「ん……ふああぁぁ……」
「おはようレンヤ」
「今日はなのは達とジョギングだろ」
「分かっているよ」
ベットから出てジャージに着替え、洗面所に向かい洗顔と歯を磨きいた後家の前で準備運動する。
「レン君お待たせ!」
同じくジャージ姿のなのはが出てきた。
「おはようなのは、準備運動したら早速行くか」
「うん!」
準備運動を終わらして、俺となのはは走り出す。
「フッ…フッ…」
「ハッ…ハッ…ハッ…」
俺達は規則正しい息継ぎをしながら走る、なのははもちろんの事はやても特訓で体力がついてきている。
最初は美少女台無しだったが、今ではついてこれる様にまでなった。
「あっレンヤ!なのは〜!」
「2人共ここや〜!」
「遅いわよ」
「おはようレンヤ君、なのはちゃん」
「コッチだよ!」
少し走ると前にフェイトとはやて、アリサとすずか、アリシアが同じジャージ姿で走っていた。
「おはようフェイト、はやて、アリサ、すずか、アリシア」
「おはよう皆!」
「それじゃあ、行きましょう」
4人と合流して一緒に走る、ゴールに着くまで無言でで走る。しばらくして目的地の高台に到着する。
「ゴール!」
「ふう……」
「皆、お疲れ様」
「これを飲むといい、お母さんが作ってくれたレモン水だ」
「わ〜ありがとう!」
なのは達はそれぞれ受け取った紙コップにレモン水を飲む。
「美味しいね」
「さすが桃子さんね」
「せやな」
レモン水を飲み干し、人心地をつく。
「それにしてもはやてちゃん以外もジョギングを始めるなんてね?」
「そもそもレンヤ君の特訓がただの体力作りだとは思わへんかったけど」
「俺もソフィーさんから受けた特訓は全部体力作りだったからな、ジョギングなんて生温いくらいの……」
俺は昔を思い出し、空を見上げる。
「ありゃ、黄昏ちゃったよレンヤ」
「思い出したくないんでしょう」
「あはは……」
「まあいいか……。さてと、そろそろ戻るかな。これから学校だしな」
「うん、そうだね!」
「行きましょう」
「分かったよ」
途中まで皆と一緒に行き、その後別れてなのはと一緒に家に向かった。
家に帰り、なのはの後にシャワーを浴びて制服に着替えて朝食を食べた後に学校に向かう。
「もうすっかり春だね」
「ああ、そうだな」
通学路の途中にある桜の木を見ながらそう言う。
俺達はこの前中学三年生になった、中学生も残り一年。悔いのない様にしないとな。
「レンヤ、なのは!」
「おはよう!レンヤ君、なのはちゃん!」
後ろから制服に着替えたアリサとすずかが手を振りながら駆け寄って来る。そのまま学校に向かい始める。
「確か……今日はなのはちゃん達お仕事入っていたよね?」
「うん。久しぶりに皆で集まるんだぁ」
「どういう訳か俺も呼ばれているがな、アリサ」
「はいはい。頑張ってコピーし易いノートを取るわよ」
「よろしくな」
「にゃはは、ありがとう!……あ!」
「おはよう!」
「おはようや皆!」
「おっはよ〜〜!」
今日の予定を話しながら歩くと制服姿のフェイトとはやてとアリシアが手を振って待っていた。
「おはよう」
「3人共おはよう〜!」
「おはよ!今日集まるんだって?」
「うん!」
「ほんま楽しみやわ〜」
「2人の分のノートも任せてね!」
「私達がバッチリ取っておくよ!」
「姉さん、ありがとう!」
「あんがとうな!」
全員で聖祥に向かって話しながら一緒に歩く。
午前の授業も終わる前に俺達は早退する。
「じゃ、行ってらっしゃい。授業のノートは取っとくからね」
「ありがとう、アリサちゃん!」
「ぶう、本当は私も行きたかったのに、何でレンヤだけ……」
「レジアス中将もレンヤ君が行くのにもご立腹だったからね」
「クロノ達じゃなかったら断っていたかもな」
「そうだね、それじゃあ行ってくるよ!」
「ほなノートよろしくなぁ!」
俺達は時間が来たので、アリサ達に見送られ手て教室を出て屋上に向かう。
『じゃっ何時もの場所に転送ポートを開くからね〜!』
「は〜い」
エイミィさんから通信が入り、転送ポートが開かれる。
「レゾナンスアーク、ラーグ、ソエル!」
《イエス、マイ マジェスティー》
「ふう、狭いぜ」
