インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

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レッドキングとの決戦は次回になります。


第16話 若き最強戦士 PART 2

Noside

 

「デェアッ!ハッ!」

 

ゼロはレッドキングの攻撃を受け止め、ゼロスラッガーで連続で斬りつける。

 

 

「フッ!ウォラッ!シェアッ!」

 

「ガォッ!?」

 

飛び蹴り、ハイキックを打ち込んだ後、更にゼロスラッガーで切り裂く。

 

「デヤッ!」

 

「ガォ・・!」

 

更に回し蹴りで怯ませる。

流石のレッドキングも、ゼロスラッガーの刃は効くらしく、少々痛がっている。

 

 

「フッ!ウォォラアアアアッ!!」

 

ゼロは上空高くジャンプして、右足にエネルギーを集中して炎を発生させて放つ強力な飛び蹴り、ウルトラゼロキックを放った。

 

「ガォォォ!?」

 

その威力は凄まじく、レッドキングを海まで吹っ飛ばした。

 

「凄い・・」

 

ゼロの戦闘力にティガは唖然とするしかない。

 

「ガォ・・!」

 

このままでは不利だと判断したのか、レッドキングは黒い穴を発生させて素早く姿を消した・・。

 

「チッ・・逃げられたか。」

 

レッドキングが消えた場所を見つめるゼロ。

 

「グッ・・。」

 

ティガは腹に受けた傷が痛むのか、膝をつく。

それからすぐ、2人の巨人は消えた。

 

 

 

 

「ハァ・・ハァ・・」

 

変身を解除した一夏は、腹を抑えながら学園に向かっていた。

 

「あっ・・おい!?大丈夫か!?」

 

後方から見知らぬ少年が駆け寄ってきた。

 

「お前は・・・グッ!」

 

何者か聞こうとしたが痛みが走って倒れかけるが、間一髪少年に受け止められた。

 

「その様子だと相当やられたみたいだな・・。」

 

「お前は一体・・なんでこの島に・・?」

 

本来一般人は入れない学園の私有地に何故この少年がいるのだろうか?

見たところ身長や年齢は一夏くらいで、鋭い目つき、服装は黒いジャケットに白いTシャツ、ジーンズを着ていて、左腕には何やら変わったブレスレットを付けている。

 

「俺はお前と同じだぜ、ティガ?」

 

「!?」

 

何と一夏がティガであることを知っている。だが、自分と同じとは?

 

「じゃあ、さっきのウルトラマンは・・・。」

 

「あぁ。あれが俺、ウルトラマンゼロだ。この姿ではそうだな・・諸星零とでも呼んでくれ。」

 

「あ、あぁ・・俺は織斑一夏だ。さっきはサンキューな。」

 

「気にすんなよ。ほら掴まれ。」

 

一夏は零に肩を貸して貰いながら学園に歩いて行った。

 

「一夏!?」

 

学園が見えてきたところでシャルロット達が駆け寄ってきた。

 

「怪我したの!?大丈夫!?」

 

「あぁ、何とかな・・。」

 

苦笑いしながら答える一夏。

 

「・・お前は誰だ?」

 

「俺は、諸星零。」

 

ラウラに名を聞かれ答える零。

 

「諸星?」

 

「最も地球人には、ウルトラマンゼロって言った方が解りやすいか?」

 

「あ、あんたウルトラマンなの・・!?」

 

「おぅ!」

 

ドヤ顔で答える零に一夏以外全員唖然とする。

 

「とりあえず一緒に来てくれ。聞きたいことがある。」

 

「わかった。」

 

零の了承を得て、一同は学園に向かった。

 

 

ー会議室

 

「では諸星零。お前は、ワームホールから現れたあのウルトラマンなのか?」

 

「あぁ。アレが本当の俺、ウルトラマンゼロだ。」

 

千冬の質問に零は・・いやゼロはあっさり認めた。

 

「どうしてこの世界に来たんだ?」

 

「ここに来る前、俺は別の宇宙で侵略ロボットの大群と戦っていたんだが、そいつらを倒した後、頭に誰かの声が聞こえたんだ。」

 

「声・・?」

 

「あぁ、"助けて"ってな。確か女の子の声だったぜ?」

 

一体誰が彼を呼んだのだろうか?

