いよいよ第2章、始まります。
OPは『Take me higher with 一夏ver』でお楽しみ下さい。
では、どうぞ。
ティガside
ある夜、俺はタイラントとの戦いで感じた闇の気配と、自身に起きた現象について考えていた。
タイラントが発したあの紫の炎に、俺は一つ心当たりがあった。
「まさか・・しかしヤツは嘗て俺が倒したはず・・」
ヤツは既に復活しているというのか・・?だが、もしそうだとしたら一体どうやって?
もう一つ気になるのは、タイラントとの戦いで起きたあの現象・・。
一夏が雄叫びをあげた瞬間、俺の身体に何か巨大な力が流れ込んできたのだ。
その際に自分の身体が一瞬金色の炎に包まれたと思ったのもつかの間、タイラントの動きがゆっくりになり攻撃の軌道がはっきりとわかった。
「(アレはまさか一夏の潜在能力だろうか・・?もし自在に操ることができれば、不利な状況を打破する切り札になるかもしれないが・・・)」
これについてはいずれ一夏に話すとするか。そう思い、俺は眠りについた。
一夏side
タイラントとの戦いの疲れが癒えた俺は、ティガに昨夜の自分の考えを伝えられた。
「つまりそのZって奴は、昔ティガが倒したはずの敵で、しかも怪獣を操る力を持ってるってことか?」
『あぁ。タイラントから感じたあの闇の気配は、Zのものでまず間違いないだろう。」
「Z・・一体何者なんだ?」
スパークレンスを通じて聞かされたZという名前。以前マドカも同じことを言っていたが・・?
コンコン・・・
「一夏、入ってもいい?」
「簪?いいぞ。」
そこへ簪が入ってきたため、一旦話を中断する。
手に持っているのはDVDか?
「どうした?」
「良かったら、一緒にコレ見ない?」
そう言って、DVDを差し出す。
「ん〜?おっ!これってガ○ダム○EEDのDVDじゃねぇか!懐かしいなぁ・・よし見ようぜ!」
「う、うん!(やった・・!)」
嬉しそうに微笑みながら頷く簪に、俺は笑みを浮かべながら、DVDをデッキに入れた。
『想いだけでも、力だけでも駄目なのです。だから・・キラの願いに、行きたいと望む場所に、これは不要ですか?』
『想いだけでも・・力だけでも・・!』
成る程、今回は某自由なガ○ダムが登場する回か。
「(想いだけでも、力だけでも・・か。)」
「?どうしたの?」
「ん?いやな、白式にもアレぐらいの装備があればな〜って。」
「贅沢なこと言っちゃだめ。」
いやそうは言うが、もっと武装が欲しいってのは本音だぜ?
確かに今はティガの力を使えるから強くはなってるけど、どれもエネルギー系の技ばかりだからな・・。
使いすぎるとあっという間にエネルギー切れになっちまう。
それにこの前のオータムとの戦いでスカイタイプを使った時も光線は使わなかったが、零落白夜と高速移動でエネルギーを雪片とスラスターに送った結果、白式は勿論俺まで消耗しちまったからな・・。
「来た!ハイマット・フルバースト!!」
「ん?おぉすげぇ・・!!」
簪の声で我に返った俺は、ふとTVを見ると丁度翼と全武装を展開して撃ちまくってるところだった。
その後も、俺と簪は他の話を見たりこの機体はここがいいなど色々語り合った。
sideend
Noside
ー亡国企業基地
「一体なんなんだこれは・・?」
この世界の何処かにある亡国企業の基地で、黒いオーラの男、(以降ゼット)は自分の研究室のモニターでティガとタイラントの戦いの録画を見ていた。
彼はティガに起きた現象について調べようとしていたのだ。
「(全身が炎に包まれた後、タイラントの攻撃を片手で受け止める・・か。俺と戦った時にはそんな力を使っていなかった・・。現継承者である織斑一夏の影響か?)」
そう考えながら、ゼットは後ろにある黒い塊、ゴーレムの作業を始める。
「あの様子から考えるに本人もまだどうやって発動したのかは分かっていないはず。完全に物にする前に仕留めるべきだろうな・・。」
