魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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41話

 

 

ティーダを助けるためにゲートに突入したレンヤ達。

 

ゲートに入ると中は洞窟の様な異界だった。

 

「ここは……まるで洞窟みたいだな」

 

「ティーダさんは……いないみたいだね」

 

「ティーダ?それって霧の事件の時助けた女の子のお兄さんじゃなかった?」

 

「あのオレンジの髪……」

 

「そうだ、それであのハンティングのリーダーが妙なタブレットを噛み砕いて。自分の意思でゲートを出したんだ」

 

「タブレット……ね」

 

「決定的な証拠だね」

 

「うん、問題は誰がそのタブレットを作っているかだよ。材料を調達する異界が存在するはず」

 

「そっちも何か掴んだみたいだな?」

 

「ええ、ここを出たらお互いに情報交換しましょう」

 

レンヤ達はデバイスを起動して、バリアジャケットを纏う。

 

「ティーダさんが囚われているなら最奥にいる可能性が高いはず」

 

「時間が惜しいわ、すぐに探索を開始するわよ」

 

「「「おおっ(うん)(了解だよ)!」」」

 

レンヤ達は迷宮の探索を開始した。

 

途中に沼のように場所を通り抜けた。

 

「とっ……危な、異界のものに触るのは厳禁だからな」

 

「異様な雰囲気の沼だったわね」

 

「うーんと過重の呪詛がかけられているね、避けて通ろうか」

 

「凄いね、アリシアちゃん」

 

そして最奥に到着しき、レンヤ達は信じられない光景をみる。

 

「えっ……」

 

「あれは……!」

 

すでに恐竜型エルダーグリードは出現していた、名はブレードレックス。そしてそのグリードにティーダは戦っていた。

 

「はあああっ!」

 

銃を撃ちながら接近して蹴りを食らわせていおり、ブレードレックスの攻撃も簡単に避ける。

 

「喰らえっ!」

 

ティーダがブレードレックスの顔面を蹴り上げ、ブレードレックスは吠える。

 

「うっわーーー……」

 

「銃を持っているのに、肉弾戦してるわね」

 

「確かに凄いけど……」

 

「ああ、体に魔力を流してない!」

 

ティーダは体に魔力を流してないため、銃以外ではダメージを与えられていない。

 

「……効いていないか、銃なら効いているみたいけど。とことん付き合ってもらいますーー」

 

「ーーティーダさん!」

 

レンヤの声でブレードレックスがこちらを向く。

 

「君達……⁉︎」

 

「あれは魔力を流している攻撃をしないとダメージを与えられません!」

 

「ここは俺達、異界対策課に任せて!」

 

「この程度なら余裕よ!」

 

「速攻で終わらせるよ!」

 

レンヤ達はブレードレックスに挑みかかる。

 

ブレードレックスはこちらに向かって飛び上がってくる。レンヤ達は避けるが着地の衝撃が放たれる。

 

「やっぱりね」

 

「あれだけの巨体だ、当然だろう」

 

レンヤ達は予測して、衝撃も避ける。ブレードレックスは頭を振り上げ、頭についている刃を振り下ろす。

 

「はあっ!」

 

レンヤは頭を叩きつけられた瞬間、ブレードレックスの刃に乗り頭を上げ勢いで飛び上がり、剣を背中に突き刺しブレードレックスは倒れる。

 

「アリサ、すずか!」

 

「了解!行くわよすずか!」

 

「うん!合わせてアリサちゃん!」

 

アリサがフレイムアイズを振り炎の竜巻を作り、すずかがスノーホワイトを振り氷の竜巻を作る。

 

「「一斉の、蒼紅円舞曲(そうこうのワルツ)!」」

 

2つの竜巻がブレードレックスにぶつかり2つの竜巻が巻き起こる。

 

「アリシア、決めろ!」

 

「了解!ルウィーユ=ユクム!」

 

アリシアは風の神器を纏い、一気に秘力を解放する。

 

「我が翼は碧天!天を覆うは処断の翠刃!シルフィスティア!」

 

上空に上がり空を埋め尽くすほどの剣を出現させブレードレックスに降り注ぎ、最後に竜巻を起こし刺さった剣を吹き飛ばし斬り刻む。

 

ブレードレックスは咆哮を上げながら光り出し、倒れた瞬間消えていった。

 

「ふっふーん、余裕だね!」

 

「いい肩慣らしにはなったわね」

 

離れた所でティーダが驚いていた。

 

「……やった、のか」

 

「元に戻るよ」

 

