不定期投稿なのでご了承ください。
※11月29日、再修正
Noside
今から数万年前・・・宇宙空間で、2人の巨人が死闘を繰り広げていた。当初地球で始まったそれはやがて激しさを増し、ついには宇宙空間へと舞台を移したのだ。
「シェアッ!!」
『ハァッ!!』
黄金の光を纏った『光の巨人』は、自身と対を成す真っ黒い闇を纏った『闇の巨人』に跳び蹴りを放つ。
闇の巨人は彼の足を掴んで月に投げ飛ばすが、光の巨人は怯まず超高速移動でストレートパンチを放つ。
「『ハアアアアアアッ!!!』」
2人は超高速移動を行いながら、互いにキックやパンチを打ち込む。
それによって時より激しいスパークが発生した。
『ガアアアッ!!」
「ジュアッ!!」
勝負をつけるべく、闇の巨人は腕に力を溜めて、紫の稲妻を纏った赤黒い光線を放つ。
光の巨人も打ち破るべく腕をL字に組んで
必殺光線を放った。
「デェアッ!!」
やがて光の巨人の光線が勢いを増して闇のそれを押し返し、遂に闇の巨人に命中させた。
『ガアアアアアアッ・・・』
断末魔を響かせながら、闇の巨人は地球の大気圏で炎に包まれ、爆散した。
「ハァ・・ハァ・・(終わった・・やっと・・・)」
息切れを起こしながらも、闇の巨人の消滅を確認し、光の巨人は黄金の姿を解除する。
胸に輝く光が赤く点滅するなか、光の巨人は地球へと戻って行った・・・。
ー現代
『IS学園』・・・IS操縦者の育成を行う特殊国立高等学校。その寮の一室で一人の少年が、ある夢を見ていた・・・。
「ここは・・いったい何処だ?」
確か夕食を終えて寝床に入っていた筈なのに、少年はいつの間にか薄暗い洞窟の中に立っていた・・・。
(あれ・・白式がない!?)
ふと右腕を見てみると、普段はそこにある筈の白式ー少年の専用機ーの待機形態で白いガントレットが無くなっていた。自身の相棒がいないために不安を感じるが、とりあえず、出口を探そうと歩きだす。
しばらくすると僅かに明かりが見えた。
そこを抜けると、目の前にはなんとも幻想的な街並みが広がっていた・・・。
「これは・・・」
街を歩いて見ると、そこにはかなり古そうな家々が立ち並び、住人の服装もまるで民族衣装の様な物を着ている。
なかには農家らしき姿や、そこへ笑顔で駆け寄る子供達の姿も見える。
まるで大昔にやってきたような感じだ。
(夢・・なんだろうけど、それでもいいところだな)
のどかで平和な光景に少年は思わず笑みを浮かべる。だが、空が突如真っ黒い"闇"に覆われ、地上に2つの渦が放たれる。その闇の中から2体の巨大な怪物が現れた。
「グルルル・・・!!」
「ピャアーー!!」
「な、なんだよあれ!?」
突然の怪獣出現に戸惑いを隠せない少年と街の住人達。
その怪獣、頭部や顔の外側、喉元を鎧のような皮膚を持つ怪獣ゴルザ、ドラゴンのような翼と鋭い嘴を持つ怪獣、メルバはそれぞれ額や目から光線を放って次々と街を破壊していく。
中には槍や弓矢で立ち向かう者もいたが、ゴルザとメルバの頑強な身体にはまるで通じない。
「くそっ・・!」
たとえこれが夢であっても、少年には悔しくて仕方なかった。せめてISがあれば人々が逃げるまでの時間稼ぎくらいはできるかもしれないからだ。
彼が悔しがっている間にも、2体の怪獣は街を破壊していく。だが、そこへ突如現れた"光"が怪獣達を吹き飛ばす。
「「!!」」
光の正体に気づいた2体の怪獣は先程よりも力強く鳴く。
その光はやがて人型となり、やがて赤と紫の巨人となった。
「巨人・・・?」
その巨人の名はーー
ウルトラマンティガ《マルチタイプ》
「ハッ!フッ!」
ティガはゴルザの頭部にパンチを叩き込み、さらに連続チョップで後退させる。
メルバもティガを攻撃せんと突撃するが、逆に片手で止められ、キックを腹部に受けてバランスを崩し倒れ込む。
「すげぇ・・・」
