戦いに勝利した想い人(一夏)へ、セシリアはどんな料理を出すのか・・。
そして、一夏に変化が!?
ではどうぞ!
OP【True Blue Traveler(栗林みな実)】
Noside
ー第1アリーナ・ビット
「フゥ・・(言いたいことは言った。後のことはあいつ次第だな)。」
「一夏ぁぁぁぁ!!」
「おっと!?」
エレナ・ルージュとの戦いに勝利し、一夏はビットに戻って白式を解除する。
そこへシャルロットが弾丸の如く抱きついて来たため、一夏は何とか足で踏ん張る。
「しゃ、シャル!?どうしたんだよ!?」
「良かった・・無事で。」
驚く一夏をよそに涙を流しながら微笑むシャルロット。
「心配かけてごめんな?」
そんな彼女に、一夏は謝りながら頭を撫でた。
「一夏・・勝ったんだね。」
「あぁ、しっかり聞こえてたぞ。シャルの声。」
「そっかそっか〜ちゃんと聞こえてたんだ・・えへへ//」
照れながらも嬉しそうなシャルロットに、その場に来ていた箒達は嫉妬でISを展開しそうになるがギリギリ理性で抑え込む。
「一夏・・その、見事だったぞ。」
「おう、サンキュ。」
「一夏さんなら勝てると信じておりましたわ!」
「その割に取り乱していたのはどこの誰かしらね・・アタシもだけど(ボソッ)。」
「鈴さん?何かおっしゃいました?」
「ううん別に〜。ま、一夏ならできると思ってたわよ。」
賞賛するセシリアに聞こえないように小さな声で呟く鈴。セシリアの問いにも知らん顔をして誤魔化した。
「兄さん、無事で良かった・・エレナ・ルージュは?」
「心配することないぜ。ちゃんと教師部隊に取り押さえられてる。」
見ると、教師部隊に取り押さえられて連れて行かれるエレナ達の姿があった。
勿論、エレナとシュヴァルツァ・ピストーレのパイロットはISを没収されている。
「フン、いい気味だ。これでアイツも懲りただろう。」
「・・だといいがな。」
腕を組んで満足そうなマドカに対し、一夏は一瞬悲しそうな表情を浮かべた後、ビットを出てアリーナの出口に向かう。
するとーー
『織斑君!』
「うおぉぉぉぉ!?」
1組のクラスメイト達がまるで雪崩のような勢いで向かってきたので、たまらず声をあげる一夏。
「皆、来てたのか?」
「そりゃ勿論!」
「昼休みに約束したんだも〜ん!だから全員でおりむーを応援に来たんだ〜。」
「そしたら凄い戦いになったから驚いたよ。」
「そっか・・ありがとな、俺のために。」
これくらい当然!と言うクラスメイト達に苦笑いする一夏。
「そうだ!食堂でお祝いパーティーやろうよ!」
「いいわねそれ!早速食堂のおばちゃんに相談しましょう!」
「なぁ、別にそこまでしなくても・・。」
「まぁまぁ折角だしやろうよおりむー。ここは私達に任せて〜。」
急に頼んで大丈夫なのかと思っている間に、お祝いパーティー開催が決まった。
ーIS学園・食堂
「織斑君の勝利を祝って!」
『カンパーイ!!』
時刻は夜の18:30。この日は一夏の勝利を祝うべく食堂の一角を貸切にした。テーブルには、普段よりも料理に愛情を込めた食堂の料理が並んでいる。
クラスメイト達も、お菓子や飲み物を持ち込んでいる。因みに楯無も参加しようとしたが、仕事が溜まっているために遅れるらしい。
「おめでとう一夏君。」
「かっこよかったよー!」
「流石クラス代表!」
「凄かった!」
「あんな操縦どうやってできるの!?」
などなど、大地の賞賛や新聞部の質問攻めになり一夏はあたふたしながらも順番に答えていく。
シャルロットside
「(まったく一夏ったら。女の子に囲まれてそんなに嬉しいのかな?)」
一夏の左隣に座っている僕は、彼が夢中で話しているのが面白くなかった。
そりゃ、あれだけの戦いをすれば話題にもなるだろうけど、あんまり夢中になられていると不安になっちゃうよ・・。
