※ 8/7、ゼロが一夏の世界に来た理由を変更しました。
Noside
あの戦いの後、一夏は箒達に白式の三次移行は自身のティガに対する憧れから完成したことを説明した。
マドカは現在も意識を失っており、医者によれば命に別状はないがいつ目を覚ますかはわからないという。
その後、専用機持ちは疲労を考慮すべきおいう学園の判断により今日の授業は休みになり、全員寮に戻った。
ーーその頃別の宇宙では、頭部に2本の宇宙ブーメランを持つ1人の巨人が、ロボットの大群と戦っていた。
「チッ!ベリアルの野郎、面倒なモノを作りやがって!!」
その巨人の名は、ウルトラマンゼロ。
ウルトラ兄弟3番目の戦士、ウルトラセブンの息子で、7番目であるウルトラマンレオの弟子でもある。
今彼は自分にそっくりな単眼なロボット、帝国猟兵ダークロプス、帝国騎兵レギオノイドと戦っており、彼らの攻撃を避けながら愚痴を言っていた。
「シュワッ!」
両腕をL字に組んでワイドゼロショットを放ち、大群の一部を吹き飛ばすが、ダークロプス達がブーメランを白熱化して飛ばしてきた。
「くっ!」
ゼロは頭部にある2本のブーメラン・・ゼロスラッガーを合体させた三日月状の剣、ゼロツインソードを何度も振るって斬撃で破壊した後、ブーメランに戻して胸に装着する。
「デェアァァァァ!!」
そこから雄叫びと共に強力光線、ゼロツインシュートを放ち大群は跡形もなく消し飛ばされていった・・・。
「フゥ・・ん?」
一息ついていたゼロは、嘗て全宇宙の神から授かり、現在は自身の左腕にあるウルティメイト・ブレスレットが光っていることに気づく。
「どうしたんだ?それに・・誰かが俺を呼んでいる?」
戸惑うゼロだがそれと同時に別の宇宙からか、誰かに呼ばれているように感じた。
「・・・調べてみるか。」
ゼロはウルティメイト・ブレスレットを発光させる。すると、光の中でそれは変形して翼のような1つの鎧に変わり右腕には白銀の刀剣が装着された。
これぞ光の勇者と呼ばれるゼロの強化形態、ウルティメイトゼロである。
右腕のウルティメイトゼロソードで空間を切り裂いてワームホールを作り出したゼロは、その中に飛び込んでいった。
ーーそんな中、一夏は千冬に呼ばれて寮長室にいた。
「白式にリミッターを掛けろ?・・ってなんで!?」
「当たり前だろ。今の白式は、二次移行した黒騎士すら圧倒する程のスペックを持っている。普段からアレでは模擬戦で勝負にすらならんからな。」
「そんなぁぁぁ・・」
つまり余りにも強すぎるから公平のために出力を抑えろということだ。
確かに今の白式は余りにもオーバースペックなのでやむを得ないだろう。それでも、亡国企業のような敵対組織との戦闘でのみ解除してよいらしい。
ちなみに黒騎士は現在、学園地下で厳重に保管されている。
「リミッターか・・ハァ・・」
一夏はトボトボと歩きながら自分の部屋に戻って行った。
ーシャルロット&ラウラの部屋
「ハァ・・。」
これで何回目かわからないため息を、シャルロットはついていた。
「どうした?」
「僕達のIS、ダメージレベルがCだったでしょ?」
「あぁ。当分稼働はできないな・・。」
「こんな時に怪獣が現れたらどうすればいいんだろうって・・。結局、僕達はISがないと無力なのかな?」
そう。黒騎士・獄龍との戦いでシャルロット達のISはダメージのレベルがCを超えており、暫く稼働させることができずにいた。
このままではもし敵が現れた際に何もできない、かと言って無理して動かせば後で異常が起こるかもしれない・・・。シャルロットの心はそれで一杯だった。
「・・シャルロット。」
「ん?」
ラウラは何か思いついたような表情をした後、シャルロットに呼びかける。
「私はそうは思わないぞ?」
「え?」
「確かに、私達はISがなければ無力かもしれない。だが、それでもきっと・・・お前にしか、シャルロット・デュノアにしかできないことが必ずあるはずだ。」
「僕にしかできないこと・・。」
シャルロットがそう呟いたその時・・・
『怪獣が出現しました!生徒の皆さんは、直ちにシェルターに避難してください!!』
「「!」」