アリシアがそう言った瞬間、白い光りを放ち迷宮は収束していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、戻ってこられてーーー!」

 

「ここは………」

 

気がついたらダンスクラブの前ではなく、どこかの港だった。

 

「どうやら中央区にある港ね」

 

「港湾地区、捜査部がある地区だ」

 

「これが地脈の揺らぎの影響による出現座標の変化、実際に起こると凄いね」

 

「君達」

 

「ティーダさん、無事でよかったです」

 

「……異界のことは知っていたが、実際に目の当たりにすると違うな。恥を忍んで申し訳ないが何が起きているのか教えてもらえないか、ファクトや他のメンバーにいったい何が起きているのか……ハンティングを束ねていた元リーダーの一人としてね」

 

「あ……」

 

「……やっぱりそうですか」

 

レンヤは少し考えてから。

 

「ーーいいでしょう。必要最低限になりますが」

 

「ああ、構わない」

 

それから目立たない場所に移動して、説明を始めた。

 

「今回の件は間違いなく異界が関わっています、そして問題はあのファクトって人が自分で異界化を起こした事だ」

 

「可能性はあるよ、ラーグから貰った資料に載っていたよ。ごく稀に、異界に迷い込んだ人間がある種の力を手に入れる事があるの。それらは大抵の場合、異界の力に魅入られて自らの破滅を招くケースが多いみたい」

 

「つまり現ハンティングのリーダー、ファクトも例外じゃないわね」

 

そう言いアリサが取り出したのは、ファクトが飲み込んだのと同じタブレットだ。

 

「それは……!」

 

「あの人が噛み砕いた、オレンジ色のタブレット……!」

 

「ハンティングが暴力事件を起こした現場で見つかったものよ」

 

「摂取した時の症状を見ると……恐らく、異界に関わる何らかの危険な素材を調合した薬物。異界ドラッグとでも言うべきものだよ」

 

「いっ異界ドラッグ……」

 

「どうやら関わっているどころか真っ黒だったわけだ……」

 

「…………………それだけ分かれば充分だ」

 

ティーダは思いつめた表情になり、立ち去ろうとした。

 

「待って下さい!この上、まだ関わるつもりですか……⁉︎」

 

「ーー昔の仲間が得体の知れないドラッグなんかに関わっている、そんな話しを聞いて逃げたら彼に顔向けできないからね」

 

「え……」

 

「それって……」

 

「教えてくれてありがとう。……恩はいつか返すよ。君達も無理はしないように」

 

ティーダはそう言い残し去って行った。4人は背中が見えなくなるまで見送った後……

 

「やれやれ、頑固っていうか熱血だね〜〜」

 

「気持ちはわかるよ、私達で力になれないかな……」

 

「……どうやら色々と拘っているものもあるみたいね。私達は異界対策課として動きましょう」

 

「ああ、かなり状況も整理できた。明日は、ハンティングの動向も含めて今後の方針を固めよう」

 

「その前に書類整理が残っているわよ」

 

「ええーー!いいじゃないこのまま帰ろうよ〜!」

 

「執務官として有るまじき発言だな」

 

「ふふっ、明日は地球も休日。仮眠室で寝泊まりするしかないね」

 

「そうだな……っとその前に」

 

レンヤはアリサとアリシアを見つめる。

 

「な、なによ……」

 

「レンヤ?」

 

「………うん、大人の2人も綺麗だな。将来結婚する人が羨ましいよ」

 

「なっ……////」

 

「けっ結婚……⁉︎////」

 

「ふふっ、そうかもね」

 

そんな事を話しながら地上本部に戻った。そして変身魔法を解くを忘れて一悶着あったが、家族に連絡した後日付が変わる前に書類整理を終わらせ仮眠室で眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日ーー

 

レンヤ達は疲れた体に鞭を撃ち起き上がる。

 

各自支度を済ませた後、食堂で朝食を取りながら今後の方針を決めた。

 

「モグモグ、ゴックン!まずネット上でハンティング関連の追加情報を確認するよ」

 

アリシアが食べながらディスプレイを展開して説明する。

 

「行儀悪いわよ、アリシア」

 

「まあまあ、細かいことは気にしな〜〜い」

 

「あはは、それでハンティングの追加情報は?」

 

「目ぼしいのはこれくらいかな?」

 

そう言って映し出されたのは、一枚の写真だ。男3人が映っており、左右にいる男性はティーダとファクトだ。

 

「写真の日付は1年半前……解散の噂があった少し前だな」

 

