インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

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今回は一夏と因縁があるアイツが現れます!


第12話 黒騎士襲来

一夏side

 

今日は月曜日。俺達はいつも通り授業を受けている。朝はラウラが裸でベッドに寝ていて、騒ぎになったがそれ以外は平和だった・・はずだ、うん。

 

キリエル人と戦って以来怪獣は出ていないために、町の人々や学園の生徒達は平和な日常を過ごしていた。

 

今日も平穏な一日となるといいが、この時

俺はどうも嫌な予感がしてたまらなかった。

 

sideout

 

 

ーー何処かの基地

 

「行くのか?」

 

「あぁ、今度こそ仕留める。ヤツを殺さない限り、私は私という存在になれないからな。」

 

何処かの基地で、男と女が話していた。男の方は黒いオーラを纏っていてハッキリした姿は見えないが、女は顔が中学時代の千冬に瓜二つであった。

今まで一夏の様子を伺っていたのはこの女だったのだ。

彼女の言葉は一体何を意味するのだろうか?

 

「・・わかった。スコールには俺から言っといてやるから、お前は全力で殺れ。」

 

「そのつもりだ。」

 

そして女はISを展開して飛翔した。行き先は・・『IS学園』。

 

「フッ・・精々頑張ってくれよ?M。」

 

男がそう呟いた後、7機の無人機が後を追っていく。

 

この2人、一体何者なのか。

 

ーーIS学園

 

一夏side

 

休み時間になり、俺達は雑談して過ごしていた。

だが、そんな平和な時は突然壊される。

 

ドォォォォン!!!!

 

「うぉ!?」

 

「なんですの!?」

 

『非常事態発生!!生徒の皆さんはシェルターに避難して下さい!!』

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

突然爆発音がした後、警報が鳴り響いて生徒達は混乱する。

 

『GUTSに次ぐ!現在黒騎士と無人機の襲撃を受けている!大至急迎撃しろ!!』

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

千冬姉・・いや、隊長の通信を受け俺達は直ぐに屋上に向かう。

 

「(黒騎士となると、またアイツが・・!!)」

 

一夏は修学旅行で起きたあの戦いを思い出していた。

(原作第10巻を参照)

 

「楯無さん!簪!」

 

屋上に着くと、既に楯無さんと簪が来ていた。

 

楯無さんは顔だけ向けて静かに頷き、俺達も頷き返した。

 

「来い、白式!」

 

「行くぞ、紅椿!」

 

「参りますわよ、ブル・ティアーズ!」

 

「やるわよ甲龍!」

 

「行くよ、リヴァイヴ!」

 

「やるぞシュヴァルツェア・レーゲン!」

 

「行くわよミステリアスレイディ!」

 

「おいで!打鉄弐式!」

 

全員ISを展開して戦場に羽ばたいた。

 

sideout

 

 

Noside

 

一夏達の姿を確認するや否や、黒騎士と無人機、ゴーレムIV(ゴーレムIIIの色違い)達は一斉に遅いかかってきた。

 

「織斑一夏、貴様だけは私が殺す!」

 

黒騎士がフェンリル・ブロウを構えて突っ込んで来た。

 

「そう簡単に殺されて堪るかよ!!」

 

一夏も雪片弐型を展開して向かっていく。

 

「一夏!無人機は私達が食い止める!お前はヤツを!」

 

「わかってる!!お前も気をつけろよ!!」

 

ラウラと通信した後、一夏は荷電粒子砲を放つ。

 

「そんな物が当たるか!」

 

黒騎士の操縦者、織斑マドカはランサービットを放つ。

 

「「ウォォォォォ!!!」」

 

雪片弐型とフェンリル・ブロウが激突する。

 

ドクン・・!!ドクン・・!!

 

 

激しい戦いが繰り広げられる中、白式の中のコアが今までより強い鼓動を始めた。

 

『近いな・・進化の時は・・』

 

その様子を1つの光が見つめていた。

 

「ハァァァ!」

 

楯無は自身の装備であるランス、蒼龍旋をゴーレムIIIに突き立てて先端にあるマシンガンを打ち込む。

怯んだゴーレムに、楯無は更に攻め込んでいく。

 

「テァァァ!」

 

一方簪は夢現で斬りかかり、打鉄弐式最大武装である独立稼動型誘導ミサイル"山嵐"を発射。ゴーレムIVは瞬間加速で避けていく。

2人は背中を合わせて様子を伺う。

 

「行くわよ簪ちゃん!」

 

「うん!」

 

