では、どうぞ。
Noside
蘭が弾に一撃お見舞いした後、一夏は彼女の誘いで五反田食堂で昼食を頂くことにした。
最近は怪獣出現が相次いでいたために来る暇がなかった一夏にとっては、ここの料理は懐かしく感じた。
因みにここの店主で弾と蘭の祖父でもある五反田厳は、食事のマナーにとても厳しく、行儀が悪ければ厨房からおたまが飛んでくるのがお約束である。
昼時なだけあって客がかなりいるが、あと2人くらいなら問題ないだろう。
「ん〜と・・じゃあ生姜焼き定食を頼む。」
「かしこまりました!」
顔を赤くしながらも笑顔で答えた蘭は、伝票に注文の品を書いて厨房へ消えていった。
「ふ〜まいったまいった・・。おっ一夏食べてくのか?」
そこへ、顔を抑えながら弾が降りてきた。
「あぁ。ちょうど昼時だし、ここの料理を久しぶりに食べたいしな。」
「そっかそっか。じゃあ俺も食べるとするか。おーい!!らn「うるせぇっ!!」グホッ!!?」
蘭を呼ぼうとした弾だが、突如飛んできたおたまが顔面に当たって倒れてしまった。
「静かにしろバカッ!」
おたまを抱えながら出てきた浅黒い肌に筋骨隆々な男性こそが、この店の店主である五反田厳である。
「じぃちゃん顔面は勘弁してくれよ、さっき蘭に殴られたばっかなんだからさ!!」
「知るかっ!騒いでるお前が悪いんだよ!!」
そのまま言い争いになる2人だが、この店では見慣れた光景であるため客はなんともないという表情だった。
「相変わらずだな〜厳さんも弾も。」
「一夏さん、お待たせしました!生姜焼き定食です!」
「おっサンキュー。いただきます!」
ちょうどそこへ生姜焼き定食が来た。
「・・あの一夏さん。」
「ん?」
「ウルトラマンのこと、どう思いますか?」
「?どうした急に?」
妙なことを聞いてくる蘭に尋ねる一夏。
「いえ、少し気になったんです。一夏さんはGUTSの隊員として戦う中で何度もティガに会ってますよね?実際に見てどんな感じだったんだろうって・・。」
「う〜ん・・」
どうやら、ティガの雰囲気について聞きたいらしい。
「なんというか、見ているだけで安心感がするんだよな。」
「安心感?」
「あぁ。その姿とか、何より目かな?それを見るだけでそこから優しさや頼もしさを感じたな。」
「へ〜。一夏さんがそこまで言うなら、私もティガに会ってみたいです。平和な時に、が一番ですけど。」
「フッ、そうだな。」
大抵会えるとしたら怪獣が現れた時だけなので、蘭としては平和な時に会いたいらしい。
そして生姜焼き定食を美味しそうに食べる一夏を蘭は顔を赤くしながら見つめており、厳や他の客はそれを穏やかな表情で見つめていた。
食後、弾と共にゲームセンターへとやって来た。
理由は簡単、シューティングゲームで勝負するためである。
「さて弾、始めようか。」
「あぁ・・・」
「「勝負だぁぁぁぉ!!!」」
結局この勝負の結果は一夏の勝利で終わった。
弾は敗北のショックで顔が真っ白になったり他の客の歓声を受けたりと騒ぎになったが無事にゲームセンターを出て弾と別れて学園に戻った。
「お前らどうした!?顔真っ青だぞ!?」
「ん・・?」
「一夏さん・・」
「帰ってたんだ・・。」
「フフ、大丈夫だよ一夏・・。」
「これくらい・・どうという・・ことはない・・。」
一夏が見たもの、それは顔が真っ青になってプルプル震えている箒達であった。
一体自分がいない間に何があったのだろうか?
とにかくと思い、一夏は彼女達を1人ずつ部屋に運んで行った。
一夏の留守中に何があったのかは皆様のご想像にお任せしますw
それでは皆様、良いお年を!!