「ティーダさんはあまり風貌が変わっていないわね、それでこっちがファクト……ほぼ別人ね」

 

「当時は特攻隊長としてチームで活躍してたみたい、2人のリーダーにずいぶん心酔していたようだね」

 

「2人のリーダー……1人はティーダさんとして、もう1人の真ん中の人、確か名前は……ルシス」

 

「……そう、関係者として話しを聞いてみたいところだけど。彼についての追加情報は?」

 

「現時点ではナシ。居場所を突き止めるにしてもまだ時間がかかりそう」

 

「そうなんだ……仕方ないね」

 

朝食を食べ終え、食後の紅茶を飲みながら話しを続ける。

 

「さてと、今後の方針だけど。ハンティングがどこの異界からドラッグの材料を手に入れているか突き止める必要がある。そして最終的には、その異界を食い止める必要があるだろう」

 

「まあ当然ね、呑んだ人に化物じみた力を与える異界ドラッグ。今はハンティングだけが使用しているけどもし一般に出回ったら……」

 

「うん、尋常じゃない被害が出るだろうね」

 

「それにドラッグと言えば、別方面も心配だよ。そっちに波及する前に何とかしないと……」

 

「別方面?管理局の本部あたりか?」

 

「あー、そっちもあるけどもっとヤバくて生々しいヤツ」

 

「……なるほど、第三者……ヤクザね。昨日見かけたわ」

 

その時、アリシアのフォーチュンドロップが声をかける。

 

《ハンティング関連の続報が入りました》

 

「ありがとうフォーチュンドロップ、表示して」

 

アリシアは展開された情報を読む。

 

「なになに………なんか、遅かったかも。昨日の深夜、ハンティングがまた事件を起こしたみたい。ヤクザと揉めて病院送りにしたようだね」

 

「ええっ⁉︎」

 

「……確かなのか?」

 

「場所はミッドチルダ東部の娯楽施設の一角……相手は暴力団レイヴンクロウの構成員で全治1ヶ月の重体、これかなりヤバイよ」

 

「いえ……ヤバイどころじゃないわよ。普通に考えても、そこらへんの不良がヤクザに敵うはずないわ……」

 

「けど、異界ドラックがあれば互角以上に渡り合えるね」

 

「しかも、現リーダーが使った人を異界に落とす能力があれば。ただの抗争では済まないな、すぐに現場に向かおう。俺とアリサで向かう、アリシアとすずかはハンティングの情報を集めてくれ」

 

「わかったわ」

 

「うん、任せて。私は人伝で探してみるよ」

 

「了解だよ」

 

こうして、レンヤ達はそれぞれの役割分担のもと動くこととなり。レンヤとアリサは、休日の娯楽施設付近に早速向かった。

 

「……街の空気もどこか緊張しているな」

 

「ええ、休日の昼間だったらもっと賑やかなはずよ。一通り確認してからダンスクラブに向かいましょう」

 

「分かった、例の暴力団の動きも確かめないとな」

 

レンヤ達は調査を開始した、まずは暴力団の事務所に向かった。

 

「あのクソガキども……いったいどこに消えやがった⁉︎レイヴンクロウをナメやがって……見つけたら絶対ただじゃおかねぇ!」

 

「やれやれ、落ち着けや。気持ちは分かるがな」

 

「アニキもすでに動いている。俺らは俺らで火消しの準備を整えとくまでだろう」

 

「チッ……それもそうッスね。楽しみにしてやがれ、ガキども。落とし前は絶対つけてやっからよ……!」

 

そんな物騒な会話をレンヤ達は聞いていた。

 

(レイヴンクロウの事務所か……相当ピリピリしてるみたいだな)

 

(組員が一方的にやられたなんて、彼らにとっては面子に関わる問題よ。本格的に解決しようと動いたらおそらく手段は選ばないでしょうね)

 

(急いだ方がよさそうだな)

 

(他の場所を調べてみましょう、ただその前に……)

 

アリサは前に進みレイヴンクロウの構成員の前に立つ。

 

「ちょっアリーー」

 

「ーーあなた達」

 

「あん、おっ何だアリサ嬢じゃないか」

 

「へっ……?」

 

予想に反した結果にレンヤは呆然とした。

 

「まあね、元気そう……とは言えないみたいだけど」

 

「そうッスね、もしくてアリサ嬢もこの件に?」

 

「ええ、できればこっちも穏便に済ませたいの。あまり暴れない事をお勧めするわ」

 

