インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

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本日も投稿です。

一夏の周りで変化が起こります。
それは何なのか・・。

では、どうぞ



第40話 SEEDを持つ者

 

Noside

 

 

ー1年1組・AM8:10

 

 

亡国企業との戦いから翌日、IS学園では、ある変化が起きていた。

教室に着いた一夏は、クラスメイトに挨拶する。

するとーー

 

「オッスー。」

 

『!』

 

「お、おはよう織斑君(ビクビクッ)」

 

「おはよう・・。」

 

女子達は震えを隠しながら、返事した。

 

「・・・」

 

学園の変化、それは、極一部ではあるが一夏に畏怖の感情を向ける者が現れたことだ。クラスでも、今の女子達のように何人かが同じ感情を持っている。

 

原因は間違いなく昨日の戦闘である。

あの戦闘はニュースで報道され、世間で話題になると同時に彼に恐怖する者、純粋に賞賛する者に分かれた。

一般生徒が知っているのはそのためである。

 

因みに中には彼の力を批判する記事もあったが、それらは記者共々全て束によって消されている。

 

 

「はぁ・・。」

 

席に着いた一夏は、つい先程の出来事を思い出していた。

 

 

ー会議室・AM7:50

 

 

一夏は千冬に呼び出され、会議室に来ていた。

 

「一夏、コレは一体何なのだ?何故仲間の支援を拒否してこんな戦い方をした?」

 

千冬は、戦闘の映像を流しながら問い詰める。画面には、一夏がハイマット・フルバーストで撃ち落とす映像や、ビームサーベルで撃墜する映像が流れた。

 

「通信で皆にも話したけど、あいつらは俺を狙っていた。このままじゃ俺を誘い出すために他の人達を襲うと思ってーー」

 

「自分から向かって行ったというのか?」

 

「あぁ。あいつらは俺自身の手で倒したかった。それにーー」

 

そう言って苦い表情で叫んだ。

 

「俺を気遣ってくれたシャルの努力が無駄になったような気がして・・どうしても許せなかった!!」

 

「そうか・・。」

 

その瞬間、一夏の左頬に鋭い痛みが走った。

千冬が一夏を殴り飛ばしたのだ。

 

「つっ・・!」

 

「フゥ・・。お前の気持ちは分かった・・だが、やり過ぎだバカ者!あの戦いで、向こうを意識不明の重体にまでしているんだぞ!?・・下手すれば殺していたぞ。」

 

「ごめん・・。」

 

千冬は一夏の気持ちを分からなくはなかったが、それでも彼に対する不満は消えなかったのだろう。

 

一夏は沈んだ表情で、会議室を出ていった。

 

 

ー1年1組

 

「つっ・・。」

 

一夏は左頬に感じる痛みに耐え、授業の用意をした。

 

「一夏、ちょっといい?」

 

「簪?」

 

「皆も集まって。」

 

そう言われ、1組に専用機持ち(楯無のごく)が集まり、簪は自身の考えを主張する。

 

「一夏が使ったのは、SEEDだと思う。」

 

「SEED・・?」

 

「種・・だよね?」

 

簪はパソコンを見せながら、一夏達に説明する。

 

「ガンダムSEEDとその続編のDESTINYに登場する物で、正式名称は“Superior Evolutionary Element Destined factor ”・・・優れた種への進化の要素である事を運命付けられた因子。アニメではキラ・ヤマト、アスラン・ザラ、シン・アスカ、カガリ・ユラ・アスハ、ラクス・クラインっていうキャラが覚醒してる。」

 

「でも、それTVの中の存在なのよね?」

 

「何でそれが一夏の中に・・?」

 

何故アニメの物が一夏の中にあるのかは不明だが、SEEDが覚醒すると瞳のハイライトが消え、表情も怒の感情を残して消失、更に戦闘能力や指揮能力、脳内演算能力と言った凡そ戦いに必要な能力が爆発的に上昇するという。

 

「確かにあの時の一夏、凄い目つきだったもんね。」

 

「うっ、すまん。」

 

 

ー会議室

 

「キラ・ヤマトが劇中初めてSEEDを覚醒させたキャラなんだけど、その強さは凄まじかったんだ。例えば最初に乗ったストライクという機体で、戦況を一気に逆転して優位になるぐらいだもん。」

 

「そんな物が一夏の中に・・。」

 

会議室でも、束から衝撃の事実を告げられ、千冬は複雑な表情を浮かべていた。

 

