魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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47話

 

夏休みの宿題をやっている時……

 

「レン君、今大丈夫?」

 

「ああ、いいぞ」

 

なのはが部屋に入って来た。

 

「宿題か?」

 

「うん、国語が分からなくて」

 

「なら俺も国語を終わらせるかな」

 

それからなのはと国語の宿題をやった。

 

「レン君、ここはどうやるの?」

 

「ここは、こうして……こうだ」

 

「あっ分かったの、こっちも同じで……」

 

しばらくして、国語の宿題を終わらせた。

 

「やった!終わったの!」

 

「やっぱりなのはも容量を考えれば頭はいいんだ、この調子で行こう」

 

「うん!そうだレン君この後暇がある?」

 

「問題ないが、何をするんだ」

 

「ケーキバイキングの割引券が今日までなの、だから……一緒に行ってくれないかな?」

 

「ケーキバイキング?俺よりフェイト達を誘えばいいじゃないか、その方がいいだろうし」

 

「その……これ男女ペアだけなの……」

 

それで俺を誘うのか、ここ最近シュークリームもカステラも食べてないしいいか。

 

「分かった、今から行くのか?」

 

「うん!すぐに支度するね!」

 

なのはは勢いよく部屋を飛び出し、自分の部屋に向かった。

 

手早く着替えを済ませて、家の前でなのはを待つ。

 

「お待たせなの〜〜」

 

なのははいつもの着ている服で来たが、あれは小学生の時から来ているのでやはり似合わない。

 

「それじゃあ、行こっか」

 

「ああ、その前に寄りたい所があるんだがいいか?」

 

「うん、いいよ」

 

なのはと街に向かい、ケーキバイキングのある店の途中にある服屋に入った。

 

「レン君、お洋服を買うの?」

 

「いや、なのはの服を買いに来たんだ」

 

「ええ!どうして⁉︎」

 

「その服は気に入っていると思うけど、サイズが小さいしなのは自身成長したから似合っていないぞ」

 

「ううっ………」

 

それから店員と相談しながら、なのはに似合う服を見繕った。

 

「どっどうかな?」

 

「うん、似合っているぞ」

 

「あっありがとう///」

 

確かに似合っているが、どこか違和感を感じる。

 

代金を払い違和感が分からないまま、ケーキバイキングのあるお店に向かう。

 

「わぁ〜どれも美味しそうなの〜」

 

ショーケースを埋め尽くす限りの豊富にあるケーキ、さすが女の子なのか早速はしゃいでいた。

 

「これだけのケーキを見るのは初めてだな」

 

「レン君〜〜!早くしないとなくなっちゃうよ〜〜!」

 

「そんな訳ないだろ」

 

ケーキを皿に乗せてテーブルに座る。なのはの皿の上には結構な量のケーキがある。

 

「そんなに食べて大丈夫なのか?」

 

「うん、甘い物は別腹って言うでしょう?」

 

「そう言う物か?」

 

よくわからん、そう思いながらショコラケーキを口にする。

 

「美味しいな」

 

「にゃ〜〜美味しいの〜♪」

 

なのはもケーキを食べて頬を緩ませている。

 

「あっ、レン君のもちょうだい」

 

「取りに行けばいいだろう」

 

「全部食べたいけどそれは無理だから、一口だけでも味わいたいの」

 

「まあいいけど、ほれあーん」

 

ショコラケーキを一口分フォークに刺して、なのはに差し出す。よくやっているので別段恥ずかしくない。

 

「あ〜ん……甘〜い♪ほらレン君も」

 

「俺は別に……ムグッ!」

 

言い終わる前にフォークを口に入れられた。

 

「ゴックン!こら、無理やり食べさせるな」

 

「でも美味しいでしょう?」

 

「そうだがちゃんと許可をもらえ」

 

「うん!だから、はいあ〜ん」

 

なのはがチーズケーキを刺したフォークを差し出す。

 

「しょうがないな、あーん」

 

「美味しい……?」

 

「美味しいよ」

 

それから何度か食べさせあいをしていた。

 

ふと視線を感じて周りを見ると、女性の人達がこちらをチラチラと見ていた。て言うか男俺だけじゃん、そりゃ目立つよな。

 

疑問に思いながらも、なのはの方を見ると差し出したフォークを咥えたまま顔を真っ赤にしている。

 

「なのは、どうかしたか?」

 