「アリサ嬢に言われちゃしょうがないな」

 

「ふふっ、この後も調査があるからまた今度」

 

「へい、お嬢もお気をつけて」

 

アリサは呆然とするレンヤを引いて事務所から離れた。

 

「あっアリサ、あれどう言う事?」

 

「知っての通り私が担当しているのはこの東部よ、依頼の中に彼らの要請もあったのよ。それ以来の関係よ」

 

「いやいや、それだけでお嬢やアリサ嬢って呼ばれるか……⁉︎」

 

「彼らのボスとアニキに買われたらしくてね、もし管理局を辞めるならレイヴンクロウの幹部にしてやるってお誘いが来ているのよ。まあ、辞める気はさらさらないけどね」

 

「…………………………」

 

アリサのお姫様気質とは別の印象を受けた、レンヤであった。それから調査を続け、一通り済ませたところでダンスクラブに向かう事にした。

 

「この先ね、一応変身魔法も使っておきましょう」

 

「ああ」

 

レンヤ達はダンスクラブ、タウロスに向かった。

 

タウロスの前ではアルバイトの人が掃除をしている。

 

「くああ〜あ、暇だなあ。昨日はハンティングの連中が朝まで盛り上がってたらしいが……ったく、いつも我が物顔で威張り散らしやがって……」

 

愚痴を言っているアルバイトの人にアリサが声をかける。

 

「ふふ、こんにちは」

 

「こんにちは」

 

(おっ、えらい美人!)

 

アリサの顔を見るなり元気になっている。

 

「すいません、まだ開店前でして……」

 

「私達はこう言う者よ」

 

アリサは管理局員のIDを見せた、写真が違う気がするが。

 

「管理局⁉︎」

 

「ある事件を追っているの、中に入れてもらえないかしら」

 

「はっはい!どうぞ、中には誰もいませんけど」

 

「ありがとう」

 

レンヤ達はダンスクラブに入って行った。

 

「昨日の騒ぎが嘘みたいの静かだな」

 

「のんびりしてられないわ、ハンティングがいた場所を探しましょう」

 

「了解、奥のボックス席だ」

 

奥のボックス席まで行き、ソファーに何もない事を確認してから備え付けのキャビネットを開けた。開けると、ファクトが持っていたのと同じ白い箱とオレンジのタブレットそして……

 

「これは、植物?まさかこれが材料……」

 

「見てみるに、異界に生えている物じゃなくて、植物型グリードの組織の一部ね」

 

「問題はどこで採取したかだ、このダンスクラブに異界はないし、別の場所に俺達の知らないゲートがあるはずだ」

 

「ええ、行きまーー」

 

「ーーやれやれ、本当にあったとはな」

 

精悍な声が後ろから聞こえた。振り向くと、スーツを着た迫力のある男性がいた。

 

「クク、こんなところで会うとはな。一応自己紹介をしておこうか、俺はエイジ・ワシズカという。ミッドチルダ東部、広域指定暴力団レイヴンクロウ。そこで若い連中の取りまとめを任せてもらっているモンだ」

 

「レイヴンクロウの若頭……!」

 

(このオーラも納得だ……)

 

「………そのような方がどうしてこちらに?」

 

アリサが話すと、エイジは驚いた顔でアリサを見る。

 

「おいおいまさかとは思ったが、アリサ嬢じゃないか。えらい美人になって、地球の人間はこうも成長が早いのか?」

 

「はあ、魔法で大人になっているのよ。それでエイジさんもこの薬を調べていたわけね」

 

「……さすがアリサ嬢、お鋭い。最近、ハンティングのガキどもはウチのシマを好き勝手をしていた。挙句にクスリまで手を出したようだから若いモンが警告に向かったんだが……豹変したガキどもにありえない力で返り討ちに遭っちまたらしくてな。ソイツが使われたんだろ?」

 

「はい……これの存在には薄々感づいていたようですね?」

 

「由来についてはサッパリがだな、異界絡みならなおさらか。まったく、馬鹿なことをしてくれたもんだ。シックルやランスターの坊主どもがいた頃には考えられねぇぜ」

 

エイジが思い出すように語る。

 

(ティーダさんのことを知っているのか……じゃあシックルっていうのがーー)

 

「さてと、それでお前ら異界対策課はどうする気だ?」

 

「エイジさんには悪いけど手を引いてもらうわ。もちろん、はいそうですかって納得はしないでしょうけど……」

 

「クク、分かってんじゃねえか。とりあえず俺らはーー」

 

「ーー失礼する」

 

