーズヘグで攻撃してくる。
「この・・っ!?」
2人の攻撃を捌くもしくは弾くを繰り返し、何とか距離をとった一夏はビームライフルを撃とうとするがーー
「させねぇよ」
「くそ・・っ!」
即座にレインが火球を連射して来るために発射できない。
◇
『ハハハハハ!結構やるじゃねぇか!やっぱ楽しいなこういう戦いは!!』
「私はちっとも楽しくないですけどね!」
別の場所では真耶とオータムが激突していた。真耶のリヴァイヴ・スペシャルは以前束によって改修されて進化したのだが、それでも互いの攻撃を相殺し合う膠着状態が続いている。
その状況を楽しむオータムに真耶は内心引くと同時に改修されたISとここまで渡り合える彼女の実力に内心驚いていた。
『ハッ!そう釣れねぇ事言わず、もっとやろうぜ!』
「お断りします!!」
真耶は両手にマシンガンを展開。オータムに攻撃の暇を与えない。
「やあああああっ!」
『ぐほぉっ・・!?』
防御している隙に真耶は瞬間加速を発動。落下速度を加えた強烈な飛び蹴りを放ち、オータムはダメージで悶絶する。
『はぁ・・はぁ・・!』
今の蹴りで相当ダメージを受けたのか、オータムは肩で息をしている。
「これでトドメです!」
真耶は勝負をつけるべくグレネードランチャーを構える。
それを見て、オータムは笑みを浮かべると同時に砲撃。
「!?くっ!」
驚いた真耶はすぐにグレネードランチャーを発射。爆発が起こり互いの姿が見えなくなる。
『今回はこれでお預けだ。生きてたらまたやろうぜ』
それを最後にオータムの声は聞こえなくなり、爆炎が晴れた頃には、既に彼女の姿はなかった・・・。
◇
「ふむ。まあこんな物か」
学園の海岸でゴーレムIVの残骸の山を見て打鉄を纏った千冬はそう呟いた。本来打鉄とゴーレムIVではスペックに差があるのだが、千冬の超人的な身体能力でそれは完全に埋まり、ゴーレムIVを上回る力を発揮して現在に至る。
千冬としては専用機である暮桜で出たかったが、現在は"とある理由"で封印状態にあるため使用不可能。そのため今回は訓練機で出動したのだ。
「相変わらずの強さだナ、チフユ」
声がした方へ振り返ると、長身に腰まである赤いツインテール、右目には伊達政宗の刀の鍔に似たデザインの眼帯を着け、 肩から胸元まで露出している着物を着た女性がいた。
彼女の名はアリーシャ・ジョセスターフ。イタリアの国家代表で、第2回モンドグロッソ優勝者の2代目ブリュンヒルデだ。最も、千冬が棄権したためにブリュンヒルデ受賞を辞退しているが。
「・・アリーシャか。何の用だ?」
「勿論チフユと決着をつけに・・と言いたいところだケド、今回は辞めとくサ。私は本当の機体に乗ったアンタと戦いたいからネぇ」
「用件はそれだけか?私は忙しいんだ」
ため息をつくアリーシャを尻目に千冬は飛び立とうとするが・・・
「い〜や。一つ警告しとくことがあるのネ。チフユ、アンタ達はこの先大きな試練を受けることになるのサ。」
「なんだと?」
アリーシャの意味深な言葉に動きを止めた。
「その試練が来た時、アンタ達がどんな道を選ぶか・・見届けさせてもらうのサ」
そう言ってアリーシャは専用機であるテンペスタを展開し、飛び去って行った。
「試練・・・一体どういうことだ?」
1人佇む千冬の周りを、不気味な風が吹いていた。
◇
BGM【攻撃態勢(ガンダムSEED)】
同じ頃箒達は苦戦する一夏に加勢しようとするが、次々とやって来る敵に足止めされていた・・・。
「一体何処からこんなに湧いてくるのよ!?キリがないわ!!」
「(早く・・早く一夏のところに行かないと・・!)リヴァイヴお願い!僕に力を・・一夏を守る力を貸して!!」
ゴーレムIVの数に鈴が毒突くなか、シャルロットは必死に愛機に叫ぶ。
するとーー
『無段階移行発動。スラスター出力強化完了。ラミネートアンチビームシールド、バッセルビームブーメラン、ルプスビームライフル、ラケルタビームサーベル、形成完了』
「これは・・」
シャルロットの想いに応え、リヴァイヴは新たな武装を作り出したのだ。
まず両肩部には新たにバッセルビームブーメランが、腰の左右には一夏と同じラケルタビームサーベルが、右手に持っていたライフルはルプスビームライフルへと変わっている。
更に左手にある盾もラミネートアンチビームシールドへと変化した。
一瞬驚いたシャルロットだが直ぐに確信した。今のリヴァイヴは第4世代に進化している。ならば無段階移行を搭載していてもおかしくないと。
『!』
「!はあああああ!!」
ゴーレムIVの接近に気付いたシャルロットは、スラスターを点火して左腰のラケルタビームサーベルを抜刀。
先程以上の速度と、高出力の刃で真っ二つに切断した。
