魔法少女リリカルなのは 軌跡を探して   作:にこにこみ

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40話

 

 

休んだのか働いたのかよく判らない旅行から数日……

 

リンディさんの宣言通り大々的な発表を執り行われた、いわゆる記者会見みたいなものだ。

 

俺達は目にくるフラッシュに耐えながら、意気込みなどの言った。 だがやはり、聖王である俺が管理局に入るのもいささか問題があったようだ。そこはウイントさんが抑えてくれたようだが、さすがに申し訳なかったので教会側の執務官の資格を取ることにした。 それで教会側も納得してくれた。

 

他の皆も資格を取るみたいだ、アリサは教導官の資格を、すずかはデバイスマスターの資格を、アリシアは管理局側の執務官の資格を取るみたいだ。 俺も暇があったら捜査官の資格も取りたいと思っている。 だが、ここ最近学校にいる機会が少なく勉強の両立は大変だった。 アリサとすずかは余裕そうだが、残りの俺達5人は冗談抜きで死に物狂いで勉強を頑張った。

 

そして、数日後に本格的に活動を開始することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場所は離れ、ミッドチルダ内にある巨大スクリーンで異界対策課の設立の記者会見が映っていた。 歩く人々は足を止め、スクリーンを見つめる。 そこから離れたビルの屋上で白装束が映像を見下ろしていた。

 

「ーー始まったか。しかし真実を知れば、容易く簡単に崩れる」

 

その時、デバイスに着信がありディスプレイを展開する。

 

「クク、なるほど。まあいい……せいぜい足掻くといいだろう。全ては辿り着くため、利用させてもらうのみ……」

 

白装束はビルのを飛び降り、どこかに転移してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月上旬ーー

 

学校はすでに2学期に入った、色んな事を頭に詰め込みすぎてパンクしそうだ。 放課後、俺は机に顔を伏せて休んでいた。

 

「レンヤ君、大丈夫?」

 

「ほらシャッキとしなさい、今日大事な日でしょう」

 

「………俺はそこまで無事でいられるのが不思議なんだが」

 

「そうそう、頭がいいってレベルじゃないよ」

 

今日は異界対策課、最初の活動日だ。 だが活動する前に自分の活動を停止してしまいそうだ。

 

「行くわよ」

 

「ふわああ〜〜、はい」

 

何とか立ち上がりすずかの家に置いてある転移装置で、アースラ経由でミッドチルダに向かった。

 

異界対策課は置いてあるのは地上本部の中の一室にある。かなり優遇されているらしく、4人では使えきれないほど広いし更衣室、会議室、各自のデスクがあるスペースはもちろんのこと仮眠室、浴室、キッチンスペース、応接室、色々と完備されている。明らかに俺達には無用の長物だ。

 

「まあまあの広さね」

 

「うん、でもちょうどいいかな」

 

「お前らの物差しはどれだけデカイんだよ」

 

「十分すぎるよ」

 

各自の感想を言った時、ちょうどゲンヤさんが入ってきた。

 

「来たのかお前ら」

 

「はい、ちょうど今来たところです」

 

「そうか、ならすぐに会議室に来てくれ。そいつらが提案した異界対策課の活動内容を言ってやる」

 

そう言い、ラーグとソエルを指差す。

 

「えっと、制服には着替えないんですか?」

 

「それも含めて説明する、早く来い」

 

言われるがまま、会議室に入り椅子に座る。

 

「始めるぞ、異界対策課の主な活動内容はもちろん異界のことだが、その性質状いつ起きているかがわからない。よって最初の活動はすでにこのミッドチルダに開いているゲートの収束だが、いくらミッドチルダが広いと言ってもお前らだと3日ぐらいで終わっちまうだろ」

 

「まあ、その異界の危険度にもよりますけど……」

 

「俺が探してた時はそこまで脅威ではなかったな」

 

「つまり、3日で異界対策課はやる事が無くなるわけだ。あの霧の事件以来、異界関連の事件はない。しかし小さい事件が無いわけでもない、よってお前達にはそれに対処してもらう」

 

「それって、どういう事ですか?」

 

「私達が説明するよ、ミッドチルダにある異界はざっと50。その異界に迷い込む事もあるんだ」

 

「このミッドチルダに異界が認知された事もあり、可能性もある。思いのこもった物はグリードに好かれやすい、その影響で人も迷い込むわけだ」

 

