インフィニット・ストラトス〜古の英雄〜   作:ボイスターズ

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大変お待たせしてしまい申し訳ありません。
今回は長すぎたのでPARTを2つに分けました。


第8話 悪魔の挑戦《メフィスト・トライ》PART 1

Noside

 

その夜、千冬は真耶に照合して貰った指紋を元にあるマンションに向かっていた。

路地に車を止め、端末に男の情報を映し出す。

 

「蘇原光夫(そはらみつお)・・・」

 

千冬は車を降りてマンションに向かった。

そんな彼女を、怪しげな影が見つめていた・・。

 

蘇原光男の部屋に着いた千冬はインターホンを押すが、中から応答がない。

不審に思ってドアノブを回すと、なんと鍵が開いていた。

 

「(なんて無用心な・・)」

 

これでは泥棒にどうぞ入ってくださいと言っているようなものだ。

リビングに入った千冬は、そこにあるコンピューターに目をつけた。

 

「アクセス。政府コード0709KRG、織斑千冬。」

 

そう言うと画面が起動して日本政府が管理するセキュリティシステムに繋がった。

 

『ようこそ、セキュリティシステムへ。』

 

コンピューターから無機質な音声が響く。

 

「この部屋の住人の行方を知りたいんだが・・。」

 

『この部屋の住人である、蘇原光男のデータは、4年間更新されていません。』

 

「どういうことだ?」

 

『蘇原光男は、4年前に生命活動を停止しています。』

 

千冬はその言葉に驚愕を隠せない。

 

「っ!」

 

IS用の剣を構えて振り向くと、青い光を纏った謎の存在がそこにいた。

 

「お前が・・キリエル人か?」

 

キリエルはそれに答えることなく衝撃波を放ち、剣を吹き飛ばす。

 

「うわぁっ・・!」

 

更に続けざまに放たれた衝撃波で千冬は壁に貼り付けにされる。

 

「くっ・・何故、私なんだ・・?」

 

千冬はキリエルに問う。すると蘇原光男の姿になって語りかけてきた。

 

「貴女がアイツを認めようとするからですよ・・・!」

 

「アイツだと?・・」

 

千冬にはまるで検討が付かなかった。

 

「キリエル人はアイツよりもずっと前からこの地球に来ていたんです・・。

後から来た分際で好き勝手やられては堪らないんですよ。お分かりですよね?」

 

誰かへの怒りを述べるキリエル。千冬はその意味を理解した。

 

「まさか・・・」

 

そこへーー

 

「千冬姉!」

 

一夏が雪片弐型を展開して駆けつけた。

 

「気をつけろ!そいつは人間じゃない!」

 

その言葉にキリエルは一夏を見つめる。

 

「お前は・・!!」

 

その瞬間怒りの形相を受かべる。

 

一夏はすかさず斬りかかるが、キリエルは素早くかわして姿を消した。それと同時に千冬の拘束も解けた。

 

「大丈夫か!?千冬姉!?」

 

「あぁ・・すまない・・・」

 

「単独行動は危険だぜ?」

 

という遣り取りをしていると・・・

 

(これより最後の預言を語ろう・・!)

 

あの男の声が聞こえてきた。

 

「"最後"だと?」

 

(お前達が生きて聞ける最後のという意味だ。次に聖なる炎が焼くのは、此処だ!)

 

「なに!?」

 

同じ頃、地下から炎のエネルギーが地上に接近していた。

 

ーIS学園会議室

 

「了解。一夏、教官を頼む。巨大なエネルギーを止めるぞ!」

 

一夏の通信を受け、ラウラ達も行動に移る。

 

「それじゃあ、予定通り衝撃砲で止めるってことで・・」

 

「それしか方法がありませんわ。」

 

「あぁ。行くぞ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

5人はISを展開して現場に向かった。

 

ジリリリリリリリーーー

マンションの非常ベルが鳴り響く。

 

『住民の皆さん!直ちにこのマンションから避難して下さい!爆発の危険性があります!!』

 

一夏はマンションの住民に避難を呼びかけた。

 

「千冬姉!」

 

「私のことはいい。それよりも、住民を避難させるんだ・・早く!!」

 

マンションの住民が一目散に避難していく。

 

「向こうです!急いで!」

 

一夏が必死に避難を呼びかけるなか、ラウラ達がエリア上空に到着した。

 

「ラウラ、攻撃ポイントを指示して!」

 

「待て、今解析している。」

 

「向こうです!早く逃げて!」

 

一夏は依然避難誘導を行っている。

 

「解析完了!目標はポイント33、交差点!鈴、ワンチャンスだ。通過時間は0.3秒しかない。」

 

「それだけあれば十分よ!」

 

だが、最悪なことに住民がまだ通っている。

それを見てシャルロットが一夏に通信を繋ぐ。

 

「一夏聞こえる!?攻撃地点はポイント33なの!」

 

「待ってくれ!まだ避難が終わってないんだ!」

 

慌てた様子で現状を伝える一夏。

 

「急いで!攻撃はワンチャンスしかないの!」

 

「危険です!早く逃げて下さい!」

一夏は必死に避難を呼びかける。

 

「一夏、頼んだわよ・・」

 

「お願い、間に合って・・!」

 

そして交差点から人がいなくなった。

 

「避難完了!」

 

「オッケー!」

 

鈴はポイントの真上に到着し、衝撃砲の発射態勢に入った。

 

「5秒前・・」

 

ラウラの秒読みが始まる。

鈴は緊張からか時間の流れが遅く感じた。

そんななか一夏がふと見ると、千冬がフラつきながら逃げてきた。

 

(今打たれたらまずい!)

 

一夏は全速力で走ってジャンプし、スパークレンスを展開した。

 

「3・2・1・0!」

 

衝撃砲が放たれたと同時に地上で何かが光った。

千冬が衝撃波に巻き込まれると思われたその時、ウルトラマンティガが現れて千冬を救出し、安全を確認して地上に降ろした。

 

その時ーーー

 

「お前を待っていたぞウルトラマンティガ!」

 

声がした方へ振り返ると、あの男が立っていた。

 

「お前はこの星の守護神にでもなるつもりか?おこがましいとは思わないのか?」

 

「誰だあそこにいるのは?」

 

「ティガに話しかけている様ですわね・・」

 

その様子にセシリア達は困惑する。

 

「お前がその巨大な姿を現すずっと前から、この星の愚かな生き物達はキリエル人の導きを待っていたのだよ! お前は招かれざる者なのだ! 見せてやろう!キリエル人の力を、キリエル人の怒りの姿を!」

 

そう言うと、預言者の足元に亀裂が走り、炎のエネルギーが吹き上がり始めた。

すかさずファイティングポーズをとるティガ。

同時に炎が消えて泣き顔のような顔をした悪魔が姿を現した。

 

「コイツがキリエル人の正体なのか?」

 

『ううん。多分、体のサイズまでも、ウルトラマンティガに合わせて変身したんです。』

 

簪が通信を入れて説明する。

 

「挑戦するために・・!」

 

楯無が顔をしかめる。

 

「チャッ!」

 

「キリッ!」

 

ティガとキリエロイドは互いを睨んで距離をとり、戦闘を開始した。

 




サブタイトルを「IS」のようにしてみたんですが如何でしょうか?

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