「(速い・・さっきとはまるで違う!)」
そのままシャルロットは近くにいたゴーレムIV達も斬り倒し、ルプスビームライフルで撃ち抜く。
「シャルロットちゃん!此処は任せて一夏君のところへ行って!今彼を救えるのは貴女しかいないわ!」
「!了解!」
楯無の指示を受け、シャルロットは一夏の元へ飛んで行った。
「はぁ・・悔しいけど、此処は彼女に任せるしかないわね。良いわね皆?」
「えぇ・・」
「仕方ありませんわね」
「この怒りはこいつらにぶつけさせてもらうわ・・!!」
「鈴と同意見だ」
「私も」
皆、本当は自分が助けに行きたいという気持ちがある。
だが今はそれに耐え、やるべきことをやるだけだ。
残った6人は再びゴーレムIV達に突っ込んで行った。
◇
BGM【正義と自由(ガンダムSEED)】
「デァッ!!」
一夏はバラエーナプラズマ収束ビーム砲をフォビドゥンに放つ。
だがフォビドゥンの両肩にあるエネルギー偏向装甲、ゲシュマイディッヒ・パンツァーが展開され、当たった瞬間全く違う方向に曲がってしまった。
「ビームが曲がった!?」
「フフ・・」
驚く一夏を見て、フォビドゥンのパイロットは不敵な笑みを浮かべる。
そこへレインが両腰のビーム砲を放ってきたので直ぐさま避ける。
「ほらほらどうした!?」
「くぅ・・!」
次々とやって来る火球とビーム、更に此方のビーム攻撃を封じる装甲に、一夏は苦戦を強いられている。
白式も対抗策を必死に考えるが、そうしている間にも確実に追い詰められていく・・。
『このままじゃまずい!何とかしないと!』
「だがどうすれbうおっ!?」
その時、白式の胸部装甲にミョルニルという金属球が命中した。その衝撃で態勢を崩した瞬間をフォルテは狙い撃つ。
「終わりっス!」
「しまっ・・!?」
両肩から放たれたビームが一夏に迫る。回避しようにもこの距離では間に合わない。やられるーーそう思い咄嗟に目を瞑ったが、痛みは来ず代わりにビームがシールドにぶつかる音が聞こえた。
「大丈夫?一夏」
聴き覚えのある声が聞こえて目を開けると、そこには自身を心配そうに見つめるシャルロットの姿があった。
「シャル!悪りぃ、助かった!」
「まさか邪魔が入るなんて・・」
「気にすんなよ。寧ろ面白くなりそうだぜ!」
だが安心したのもつかの間、レイン達が火球やビームで狙ってきた。素早く避けた2人はラケルタビームサーベルを抜刀する。
「行くぜシャル!」
「うん!」
一夏がレインとフォビドゥンに挑むなか、シャルロットはフォルテに立ち向かう。
「やあああっ!」
シールドで機関砲を防ぎながら接近し、ビームサーベルを振るう。
フォルテは機関砲もある右腕の盾で防ぐ。
「貴女達の好きにはさせない!」
「望むところっス!」
距離をとったシャルロットはアサルトライフルのヴェントを展開し、発砲。
盾で防いだフォルテは両肩のツォーンを発射。シャルロットも両肩のアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲で対抗、相殺する。
「うあああああっ!!」
フォビドゥンは胸部にあるフレスブレグというプラズマビーム砲を発射。グニャリと曲がり軌道を変えて向かってくるビームを、一夏は上昇して避けた。
が、レインの両肩と腰からシュラークや火球が放たれる。
一夏はビームサーベルと雪片弐型・真打で迫る火球とビームを全て斬り裂き、瞬間加速でレインに接近、零落白夜・極を発動してすれ違い様に肩の犬頭の片方を破壊する。
「おいおいあいつ出鱈目かよ・・ん?叔母さんから?」
レインは一夏の荒技に驚くが、その表情は笑っている。すると、スコールから通信が入り、届いた映像を見て笑みを浮かべた。
シャルロットは両手にマシンガンを展開、フォビドゥンに発砲するが、ゲシュマイディッヒ・パンツァーに防がれる。
「オマケだ!」
バレルロールで接近した一夏は追い打ちにレール砲で機体ごと吹き飛ばした。
更にーー
「追加にもう一つ!」
「ウゥ・・!」
爆発を突き抜けて接近したシャルロットが飛び蹴りを放って態勢を崩させる。
「このおおお!!」
「っ!?」
フォルテはミョルニルを振ってシャルロットを狙う。
「させるかあああああっ!!」
二重瞬間加速で接近した一夏がビームサーベルを両手持ちし勢いよく振るい真っ二つに切断した。
「大丈夫か!?」
「うん、ありがとう!」
「おい一夏、仲良いとこ悪いが、妹さんが危ねぇみたいだぞ?」
「なに!?」
驚いた一夏とシャルロットは、慌ててハイパーセンサーでマドカを探す。
すると、スコールによってボロボロになった黒騎士の姿が映った。
◇
「フフフ・・ここまでよく粘ったわね。褒めてあげるわ」
「くそ・・!」
