インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

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今回と次回は一夏の日常をお送りします。

因みにサブタイトルは悪友と書いて"しんゆう"と読みます。

では、どうぞ。


第20話 悪友《しんゆう》との日常 PART 1

Noside

 

本日、一夏は気分転換に実家が食堂を営む中学時代からの友人である"五反田弾"のもとへ遊びに来ていた。

因みに箒達はそれを知って尾行しようとしたのだが、千冬の出席簿という名の奥義で食い止められた。

 

「しっかし久しぶりだなぁ、お前が俺のとこに来るの。」

 

「あぁ・・最近色々あったからな〜っとそこだっ!!」

 

「ナニィっ!?」

 

お互い「IS/VS(インフィニット・ストラトス/ヴァーサス・スカイ)」というテレビゲームをしながら語り合う2人。

 

これはISを使って行う世界大会"モンドグロッソ"を基にしたゲームで、格闘・射撃・近接・飛行など、部門ごとにさまざまな競技に分かれて各国の代表が競うもの。

 

各部門の優勝者は「ヴァルキリー」と呼ばれ、総合優勝者には"ブリュンヒルデ"という最強の称号が与えられるのだ。一夏の姉である千冬が世間一般ではそう呼ばれているが、過去に起きたある事件が切っ掛けで本人はそれを嫌っている。

 

「そうだよなぁ、最近は怪獣が現れるわウルトラマンが現れるわで大騒ぎだったし。お前も今はGUTSとして戦ってんだろ?」

 

何故弾がGUTSを知っているのか不思議に思うだろうが、実はGUTSは勿論、怪獣やウルトラマンについては国際IS委員会より公表されている。

そのため、IS学園で起きた怪獣との戦いについても当然世間に知られている。

一夏がそのメンバーであることは、恐らくそれで知ったのだろう。

 

「まぁな。戦えるのは俺達だけだし。」

 

「(もし俺もISを動かせれば、力になってやれるんだがな・・)」

 

苦笑いしながら答える一夏。それを見た弾は自身の赤い髪を掻きながら申し訳なく思った。友人は命を掛けて戦っているのに、自分は何もしてやれないことが何より辛かったのだ。

 

「お兄っ!!さっきから呼んでるんだから返事してよって・・・一夏さん!!?」

 

「おぉ、蘭久しぶり。お邪魔してるぞ。」

 

そこへドアを乱暴に開けながら弾と同じ赤い髪をした少女が入ってきた。

 

彼女は"五反田蘭"。弾の妹で"聖マリアンヌ女学院"という有名私立女子校の中等部に通っている3年生にして生徒会長で実は一夏に片思いをしているのだが、本人はそれに全く気付いていないのが現状である。

 

先程から呼んでるにもかかわらず返事をしない兄に怒鳴り込もうとしたのだろうが、まさか想い人がいるとは思っていなかったらしく、やけに驚いていた。

 

「来てたんですか!?」

 

「あぁ、ちょっと気分転換にな。」

 

顔を赤くしながらも尋ねる蘭に笑顔で答える一夏。蘭は只でさえ赤い顔がもっと赤くなってしまった。

 

「お兄っ!!なぁんで言ってくれなかったのぉぉぉぉ!!?」

 

「悪い悪い、実はちょっと驚かしてやろうと思ってってゴフッ!!?」

 

からかいを込めた笑みで言った弾ではあったがそれは蘭の逆鱗に触れ、顔面に強烈な右ストレートを食らった。

 

 

「は、ははは・・」

 

 

その光景に一夏は苦笑いするしかなかった・・・。

 

 

 


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