魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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50話

 

 

研究所を潰して数日後ーー

 

アギトはアリサのユニゾンデバイスとして登録された、正式に管理局員にもなり異界対策課に所属している。

 

ユニゾンデバイスと言う事ではやて達ににも顔合わせをしたりして、シグナムともユニゾンも出来たが、その適合率を見たリインが頬を膨らませていた。悔しかったんだろう、それを見たアギトは勝ち誇る様に胸を張り、お互いケンカに発展する事に。どちらも根は優しいから時期に仲良くなると思うが。

 

そして今は……

 

「ねえレンヤ、いいでしょう連れて行ってよ〜」

 

「ダメなものはダメ」

 

場所は異界対策課、今は俺とアリシアとラーグとソエルしかいなく俺はアリシアに揺らされながら答える。

 

「私だって行きたいの〜〜未来〜!」

 

「ダメです」

 

アリシアが未来に行きたいとねだっていた、もちろんそんな簡単に行ける訳ではないし頻繁に行っても行けない。

 

「はあ、ラーグ。実際どうなんだ」

 

「うーん、まあいいか」

 

「本当!やった〜!」

 

「おいおい、いいのか?」

 

「あれから結構経っているし、大丈夫だよ」

 

「よ〜し、早く終わらせるぞ〜〜!」

 

アリシアがすごい勢いで書類を片付けていく。

 

「やれやれ」

 

「アリシア、本当に楽しみなんだね」

 

「俺達も頑張りますか」

 

それからしばらくして何時もの半分の時間で終わらせた。

 

「ほら、行こう!」

 

「あっコラ!ちゃんと連絡を残して行くぞ!」

 

「わーい」

 

アルトセイム地方から転移して未来に到着し、ミッドチルダに向かった。

 

一応変装もして、俺はカツラとリボンでアリシアはメガネと髪型を三つ編みにした。

 

「……………………」

 

「ん?レンヤ?………はっは〜ん、どう!今の私は!」

 

「あっああ、雰囲気も違がっていてとても大人っぽくて似合っているよ」

 

「そっそう、ありがとう///」

 

「コホン、それでどこに行くんだ?予定なしだとつまらないぞ」

 

「それはもちろん美味しい食べ物を食べに行くんだよ!未来の味はどんなのだろ〜〜」

 

アリシアは楽しそうにはしゃぐが……

 

「アリシア、お金は持ってきているよな?」

 

「ううん、電子マネーだけだよ」

 

「………それ使えないぞ」

 

「10年前のデータだからね〜」

 

「最悪、通報されるな」

 

「そっそんな〜〜〜……」

 

楽しそうから一転して落ち込むアリシア。

 

「あ〜〜大丈夫だ。俺が現金持ってきているし、奢ってやるから元気出せ」

 

「本当!ありがとうレンヤ!」

 

「わっ!こら抱きつくな……!」

 

それから色々な場所を食べ歩きし楽しんだ。

 

「おお!このアイス美味しいよ!」

 

「ジャンクフードもスイーツ、どれも前より美味しくなっている」

 

「レンヤレンヤ!私にもちょうだい!」

 

「やっぱり酒が欲しくなってくるな」

 

「やめなさい」

 

しばらくそうしていると……

 

「ん?あれは……」

 

「どうした、アリシア?」

 

「こっち」

 

アリシアの後を追って行く、そしたらベンチに4歳くらいの少女が眠そうに座っていた。

 

「これって……」

 

「ああ、俺が使っているリボンと同じ巻き方だ」

 

少女は長い金髪に、おでこではなく頭部にリボンを当てて螺旋を描きながら腰のあたりで結んでいる。

 

「この子は……」

 

「なんでレンヤのリボンを持っているんだろう?」

 

「ーーーう………ん……」

 

少女が目を覚ました、面倒ごとになる前にカツラとリボンをとりラーグに入れた。

 

「ふわあああ〜〜〜」

 

少女はボーッとした目でこちらを見る。

 

「…………父様?母様?」

 

「えっと、違うぞ」

 

「………そう」

 

「随分とマイペースな子だね」

 

「………私は……リーリン、リンでいいよ。」

 