目の前で繰り広げられる戦いに少年はすっかり見とれていた。
ゴルザは額から超音波光線を放とうとするが、ティガに抑え込まれて不発となる。
ゴルザは怪力でティガの手を掴んで動きを封じる。
「ピャアー!」
その隙をメルバは見逃さない。
上空に飛び立ったメルバはそのままティガの後ろから体当たりをくらわした。
「グワッ!」
突き飛ばされながらもすぐに態勢を立て直すティガ。
ゴルザが光線を連射するがティガは側転とジャンプで全てかわす。
ティガはゴルザ達と一度距離を取り、様子を伺う。
そして、額のクリスタルが一瞬赤く輝き、
両腕を交差させて組んだ後、左右に振り下ろす。
ティガは怪力が自慢の赤き姿、パワータイプにチェンジした。
パワータイプにチェンジしたティガは先程とは桁違いに上昇した怪力でゴルザにキックやパンチを連発し、背負い投げをくらわした。
「フッ!ハァァァ・・・!デェアッ!」
フラつくゴルザに、ティガは両腕を左右から上にあげ、胸の前で超高熱の赤い光エネルギー粒子を光球に変換、必殺のデラシウム光流をゴルザに投げつけた。
デラシウム光流を受けたゴルザは爆発四散した。
さらにメルバにも跳び蹴りを仕掛けるが直後に飛行してかわされた。
ティガのクリスタルが今度は紫に輝き、両腕を左右に振り下ろす。
体の色が赤から紫に変わり、空中戦が得意なスカイタイプにチェンジして、メルバをかかと落としで地上に叩きつけた。
ティガは両腕を左右に広げて頭上にエネルギーを集約、両手を左腰に置いて、必殺のランバルト光弾を放った。
「ピエェェェ!!」
メルバは断末魔をあげて木っ端微塵に吹き飛んだ。
「やった!!」
ティガはマルチタイプに戻りながら少年に振り返る。
そんなティガに彼は不思議な気配を感じた。
『光を受け継げ・・・一夏』
「え・・?」
直後、彼の周りが白い光に包まれ、少年の意識は途絶えた・・・。
「夢・・?」
目を覚ますとそこは自室だった。
「光を受け継げ・・か」
夢にしてはリアルだと思いながら、少年は顔を洗い制服に着替えていると・・・
コンコン!
「ん?はーい」
「私だ一夏。入っていいか?」
「どうぞー」
ギィ・・と音をたてながらポニーテールの女子が入ってきた。
彼女は少年の幼馴染の一人でクラスメイトの篠ノ之箒。ISを発明した天才科学者、篠ノ之束の妹である。
「よぉ、おはよう箒」
「おはよう。もう着替えてたのか?」
「珍しく早く起きたからな」
「一夏さん、入りますわよ・・あら箒さんも。おはようございます。」
「「おはよう」」
「いーちかー」
「おはよう、一夏、箒。」
「お、おはよう」
次に入ってきた縦ロールの長い金髪に透き通った碧眼の女子はイギリスの代表候補生、セシリア・オルコット。
2人目は、ツインテールの髪に小柄な身体や八重歯が特徴の、中国の代表候補生で少年の2人目の幼馴染でもある凰鈴音。
3人目の少女は金髪に紫の瞳を持ち、髪を首の後ろで束ねているフランスの代表候補生、シャルロット・デュノア。
最後に、長い銀髪に右目は赤色、左目は眼帯を付けているドイツの代表候補生にして現役軍人のラウラ・ボーデヴィッヒだ。
6人は一緒に食事を取ることになり、食堂に向かって行った。
少年の名は、織斑一夏。
『世界で唯一ISを動かせる男』にして、
"光を継ぐもの"である。
ー何処かの山奥
ドクン・・・ドクン・・・
光のピラミッドが現れ、その内一体の石像が脈打ち始めた。
「目覚めの時は・・近い・・・」
石像がそう呟いてすぐ、ピラミッドは消えた。
ED【TAKE ME HIGHER(V6)】
OP「Take me higher」
ED「Brave_Love,TIGA」
挿入歌 「STRAIGHT JET」
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