一夏達とかなり離れた場所で、マドカは黒騎士の力をフル発動させてスコールに果敢に挑んでいた。だが、スコールの実力は桁外れだった。ビットは全て撃ち落とされ、武装もフェンリルブロウNEO以外大破・・・体力もISのエネルギーもあと僅かしか残されていない。
「よく頑張ったけど、これでお別れよ。さようなら、エム」
スコールは両手を前に出し手と手の間にバスケットボールよりも更に大きな火球を発生、無慈悲に投げつけてきた。
「くうぅぅぅぅ!!」
マドカは必死に受け止めようとするが、火球の熱に耐え切れず次第に押されていく。
「無駄よ」
そんな彼女の抵抗をあざ笑うかのように、スコールは手から赤い光線を放って火球を巨大化させる。
「うぅぅ・・・皆、すまない・・・」
やがて火球が直撃してしまい、黒騎士をそのまま海岸へと吹き飛ばして行った・・・。
「マドカああああああああっ!!」
それを見ていた一夏は、レイン達に構わずマドカが落ちていった場所へ飛ぶ。
シャルロットも彼に続く。
「オレ達の役目はここまでだ。戻るぞ」
「了解ッス」
「・・・」
レイン達は妨害することなく見送り、そのまま帰艦。
「(ここまでは予定通り。後は"あの子"が動けば・・・)」
スコールもゴーレムIVに指示を出して撤退した。
「マドカ、しっかりしろ!!おい!!」
「マドカ!」
一夏とシャルロットの呼びかけにマドカはまるで反応しない。黒騎士は強制解除されており、身体中が火傷で傷付いている。
「一夏!まだ脈はある!急いでマドカを病院に!」
「わかってる!!」
怒鳴るように返事すると、2人はスラスターを点火して学園病院に運んで行った。
◇
その夜、学園病院に集まった一夏達は、痛々しい姿でベッドに眠るマドカを見つめていた。治療により幸いにも一命は取り留めたがいつ意識が戻るかはわからず、黒騎士もダメージレベルがDに達しており、修復しなければならなくなった。
束や我夢に藤宮、大地とアスナ、エックスも詳細を知り、特に束はマドカを傷付けられたことに怒りを燃やしていた。
「まさかマドっちがやられるなんて・・!!」
「あの女、只者ではないな」
「えぇ。間違いなく最強の敵ですわ」
束に箒、セシリアが呟くなか、一夏は悔しさから拳を握りしめていた。
「すまないマドカ。俺が守れなかったばかりに・・・」
「一夏・・」
シャルロットが彼を想い肩に手を置く。彼女もまた、一夏と同じ気持ちだった。自分にもっと力があれば、もっと早くレイン達を倒せていれば、マドカを助けられたかもしれないのに・・・。
「君達が言っていたレイン・ミューゼルとフォルテ・サファイア、そして謎のパイロット・・アレは僕から見ても明らかに動きが人間業じゃなかった」
『あぁ。彼女達は機体だけでなく身体にも何かしら細工したのかもしれないな』
「そんなことできる人間ってーー」
「決まってるでしょ?」
「スコール・ミューゼル、もしくはゼット・・でしょうね」
我夢、エックス、大地、アスナの順に呟き、楯無が結論づける。
「亡国企業・・俺は彼奴らを絶対に許さねぇ・・!今度会ったら必ずぶっ倒してやる!」
「あぁ。タダではすまさん」
「あたしもよ。ちゃんとお礼しないとね・・!」
鈴の言葉に簪と楯無も無言で頷く。
直後、立ち上がった束は真剣な表情で呼びかけた。
「がっくん、ひろくん。直ぐに黒騎士の修理にかかるよ・・それとアレの開発も急がないと」
「あぁ」
「わかった」
「ダイくん達も手伝ってくれる?」
「「はい」」
『任せてくれ。マドカのためにも、全力を尽くす』
我夢達が頷いたのを確認すると、束は千冬に一声かけ、マドカの頭を優しく撫でてから病室を出て行った。
「一夏」
藤宮は病室を出る前に一夏に振り返り声を掛けた。
「お前の気持ちは痛い程わかる。だが、決して憎しみに囚われるな。そうなれば、お前はもう後戻りできなくなる」
「・・・わかっています」
一夏の言葉に頷いた藤宮は、我夢達を追って去っていった。
「(もっと、強くならないと・・・)」
手のひらを見つめ硬く閉じた一夏は、今まで以上に力をつける決意を固めた。
その後、何分かこれからのことを話し合った後、一夏達は寮へと戻って行った。
『・・・フッ』
だがその様子を、1つの怪しい影が見つめているのを彼らが気付くことはなかった。
ED【BEAUTIFUL SKY(インフィニットヒロインズ)】
次回予告
マドカが重傷を負い、クラスに動揺と悲しみが広がるなか、学園に発電所での謎の電圧低下が相次いで報告される。一夏達GUTSの調査が行われるなか、地球侵略を目論む宇宙人が現れる。
次回、インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜
『現れし放電竜』
お楽しみに!