「なっなんでもないの!」

 

勢いよく首を横に振り否定するも顔が赤いままだ。

 

(そうだよ、普通男女があ〜ん何てし合わないの!何時ものようにしちゃっていたけど、これって周りから見れば………カッカップルってことだよね⁉︎)

 

何だか顔を手で押さえているんだけど、まあそのうち元に戻るだろう。

 

そう思いケーキを食べる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのは、あんなに食べて大丈夫なのか?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

ケーキバイキングを出たあと運動がてら散歩をしている。

 

元に戻った後、なのははそれなりの量を食べた。

 

「将来が大変な事になるぞ?」

 

「うぅ……でも仕事で体をいっぱい動かすからね、それで落とすの!」

 

落とすんだったら最初から大量にとるな。

 

少しして、街が一望できる高台に来た。

 

「こうしてみると、昔より変わった感じがするの」

 

「街が変わるのもそうだが、俺達の視線が上がったからだろう」

 

「ふふ、そうだね」

 

初めて会った時からの月日を感じる。

 

「それじゃあ、帰ろっか」

 

「あっそうだ、なのは」

 

レンヤはなのはの後ろに立つ。

 

「レン君?」

 

「ちょっと動かないで」

 

なのはリボンを解き、髪を纏め、リボンで結んだ。

 

「うん………やっぱりコッチの方が似合うな」

 

「え……?」

 

なのはは手鏡を取り出し、自分を見る。今のなのはの髪型はサイドポニー、片側に髪を纏めて結んでいる。

 

「服は似合っていたけど、違和感があったからな。こうすれば雰囲気も変わるし違和感もない」

 

「……何だか、私じゃないみたい」

 

なのはは驚いた顔から一転して笑顔になる。

 

「レン君、ありがとう!」

 

「どういたしまして」

 

その時、なのははレンヤが持っているリボンを見た。さっきまで結んでいたリボンが2つある、リボンを顔まで持っていくと……レンヤのリボンだった。

 

「レッレン君!このリボンは……!」

 

「いいだ、なのはが貰ってくれ。もう1つあるし、なのはだから譲る事ができるんだ」

 

「レン君……なら私もそのリボンをあげるの!」

 

「あはは、あの時のなのはとフェイトみたいだな」

 

「あ、そうだね!」

 

それから家に帰り、桃子達がなのはの髪型を変わった事に驚き、似合っていると褒めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は楽しかったな〜〜」

 

レン君を誘うために前から持っていたケーキバイキングの割引券、いざ使おうとしても迷って最終日の今日まで来てしまったが……何とか誘えたの。

 

私は鏡の前に立ち、自分の姿を見る。

 

「服も髪型もレン君が決めてもらって、本当に良かったの♪」

 

鏡の前でクルクル回り、何度も自分の姿を見る。

 

「〜〜〜♪………はっ!」

 

そこで気がついてしまった。

 

(レン君に決めてもらった……コーディネートされちゃった……と言う事は、この格好ってレン君の好みの格好⁉︎レン君色に染められているの⁉︎……にゃあぁ〜〜〜///)

 

事実そうかもしれない、レン君がそう言う事を考えていない事は分かっている。無自覚で選んでこそのレン君の好みなの。

 

「それに……」

 

優しく髪を結んであるリボンに触れる。

 

(レン君の匂いがするよ〜〜それにレン君に守られている感じもするよ///)

 

そう思ったら顔が熱くなる、思考が止まらなくなるよ〜。

 

《マスター》

 

「はっ!ご、ごめんねレイジングハート……!」

 

《いえ、それよりお母様が見ていらっしゃいます》

 

「へ……?」

 

ゆっくりドアの方を見ると、少し開いた隙間にお母さんがいた。

 

「お、おっお母さん!何時からそこに……⁉︎」

 

「うーん、なのはがクルクル回った所かしら?」

 

ほぼ最初から……!

 

「ふふ、レンヤと同じで髪型が変わったら一気に美人になったわね〜。でもまだダメよ、これから先化粧を覚えないとすぐに負けるわよ」

 

「!、お母さん、お化粧の仕方教えて!」

 

レン君に意識してもらうために、頑張るの!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だか騒がしいな」

 

「まあまあ、女の子は何時も忙しいんだよ」

 

「そうなのか」

 

「ほら余所見するな、フォースだぜ!」

 

「あっズル!ならボルトだ!」

 

 

 


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