「分かったけど……それがどう繋がるわけなの?」

 

「ミッドチルダの市民に摩訶不思議な現象があった場合、依頼として異界対策課に要請するわけだ。探し回るより効率的だし、市民の問題も解決する。一石二鳥だろう」

 

「何だか程のいい、なんでも屋ね」

 

「私はいいと思うけど」

 

「送られてくる依頼は大概デマか間違いが多いかもしれないから、そこは俺とソエルが選別して出してやるから安心しろ」

 

「だからお前達は普段は私服での調査が行われる、その方が楽でいいだろうし目立たなくて済む。一応制服は用意しているがな」

 

「………わかりました、市民の安全を第一に考えての管理局ですからね」

 

「そういうことだ」

 

レンヤ達は立ち上がる。

 

「今日から異界対策課、出動開始だ。全員、気合いを入れていくぞ!」

 

「「「「「おおーーーっ!」」」」」

 

こうしてレンヤ達はミッドチルダの異界を対処するために動き出した。

 

ゲンヤの予測通り、3日で現存する異界は収束させ。ゲート付近にサーチャーがつけられ、間違っても入れないようにした。

 

それから市民の依頼を受けている、大抵ハズレばかりだが異界絡みもあったので全部の依頼を無視するわけにはいかなかった。1人1区画を担当しており俺が西部、アリサが東部、すずかが北部、アリシアが南部を担当している。効率よく依頼を解消しないと体が持たないことなんて何度もあった、だがやはり俺達の行動は市民に好評でありほとんどの人と顔見知りになってしまった。西部にはゲンヤさんの家も近いのでよくクイントさんとギンガ、スバルと会う事もある。

 

異界と依頼を解決し、さらに学校の勉強、全員が資格を取得しなくてはいけないので休んでいる暇がなかった。なのは達と一緒に勉強していなかったら本当にやばかった、そんなことを市民の皆が察したのか依頼が減ってきたこともあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目まぐるしく月日は流れて早半年、4月上旬もう中学生になりこの仕事にもようやく慣れてきた所だ。

 

今、全員異界対策課にいる。ここにいる間は全員制服を着ていてアリサは教導官の白い制服、アリシアは執務官の黒い制服、すずかは紺色の制服に白衣、俺は地上の茶色い制服を着ている、見事にばらばらだ。

 

あれから全員無事に資格を取得できたが、皆まだまだ取る気みたいだ。そう言い俺も一応隊長をやっているから中隊指揮官、普通自動車免許も取るつもりでいる。

 

ただ俺とアリシアが執務官試験(俺は聖王教会側だが)を1発合格したのをフェイトが聞いたら、恨まれるような目で見られた。何とかなだめたが。

 

しかも依頼を受けている途中、高ランクの違法魔導師にエンカウントする事がたびたびあり。捕まえているうちに全員階級も上がってしまっている。俺の現在の階級は陸尉になっている、他も名称は違うが陸曹と同じくらいだ。

 

他にもゲンヤさんの紹介で、他の地上部隊とも交流もあり、それなりに仲がよかったりする。

 

「だあああっ!終わらないよ〜〜!」

 

「嘆いていないで手を動かしなさい」

 

「私も手伝ってあげるから、頑張ろうアリシアちゃん」

 

「だからってこれは多すぎだろ」

 

現在は依頼によって発生した、書類の整理や確認に追われていた。デバイス達もフル稼動で手伝ってくれている。

 

「追加入るよ〜〜」

 

「まだまだ増えるかもな」

 

ソエルとラーグがまた書類の山を持ってきた。

 

「うっそ〜〜〜……」

 

「さすがにこれは……」

 

「さっさと終わらせるわよ」

 

「お茶を入れてくるね」

 

それから2時間後ーーー

 

「おっ終ったーーー!」

 

何とか書類を片付けた。

 

「ふう……終わった」

 

「なのは達以上じゃね、これ」

 

「1つの部隊だからね」

 

沈んでいく太陽を見ながらそう言う。

 

「活動を開始して早半年、小さい事件はあったがエルダーグリードが出る事件はなかったな」

 

「もう本当に何でも屋になりかけているわね」

 

「それはそれで良いことだよ」

 

「そうそう、平和が一番だよ」

 

「そうだな、しかしもう4月か……」

 

「それがどうかしたのよ?」

 

「あんまり考えていると老けるよ」

 