怪獣出現を知らせる警報が鳴り響いた。
「シャルロット!」
「うん!」
2人は部屋を飛び出し、シェルターに向かった。
一方、一夏も学園外れの森に来ていた。
「ガォォォ!」
黒い穴から現れた怪獣は雄叫びを上げて学園に向かう。
二足歩行で黄色の体色にムキっとした身体、2本の逞しい腕。
これぞ、《どくろ怪獣レッドキング》である。
一夏は、スパークレンスを展開。その輝きに包まれて、ウルトラマンティガに変身した。
「チャッ!」
ティガは構えた後、真正面から向かっていく。
「ガォォォ!」
それを見たレッドキングも同様に向かっていく。
「フッ!」
ティガは回し蹴りを腹に打ち込む。
「ガォ!」
レッドキングもパンチを繰り出すが、ティガはそれらを避けて連続パンチを打ち込む。
「ジュアッ!!」
「ガォッ!」
2体は組み合って互いに押し合うが、パワーではレッドキングが上なのかティガが押され始めた。
「なんてパワーだ・・それなら!デェアッ!」
ティガはその勢いを利用して後ろに放り投げた。
「ガォォ!!」
立ち上がったレッドキングは尻尾を勢いよく振ってきた。
「グッ・・!」
辛うじて受け止めたティガだが、レッドキングの怪力には敵わず地面に叩きつけられ、尻尾を何度も打ち込まれる。
「ティガ!」
そこへ教員達のIS部隊が駆けつけた。
『ウルトラマンティガを援護!』
「「「「「了解!」」」」」
千冬の指示で教員達は、打鉄やリヴァイヴで攻撃を開始した。
「ガォ?」
それにより、レッドキングの意識が一瞬IS部隊に向けられる。
「今だ!ジュアッ!」
脱出したティガは腕をL字に組んで簡易版ゼペリオン光線を放つ。
「ガォ!?」
レッドキングは反応が遅れ直撃した。
「決まった!?」
だが・・・
「??」
なんとダメージをまるで受けていなかった。
幾ら簡易版とはいえこれはおかしい。
「なに!?」
ティガは動揺して動けない。
その様子を何処かの基地で黒いオーラを纏った男がモニターで見つめていた。
「フッフッフッ・・」
カッ!
男が指を鳴らしたその瞬間・・・
「ガォォォ!!」
レッドキングが雄叫びを挙げると同時に全身に紫の炎のようなオーラを一瞬纏うと、先程とは違い、身軽な動きで攻め込んでくる。
「ガォォォ!!」
両腕で地面に叩きつけられた思いきや、今度は立たされてパンチで吹っ飛ばされた。
「デァッ!ハッ!」
ティガは空高くジャンプして前方一回転、飛び蹴りを放つがレッドキングは軽く避わす。
「グッ・・フッ!」
すぐに態勢を立て直したティガはハンドスラッシュを放つ。
「??」
ペシペシ・・
「ガォォォ!!」
レッドキングは命中した所を軽く叩いた後、今度は両腕に紫の炎を纏って殴りかかってきた。
「ウワッ!?」
「ガォォォ!!」
「グッ・・!」
2発連続で腹を殴られ、フラつくティガ。
「ガォォォ!!」
「ウワァァァ!?」
最後に胸にもう1発殴り、吹っ飛ばした。
「ウゥ・・」
ダメージが蓄積しとうとうカラータイマーが点滅を始めた。
トドメをさそうとレッドキングが歩いてくる。
「くっ!!」
教員達はなんとか進撃を止めようと攻撃するが、最早レッドキングは彼女達に興味がない。
まさに絶対絶命。その時、突如上空に謎の穴が開いた。
「ガォ!?」
ーーモニター室
「な、なんだ!?」
「これは・・!?」
驚く千冬と真耶。咄嗟に真耶はこの穴を解析し始めた。
「これは・・ワームホールです!」
「なに!?」
ーー現場
「?(なんだ?)」
唖然とするティガ。そこへ・・・
「デェェェア!!」
「ガォォ!?」
穴から巨人が飛び出し、レッドキングを蹴り飛ばした。
「フッ・・!」
白銀の鎧を身に纏ったその巨人は、力強く大地に降り立った。
「あれは・・ウルトラマン!?」
突然現れたもう1人のウルトラマンに、ティガは驚きを隠せない。
「ガォォ!!」
蹴り飛ばされて腹を立てたのか、レッドキングが真っ直ぐ突っ込んでくる。
「ヘヘッ。待たせちまったなぁ!行くぜ!!」
巨人は鎧を解除してブレスレットを戻すと、頭部の2本の剣を構えてレッドキングに立ち向かっていく。
ウルトラマンゼロ、遂に降臨!!
今回と次回は長めになります。