インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

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長いので戦闘は次回に持ち込みです。


第13話 覚醒のとき

Noside

 

それは数分前に遡る。

マドカの攻撃で撃墜されたすぐ後のことだった。

 

「うっ・・またここか。」

 

目が覚めると一夏は一面が水の様な空間で倒れていた。それは、嘗て自分が何度も見たあの空間だった。

 

『一夏・・』

 

自分を呼ぶその声に、彼は聞き覚えがあった。

ふと後ろを振り返ると・・・

 

「お前・・!」

 

それを見て一夏は笑顔を浮かべる。

何故ならそこには、等身大のウルトラマンティガが立っていたのだから。

 

『こうして話すのは初めてだな。』

 

「あぁ!ティガが俺をここに呼んだのか?」

 

『そうだ。彼女の協力でな。』

 

そう言うと、ティガの隣に白い服に白い帽子を被った女の子が現れた。

 

「君は・・?」

 

『気づかない?ずっと一緒に戦ってきたのに。』

 

少々は不満そうな顔をする。

 

「ずっと一緒にってまさか・・白式なのか!?」

 

一夏の言葉に白式はハァ・・とため息を吐きながらも、自身の力が向上した理由を語った。

 

「じゃあ、白式が急に強くなったのは・・」

 

『俺が少しずつ力を与えていたからだ。』

 

一夏の中にいるティガが、ISコアネットワークに干渉して自身の力を少しずつ与えていたのだ。少しずつだったのは、一度に全ての力を与えれば、大きな負担が白式に掛かると考えたから。

 

『だが、その準備は全て完了した。後はお前次第だ、一夏。』

 

「俺次第?どういうことだ?」

 

『これを見ろ。』

 

するとティガは右手を上空にかざして映像を出した。

 

それは、箒達が黒騎士・獄龍によって消し飛ばされる映像だった。

 

「皆が!?これは一体!?」

 

『これはこれから起こるであろう未来だよ』

 

「未来・・だと?」

 

『彼女、織斑マドカは今までより遥かに強くなっている。たとえ俺の力を加えても勝てないかもしれない。それでも行くのか?」

 

何故マドカのことを知っているのかは兎も角、そう聞かれて一夏は黙り込んでしまった。

確かに、ウルトラマンの力を加えたからといって勝てる保証は何処にもない。結局は使う者次第だからだ。このまま行っても殺されるかもしれない。

だが、それでも一夏の答えは決まっていた。

 

「当然だ、俺は行く。行かなければならないんだ。」

 

『死ぬかもしれないのに?』

 

「それでもだ。例え勝てる可能性が低いとしても、僅かでも可能性があるのなら、俺は戦う!」

 

白式の言葉に一夏はそう力強く答えた。その眼には熱い炎が燃え上がっていた。

 

『フッ・・そう言うと思っていた。』

 

「え?」

 

『すまないが試させて貰った。もし諦めていれば、俺はお前から離れるつもりだったからな。』

 

「マジかよ・・」

 

するとティガの身体が輝き始めた。

 

『受け取れ。』

 

ティガから放出された金色の光線は白式に注がれた。

 

それと同時に一夏は己から凄まじい力が沸き起こり、光が渦巻き始めた。

 

『行け一夏!お前の大切なモノを守るために!!』

 

一夏は力強く頷いた。今こそ覚醒のときだ!

 

「ウォォォォォォ!!!」

 

そして現実世界、白式は黄金の光に光に包まれた。

 

「バカな!?お前は確かに倒した筈だ!」

 

マドカは信じられないとばかりに混乱する。

 

「あぁ。俺は確かに負けた。だが、それでも諦めなかった。その想いに白式が答えてくれたんだ!」

 

光が消え、白式の姿が明らかになった。

 

白い部分が銀色に変わり、青い部分は青紫へ、赤いラインと額にティガクリスタル、胸には金色のプロテクターとカラータイマーが追加されている。

これぞ三次移行した新たな力、白式・雪羅 マルチタイプである。

 

「白式が・・・」

 

「変わった・・!」

 

「三次移行ね!」

 

全員進化した白式に見惚れる。

すると、ゴーレムIVが全機一夏をロックオンした。

 

「行くぜ!」

 

一夏は新たな剣、雪片弐型・真打を展開して立ち向かっていく!

 

 


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