「ほい来た〜!」
呼び掛けに応えレゾナンスアークが宙に浮き、ポケットからラーグとソエルが出てくる。
「レイジングハート!」
《イエス、マイ マスター》
なのはの呼び掛けに応え、レイジングハートが宙に浮く。
「バルディッシュ!」
《イエス、サー》
フェイトの呼び掛けに応え、バルディッシュが宙に浮く。
「リインフォース ツヴァイ!」
「はい!マイスターはやて!」
はやての呼び掛けに応え、剣十字が宙に浮き中からリインが出てくる。
そして……
「「「「セーットアーップ!」」」」
俺達はデバイスを空高く放り、光りに包まれてバリアジャケットや騎士服を纏い、それぞれのデバイスを手に取る。ラーグとソエルはポケットに入り、リインははやての肩に乗り……
「「「「ゴーー!」」」」
空に飛び上がり、転送ポートを潜り抜けていく。
転送ポートを潜り抜けてレンヤ達は第162観測指定世界に来た。
『じゃっ改めて今日の任務の説明ね〜』
飛行中にエイミィから通信が入り、任務の説明がされる。
『そこの世界にある遺跡発掘先を2つ回って発見されたロストロギアを確保。最寄りの基地で詳しい場所を聞いてモノを受け取ってアースラに戻って本局まで護送!』
「平和な任務ですねぇ」
「だがロストロギアである以上、油断は禁物だぞなのは」
「はぁい!」
少し気の抜けた感じのなのはに分かっていると思うが釘を刺しておく、
『まぁレンヤ君、なのはちゃん、フェイトちゃん、はやてちゃんの4人が揃ってて、もう一ヶ所にはシグナムとザフィーラが居る訳だから……まぁ多少の事件くらいなら何とかなっちゃうよね。レンヤ君毎日それみたいなのと相手しているし』
「毎回事件が起きているように言わないで下さい……まぁなのは達は俺が絶対に守ってみせますよ」
「「「////」」」
「ひゅーひゅー、レンヤやるぅ」
「うるさい」
レンヤの言葉になのは達が顔を赤らめる。
『よろしく頼むぞ、4人共』
「了解!」
「「「りっ了解!」」」
クロノとの通信を切る。
アースラブリッチーー
「ふう……」
「でもホント、なのはちゃん達が高校に行くって聞いた時驚いたよね〜?私としては凄く嬉しいけど、クロノ君は?」
「そうだな……友としての立場から言わせてもらえば嬉しいな」
「そうだよね〜〜高校に行く間はアースラが拠点になるし……アリサちゃん達も入れて、これからも賑やかだね!」
「ああ、そうだな……なのは達の研修期間の時も充分この艦も騒がしかったが、レンヤといるなのは達は本当に楽しそうだからな。僕も嬉しいよ」
「うん!……さてと、今日は楽しい同窓会的任務だし、終わったら賑やかにやりましょ!」
「全く、仕方ないな……」
まだまだ良い意味で騒がしい日々は続きそうだ。
あれから移動して北部定置観測基地に到着する。
「さてと、基地の方は……」
着地と同時にバリアジャケットを解除して基地内を見渡していると……
「遠路お疲れ様です!本局管理補佐官、グルフィス・ロウランです!」
「シャリオ・フィニーノ通信士です!」
眼鏡を掛けた男女が敬礼しながら出迎えてくれた。
「ありがとう」
「ご苦労様」
俺達は敬礼を返しながら言う。
「ご休憩の準備をしてあります、こちらへどうぞ」
「あっ平気だよ。直ぐに出るから」
「私達これくらいの飛行じゃ疲れたりせーへんよ。グリフィス君も知っているやろ?」
「はい……存じ上げてはいるのですが……」
「「?」」
「はやて、顔見知りか?」
「あ!3人は会ったことなかったな?こちらグリフィス君、レティ提督の息子さんや」
「はじめまして!」
「ああ、なるほど」
「「あー!似てる!」」
言われてみれば、確かにそっくりだ。
「フィニーノ通信士とは初めてだよね?」
フェイトがもう1人の女の子に話しかける。
「はい!でも皆さんの事は凄ーく知っています!」
するとフィニーノ通信士は興奮した面持ちで声を上げる。
「本局次元航行部隊のエリート魔導師、フェイト・テスタロッサ執務官!」
「あ、あはは……」
「幾つもの事件を解決に導いた本局地上部隊の切り札、八神 はやて特別捜査官!」
「何やこそばゆいな〜」
