しかし、何故デートをすることになったのか・・それは途中で明かされます!
ではどうぞ!
OP【STRAIGHT JET(栗林みな実)】
一夏side
「うーん・・・時間まであと少しか。」
俺は時計を確認しながら呟く。今の時間は7:30。あと少ししたら、ここに彼女が来る頃なのだ。
だがそれにしてもーー
「なんでこうなるんだろ?・・わからないな。」
それは、昨日まで遡る。
ー前日
久良々島での戦いから数日後、俺達は改修された機体の詳しい説明を受けるため、会議室に集められた。
箒、セシリアの順で説明され、最後に俺となったとき、俺はどうしても聞きたかったことを束さんに言った。
「・・束さん、ちょっといいですか!?」
皆から見れば俺は多分冷や汗流しながら聞いてるのだろう。
だってやけに驚いてるしな。
「ん?何かないっくん。」
肝心の束さんは呑気に笑顔で首をかしげてるし・・。
「どうしても聞きたかったんですが・・全員の装備の中にガンダムの武器が入っているのは何故ですか!?しかも俺のは某自由の物ですし!」
俺の言葉に簪以外の皆がえっ!?という表情をする。
そう、皆のISがパワーアップしたのはいい!だが何故ガンダム・・それも「ガンダムSEED」関連の武器が入っているのか気になってしょうがなかった。
しかも俺のは主人公のキラ・ヤマトが後半から乗った"フリーダムガンダム"の武装だから尚更。
「俺が見せたノートにはそこまでは書いてませんよ!?大丈夫なんですか!?」
「あー心配しなくていいよー。国の許可取る時に制作会社の方も一緒にやったから。」
「ウソーン・・。」
マジかよ・・。いやさ?確かにかっこいいけど・・本当に大丈夫なのか?
「一夏、こうなったら仕方ない。諦めろ。」
「orz」
箒とこんなやりとりをしてる間に千冬姉はいくらなんでもやり過ぎだと抗議するが、束さんは確かにやり過ぎたかもしれないがこれからのためにも必要と反論。
俺はもう脱力して頭を抱えるしかなかった・・・。
「はぁ、面倒なことにならなきゃいいけど・・・。」
その後解散となり、俺は一人外の空気を吸いに行こうとしていたがーー
「ねぇ一夏、ちょっといい?」
「ん?どうしたシャル?」
そこへ、シャルが声をかけてきた。しかも何故か顔が赤い・・風邪か?ちゃんと直せよ。
「え、えーとね・・。」
「?」
「急で悪いんだけど、明日、休みだから一緒に出かけない?」
『!?』
シャルの言葉に反応したのか他の皆は殺気を放ってる・・なんで!?しかも顔を真っ赤にしながらISを展開しようとしてるし!
おいおい皆も風邪なのかよ!?
あ、楯無さんに大地さんとアスナさんが宥めてる。今回くらいは許してやれって何を?
「出かけるなら箒達と行けばいいと思うが・・。」
「僕は一夏と行きたいの・・ダメかな?」
ヴッ・・そんな子犬のような目で見つめられるととてもダメとは言えない・・。
「い、いいぜ。」
「本当!?」
うぉっ!?滅茶目を輝かせてる・・そんなに嬉しいのか?
「じゃあ、明日の8時に学園の門で待ち合わせしよ!」
「お、おう。」
「〜♫」
シャルはご機嫌な様子で寮に帰って行った。よくわからないが、嬉しいならいいか。で、マドカと千冬姉に束さん。なんで俺にサムズアップしてるんです?
・・って大地さんやアスナさんまで!?
寮に帰る際も、箒達は何故か顔をムスッとしてこっちを睨んでいた。なんか悪いことしたっけ?一体何を怒ってるんだ?