そう言ってゼットは空中ディスプレイにある設計図を表示した後、不敵な笑みを浮かべる・・・。
「(いずれはコイツで勝負したいもんだが、それまで生き残れるか?ウルトラマン・・。)」
ーIS学園
午後。
この日1組は、第二アリーナで複数戦を想定した模擬戦を行うことになった。
「さて、今日は一対多数による模擬戦を行う。織斑、前に出ろ。」
「はい。」
言われた通りに前に出て白式を展開する一夏。目の前にはそれぞれ打鉄やリヴァイヴを装着した生徒達がいる。
だが一夏は、先日楯無と話したことを思い出していた・・。
ー回想
「え、俺が生徒会長に・・ですか?」
「えぇ。一夏君は現在副生徒会長。でもこの前の模擬戦で私を含めた専用機持ちを相手にして勝ったでしょ?」
「は、はい。」
「それを受けて、君に生徒会長という"学園最強"の称号を与えよう♩ということよ。」
「お断りします。」
「そっかーお断りかー・・ってえぇ!?なんで!!?」
「あの時俺は確かに勝ちましたけど、今は生徒会長になる気はないです。あと俺、頭悪いですし。それに・・」
「それに・・?」
まだ他にもあるのかと思い、聞き耳をたてると・・・
「俺は"生徒会長"という称号は、楯無さんの方がぴったりだと思ってます!」
と、女性なら誰もが見惚れる最高の笑顔で答えた。
「!!///そ、そう。それならこの話は保留ということにしましょう///。」
「はい!」
楯無は一夏の笑顔で真っ赤になりながらも、何とか終わらせたとか。
そうとも知らずに一夏は、楯無が顔を赤くしているのは風邪でも引いたのだろうと解釈していた・・・。
そしてそれを見ていたシャルロットとセシリアにISで暫し追いかけ回されたという。
「なに怒ってんだよ・・?」
ー回想終了
「(ハァ・・とにかく、皆を守るために俺はもっと強くならなきゃならないんだ!俺は・・"ウルトラマン"なんだからな・・!!)」
「織斑、お前にはこれから打鉄7機にリヴァイヴ7機、合計14機を相手にしてもらう。準備はいいか?」
「いつでも行けます。」
「よし・・始めっ!!」
千冬の合図で一夏と生徒達は上空に上がっていく。
「勝負よ織斑君!」
「私達は専用機持ちには劣るけど、これでも鍛えてきたんだからね!」
『そうそう!』
女子2人・・相川清香と鷹月静寐が通信を入れてくる。
そう、彼女達は"一夏と模擬戦をする"という唯一つの目的で今日まで鍛えてきたのだ。
女性の恋した男を想う心は中々恐ろしいものだ・・。
因みに一夏はかなりの女子生徒達から好意を寄せられているのだが、本人は何故か全く気付いていないのが現状である。
「望むところだ!行くぜっ!!」
それを知ってか知らずか、全力で応えるのみと、一夏は雪片を展開して構える。
それからすぐに生徒達は打鉄とリヴァイヴに搭載されたアサルトライフルを放つが、一夏はそれを紙一重に避けていく。
「速い!?」
「なんで当たらないの!?」
彼女達が驚いている間に一夏は高速で接近し、すれ違いざまに2機を斬り裂いてダメージを与える。
「デェアッ!」
間髪に入れずに荷電粒子砲とハンドスラッシュを放つ。
「やぁぁぁ!!」
清香がブレッドスライサーを振ってくるが、一夏は雪片で受け止めて至近距離から荷電粒子砲で吹き飛ばす。
「フッ!ハッ!」
続けてハンドスラッシュを2連射して他の生徒達を牽制する。
「皆、散開して!下手に固まったら狙い撃ちされるわ!」
ここで静寐が他の生徒達に指示を送る。
『OK!』
「四方八方から攻めようってことか・・ならっ!」
一夏は両腕を振り下ろしてスカイタイプへとチェンジする。
「「おりゃあぁぁぁ!!」」
今度は左からリヴァイヴがシールドの裏から盾殺し《シールド・ピアース》を、右からは打鉄が近接ブレード《葵》を発動して突っ込んでくるが、一夏はそれを余裕で避けてスカイキックを打ち込む。
後方からレイン・オブ・サタディを放つが、一夏はそれを振り向きざまに荷電粒子砲で全て撃ち落とし、ランバルト光弾で撃破。
残り・・13機。