「一夏、随分嬉しそうだね。」
「そりゃ俺のためにここまでやってくれたんだからな(め、目に光がない・・怒ってるのか?)。シャルだって同じ立場だったら嬉しいだろ?」
「ま、まぁね・・ところで、僕がエレナ・ルージュに弄られた時・・どうしてあそこまで怒ってくれたの?」
「シャルーー」
何を言ってるんだという顔をして僕を見る一夏。ちょっと恥ずかしい//。
「お前は俺にとって大事な仲間で、友達だぜ?それが傷付けられそうになってて黙ってられるか。」
「一夏・・。」
なんだろう・・嬉しいんだけど悲しい。
「どうした?なんか元気ないぞ?」
「一夏のせいだよ・・。」
「なんでだよ!?」
分かってはいたけどやっぱり気付かないんだよね・・ハァ、あの時優しく抱きしめてくれたから、ひょっとしてと思ったけど、結局こうなるんだね。
Side End
Noside
ー生徒会室
「なんで私は行っちゃダメなのよー!?」
「これだけ書類を溜めてたんですからダメに決まっているでしょ!行きたいのであれば早急に片付けて下さい!」
「そんなー虚ちゃんのケチー!T^T」
「ケチじゃありません!」
楯無に虚ちゃんと呼ばれている眼鏡にヘアバンドと三つ編みの女性は、布仏虚。
本音の姉で生徒会の会計を担当している。
一夏や妹の本音も生徒会に所属し、それぞれ副生徒会長と書記が担当だが、本音は「いると仕事が増える」としてサボっている。
彼女達の実家である布仏家は、代々更織家に仕える身であるため、楯無達とは幼馴染の仲なのだ。
「私も早く弾君に電話したいので急いでやりますよ!」
「そっちが本音でしょ!?」
因みに虚は現在、文化祭の時に出会った一夏の親友である五反田弾と交際しており、早く彼の声が聞きたい彼女は、楯無も驚く速度で作業を始めた。
「愛ね〜。」
「お嬢様、からかう暇があるなら早くして下さい・・!」
「はいはい(⌒▽⌒)」
Side END
ー食堂
一夏side
シャルは一体どうしたんだ?何か怒ってるように見えたが。
そしてクラスの皆、なんでそんなに残念そうな顔をしているんだ?俺なにか変なこと言ったか?
「ねぇ、セシリアはどうしたのよ?」
「え?」
「言われてみれば・・いないな。」
鈴に言われて俺と箒はその辺を見渡すが、彼女の姿はない。
そういえば寮で別れてから見てないけど、どこ行ったんだ?
いや待てよ、こんな時あいつが行きそうな所と言えばーー
「一夏さーん!!」
『!』
見ると、厨房にエプロンを付けて真剣に料理をしているセシリアとアスナさんの姿があった。
おいおいまさか!?
「折角のお祝いなんですもの、私も料理致します!待っていてくださいな!私の特製料理をお届けしますわ!!」
「楽しみにしてて!」
そう言って、セシリアとアスナさんは再び料理に集中し始めた。
やっぱりそうだったか・・俺達は大地さんとセシリアやクラスメイト達に聞こえないようにISのプライベートチャンネルという通信機能を使って話す。
「ま、まずいぞ・・!」
「早く止めないとアスナさんが!」
「だがどうする!?あの様子だと既に料理を始めてからかなり時間が経っているようではないか!?」
「それでも止めなきゃ!」
「簪の言う通りだ。前に私も食べたことがあったが、彼女の料理は敵兵を騙し討ちするのに充分使えるレベルだ。」
「あぁ、私ですら騙されたからな・・」
「あいつの為にもいっそ本当のことを話すべきよ!」
上から俺、シャルロット、箒、簪、ラウラ、マドカ、鈴である。
全員何とかセシリアを止められないかと考えるがーー
「弱ったな、あれだけ真剣にやってる姿を見ると止めるのも悪い気がしてきたぞ。」
「アンタねぇ・・。」
そうこうしている間に料理が完成したらしく、ワゴンで運ばれて来たのでチャンネルを閉じる。
「お待たせしました一夏さん!さぁ、どうぞ!」