「レンヤじっちゃん、ぷっ!」

 

「うるさい、白黒まんじゅう」

 

「ふふっ、でも確かに何か起きそうだよね」

 

「やめてよ〜演技でもない事をーーー」

 

その時、俺のデスクにある電話が鳴り始めた。

 

「……不吉だね」

 

「不吉ね」

 

「不吉な予感だね」

 

俺は無視して電話に出た。

 

「こちら異界対策課です」

 

『異界対策課に依頼を要請したいかたがいらっしゃっていますが、どうなさいますか?』

 

「問題ありません、通して下さい」

 

そして電話を切る。

 

その後すぐに応接室かに来たのは、小学1,2年生くらいで茶髪の髪の少年だった。

 

「俺は異界対策課、隊長の神崎 蓮也だ」

 

「ぼ、僕はソーマ・アルセイフです」

 

「それでソーマ君、何をお願いしたいの?」

 

「はっはい!最近怖いお兄さん達が管理局の人達とケンカをしているんだけど、怖いお兄さん達が何かを飲むとすごく強くなって管理局の人を倒しちゃったのを見たの……」

 

嫌なことを思い出したのか、顔を暗くする。

 

「すずか」

 

「うん、昨日東部の娯楽施設で管理局員が暴力集団に怪我を負わされたみたいだね」

 

「何かを飲むってことは、薬か何かね」

 

「異界との関連性はないから異界対策課に情報は来なかったみたいだね」

 

話しを聞き、俺はソーマ君を見る。

 

「ソーマ君も知っていると思うけど、俺達は異界に関しての依頼しか受けないんだ。ソーマ君は何でこれが異界に関係すると思ったんだい?」

 

「それは……何かを飲み込んだ後のお兄さん達の目が真っ赤だったんだ!だから……」

 

よほど怖かったのか、声を小さくなっていく。

 

「……可能性は否定できないわね」

 

「うん、放っては置けないよ」

 

「そうか、ソーマ君の依頼、異界対策課が受けるよ。だから安心してくれよ」

 

「うっうん!ありがとう、お兄ちゃん!」

 

私服に着替えてから、ゲンヤさんに一声かけてから出発した。

 

その後、ソーマ君を家まで送り届け。そのまま東部の娯楽施設に向かう。

 

「結構広いね」

 

「手分けして探そう」

 

「何かわかったらすぐに連絡するのよ」

 

それから調査を開始した。俺達はそれなりに有名人なので認識阻害の魔法を使う事にしている。

 

あちら有名人なようですぐに名前と居場所はあっさり分かった。

 

「集団の名前はハンティング、狩猟とはよく言ったものだわ」

 

「この辺りのダンスクラブにいる事が確認されているよ」

 

「ここからちょっと進んだタウロスって言う所だよ」

 

「でもダンスクラブよ、いくら認識阻害の魔法を使っても子どもだとばれるわよ」

 

「ふっふっふーー、シグナムを倒すためにユーノに教えてもらった魔法が役に立つ時が来たな」

 

俺の下に魔法陣を展開して光に包まれた後、出てきた俺の姿が変わる。

 

「うん、上手くいった」

 

体を見下ろし、視線が高くなった事を感じる。

 

今の俺の姿は二十代前半くらいだ。

 

「れっレンヤ、それは……何?」

 

「シグナムに勝てない理由の一つがリーチの無さでね。それであの人間からフェレットに変身していたユーノに変身魔法を教えてもらったんだ。今でも質量保存の法則無視しているのが不思議だけど」

 

手乗りサイズからどうやって人間になるのか今でも不思議だ。

 

「「「…………………//////」」」(ポー)

 

「皆?」

 

顔を赤くして固まっている。

 

「なっ何でもないわよ!///」

 

(凄くカッコイイじゃないの///)

 

「うっうん、そうだよ///」

 

(大人レンヤ君、恥ずかしくて顔が見られないよ〜〜///)

 

「そっそれで、1人で行くわけじゃないよね///」

 

(いつかあのレンヤと、一緒に///)

 

「?まあいいか、4人じゃ目立つから誰か1人に同じ魔法を教えて俺とーー」

 

「「「はいはいはい!私に教えてレンヤ(君)!」」」

 

おおう、すごい剣幕。

 

「えっと、とりあえずジャンケンで決めて」

 

3人の目から火花が飛び散る幻覚を見てしまった。

 