「頑張りなさいよ一夏君♫」
アスナさんはそう言って肘を突いてくるけど、俺には結局意味がわからなかった。
SideEnd
ー翌日・午前7:00
シャルロットside
「よし、忘れ物無し!」
待ち合わせの1時間前、僕は部屋で忘れ物がないかチェックしていた。
財布に一応この学園の学生証、カバン、携帯電話、ハンカチ、ティッシュにリヴァイヴ。全て確認した。
あとはーー
「これで、大丈夫だよね・・?」
今の僕の服装は白いシャツの上にオレンジのジャンパー、青いスカートを履いている。
「心配しなくても問題ないぞシャルロット。」
「そう?」
横で見ていたラウラは、自信たっぷりに言ってくれた。
「しかし、何故突然一夏と出かけようと思ったんだ?」
「この前、助けてくれたからお礼がしたかったのと、あれから何だか元気がなかったから、少しでも気分転換になればって思ったの。」
「ガクマとの戦いか。」
「うん。あの時の一夏、本当にかっこよかったなぁ・・。」
多分僕は今顔を真っ赤にしながら話してるんだろうな。だってラウラがため息をつきながら確かにって言ってるんだもん。
「では、気をつけてな。ただし抜け駆けはするなよ?」
「う〜んそこは保証できない・・。」
時間は既に30分前になってる。そろそろ行かないと。
ラウラと別れた僕は、早歩きで門に向かった。
ーIS学園・入り口
AM7:40
「あれ?一夏?」
門を見てみると、そこには既に一夏が門に寄りかかって待っていた。
「一夏!もう来てたの?」
「おぉ、シャル。今日は早めに起きたからな。」
「ひょっとして待たせちゃった?」
「いや、俺もさっき来たとこだから大丈夫だぜ。」
ふふ、なんだかこのやり取りしていると恋人同士みたいだなぁ・・"恋人"かぁ・・えへへ♫
一夏は今赤いジャケットに青いシャツ、白っぽいズボンという服装。
うん、かっこいい・・。
SideEnd
一夏side
思ったよりも早く起きたから、早々に支度を済ませて待っていたが、暫くしない内にシャルも来た。
オレンジのジャンパーに白いシャツ、青いスカート・・。
なんというか・・可愛い。
「じゃあ、行こ!」
そう言いながら手を出してくるシャル。
迷子にならないようにってことか?
「あ、あぁ。」
俺がその手を繋ぐのを確認した後、シャルは笑顔で俺をモノレールの駅へ引っ張って行く。
あ、そう言いえば何処に行くのか聞いてなかったな・・。
「なぁシャル。今日は何処に行くんだ?」
ひょっとして買い物か?いや、その割には時間が早すぎるな。
「ん?それは・・秘密♫」
「えー・・。」
着くまで内緒って・・。待てよ?内緒にする分楽しい所なのか?
それにしても、"俺と行きたい"とは言ってたけど、どうしてそこまで俺と一緒がいいんだろ?
・・・駄目だ、全然わからない。
そう考えている間に俺達は駅に着き、モノレールに乗って街へ向かった。
SideEnd
Noside
「ねぇ・・。」
「何ですの・・?」
そんな二人をこっそりと箒達(マドカ、楯無、簪、大地、アスナ含め)が追跡し、隣の車両からこっそり見ながら、鈴が全員に尋ねた。
「あの二人、また手握ってない・・?」
「握ってますわね・・また。」
「あぁ・・。」
「シャルロット、嬉しそうだな・・。」
「私だって手を繋ぎたいよ・・。」
「えーと、皆大丈夫?」
『どうしたんだ?顔色が悪いぞ?』
大地やエックスがそう尋ねるのも無理はない。なんせ彼女達は今目に光がなくなっているのだから・・。大地達がいなければ確実にISを展開していただろう。
「皆の為っていうのもあるけど、何より自分の為にも、一夏君が少しは気付いてくれるといいんだけど・・。彼思いっきり青春を損してるし。」
「そうですね、これで気付かなかったらもう天然の域を超えてますよ・・。」
「本当なんで分からないのか不思議でしょうがないわ。」
「(兄さん、頼むから気付いてあげてくれ。流石に皆がかわいそうだ。)」
上からアスナ、楯無、鈴、マドカである。マドカや大地とアスナは、箒達から一夏の余りの唐変木さを聞いた当初は呆れる他なかった。更にアスナは鈴の酢豚の件で彼に多少殺意を抱いたそうな。
「大地、シャルロットちゃんにはちゃんとあのチケット渡したわよね?」
「勿論。昨日の会議の前にしっかりね。」
「OK」
「あ、そろそろ到着ね。」
そうこうしている間にモノレールはレゾナンス前駅に到着した。
一夏とシャルロットは、そこから更にバスに乗り換えて目的地に向かっていく。
一方箒達は、あらかじめ楯無が用意していた更識家の車に乗って後を追う。
ー数十分後
「うわぁぁ・・!」
「すげぇ・・。」
一夏とシャルロットの目的地、それは最近新しくオープンした遊園地だった。
シャルロットは、あらかじめ大地から受け取ったチケットを持って入り口に向かう。
「2人分です。」
「はい、確認しました。どうぞお楽しみください!」
「ありがとうございます!一夏、行こう!」