「いや聞いていないから」

 

「ふわあああ〜〜〜」

 

また大きなあくびをして立ち上がり、どこかに行こうとする。

 

「あっ!待って!」

 

ぐううううう

 

「……………お腹すいた」

 

「あはは、これを食べるかい?」

 

俺は少女ーーリンにクレープを差し出す。

 

「……………………」

 

リンは無言でクレープを口にする。

 

「……………あま"………まず……ぶえ…」

 

「あれ、甘いの苦手?」

 

リンは嫌そうな顔をして頷く。

 

「ごめんごめん、これならいいかな?」

 

今度は肉まんを差し出す。今度は自分でとり、食べる。

 

「…………美味しい」

 

「よかった」

 

リンはゆっくり肉まんを食べていると……

 

「リンちゃん!」

 

紫色の長い髪を一纏めにして肩にかけているリンと同い年の少女がやって来た。

 

「また寝ぼけて、どこに行っていたの⁉︎そんな物までもらって……」

 

「えっと、君は……」

 

「すいませんリンちゃんがご迷惑をかけて、私はことねって言います。かんーーー」

 

「ひったくりよ!」

 

その時女性の声が聞こえ、こちらに向かって男性が走ってきた。

 

「どけえ!」

 

「全く、いつの時代も変わらないな」

 

「制圧したらすぐにここから離れよう」

 

俺とアリシアは男に向かって飛び出し……

 

「はあ!」

 

「邪魔だ!」

 

俺が足払いをかけるが避けられる。

 

「ほい!」

 

「ぐあっ!」

 

飛び上がった所をアリシアが攻撃して男を気絶させる。

 

「よし!」

 

「早くここから離れるぞ……!」

 

俺達がすぐに離れようとするも、もう管理局員が見えてきた。

 

「まず……」

 

「どうしよう……」

 

打つ手がないと思ったとき……

 

「………お兄さん達、逃げたいの?」

 

「えっ……」

 

「リンちゃん?」

 

リンは手を前に出して……

 

「ーーーいめみしがらみを、折りつぎて……折りのぶる、(おび)きの歌ぞ……紡ぐなる……」

 

リンが謳いはじめ、風が巻き起こりはじめる。

 

「幻の道に……」

 

球状の風が現れ、中心に光が見え……

 

「引きかなぐらん」

 

瞬間、リンが光り強い閃光と突風が発生する。

 

「うわあああ!」

 

「目くらまし⁉︎」

 

管理局員が閃光に目がやれれる。

 

「何これ⁉︎」

 

「分からないけど、とにかく逃げるぞ!」

 

「あっ……ありがとうね!リンちゃん!」

 

俺達は急いでこの場から離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ふわああああ〜〜〜………眠い……」

 

「リンちゃん!また力を使ってダメでしょう!」

 

「ーーーリン!」

 

「………兄様……」

 

「お兄ちゃん!」

 

「リン、ことね、何があったんだ?」

 

「………何でもない……」

 

「そんな訳ーーってコラ!背中によじ登るな!」

 

「…………スゥ…スゥ………」

 

「寝るな!」

 

「落ち着いて下さい、イットさん」

 

「わん」

 

「にゃあ」

 

「ティオちゃ〜〜〜〜ん‼︎」

 

「あっ落ち着いて、ことねちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、ここまで来れば大丈夫だろう」

 

「そうだね」

 

「楽しかったね〜」

 

「俺達は寝ているから、帰るときは呼んでくれ」

 

「了解」

 

俺達は海の近くまで来て、今は砂浜を歩いている。

 

「ん〜〜海に映る夕暮れも綺麗だね〜〜」

 

「そういえばこの時間にここに来るのは初めてだな」

 

それからしばらく砂浜に沿って歩いていると、木を蹴る打撃音が聞こえてきた。

 

「何だろう?」

 

「あれじゃないか」

 

ヤシの木の下に丸太が置いており、同い年くらいの短髪の少女が蹴りを何度も入れていた。

 

「ーーースターセイバー……抜剣!」

 

《ソードオン》

 

少女の足についている装甲が展開して魔力が溢れ出し……

 