「取り除くことはできないのか?」

 

「無理。SEEDっていうのは、身体の奥深くにある潜在能力みたいな物だから不可能だよ。」

 

「そんな・・一夏はずっとこんな危険な力を抱えなくてはならないのか?」

 

「でも、いっくんならこう言うんじゃないかなーー」

 

 

ー1年1組

 

「そんな・・そんなの辛すぎるよ・・。」

 

シャルロットは深い悲しみから、涙を流す。彼女の背中を優しくさする静寐も、表情は辛そうだ。

 

「シャル、泣くなよ。俺は大丈夫だからさ。」

 

「どうして!?なんで大丈夫なんて言えるの!?自分の中にあんな強すぎる力が眠ってたって知って、一夏は怖くないの!?」

 

「そうよ!正直に言うけど、アンタの力はあまりにも強大なのよ!?前に私達全員がアンタと戦った時もそうだったじゃない!」

 

シャルロットに続き鈴も一夏に怒鳴る。

更にシャルロットは泣きじゃくりながら一夏の胸を叩く。

軽い痛みを感じながら、そんな彼女の頭を彼は優しく撫でる。

 

「怖くない。寧ろ、嬉しいんだ。」

 

「え・・?」

 

「だって俺の中にこんな力がずっと眠ってたんだぜ?この力があれば、お前や、お前だけじゃない。この学園の皆を守れるんだって、そう思うと嬉しいんだ。」

 

「一夏・・でもっ「諦めろシャルロット。ここまで言ったら嫁はもう聞かん。」ラウラ・・。」

 

「そうだな、こういう所がこのバカ者の良いところだろう。」

 

「そうですわね。」

 

「バカってなんだよ・・。」

 

「はぁ・・しょうがないか〜アンタがそう言うんだし。」

 

「うんうん。」

 

「・・ありがとう。」

 

一夏の自分の力を受け入れるという姿勢に、一同は呆れながらも納得してくれた。

 

 

ー廊下にて

 

 

「ね?言った通りでしょ?」

 

「本当に同じことを言うとはな。」

 

千冬はため息をつきながらも、今は弟を信じるか・・と考えるのだった。

実際、彼が束が言ったのと同じことを言うとは思っていなかったのだ。

 

・・一方、一夏達が話し合いを行っている間、同じように屋上に集まる者達がいた。

 

 

 

ーIS学園、屋上

 

 

「例の戦闘の映像は?」

 

「フフッこの通り、ちゃんとあるわよ。」

 

笑いながら、教師はディスクを取り出して見せる。

それを見て、女子生徒達は不敵な笑みを浮かべる。

 

「これで、後は奴に勝負を仕掛けるだけね。」

 

「えぇ。」

 

「これで私達が勝ったら、この映像が世界中にばら撒かれ、奴の危険性を思い知ると同時にここから消えることになるわね。」

 

「ま、例え向こうが勝っても同じことだけど。」

 

生徒の1人が、空中ディスプレイに戦闘映像を映し出す。

そこには、ある恐るべき物が映されており、生徒は歪んだ笑みを浮かべる。

 

「くっくっくっ!イタリアのテンペスタの力を見せるのにも丁度いいわね!」

 

「ちょっと!そこは私の機体でしょ!」

 

「まぁまぁ、とにかく決行は今日の放課後。それまでに準備しときなさい!」

 

『はい!』

 

生徒達は、各自自分のクラスに戻って行く。

それを見送りながら、教師は改めて映像を映し出す。

 

「楽しみね・・奴の絶望した顔を見るのが。」

 

教師が見ている映像・・そこには、ある恐るべきものが映されていた・・。

 

 

「これは急がなければなりませんね。」

 

だが映像に気を取られるばかり、影からその様子をクロエに見られていることに気づかなかった。

 

クロエは大急ぎで束に知らせるべく彼女のもとに向かった。

 




今回は短めになりました。

敵側があまり描けなかったなぁ(−_−;)
次回は女尊男卑主義者との対決です。

次回予告

昼休みに女子生徒達と教師が突如一夏に挑戦を申し込んで来た。しかも、負けたら学園を去るという条件と、ある映像をばら撒くという脅し付きで・・。
果たして、一夏は勝てるのか!?

次回、ウルトラマンティガ〜The Beginning of Legend〜
【女尊男卑の闇】

悪の野望、撃ち砕け!白式!!

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