「武装隊のトップ航空戦技教導隊所属で不屈のエース、高町 なのは二等空尉!」
「にゃはは……」
「そして……怪異から市民を守る異界対策課隊長にして現代の聖王、神崎 蓮也三等陸佐!」
「…………あれ?いつの間に昇格したっけ?」
「「「おい」」」
「うーん、前仕事の疲れでゲンヤさんの言ったこと聞き逃した事があるんだが……その時か?IDもなんか更新されたし」
「それは……仕方ない、かな?」
「しかもいつの間にか私を抜かしているんや」
仕方ないだろ、無駄なくらい事件が起きるんだから。
そんなことを気にもせずフィニーノ通信士が興奮している。
「陸海空の若手トップエースの皆さんとお会いできるなんて光栄です〜〜‼︎」
「「「「あっあはは……」」」」
フィニーノ通信士は興奮がMAXにいったらしく、俺達は乾いた笑いを受けべる。
「それとリインフォースさんの事も聞いていますよ!とっても優秀なデバイスだって!」
「わー、ありがとうございますですぅ」
「ソエルさんとラーグさんもです!」
「ありがと〜」
「あんがとな」
テンション高いなー。
「シャーリー、失礼だろう」
「あっいけない、つい舞い上っちゃて……」
「シャーリーって呼んでいるんだ?2人は仲良しさん?」
「すっすみません、子どもの頃から家が近所なので……」
「幼馴染みなんだ!」
「いいね。私達4人も幼馴染みなんだよ。幼馴染みの友達は貴重なんだから大事にしてね?」
「「はいっ!」」
「特に男女だとそれ以上の関係を望んでまう事もあるからな〜」
唐突にはやてが変な事を言う。
「「はっはやて(ちゃん)///⁉︎」」
2人が慌ててはやてに詰め寄る。
「でも事実やんか〜?私もそうなんやし///」
「あれ〜?もしかして皆さん……」
なのは達の会話を見ていたフィニーノ通信士が何かに感づく。
「まあいいか、ほら行くぞ。後輩の前でみっともない事はするな。ロウラン補佐官、フィニーノ通信士、ナビゲートを頼むぞ」
「「はい!」」
バリアジャケットを纏い、出発する。
「わーい」
「おっ先〜」
「あっ待ってよレン君!」
「あわわ、置いて行かないで!」
「私達も行こか?」
「はいですぅ!」
なのは達もバリアジャケットを纏い後を追いかけてきた。
時空管理局本部・無限書庫ーー
僕は何時も通り無限書庫で仕事をしている。司書長になってからはより仕事が大変だよ……
(まぁ……やり甲斐はあるんだけどね)
『ユーノ、そっちのデータはどうだ?』
「もう解析を進めている。レンヤ達が戻る頃には出揃うよ」
『そうか』
僕に何時も仕事を持ち込むクロノと話していると……
「はいよ、ユーノ」
犬耳と尻尾を生やした小さな女の子が本を持ってきてくれた。
「ありがとう、アルフ」
そう……この小さな女の子はフェイトの使い魔のアルフだ。
「アルフもすっかりその姿が定着しちゃったね?」
「あー……まーね?フェイトの魔力を食わない状態を追求したらこーなちゃってな。あたしはフェイトを守るフェイトの使い魔だけど……フェイトはもう充分強いし1人じゃないし……ずっと側にいて守るばかりが守り方じゃないし。何よりレンヤもなのは達もいるしな、レンヤにならフェイトを任せても大丈夫だし!」
明るい笑顔でそう言うアルフ。
「アルフはしっかりしているね。でも今ラーグ達が作っている、使い魔支援システムを使えばアルフも今以上に戦えるんじゃないの?」
「いいんだよ、あたしはもう前線を退いたんだ。それに最近は家の中の事をするのも楽しいし……来年にはクロノとエイミィが結婚する予定だし、子どもが生まれてきたらお世話をさせてもらうんだ!」
『ア〜ル〜フ〜!その話しはまだ秘密だってー……///』
「ええと……おめでとうございます」
僕はアルフ達の会話になんか気まずいけど、取り敢えずお祝いの言葉を口にする。
『うう……ありがとう……////』
「クロノもようやく決心したんだね?」
『まあ……色々とな///』
『と言うか!そーゆーユーノ君は⁉︎』
「あはは……僕はそんな浮ついた話しはありませんよ?」
(う〜ん……ユーノ君はモテると思うんだけど、まあ……仕事好きみたいだし、まだ先になるのかな?)
