インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

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やっと投稿できた・・。

ここのところ忙しく中々投稿できず申し訳ないです。

今回は長すぎたので次回に回します。


第30話 熔鉄の獣 PART 2

一夏side

 

俺はハイパーセンサーを頼りに女の子を元へ急ぐ。

 

「ママァァ・・怖いよ〜・・」

 

「(いた!)君、大丈夫か!?」

 

「!」

 

俺の声に気付いたその子は、震えながらこっちを見ている。何とか安心させないとな。

 

「怖がらなくても大丈夫だ。怪我はない?」

 

「うん・・。」

 

「よし。じゃあ少し飛ぶから、しっかり捕まっててくれ。」

 

俺は優しく話しかけた後、お姫様抱っこして近くの避難所へ飛ぶ。

 

事情を聞いてみると、どうやらこの子・・里奈ちゃんは母親と買い物に来ていたのだが逸れてしまったため、探していた途中で怪獣が現れたことでパニックになったらしい。

 

「ママ、大丈夫かな・・?」

 

「きっと無事だよ、今は信じて逃げるんだ!」

 

「うん・・。」

 

今は皆が怪獣の相手をしてくれている。その間にこの子を少しでも遠くへ逃さないと!

 

 

Side end

 

Noside

 

 

「皆、これを見て下さい!」

 

『!』

 

簪がモニタールームと全員のISに転送したのはある古文書のデータだった。

 

「これにあの怪獣のことが書いてある!怪獣の名前はデマーガ。この古文書にも記述がある怪獣です! 『地を燃やす荒ぶる神デマーガ目覚めし時ーー太平の世、焔と共に葬られん」!」

 

古文書を読む簪に尋ねる鈴。

 

「そんな奴どうやって戦うのよ!?」

 

「"光の巨人"が封印したってある・・!」

 

「それってもしかして・・うわっ!?」

 

"光の巨人"・・それについて尋ねようとしたシャルロットだが、火炎弾に気づいて慌てて避けた後、一夏に通信を入れる。

 

「一夏!まだなの!?」

 

《もう少し!もう少しだけ踏ん張ってくれ!!》

見ると一夏は女の子を抱えて、しかも瓦礫を避けながら飛んでいる。そのため、何時ものような速度を出せないのだ。

 

「ふぅ・・やっと着いた。」

 

暫くして漸く一夏は避難所に辿り着き、白式を解除した。

 

 

「お願いします、行かせて下さい!娘が・・里奈がまだ!」

 

「ダメです、危険です!」

 

「今行ったら巻き添えになるわよ!」

 

「何処かに避難している可能性もある!今はここで待つんだ!」

 

「!」

 

 

入り口では、1人の女性が警官や他の女性や男性に制止されていた。

言動からして、里奈の母親だろう。

 

 

「あ、ママー!」

 

「!里奈っ!!」

 

母親は、駆け寄ってきた里奈を力強く抱きしめた。それを見て、安堵する一夏。

 

「良かった・・!」

 

「あのお兄ちゃんが助けてくれたの!」

 

母親は一夏を見た後、深々と頭を下げた。

 

「・・!ありがとうございました!」

 

「いえ・・やるべきことをやっただけですから。良かったな、里奈ちゃん。」

 

「うん!ありがとうお兄ちゃん!」

 

一夏は里奈に笑顔で頷いた後、母親に一礼してその場を去ろうとする。

 

「お兄ちゃん!頑張って!!」

 

里奈の精一杯の応援に一夏はサムズアップで応えた後、再び白式を展開してその場を去った。

 

『こちら織斑!女の子を無事に避難所に送り届けました!』

 

《よし。織斑は避難誘導を、他の者は全員怪獣の進行を食い止めろ!》

 

『了解!』

 

一夏からの通信に千冬が答え、一夏達に指示を出す。

 

 

「ガァァァァ!!」

 

『ハァァァ!!』

 

箒達がデマーガを攻撃している間に、一夏は上空から逃げ遅れた人々を誘導していく。

 

人々を避難し終えた一夏はデマーガに視線を向ける。

見ると、箒達が懸命に火炎弾を撃ち落としている。だが、白式に表示された彼女達のシールドエネルギーは既に30%まで消耗していた。

 

 

「ガァァァァ!!」

 

デマーガは熔鉄光線を放つ。

その射線上にはシャルロットがいた。

 

「!!?」

 

「シャルロットォォォォ!!!」

 

ラウラは咄嗟に瞬間加速を発動するが、とても間に合わない。

 

「シャル!!」

 

それを見た一夏は全力飛行しながらスパークレンスを展開。

"光"となってシャルロットのもとへ飛んでいく。

 

 

【BGM:ティガ】

 

「フッ!」

 

デマーガの熔鉄光線が当たる直前、シャルロットを包んだ光は、ウルトラマンティガとなって大地に降り立った。

 

「ティガ・・!ありがとう!」

 

ティガの手の上で、笑顔を見せるシャルロット。

ティガはそんな彼女に優しく頷き、地面に下ろしたあと、デマーガの前に立ちはだかった。

 

「ガァァァァァ!!」

 

「チャッ!」

 

邪魔をされて腹が立ったのか、デマーガが雄叫びを上げて突っ込んでくる。

それに対しティガは、ダッシュした勢いでチョップを叩き込む。

 

「デァッ!」

 

続けて回し蹴りを連続で放つ。

 

「ガァァァァ!」

 

「ハッ!」

 

デマーガが爪を振り下ろしてくるが、受け流して腹にストレートパンチを打ち込む。

 

 

ーー戦いの場から少し離れたビルの屋上に、赤と黒を基調とした制服を纏った青年と少女がいた。青年の方は金色のデバイスを持っている。

 

 

「ウルトラマンティガ・・・この世界にもいたんだね。」

 

『あぁ。だが大地、彼は我々の知るティガとは少し違うようだ。』

 

彼の声に反応し、デバイスから返事が返ってきた。画面には、1人のウルトラマンが映っている。

 

「どういうことエックス?」

 

一方の少女は、エックスの言葉に疑問を感じ、画面を覗き込む。

 

『僅かだが感じるんだ。彼の奥底に眠る力を・・。』

 

 

 

ー亡国企業基地

 

 

「あなたが目覚めさせたあの怪獣、あまり思うように働いていないみたいよ?」

 

「チッ・・手こずりやがって。」

 

亡国企業の基地では、オータムがデマーガの苦戦振りに苛立っていた。

どうやら、デマーガは彼女によって目覚めさせられたらしい。

 

『デァッ!』

 

『ガァァァ!』

 

スコール達の見るモニターでは、ティガがデマーガの火炎弾を避けるか弾き飛ばしながら確実にダメージを与えていた。

 

「ほぅ・・。」

 

ゼットはパソコンに映るデータを見て、笑みを浮かべる。

それはティガのバトルアビリティだった。

 

「バトルアビリティが4000から6000に上昇・・以前よりも強くなっているのか。面白い・・!」

 

 

不気味な笑みと共に、ゼットはその目を赤く発光させた・・。

 




次回予告《一夏ver》

戦いの中、デマーガは禍々しい姿となって襲ってきた!しかも奴の攻撃で身体に異変が!?
ピンチに陥った俺の前に、もう1人のウルトラマンが現れた・・!

次回、ウルトラマンティガ The beginning of Legend

『熔鉄の獣 PART 3』

俺だけ、黙ってみてられるかよ!
行くぜ、ティガ!!

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