「恨みっこなしよ……!」

 

「絶対に負けない……!」

 

「レンヤと一緒に行くのは私……!」

 

「「「最初はグー、ジャンケンーーポンっ!」」」

 

それから何回もあいこがあり、そして決まったのが……

 

「いっやったーーー!」

 

すずかが勝った、他の2人は膝をついて項垂れている。

 

それから変身魔法を教えた、やはりすずかは飲み込みもよくすぐに覚えた。一応他の2人も聞いていたみたいだが。

 

すずかは同じように魔法を発動させ、光の包まれ姿が変わる。

 

「これが、私?」

 

大人すずかは子どもの時の面影を残しつつ、大人の雰囲気を纏っていた。そして1番分かりやすいのが……

 

「おっ大きい……」

 

「スイカ?メロン?」

 

胸が服越しでも分かりやすいほど大きいのだ、はやての話しだと今も順調に大きくなっているらしい。

 

「レンヤ君、どうかな変じゃないかな?」

 

「あっああ、いいと思うぞ綺麗だよすずか」

 

「あっありがとう……////」

 

「コホン!私達はバックアップに回るわ、頼むわよレンヤ」

 

「無理しないでね」

 

それからすずかとダンスクラブ、タウロスに向かった。

 

「あれだな」

 

タウロスと書かれた看板の隣に扉があり、何人かの人が入っていった。

 

「今入っていった人の服装……ハンティングに間違えないよ」

 

「よし、入ろうか」

 

「うん!」

 

そう言いすずかは俺の腕に自分の腕を絡めてくる。

 

ムニュッ

 

(うっ……)

 

今で感じた事のない柔らかい感触、腕を絡められたことは何度もあるがこの感触は今でなかったわけで……

 

「あっあの、すずか?」

 

「こうした方が目立たなくていいんだよ♪」

 

「そっそうか……」

 

レンヤ達はハンティングが集まるダンスクラブ、タウロスに足を踏み入れた。

 

中はダンスクラブよろしく、騒がしかった。

 

「さすがは大人のお店だな」

 

「緊張するよ……」

 

すずか、そう言って腕に力を入れるな。

 

俺は辺りを見渡し、奥の席にハンティングが集結している場所を見つけた。

 

「……奥に近付かないように、従業員や客にそれとなく話しを聞いていこう。ハンティングが異界に関わっているかを確認する」

 

「……了解だよ」

 

ハンティングに極力目立たないように、ダンスクラブを回りつつ話しを聞いていく。

 

「……集められる情報はこんな感じでいいだろう、異界絡みかどうかは正直わからないが……リーダーのファクトってヤツが何か握っていそうだな」

 

「他にも気になる話しも聞けたね、例のアレって言うのがソーマ君の言っていた薬かもね。そろそろ切り上げよう、アリサちゃん達と合流しないと」

 

出口に向かおうと振り向いたら、人とぶつかってしまう。

 

「っと………すみません」

 

「チッ、気を付けろよ」

 

「全く何を………あん?」

 

もう片方の男がすずかを見る。しかもハンティングのメンバーだ。

 

「いい女連れているじゃんか、詫びとして置いてけや」

 

「おっいいねいいね〜〜」

 

(やっべ………)

 

「おい、何の騒ぎだ」

 

他のハンティングも集まって、囲まれてしまう。

 

「お姉さん、俺達とこないか?」

 

「お相手をしてもらおうかなぁ?」

 

「………………………」

 

(まずいな、ここで騒ぎを起こすわけには………)

 

そう考えていると、すずか一歩前に出た。

 

「ーーすみませんが、道を開けて頂けますか?」

 

「………あ?」

 

「オイオイお姉さん、誰に口を利いてーー」

 

「……あんまり私を怒らせないで。もう一度言うよ……道を、開けなさい」

 

うっ、すずか本気で怒っているよ。吸血鬼の力が出ているよ。

 

「なっ何だこいつ………?」

 

「ナメんじゃねえよ!」

 

「……すずか、落ち着け。ここは俺がーー」

 

その時、辺りが騒がしくなり始めた。

 

「あっあんたは………」

 

「ああっ?」

 

「何をいきなりザワついてーー」

 

2人は振り返ると、オレンジの髪をした男性が入ってきた。

 

「お邪魔するよ」

 

「あなたは……」

 

「あの時の……」

 

「……少々面倒な場面に出くわしたみたいだね」

 