楯無はミステリアスレイディの単一仕様能力、沈む床(セックヴァベック)を発動。

高出力ナノマシンによる超広範囲型拘束結界である。

AICを遥かに凌ぐ拘束力で動きを封じられたゴーレムは、打鉄弐式の荷電粒子砲と山嵐で其々ダメージを受けた。

 

 

「デァァ!」

 

「オオオオ!」

 

一夏とマドカの戦いは戦慄を極めていた。

お互いの刃が何度も何度も激突し、互いのシールドエネルギーを削っていく。

 

「零落白夜、発動!」

 

一夏は勝負をつけるべく零落白夜を、更に二重加速《ダブル・イグニッション・ブースト》を使用。

 

「これでどうだぁぁぁ!!」

 

雪片弐型を横一文字に振るう。

 

「くぅ・・!」

 

マドカは辛うじて掠めた程度に留めたが、黒騎士のエネルギーは消耗していた。

 

「(まだだ!コイツを殺すまで、私は負ける訳にはいかない!)」

 

 

ーー回想

 

 

「なんだ?」

 

「この力を持っていけ。万が一ということもある。」

 

基地を出撃する前、マドカはあの男から"闇の力"を与えられていた。

男から放たれた黒い球はマドカの身体に溶け込んだ。

 

 

ーー回想終了

 

 

 

「ぬぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

「!?」

 

突如、マドカの雄叫びと共に黒騎士が紫の稲妻に包まれた。

そのあまりの眩しさに無人機を含めた全員が注目する。

 

「な、なに!?」

 

「何が起きている!?」

 

閃光が消えて一夏達が見たものは、禍々しい姿に変貌した黒騎士の姿だった。

機体全体が血のように赤黒くなり、背部のカスタム・ウィングは 6枚の黒い翼の形をしている。

 

 

「二次移行したのか・・!?」

 

 

マドカの怒りの感情が引き出した黒騎士の第二形態。

その名も、黒騎士・獄龍。

 

 

「殺す!殺す!絶対に殺す!!」

 

マドカは槍の形をした新たな装備、フェンリル・トライデントを展開し、瞬間加速で一夏に接近。

 

「うわぁぁぁ!!」

 

一瞬判断が遅れた一夏は攻撃を回避できず、吹き飛ばされる。

 

「ふん!!」

 

「くっ!」

トライデントで串刺しにしようとするが、辛うじて避ける。

 

「どうした!!この程度か!!」

 

あまりの猛攻に一夏は避けるのが精一杯で反撃することができない。

元々強い黒騎士が二次移行したことで、何とか互角だった戦いは完全にマドカが有利になっていた。

 

 

「一夏!!」

 

箒は何とか一夏の援護に向かいたいが、ゴーレムIVはその隙を全く与えない。

 

 

「このままじゃ一夏が・・!」

 

鈴達も加勢しようとするが、ゴーレムIVは今までの無人機で特に手強い。

瞬間加速だけではなく、二重加速もして来るのだ。

 

 

「終わりだぁぁぁぁ!!」

 

マドカは槍に"闇の力"を結集して黒騎士・獄龍最強の光線、ダークネスクライシスを放った。

 

「ぐぁぁぁぁぁ!!」

 

今の攻撃で雪片弐型は折れ、一夏は地面に墜落し意識を失ってしまった。

 

「一夏ー!!」

 

「なに!?」

 

「一夏君!」

 

一夏が撃墜されたことを知り、シャルロット達は呆然とする。

 

「フッ・・次は貴様らだ。」

 

一夏を倒したマドカは満足した表情をした後、箒達を睨みつけ次の戦闘に入ろうする。

 

「おのれぇぇぇ!!」

 

箒は雨月と空裂で怒り任せに斬りかかる。

 

「よせ、箒!!」

 

慌ててラウラが止めようするが、時は既に遅し。

 

「無駄だ。」

 

2本の剣を容易く受け止めたマドカは、それを弾き飛ばして箒を蹴り一発で吹き飛ばす。

 

「喰らえ!」

 

マドカはトライデントを振るって闇の斬撃、ダークドラゴンスラッシュを放った。それは正に黒い龍そのもので、命中した箒達は装備や装甲がボロボロになってしまった。絶体絶命である。

 

「弱すぎる・・死ね。」

 

再び斬撃を放とうとマドカ。

 

 

ーーだが、奇跡が起こった

 

 

マドカの後ろで、黄金の光が輝き始めたのだ。

 

「バカな!?」

 

マドカの視線の先にいたのは、自分が確かに倒した筈の一夏の姿だった。

しかも、白式の姿が先程と違う。

 

 

 

 

ーー今、白式の新たな力が遂に目覚める!

 

 

 




長すぎた・・。

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