ここのところ忙しく中々投稿できず申し訳ないです。
今回は長すぎたので次回に回します。
一夏side
俺はハイパーセンサーを頼りに女の子を元へ急ぐ。
「ママァァ・・怖いよ〜・・」
「(いた!)君、大丈夫か!?」
「!」
俺の声に気付いたその子は、震えながらこっちを見ている。何とか安心させないとな。
「怖がらなくても大丈夫だ。怪我はない?」
「うん・・。」
「よし。じゃあ少し飛ぶから、しっかり捕まっててくれ。」
俺は優しく話しかけた後、お姫様抱っこして近くの避難所へ飛ぶ。
事情を聞いてみると、どうやらこの子・・里奈ちゃんは母親と買い物に来ていたのだが逸れてしまったため、探していた途中で怪獣が現れたことでパニックになったらしい。
「ママ、大丈夫かな・・?」
「きっと無事だよ、今は信じて逃げるんだ!」
「うん・・。」
今は皆が怪獣の相手をしてくれている。その間にこの子を少しでも遠くへ逃さないと!
Side end
Noside
「皆、これを見て下さい!」
『!』
簪がモニタールームと全員のISに転送したのはある古文書のデータだった。
「これにあの怪獣のことが書いてある!怪獣の名前はデマーガ。この古文書にも記述がある怪獣です! 『地を燃やす荒ぶる神デマーガ目覚めし時ーー太平の世、焔と共に葬られん」!」
古文書を読む簪に尋ねる鈴。
「そんな奴どうやって戦うのよ!?」
「"光の巨人"が封印したってある・・!」
「それってもしかして・・うわっ!?」
"光の巨人"・・それについて尋ねようとしたシャルロットだが、火炎弾に気づいて慌てて避けた後、一夏に通信を入れる。
「一夏!まだなの!?」
《もう少し!もう少しだけ踏ん張ってくれ!!》
見ると一夏は女の子を抱えて、しかも瓦礫を避けながら飛んでいる。そのため、何時ものような速度を出せないのだ。
「ふぅ・・やっと着いた。」
暫くして漸く一夏は避難所に辿り着き、白式を解除した。
「お願いします、行かせて下さい!娘が・・里奈がまだ!」
「ダメです、危険です!」
「今行ったら巻き添えになるわよ!」
「何処かに避難している可能性もある!今はここで待つんだ!」
「!」
入り口では、1人の女性が警官や他の女性や男性に制止されていた。
言動からして、里奈の母親だろう。
「あ、ママー!」
「!里奈っ!!」
母親は、駆け寄ってきた里奈を力強く抱きしめた。それを見て、安堵する一夏。
「良かった・・!」
「あのお兄ちゃんが助けてくれたの!」
母親は一夏を見た後、深々と頭を下げた。
「・・!ありがとうございました!」
「いえ・・やるべきことをやっただけですから。良かったな、里奈ちゃん。」
「うん!ありがとうお兄ちゃん!」
一夏は里奈に笑顔で頷いた後、母親に一礼してその場を去ろうとする。
「お兄ちゃん!頑張って!!」
里奈の精一杯の応援に一夏はサムズアップで応えた後、再び白式を展開してその場を去った。
『こちら織斑!女の子を無事に避難所に送り届けました!』
《よし。織斑は避難誘導を、他の者は全員怪獣の進行を食い止めろ!》
『了解!』
一夏からの通信に千冬が答え、一夏達に指示を出す。
「ガァァァァ!!」
『ハァァァ!!』
箒達がデマーガを攻撃している間に、一夏は上空から逃げ遅れた人々を誘導していく。
人々を避難し終えた一夏はデマーガに視線を向ける。
見ると、箒達が懸命に火炎弾を撃ち落としている。だが、白式に表示された彼女達のシールドエネルギーは既に30%まで消耗していた。
「ガァァァァ!!」
デマーガは熔鉄光線を放つ。
その射線上にはシャルロットがいた。
「!!?」
「シャルロットォォォォ!!!」
ラウラは咄嗟に瞬間加速を発動するが、とても間に合わない。
「シャル!!」
それを見た一夏は全力飛行しながらスパークレンスを展開。
"光"となってシャルロットのもとへ飛んでいく。
【BGM:ティガ】
「フッ!」
デマーガの熔鉄光線が当たる直前、シャルロットを包んだ光は、ウルトラマンティガとなって大地に降り立った。
「ティガ・・!ありがとう!」
ティガの手の上で、笑顔を見せるシャルロット。
ティガはそんな彼女に優しく頷き、地面に下ろしたあと、デマーガの前に立ちはだかった。
「ガァァァァァ!!」
「チャッ!」
邪魔をされて腹が立ったのか、デマーガが雄叫びを上げて突っ込んでくる。
それに対しティガは、ダッシュした勢いでチョップを叩き込む。
「デァッ!」
続けて回し蹴りを連続で放つ。
「ガァァァァ!」
「ハッ!」
デマーガが爪を振り下ろしてくるが、受け流して腹にストレートパンチを打ち込む。
ーー戦いの場から少し離れたビルの屋上に、赤と黒を基調とした制服を纏った青年と少女がいた。青年の方は金色のデバイスを持っている。
「ウルトラマンティガ・・・この世界にもいたんだね。」
『あぁ。だが大地、彼は我々の知るティガとは少し違うようだ。』
彼の声に反応し、デバイスから返事が返ってきた。画面には、1人のウルトラマンが映っている。
「どういうことエックス?」
一方の少女は、エックスの言葉に疑問を感じ、画面を覗き込む。
『僅かだが感じるんだ。彼の奥底に眠る力を・・。』
ー亡国企業基地
「あなたが目覚めさせたあの怪獣、あまり思うように働いていないみたいよ?」
「チッ・・手こずりやがって。」
亡国企業の基地では、オータムがデマーガの苦戦振りに苛立っていた。
どうやら、デマーガは彼女によって目覚めさせられたらしい。
『デァッ!』
『ガァァァ!』
スコール達の見るモニターでは、ティガがデマーガの火炎弾を避けるか弾き飛ばしながら確実にダメージを与えていた。
「ほぅ・・。」
ゼットはパソコンに映るデータを見て、笑みを浮かべる。
それはティガのバトルアビリティだった。
「バトルアビリティが4000から6000に上昇・・以前よりも強くなっているのか。面白い・・!」
不気味な笑みと共に、ゼットはその目を赤く発光させた・・。
次回予告《一夏ver》
戦いの中、デマーガは禍々しい姿となって襲ってきた!しかも奴の攻撃で身体に異変が!?
ピンチに陥った俺の前に、もう1人のウルトラマンが現れた・・!
次回、ウルトラマンティガ The beginning of Legend
『熔鉄の獣 PART 3』
俺だけ、黙ってみてられるかよ!
行くぜ、ティガ!!