「やあああああっ!」

 

渾身の一撃が丸太にあたり、粉砕した。

 

「ふう……」

 

《ソードオフ》

 

目を閉じて呼吸を整え、装甲を閉じる。

 

「………ん?わあああ!またやっちゃたよ〜〜〜……」

 

壊していけなかったんだろうか、慌てている。

 

パチパチパチ

 

俺とアリシアは手を鳴らし拍手をする。

 

「えっ?」

 

「凄いねあなた、今のブレイカーでしょ?」

 

「その年でそこまで出来るとは驚きだ」

 

「そっそんな!グズでのろまな僕にはこれしかできなくて……」

 

「謙遜する事はない、充分凄い」

 

「そうそう、もっと誇りなよ」

 

「あっありがとうございます!」

 

少女は勢いよくお辞儀をした。

 

「あっ申し遅れました、僕はミウラ・リナルディです!」

 

「私はーー」

 

「彼女はシア、俺はレンって言うんだよろしくなミウラ」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

『ちょっとレンヤ』

 

『本名教えるわけにはいかないだろ、一応俺達ミウラより10歳は上なんだから』

 

『うっ……それもそうか』

 

「お二人はどうしてここに?」

 

「散歩していてな、ちょうどここに寄ったんだ」

 

「そういえば、ミウラは誰に魔法……と言うか格闘技を教えてもらっているの?」

 

「はい!すぐそこに住んでいるザフィーラ師匠からです!」

 

それを聞いた瞬間、俺達はビシッと固まった。

 

「夜天の書の守護騎士と言えば分かりますよね?」

 

「アアウン、ソウダネ〜」

 

アリシアを小突き元に戻す。

 

「コホン、それじゃあ俺達はこれで。邪魔をしちゃ悪いし」

 

「いえそんなこと無いですよ!また来て下さいね!」

 

「それじゃあまたーーー」

 

「ーーーミウラ」

 

聞き覚えのある声にまた固まる。

 

「師匠!」

 

「また丸太を壊したか、まあいいシグナムが呼んでいるぞ」

 

「はっはい!それではお二人ともまた!」

 

ミウラは荷物を持って行ってしまった。

 

俺達も行こう……と言うより逃げようとしたら……

 

「待て」

 

ザフィーラに肩を掴まれた。

 

「あっあははは、何かご用でも?」

 

「バレバレだ、レンヤ、アリシア」

 

二人は諦めザフィーラと向き合う。

 

「えっと、この事はご内密に」

 

「無論そのつもりだが、ここのレンヤから伝言だ。あまり騒ぎを起こすな、だそうだ」

 

「まっそりゃそうか、キリもいいしそろそろ帰るか」

 

「うん、それじゃあねザフィーラ」

 

踵を返していくと……

 

「待て」

 

またザフィーラが止める。

 

「これは俺からの助言だ……この先、どんなことがあっても気をしっかり持て。それだけだ」

 

そう言い残し、ザフィーラは去って行った。

 

「何だろう?」

 

「先を進んだ人にしか解らない問いだろう、早く帰るぞ」

 

「あっ待ってよ、レンヤ!」

 

それから元の時代に戻り、異界対策課に戻って来た。

 

アリサ達も居たので未来の出来事を教えた。

 

アギトとすずかには羨ましがれてアリサは飽きれてしまったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は家に帰って今日の出来事を思い出していた。

 

「楽しかったな〜〜……それにしてもあのリーリンって子、結局何でもレンヤのリボンを持っていたんだろう」

 

最初に聞いた未来の話しでもリーリンの名前は出てきた、昔のレンヤにそっくりという事も。

 

「ん〜〜………!まさか、レンヤと誰かとの子どもを……!もしかしたらあの子は私とレンヤの……////」

 

そう思うと顔が真っ赤になってしまう。

 

「そう言えば、この髪型も褒めてくれたよね……」

 

鏡の前に立ち自分の姿を見る。

 

「改めて見ると私じゃないみたい……よし!これからはこの髪型しよう!」

 

レンヤが褒めてくれた事に嬉しくなって、その日なかなか眠れなくなってしまうが。

 

 


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