バカがスケベで召喚獣   作:葬炎

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第一問目

 

 

 

チュン....チュン....

 

今は桜咲き誇る春の日ーー

ここは普通の町。

その町は、いつも通りののどかな朝を迎えていた。

 

 

....ドドドドド......

 

 

なんの変哲もなく、そこらへんにある町。

 

 

ドドドドド

 

 

そんな町をーー

 

 

 

ト゛ト゛ト゛ト゛ト゛!

 

「うあぁあぁあぁ~! 遅刻してまう~~!」

 

 

ーー全力疾走してる馬鹿がいた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

問 以下の問題に答えなさい

『調理の為に火をかける鍋を製作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき金属合金の例を一つ挙げなさい』

 

 

 

 

姫路瑞希の答え

『問題点・・・・・マグネシウムは火にかけると激しく酸素と反応する為危険であるという点。

合金の例・・・・・ジュラルミン』

 

教師のコメント

正解です。合金なので『鉄』では駄目だという引っ掛け問題なのですが、姫路さんは引っかかりませんでしたね

 

 

 

 

 

土屋康太の答え

『問題点・・・・・ガス代を払っていなかったこと』

 

教師のコメント

そこは問題じゃありません

 

 

 

 

 

吉井明久の答え

『合金の例・・・・・マリアに使われてたオカルトを用いた特殊合金(←大気圏突破に耐えられます)』

 

教師のコメント

なぜそんなもので鍋を作ろうと思ったのですか

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「はぁ....! はぁ....!」

 

すー、は~.....うし、落ち着いた。

やぁ皆さん初めまして。私の名前は吉井明久。ただの紳士さっ!

ん? 『お前誰?』だって....?

やだな~。全国のお姉さんの味方の横島忠夫だよ。

名前が違うって? ....あ~、それには事情があってな。

とりあえず説明しよう。転生というものを知ってる人はいるかな?そう、転生だ。

転生には六道がありーーと、これは省こう。

簡単にいえば、元の世界で俺は死んだ。そしてまったく別の世界で人生リスタート。ということだ。

さっきの名前は、『吉井明久』っていうのが今世の名前で、『横島忠夫』ゆうんが前世の名前。

ーーそんなこと考えてるうちに学校が見えてきた。

 

「おはようございまーす」

「うむ、おはよう」

 

俺の目の前にいる先生は西村教論。通称鉄人。

1年のころの担任で、俺にとって天敵と言っていい先生だ。

ちなみに俺は今年高校2年生。まだ誕生日はきてないから16歳やな。

いやー、思い返せばこの世界に来て今までいろんなことがあったなー....

 

 

「おい吉井、なにをぼーっとしている」

「あ、すんません」

 

とと、鉄人に怒られてしまった。

さて、時間はーーげ、

 

8:35

 

「ふん、完全な遅刻だな」

「うっ、鉄人! 俺のクラスはFクラスっスよね!」

「....はぁ、俺のことを鉄人と堂々と言うのは坂本とお前くらいだ。ああ、クラスについては自分がよくわかってるだろ?」

 

 

そうだな。

と、俺の今通ってる学校について説明しよう。

俺が現在通ってる学校。それはーー文月学園。

この学園は少し特殊であるーー

 

まぁ、それでも平和だからいいんやけどな。

 

「....まぁ、お前がヤったことについての説教は後にしてやろう。さっさと教室に行け」

「うぃっす」

 

さて、新しいクラスはどんなやつらがいるかなーー?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーむ」

 

俺は今、とある一つの教室の前で立ち止まっていた。

そこはーーAクラスーー

 

「....どこかに覗き穴は無いものやろうか」

 

ーーの女子専用更衣室。

さっき教室と言ったが、教室と見間違えるほど大きいのだから仕方ない。

いやー、Aクラスをちょっと覗いてみようかなーと思ったら更衣室への案内看板が見えたからこれも学校の施設の配置を覚えるためちょっとこっちに来たのであって、決してやましい気持ちやイケないことを考えていたわけではなくて、ただの青少年の好奇心というか探究心であるわけであって。

さて。現在HR中で誰もいない間に覗き穴をーー

 

「なにをやってるのですか? 吉井君」

「むふおぉぉぉ!?」

 