「あぁ。」
受付を済ませた2人は遊園地の中に入っていく。それを、箒達は確認した。
「2人共中に入ったみたいね。」
「ここから先どうやって追うんですの?チケットを買うにも、かなり並んでますし・・。」
見ると、そこには遊園地のチケットを買うべく多くの人々が長蛇の列を作っている。
これでは2人の追跡は難しい。
だがーー
「フフフ、心配無用よ。これを見て。」
「・・ってそれは!?」
楯無が取り出した物、それはこの遊園地の入場チケット・・しかも人数分揃っている。
「それどうやって手に入れたのよ!?あたしネットで予約しようとした時は売り切れって出てたのに・・あ。」
「おいちょっと待て鈴。」
「今のは聞き捨てなりませんわね。」
「詳しく聞かせてもらおうか?」
それに反応した箒、セシリア、ラウラは鈴に詰め寄っている間、簪は楯無に尋ねる。
「ところでお姉ちゃん、それどうやって手に入れたの?」
「フフフフ・・更識家当主の力を有効活用すればこんなもんよ♫」
「それ職権乱用だよ・・。」
『・・大地、彼女は普通の高校生で言えばまだ2年生だったな?」
「うん、あの歳で家の当主って凄いよね・・。」
呆れる簪を尻目に、楯無からチケットを受け取った一行は、一夏とシャルロットの後を追う。
ちなみにシャルロットが持っているのは、遊園地がオープンを記念して用意した期間限定のレストランのディナー付きのチケット。
値段は入場代と食事代を含めているため中々の物だが、手に入れるにはあらかじめ予約しなければならず、しかも1日に販売する枚数が限られているために簡単には手に入らない。
「シャルロットちゃんが持ってるのは私があらかじめ予約して入手した2枚を、大地さん経由で渡してもらったのよ。」
「なるほどね・・というか大地さんをパシリにしたんだね。」
「まぁまぁ。俺は気にしてないから大丈夫だよ。」
SideEnd
一夏side
バスに乗ってやって来た遊園地は、一言で言えばかなり大きい場所だ。
しかもチケットを買うために、人が大勢並んでいる。
「こりゃすげぇな・・。」
「本当だねぇ・・。」
中に入った俺達は、その広さに驚くしかなかった。
「ところで、どれから行こうか?」
シャルがマップを見せながら尋ねてくる。
「ん?そこはシャルに任せるぞ?」
「ダメだよ!それだと折角一緒に来てるのに僕1人で楽しむような物だよ?だから一夏の意見も聞きたいな。」
「うーん・・じゃあ、こことかどうだ?」
「あ、いいね!行こう行こう!」
「よし、じゃあほれ。」
俺はシャルに手を差し出す。するとシャルは少々照れながらも繋いでくれた。
「一夏・・これって?」
「ん?こんな大勢の人がいるからな。こういう所だと手を繋ぐのが普通だろ?」
それと、ここにシャルを1人にしてはいけないと何故かそんな気がしたからだが。
「そ、そうだね。・・・結局こうなっちゃうんだね(T ^ T)(ボソッ)」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもない!」
なんか少し機嫌悪そうに見えたな・・どうしたんだろ?
「行くよ!」
シャルに引っ張られて、まず俺達はジェットコースターに向かった。
SideEnd
Noside
「あんのバカッ!」
「兄さん、手を繋ぐってそういう意味じゃないぞ・・・。」
「ねぇ箒ちゃん、ちょっと聞くけど・・。」
「彼、いつもあんな感じなの!?」
「はい(−_−;)」
少し離れた所にいる楯無達は、相変わらずの唐変木さに呆れていた。
鈴とマドカが不満を呟いている間、大地とアスナは箒に確認したのち何やら真剣な表情になった。
「アスナ、どう思う?(ボソッ)」
「箒ちゃん達から聞いた話と、今の一夏君の様子を合わせて考えると、いくら何でも彼は異常よ。これは早めに何とかした方がいいわ(ボソッ)」
「そうだね。何か手を考えてないと・・(ボソッ)」
「・・・。」
ヒソヒソと話す大地とアスナの会話の内容を、楯無だけははっきりと聞こえていた。
「(大地さんやアスナさんの言う通り、一夏君は異常なのかもしれないわね・・困ったわ、何か手を打たないと。彼、このままだと本当に人生を損してしまうわ。)」
大地とアスナ、楯無の思惑をよそに、ジェットコースターを楽しんだ一夏とシャルロットは、次のアトラクション、ゴーカートに向かった。
今回はここまでです。続きは次回になります。
一夏は箒達の好意に気付く様子がまるでないです。しかも手を繋ぐということの意味を間違えてるし(−_−;)
これはある意味人生を損している気がします・・。
それを見かねた大地とアスナ、楯無は手を考え始めます。
次回 ウルトラマンティガ〜The Beginning of Legend〜
【騎士と疾風の日常《デート》PART 2】
お楽しみに!
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