『皆さんの速度なら目標ポイントまで十五分程で到着します。ロストロギアの受け取りと艦船の移動までナビゲートします』
「はい……よろしくね、シャーリー」
「グリフィス君もねー」
『はいっ!』
飛行しながら通信に応対する、っていうかもう愛称で呼んでいるよ。女の子は仲良くなるのが早いね。
「しかし私達ももう6年目か〜」
「中学も来年には卒業だしね?」
「卒業後は高校だよね〜?楽しみだなぁ」
「そういえば、はやては高校卒業後、ミッドチルダに移り住むんだよな?」
「うん!クラナガンの南側で大きな家があるんや!えー感じのを探し中や!決まったら皆で遊ぼな〜」
「うん!」
「もちろん!」
「リインもお姉様とはやてちゃんと一緒にお待ちしているですぅ!」
「あはは、そうだな。そういえばなのはとフェイトのバリアジャケットのデザインを変えたんだな」
なのはのはセイクリッドモードと違い、スカートが前開きになり、内側にミニスカートを、足にはニーソックスを履いていて、髪型はツインテールになっている。
フェイトは執務官の制服を基調としており、膝まである白いマントを付けていて、髪型はツインテールだ。
「すずかちゃんに提案してもらったアグレッサーモードだよ、魔力消費を抑えることで長時間の活動ができるの」
「私もすずかに提案してもらったんだ、インパルスフォームって言って高速機動補助をベースに防御面にも優れているんだよ」
「へえ、そうなんや」
「でもまたその髪型にしたんだ、似合っているぞ」
「「あっありがとう////」」
「俺もそろそろ変えよっかな〜」
「私が考えるよ!」
そんな感じに飛行しながら、まったり会話をしていると……
「あっ見えてきた!」
発掘地点が見えてきたな。
「ん?」
異変を感じ、目に魔力を込めて視力をあげると……
「なのは、フェイト、はやて……警戒しろ。機械兵器らしき物体が多数いる」
その言葉に驚きながらも顔を合わせて頷く。
「救助はなのは、俺とフェイトが遊撃、はやてとリインは上から指揮を頼む!」
「「「了解!」」」
作戦の指示の終わりと同時に……
ギュンッ!
音を立て飛行しながら各自、位置につく。
「おし!やるで、リイン!」
「はいです!」
「「ユニゾン……イン!」」
はやてとリインがユニゾンし、外見が全体的に白くなる。
「これより、未確認機械兵器と交戦する!気を引き締めて行くぞ!」
「「「了解!」」」
発掘地点に降り立ち、戦闘を開始する。
「中継!こちら現場!発掘地点を襲う不審な機械兵器を発見!強制停止を開始します!」
『中継了解!これより本部に映像を回します!』
「お願い!」
目の前にいる機械兵器は中心にレンズの付いたカプセル型が数十機ある。
カプセル型の機械兵器が無数のレーザーを撃ってきた。
「させない!」
《プロテクションEX》
そのレーザーの掃射からなのはがプロテクションを張り発掘員を守る。
「フェイト!」
「うん!プラズマランサー!」
フェイトは魔力スフィアを設置して、俺は双銃に魔力を込める。
《シューティングブレット》
「「ファイア!」」
ドドドドドッ‼︎ドカァァン‼︎
大量の金のランサーと蒼の銃弾がカプセル型の機械兵器を撃ち抜き、爆発する。
なのはが発掘員に近づく。
「大丈夫ですか!」
「は……はいっ…」
「あれは一体?」
「分かりません、コレを運び出していたら急に現れて……」
事情を聞くが発掘員もよく分かっていないらしい。
(狙いは……ロストロギアか)
『広域スキャン終了……人間はあの2名だけです!』
「ん!了解や」
リインが広域スキャンを終えてはやてに報告する。
「あれは機械兵器?」
《該当するデータがありません》
フェイトがバルディッシュに問うも、データベースに一致する記録はないみたいだ。
『中継です!目標はやはり未確認との事、危険認定により破壊停止許可が出ました!』
「了解!はやて」
「はいな!発掘員の救護は私が引き受ける!レンヤ君達は思いっきりやってええよ!」
「「「了解!」」」
改めて機械兵器と対峙すると……
ヴヴンッ……
機械兵器が光の膜を張る。
「あれはフィールドエフェクト?取り敢えず様子見でワンショット!レイジングハート!」
《アクセルシューター》
「シュートッ!」
レイジングハートの先端から3発の魔力弾が放たれるが……
パシュッ!