後ろから急に話しかけられ、思わずびくんと反応してしまう。

くっ、見られてしまったか。こうなったらーー

 

「いや違います覗き穴とか探してたんじゃなくてただあそこの壁に汚れがあったから気になってーーってあれ? 姫路ちゃん?」

「? はい、私ですよ?」

 

俺の後ろにいたのは、綺麗なピンク色のロングヘアーで、なおかつーーとてつもなくきょぬーな姫路ちゃんだった。

彼女とは小学生のころから付き合いがあり、今現在も仲良くしてる。俺にとって妹ーーというよりおきぬちゃんのようなを存在でーーいや、そう考えるのはやめとこう。姫路ちゃんは姫路ちゃんだ。

それより、『勢いに任せてうやむやにしちゃおう!』作戦だったが、姫路ちゃんなら言っちゃ悪いが天然で人を疑わないし別に変にごまかさなくても大丈夫やろ。

 

「なんや、姫路ちゃんやったのか~」

「....? はい。あと、壁に張り付いてなにをしていたんですか? 確かそこは女子更衣室のーー」

「おおっと!? もう時間だよ姫路ちゃん! 早く教室に行かへんと!」

「えーーはわわ! そうでした、遅刻です!」

 

俺が走り出し、姫路ちゃんも追随するように走り出す。

さて、Fクラスはどんな感じかなーー?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....こら酷い」

「あはは....」

 

これには姫路ちゃんも思わず苦笑い。

というのも今俺たちの目の前にあるFクラスは、すごいボロいのである。それは廃墟と言ってもいい感じに。

 

「....千里の道も一歩から。進まなわいたちの学園生活は始まらないんや....! あー、でもやる気削がれるわー。もし愛子だったら『これも青春だわ!』で済ませるんだろうけど....」

「吉井君。考えてても仕方ありませんし、教室に入りませんか?」

「おお、そうやな」

 

姫路ちゃんにうながされ、俺は教室のたてつきの悪い扉を開ける。....もう工具持ってきて全部直したろうかな....

 

 

ガラッ

 

「遅れてさーせんっしたーー!」

 

「よ、吉井君!?」

 

 

教室に入ってまずしたのは、スライディング土下座。

ふっ、いかなる罪でもこれを決めればたいていのことは許されたんだ! まぁ美神さんは土下座した頭を踏んづけてきて意味なかったんやけどな。

 

「....ええと、吉井君に姫路さんですね? 吉井君は土下座はもういいですので、自己紹介をお願いします」

「うっス!」

 

よし、これは完全に決まったと見ていいな。

ほら、クラスもみんな時間が止まったかのように固まってるし。

 

「俺は吉井明久16歳! 好きな言葉は『勝てば官軍』。まぁちょっとオカルト関係に詳しいっス。これから1年間よろしく! 次、姫路ちゃん」

「え? はわわ! え、えと、姫路、です。よろしくお願いしますね?」

 

未だにクラスが固まってる中、俺と姫路ちゃんは自己紹介をぱっぱと終わらせた。さて、どこに座ればいいんかな? お、あそこなら近くに二つ席が空いてるな。

にしても、今簡単に見渡した感じだと知り合い多いようだな。いらないやつもいるが......

 

『......うおおおおお!』

「うおっ!? なんやなんや!?」

 

なぜか盛り上がる教室。

まったく意味わからん....とりあえず席にーーと言ってもちゃぶ台だから席もなにもないんやが。席に座る。

あ、姫路ちゃんが壇上に残ったままだ。これだとーー

 

『あれ姫路さんじゃね!?』

『おお....! 女子が秀吉しかいないこのクラスにうるおいが....!』

『おいばか、限りなく男に近いがちゃんと女子はーーひでぶっ!』

 

どうやら姫路ちゃんの存在によって盛り上がったようだ。

俺はしばらく興奮が収まるまでにーー

 

「明久、なんでてめえがこのクラスに来たのか教えてもらおうじゃないか」

「あはは....ちょっと色々あったんよー」

 

ーーなぜかブチギレてる悪友に説明しますか。

 




投稿速度は二日に一回。そして投稿するのはあと3話。

お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

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