テーブルに置かれた料理は、とてもキラキラと輝いており、"見た目"は美味しそうであった。
だが俺達は知っている。この料理を食べると忽ち身体に悪影響を齎すことを。
「一夏、どうするの?(ボソッ)」
「折角作ってくれたんだ、ちゃんと食べないと悪いだろ(ボソッ)。じゃあセシリア、頂きます。」
「召し上がれ♫」
まず目の前にあるサンドイッチを掴み、俺はそれを口に含んだ・・。
Side END
Noside
「どうでしょうか?。」
「・・うん、いいんじゃないか?」
『え!?』
「結構美味いぞこれ。」
そう言って2つ目と3つ目を食べる一夏。
不思議に思いながら、シャルロット達もそれを食べる。
「あっ本当だ!美味しい!」
「セシリアにしてはやるわね。」
「鈴さんそれはどういう意味ですの!?まぁいいですわ、今回は一夏さんのために気合いを入れましたもの!」
珍しく美味なセシリアの料理に驚く一同。
次に一夏はミートパイを食べ始める。
「おっ!このパイ美味いな。」
「私とアスナさんの自信作ですわ!」
「へぇ〜・・。」
「アスナって料理できたんだね?」
「失礼ね、ちゃんとできるわよ!」
夢中で食べる一夏に、アスナと共に微笑むセシリア。
「よかったね、セシリアちゃん。(ボソッ)」
「はい!アスナさんのお陰ですわ!(ボソッ)」
「美味しいね〜」
「そうねぇ。」
「ほう、なかなかやるなオルコット。」
「私、この味気に入りました〜(今度教わりに行きましょうかね)」
クラスメイトや千冬達にも好評のようだ。
「やっ、やっと着いた〜(−_−;)」
「間に合いましたかね?」
そこへ漸く、仕事を終えた楯無と虚がやってきた。
それに気づいた一夏は、2人の元へ向かう。
「あ、楯無さんに虚さん、仕事任せちゃってすみません。」
「いいのいいの、今日君は主役なんだから。」
「お気になさらず。」
2人の言葉に安堵する一夏は、虚に親友のことを尋ねる。
「そうだ、弾と連絡取れました?」
「えぇ、相変わらず元気そうだったから安心したわ。あとこの前会いに行った時に、ゲームセンターの射撃ゲームで勝負したみたいじゃない。」
「ハハハ、そういえばあいつかなり悔しがってましたからねぇ。」
「また今度勝負したいって言ってたわよ?」
「望むところだって伝えてください(⌒▽⌒)」
一夏は虚にサムズアップしながら答え、いつでも挑戦を受けることを伝えた。
「一夏!」
「早く来なさいよー!」
シャルロットと鈴が呼んでいる。
「あぁ、今行く!じゃ、行きましょうか。」
「そうね〜なんだかお腹空いたわ。」
「お嬢様。パイもあるようですし、それを頂きましょう。」
楯無と虚が加わり、パーティーは更に賑やかになっていった。
「あ、本音?今日これだけ食べるんだから寝る前におやつを食べるのは無しよ!因みにもう没収済み!」
「えぇぇぇぇーー!!?」
本音のおやつは朝までお預けとなるのであった・・・。
ED【BEAUTIFUL SKY(インフィニットヒロインズ)】
「(『お前は俺の大事な仲間で友達だ!』・・・とは言ったものの、何なんだろうな、この感じは・・ダメだ、わからない・・。)」
戦いを終えてシャルロットに抱き着かれた際に見た彼女の笑顔が、今も一夏の脳裏に焼きついている。同時にそれを思い出す度に妙に胸が苦しくなるのだ。
それが何を意味するのか、彼が気付く時はいつになるのだろうかーー。
次回予告
世間で一夏やティガに対する見解が分かれるなか、中米にある古代遺跡から、怪鳥レギーラが出現。
しかし、怪獣に対して迷いを抱く一夏は、倒すべきか否かの決断が出来なくなってしまう・・。
果たして、彼は再び立ち上がることができるのか?
次回、ウルトラマンティガ〜The Beginning of Legend〜
【揺らぐ決意】
お楽しみに!
※何度も変更して申し訳ありません。