フィールドに触れた瞬間、消滅してた。
「今のは……」
「無効化フィールドか!」
《ジャマーフィールドを検知しました》
「AMF(アンチマギリンクフィールド)?……AAAランクの魔法防御を機械兵器が?」
フェイトは判明した事実に軽い驚きと疑問を抱く。
『はわわっ!AMFって言ったら魔法が通用しないって事ですよ⁉︎魔力結合が消されちゃったら攻撃が通らないです〜!』
「あはは……リインはやっぱりまだ小っちゃいな」
『ふええっ⁉︎』
リインの慌てた物言いをはやてが微笑ましそうにしながら否定する。
「覚えておこうね?戦いの場で……これさえやっとけば絶対無敵って定石はそうそう滅多にないんだよ」
俺となのはとフェイトが魔力を溜め始める。
「どんな強い相手にも、どんな強力な攻撃や防御の手段がにも、必ず穴はあり崩し方もあるんだ」
「レンヤ君の言う通りや。魔力が消されて通らないなら……発生した効果の方をぶつければええ」
「例えば小石……」
ゴッ!
なのはは魔力を地面にぶつけて、砕いた破片を宙に浮かせ……
「例えば雷……」
バチバチ!
フェイトは魔力で雷雲を呼び寄せ……
「例えば空気……」
キュオオオ!
俺は空気を剣に集め、圧縮させ……
「スターダスト……」
「サンダー……」
「テンペスト……」
「「「フォーーーールッ!」」」
ドゴオオオオオオオンッッッッッ‼︎
ズガアアアアアアアンッッッッッ‼︎
ビュオオオオオオオオッッッッッ‼︎
加速された小石が、雷雲から生じた雷が、高速で放たれた鎌鼬が機械兵器を粉々に打ち砕く。
機械兵器は瞬く間に破壊され、活動を停止する。
『ふえ〜、凄いですぅ〜』
「3人共一流のエースやからな」
『あ!何機か逃走しているです!』
リインが言う様に、先程の魔法の範囲外にいた機械兵器数機が逃走を開始する。
「追おうか?」
「へーきや、コッチで捕獲するよ。リイン頼んでもええか?」
『はいです!』
(レンヤさん達に良いとこ見せるんです!発生効果で足止め捕獲と言うと……)
『こんな感じです!
機械兵器の進行方向にベルカ式の魔法陣が展開され、その上を通った瞬間……
ガキィィン!
機械兵器を氷の檻に閉じ込めて捕獲した。
「お見事!」
「やるじゃないか」
『ありがとうございますです!』
褒められて嬉しそうにするリイン。
「これがそのロストロギアですか?」
フェイトが木箱の中から黒いケースを取り出し発掘員に確認する。
「はい……」
「中身は宝石のような結晶体で……レリックと呼ばれています」
『…し……こちら…』
その時、ある人物から念話が入ってくる。
「こちらアースラ派遣隊!シグナムさんですか?」
『その声はなのはか?そちらは無事か?』
どうやらもう一ヶ所に向かったシグナムからの様だ。
「シグナム、何かあったのか?」
『レンヤか、そちらは無事だったか?』
「機械兵器の襲撃にあった、そっちにも出たのか?」
『こちらは襲撃ではなかったがな……』
「襲撃ではない?」
「「「「?」」」」
私はレンヤ達と念話で話しながら眼前の光景を見る。
「危険回避の為、既に無人だったのが不幸中の幸いだったが……発掘現場は跡形もない。先程ヴィータとシャマルを緊急で呼び出した」
視線の先には……
ヒュオオオオオオ………
「今日の任務、気楽にこなせるモノではなさそうだ」
もうもうと煙を上げ、大きく穿たれた巨大なクレーターがあった。