インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

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今日も投稿させていただきます。
果たして、束が語る真実とは?

では、どうぞ


第35話 あの日の真実

一夏side

 

暫くして、束さんの事情説明が再開した。

 

「次は束さんが話す番だね・・。ちーちゃん、この前修学旅行へ行った時に襲撃事件があったのは覚えてるよね?」

 

「・・あぁ。モノレールに時限爆弾がセットされ、更にハッキングを受けて暴走、あげく亡国企業の襲撃を受けたアレか。」

 

千冬姉の言葉にマドカは思わずビクッと反応する。無理もない。彼女は当時、俺達を襲った者の一人なのだから。それを察したシャルは、頭を撫でながら大丈夫と言って安心させた。

 

「それがどうかしたか?」

 

束さんは深呼吸して落ち着かせた後、静かに語り出した。

 

「アレは・・・私達がやったことなの。」

 

『!?』

 

束さんの発言にマドカを除いた全員が驚愕に包まれた。

 

「なんだと・・!?」

 

千冬姉は動揺すると共に怒りで拳を握りしめている。

 

「どういうことだ!?」

 

「それはーー」

 

束さんは当時の計画を語った。

それは要するにこうだ。

 

 

まず、俺達が乗る予定の列車にクロエが爆弾を仕掛ける。

列車に千冬姉達が乗ったのを確認し、束さんが列車のシステムをハッキングして制御不能に、同時に爆弾を起動させる。

そしてマドカは俺の殲滅後に列車を破壊、その間オータムは箒とセシリアの足止めをするという物。

 

他にも、嘗ての無人機事件や福音の暴走も、ワールドパージ事件も全て束さんが仕掛けたことだった。

その理由は、白式や紅椿のデータ収集、箒を華々しくデビューさせるため、千冬姉を楽しませたい、そして千冬姉の専用機『暮桜』に強制解凍プログラムを送るためだった・・。

 

 

「束、貴様・・!!」

 

 

ーードガッ!!!

 

 

怒りが爆発し束さんに殴り掛かろうとする千冬姉。

だが、その前に俺が飛び出し束さんを全力で殴り飛ばした・・・。

なんで無抵抗だったのかはわからない。だけど今は束さんがどうしようもなく憎かった。

 

「一夏・・!?」

 

そんな俺の姿を見て驚愕する箒。

 

「なんで・・なんでそんなことを平気でできるんだよ!?人の命をなんだと思ってる!?あの時の戦いで生徒達がどれだけの恐怖を抱いたと思ってるんだ・・!!」

 

怒りのあまり気付いたら俺は涙を流しながら叫んでいた。

 

あの戦いの際、恐怖のあまり震えている生徒達が多くいたという。

あんなことをそんな理由で引き起こすなど、決して許されることではない!

 

 

「そうだね・・ホント私ってバカだ・・。」

 

束さんはそう言ってゆっくり起き上がった。

 

「束さん・・俺・・」

 

「良いんだよいっくん。君は間違ってない。寧ろ私の方だから・・。ホント、何が天才だろ・・・、こんなことすら分からないなんて、これじゃあ只の我儘を言ってる子供だね・・。ごめんねいっくん、皆・・辛い思いをさせて・・本当にごめんね・・。」

 

束さんは涙を流しながら全員に頭を下げた。

 

「姉さん・・これからどうするんですか?」

 

「少しずつ償いをしていくよ・・まずは人命救助用のISの製作かな?」

 

箒にそう言いながら微笑む束さん。

 

「お前も私も許されない罪を犯した。容易く清算できることではないぞ?」

 

「わかってるよちーちゃん。罪を背負って生きていく覚悟もできてるから。ちーちゃんもそうでしょ?」

 

「まぁな。」

 

千冬姉の言う罪っていうのは、恐らく嘗ての白騎士事件だろうな。臨海学校で2人の会話を聞いて察してはいたが。

 

それから束さんとクロエは暫く学園に残ることになり、今日は解散することになった。クロエ、篠ノ之姉妹と千冬姉を除いて。

 

その後に聞いたが、千冬姉によると2人は互いに謝罪すると共に本音をぶつけ合い和解したそうだ。

 

涙を流しながらも微笑み合う二人からは、過去に失われていた絆を確かに感じたという。

 

「(落ち着いたら、この案を千冬姉や束さんに見せるか。世界に喧嘩を売ることになるが、今の戦力を考えるとな・・。)」

 

部屋に戻った俺は、引き出しから一冊のノートを取り出した。

その表紙にはこう書かれている。

 

 

 

『GUTS全専用機改修計画書』と・・・。

 

 

 

SideEnd

 

Noside

 

 

時間は、解散して部屋に戻る頃に遡る。

 

「どう思う?篠ノ之博士のこと。」

 

戻る途中、鈴がこんなことを聞いてきた。

 

「とても責めようとは思えませんわ・・。」

 

「うん。申し訳ないっていう思いが確かにあったもんね。」

 

「私も同意見だ。アレだけ反省しているのなら問題ないだろ。」

 

「同じく。」

 

「私も。」

 

「私もよ。償いをしたいって思うのなら、私も協力したいし。(それにしても一夏君、いつになく大人びていたわね・・成長してるのは嬉しいけど、何かあったのかしら?)」

 

 

どうやら全員、思うことは一緒らしい。

楯無は何やら気になることがあるようだが。

 




ちょっと強引な展開だったかもしれません。
(−_−;)

次回予告

久良々島で怪獣の目撃情報を受け、軍のIS部隊は調査に訪れた。作業員によれば、ガクマと呼ばれる神獣の仕業らしいが?
一方、IS学園では専用機の改修が行われようとしていた。

次回、ウルトラマンティガ The Beginning of Legend

【石の神話 PART 1】

お楽しみに!

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