男性が近付くと2人は一歩下がる、辺りを見渡すとため息をつく。

 

「やれやれ……ファクトはいないらしいな。まあいいか貴方達、着いてきて下さい」

 

「えっ……」

 

「まっ待ちやがれ!」

 

「勝手に出てきて抜かしてんじゃーー」

 

男性は雰囲気をまるで別人に変え……

 

「なんだ、文句あるのか?」

 

その鋭く大きな剣幕に2人はたじろぐ、男性は元に戻り。

 

「さあ、行きましょうか」

 

「はっはい……」

 

「……失礼しました」

 

男性についていき、俺達はダンスクラブから出て行く事が出来た。

 

出た後、すぐに立ち止まった。

 

「大丈夫かい?怪我は無いようだけど」

 

「はい、ありがとうございます」

 

「あなたは一体……」

 

「ああそうだね、僕はティーダ・ランスター。首都航空隊所属、階級は一等空尉だよ」

 

「管理局員でしたか、ティーダさんもこの事件を追っているのですか?」

 

「……それを知っていると言うことは、随分と危険な真似をしてくれたようだね。彼女に何かあったらどうする気だい?」

 

怒っていないのに凄い迫力……

 

「ごめんなさい!私達はこう言う者です!」

 

すずかが局員証明のIDを見せて、つられるように俺も提示した。

 

「管理局員⁉︎それに異界対策課⁉︎でも確か子どもだけだった気が……」

 

「変身魔法で大人になっているのです、この件は異界が関わっている可能性があります。ティーダさんは手を引いてもらいますか?」

 

「それは……できない相談だ。これは僕のケジメでもあるんだ」

 

「ハンティングと何か因縁でも?」

 

「君達には関係ない、この件は僕に任せてくれないか。必ず何とかーー」

 

「できるのかな、ティーダさん」

 

ティーダさんの言葉を遮るように、嘲笑う声が聞こえてきた。

 

こちらに向かって、凄い髪色と髪型をした男性が来た

 

「久しぶりだねーティーダさん。最近、何やら色々と嗅ぎ回っているみてえだが……オレのハンティングに何か用でもあんのかよ?」

 

「……………ファクト」

 

(この人がハンティングのリーダー)

 

(何だか不気味な雰囲気を感じるよ)

 

「用ならあるさ」

 

ティーダさんはファクトに近付く。

 

「一体君達は……ハンティングは何をやっている?今更狩る物も無いのに、答えろファクト!どういうつもりだ⁉︎」

 

ティーダさんが本性剥き出し怒っている、そうとう因縁があるみたいだ。

 

「今更管理局の犬に成り下がったアンタには関係ねえよ!」

 

そう言い取り出したのは、白い箱に入ったオレンジ色のタブレットだ。

 

「……⁉︎」

 

「タブレット……?」

 

「まさかそれが……!」

 

「せっかくだからアンタに見せてやるよ、新生ハンティングの炎をなぁ!」

 

ファクトはタブレットを飲み込んだ瞬間、目が赤く変わり体から赤いオーラが出てきた。

 

「ヒャハハハハハ!」

 

「この力、確定だな」

 

「うん、確実に異界が関わっている」

 

ファクトがティーダさんに手を向けたら、いきなりティーダさんの後ろにゲートが開き始めた。

 

「‼︎なっ……⁉︎」

 

ティーダさんは完全に開かれたゲートに埋まり、動けなくなっていた。

 

「無事に帰ってきたら話しくらいは聞いてやるよ。そんじゃあ、お疲れ様です」

 

「ぐっ……⁉︎」

 

ティーダさんはそのままゲートに吸い込まれていった。

 

「ククククク……ヒャーハッハッハッ!じゃあな、ティーダさんよお!」

 

ファクトはオーラを収め、俺達を無視してダンスクラブに入っていった。

 

「くそ、ティーダさんを放ってはおけない!」

 

「あの人は後、急ごう!」

 

ゲートに突入しようとしたら……

 

「ーーレンヤ!」

 

アリサとアリシアが来た、大人モードで。

 

「アリサ、アリシア、いいところに……何で大人モード?」

 

「こんな時間に子どもがいるのは目立つのよ」

 

「ナンパされちゃったけど……」

 

「皆、話しは後で。とにかく突入するよ!」

 

レンヤ達はティーダさんを助けるため、ゲートに突入した。

 

 


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