 

 

「あの、それは・・・?」

 

真耶は零の左腕にあるブレスレットが気になっていた。

 

「あぁこれか?これは"ノア"から授かったものだ。」

 

「"ノア"・・?」

 

「"ウルトラマンノア"・・・俺の故郷であるM78星雲・光の国は勿論、全宇宙に伝わる伝説の超人だ。」

 

零はカイザーベリアルとの決戦で出会ったウルトラマンノアのことを思い出していた。

 

それから零は、ウルトラマンベリアルやダークロプスゼロ、ハイパーゼットンとの戦いのことを説明した。

 

「そんなことがあったなんて・・・」

 

「ただ1人邪悪に堕ちたウルトラマンか・・・」

 

零から聞かされた話に唖然とする一同。

 

「まさか"この世界にも"ティガがいたとはな・・。」

 

「え?他の世界にも、ティガがいるのか!?」

 

零の何気ない言葉に食いつく一夏。

 

「あぁ。こことは違う別の世界でも、ティガは平和の為に戦い続けているぜ?」

 

零は今度は超時空魔人エタルガーや閻魔獣ザイゴーグとの戦いを語った。

 

「へぇぇ・・・」

 

「凄いとしか言いようが・・・」

 

その話を聞いて一夏達はもはや唖然とするしかなかった。

 

「それにしてもあの怪獣・・また来るのでしょうか?」

 

「間違いなくな。さっきは俺が何とか退けたが・・次は恐らく本気で攻めてくるだろう。」

 

「ティガ、大丈夫かしら・・?」

 

心配そうな表情をする鈴。

確かにティガはレッドキングの炎の拳で2回も殴られていた。

 

「・・・」

 

横で聞いていた一夏は、手当てを受けた腹を抑えて複雑な表情を浮かべる。

それを見て、千冬は何かを察した表情をしていた。

 

「さて・・織斑、暫くの間諸星をお前の部屋に泊めてくれ。」

 

「「え?」」

 

突然のことに戸惑う一夏と零。

 

「諸星はこの世界の人間・・いやそもそも人間ですらない。下手に野宿させるよりも、IS学園(ここ)に居させた方がいいだろう。」

 

そのまま会議は解散となり、一夏達は寮に戻った。

途中、零は生徒達に色んな目で見つめられて戸惑っていたのは別の話。

 

 

 

 

「ここが俺の部屋。」

 

一夏は零を自分の部屋に案内した。

 

「おぉ、結構いい部屋じゃねぇか。」

 

「だろ?適当に腰掛けてくれ。お茶でも飲むか?」

 

「頼む。」

 

おう。そう言って一夏はお茶の用意を始めた。

 

 

ー5分後

 

 

零と共にお茶を飲んでいると、ふとあることが一夏に浮かんだ。

 

「なぁ零。お前の故郷の・・えっと確か・・」

 

「光の国?」

 

「そうそう、その"光の国"ってどんな所なんだ?」

 

折角だから故郷について聞いてみたいと思ったのだ。

 

「私達も聞かせて貰ってもいいか?」

 

ふと扉を見ると箒達(更識姉妹も含む)がいた。

 

「皆・・・」

 

「よしっ!じゃあ皆に俺の故郷について話してやるとすっか。」

 

「え?いいのか?」

 

「あぁ、別に構わないぜ。」

 

全員お言葉に甘えて零の話を聞くことになった。

 

「フッ!!」

 

零は左腕を上にあげてブレスレットを発光させた。

光が晴れるとそこは真っ白な空間だった。

「これを見てみな。」

 

右腕をかざすと、1つの星が映された。

 

「アレが俺の故郷であり、27万年前の光の国だ。」

 

「あれ?住民は人間の姿をしてるけど・・」

 

「俺達の先祖は、嘗てはお前達と同じ人間に似た生物だった。だが・・・」

 

映像が変わり、太陽が大爆発する瞬間が映った。

 

「太陽が・・!」

 

思わず声を上げる簪。

 

「平和な星は、たちまち滅亡の危機に立たされてしまった。けど彼らは決して諦めなかったんだ。科学者達は研究の末に、"プラズマスパーク"を完成させた。」

 

「人工太陽ね?」

 

楯無の言葉に頷く零。

 

「ある時、思わぬ事故でプラズマスパークが発する"ディファレーター光線"を2人の研究員が被曝してしまい、すぐに検査が行われたが悪影響はなかった。だが、光線を浴びたことで彼らの身体は怪力を発揮したり、光線を放つことが可能になっていた。これを聞いた長老は、人々にディファレーター光線を照射し超人へと進化していった。」

 

映像に光線を受けて変身、巨大化していく住民達の姿が映された。

 

「それから何万年も経って、1人の戦士が1体の怪獣を追って地球にやってきた。彼は誤って"科学特捜隊"のハヤタ隊員を死なせてしまい、自分の命を分け与えて一心同体となり地球のために戦った。」

 

 

ハヤタ隊員と"彼"が一体化する瞬間と、超人に変身して立ち向かう映像が映された。

 

 

「そして人々は、彼の名をこう呼んだ・・・"ウルトラマン"」

 

「「「「「「「・・・・」」」」」」」

 

映像が消え、全員は元の空間に戻っていた。

 

「・・とまぁこんな感じだ。」

 

「なんというか・・」

 

「凄い話ね・・」

 

一夏達はあまりに壮大な話でただ唖然とするしかなかった・・・。

 

 




今回はゼロによる光の国の紹介でした。

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