その時、男性の声が聞こえた。入って着たのは中年くらいの男性と二十歳くらいの女性で……

 

「あなたは、レジアス中将!」

 

「オーリス三佐も……!」

 

「こんにちは、神崎陸尉、バニングス陸曹。ワシズカも久しぶりだな」

 

「ハハハ、まさか中将がこんな所に来るとはな。一体どういったご用件で?」

 

オーリスさんが前に出て説明した。

 

「ある程度の事情はこちらでも把握しています。どうか、この場については引いて頂くわけにはいきませんか?」

 

「ふむ…………」

 

エイジは少し考えて。

 

「フッ……いいでしょう。、あなた達の言葉なら。店の外で待ち構えているヤツともやり合うつもりもありませんし」

 

「感謝する」

 

「だが、ウチにもメンツというものがある。ハンティングの連中については落とし前を付ける以外にない……そいつは、分かっていますね?」

 

「もちろん」

 

それで納得したのか、オーラが少し弱まる。

 

「それでは失礼。お嬢達もあんまり跳ね返るなよ?」

 

「ご忠告、感謝するわ」

 

エイジはダンスクラブから出ていった。

 

「はあ……レジアス中将、助かりました」

 

「助かりました、ありがとうございます」

 

「気にしなくていい、ヤツも本気ではなかっただろうからな。しかし、大変なことになったな。ハンティングの暴走に、レイヴンクロウの動き、そして謎のドラッグか……」

 

「もうそんなことまで……中将は、地上はこの件に介入を?」

 

「現時点では、まだです。ただ、ハンティングについては以前から気にはなっていました。前のリーダーの方々とは中将と私自身、個人的な知り合いだったので」

 

その事実にレンヤ達は驚く。

 

「ええっ……⁉︎じゃあティーダさんと⁉︎」

 

「ああ、ヤツは本部の者だが……以前、ちょっとした事件で世話になったんだ。ハンティングの元リーダー……ティーダ・ランスターと、ルシス・シックルの2人がな」

 

ルシスの名前を聞いたレンヤ達。

 

「その名前は……」

 

「さっきの人も言っていた名前だな……中将、そのルシスって人はどこにいるのですか?自分が元いたチームが大変なことになっているのに一体何をして……」

 

その言葉にオーリスは顔を暗くした。

 

「ーーシックルさんは亡くっています。一年半ほど前……とある出来事があって」

 

「え……」

 

「……そうでしたか。つまりそれが、ハンティングが一度解散した理由ですね?」

 

「ええ、そして恐らくそれこそが今回の事件の鍵だと思います」

 

「……私達の立場では今回、これ以上動けん。神崎陸尉、バニングス陸曹、後は頼んだぞ」

 

「「はっ!」」

 

レンヤ達は敬礼をして答える。

 

「私達はこれで、ゼストにもよろしく言っておこう。君は私の恩人なのだから」

 

「はい、お願いします」

 

「それとこれを……」

 

オーリスさんがデータをレゾナンスアークに送ってきた。

 

「こちらで集めたドラッグの情報です」

 

「ありがとうございます」

 

レジアス中将とオーリスさんは軽く礼をして、ダンスクラブから出ていった。

 

アリサはレンヤの方を向き。

 

「レンヤ、あんた何したの?」

 

「昔、どこかの管理外世界でゼストさん、クイントさん、メガーヌさんを助けたのは知っているよな。あの事件どうやらレジアス中将が一枚噛んでいたみたいでね、あの後ゼストさんとレジアス中将が拳で語り合って和解したらしくてね。クイントさん経由でゼストさんに会い、それでレジアス中将にもお礼を言われて、それ以来良くしてもらっているんだ。それと恐らく外にいたのもゼストさんだろう、まったくどちらもただ者じゃないな」

 

「そうだったの……まあいいわ、オーリスさんからもらった情報を見ましょう」

 

「分かった、レゾナンスアーク開いてくれ」

 

《了解》

 

ディスプレイが展開され、ドラッグの情報が映る。

 

「名称はHOUND、猟犬、言い得て妙だな」

 

「そろそろここを出ましょう。異界ドラッグHOUND、その原料が調達されている異界の在り処を突き止めないと」

 

「そうだな、消えてハンティングの連中を見つける必要がありそうだ。できればティーダさんとも連絡が付けばいいんだけど」

 

その後、ダンスクラブから出て。驚きで失神していたアルバイトの人を起こして、事情は聞かれたがごまかしダンスクラブから離れた。

 

 

 


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