インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

17 / 65
今回は白式に何やら異変が!?
「白式超強化」ついに始動・・。


第10話 進化の兆し

一夏side

 

ドクン・・ドクン・・ドクン・・

 

「白式が、脈打っている・・?」

 

俺は何かの鼓動が聞こえて目をさますと、右腕にある白式が光に包まれて脈打っていた。すると、白いガントレットが銀に変わり、赤と青紫のラインが加わった。

 

「!?」

 

俺は咄嗟に目をこすってもう一度見てみると、ガントレットは何時ものと同じ白だった。

 

「今のは・・・?」

 

寝ぼけていたのだろうか?俺は顔を洗って着替え、食堂に向かった。

 

その後ーー

 

「(とりあえず調子を見てみるか・・)鈴、久しぶりに模擬戦しないか?」

 

「いいわよ。相手になってあげる!」

 

鈴は不敵な笑みを浮かべて答えた。

 

今朝のことが引っかかる一夏は、白式の調子を見るため、鈴に模擬戦を頼んだのだ。

2人は第一アリーナに向かい、それぞれ白式と甲龍を展開する。

 

「それじゃ・・」

 

「行くわよ!」

 

互いに雪片弍型と双天牙月を展開して近接戦闘を行う。

甲龍は白式を上回るパワーを持っているため、鍔迫り合いが長引くと押し切られる。

ならば、スピードで撹乱すればいいのだが・・・

 

ドクン・・ドクン・・ドクン・・

 

「(またか・・!)」

 

白式がまた脈打ち始めた。

 

それと同時にスラスターの出力が急上昇した。

 

「ウォッ!?」

 

思わず声を上げる一夏だが、すぐに平静に戻る。そして甲龍の周りを高速で飛んで撹乱し始めた。

 

「くぅ、ちょこまかと・・!」

 

鈴は青龍刀とぶん投げ、更に龍砲を撃つが今の白式には当たらない。

クラス対抗戦の時と似た状況だが、違うのは白式があの時以上の速度で動き回っていることだ。

 

「そこだあぁぁぁ!!!」

 

一夏は連続瞬間加速《リボルバー・イグニッション・ブースト》をぶっつけ本番で発動して急接近し、零落白夜で一刀両断した。

「そんなぁぁぁ!?」

 

身軽な鈴もこれには反応できず、甲龍のシールドエネルギーはあっという間に0になった。

そう、"0になった"のだ。

 

「何なのあの速さは!?」

 

「わからない。白式が脈打ったと思ったら急に出力が上がって・・・」

 

鈴は今まで勝っていた相手に負けて悔しく仕方がない。だが俺は、白式に起きた異変に唖然とするしかなかった。

 

「甲龍のエネルギーは全然余裕が有ったのに一気に0になるなんて・・いくら零落白夜でもおかしいわ・・」

 

更に鈴はこんなことも言ってきた。

 

「零落白夜を発動した時の白式・・・何だか、色が変わってたわよ?」

 

「!どんな色だった?」

 

「確か、赤と紫だったわね・・」

 

おいおい・・それじゃまるでティガじゃねぇか?

 

「白式が三次移行しようとしてるのか・・?」

 

俺はガントレットを見ながらそう呟く。

 

「もしかしたらそうかもしれないわ・・」

 

「「・・・」」

 

暫し静寂が俺達を包む。

 

「・・とりあえずサンキューな。俺上がるわ。」

 

「うん・・・」

 

黙っていても仕方がないので俺達は解散して寮に帰った。

 

 

 

ーーだが、その様子をフードを被ったあの謎の女が見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「決着をつける時は近いな・・織斑一夏・・。」

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。